1. 非情の罠
映画監督としての経験不足からくるものだと思うが、全体的に不必要な場面が多いというか…本当にその場所で事が起こる必然性があるのか?といったシーンが多い(マネキン工場なぞ特にそう感じた)。また、ボクシング等アクションはなかなかの迫力だが、少々粗さが目立ち、個人的に評価の高いSF三部作のようなキレがない。しかし、さすがはカメラマン出身だけあって、画面の構図一つ一つに「こだわり」が感じられる。光と影のコントラストや鏡の使い方なんかが特に。 6点(2004-12-20 18:33:55) |
2. ローマの休日
まさかコメディだとは思わなかった。しかも結構笑える。そしてオードリー・ヘップバーンは最高にキュート。日本でもっとも有名なモノクロ映画ではないだろうか。 9点(2004-12-01 22:04:44) |
3. 東京物語
今まで見た映画の中でもとびきり分かりやすいシャシンだった。自然と物語に入り込むことができ、終始画面に釘付けだった。これは日本人による日本人のための日本人の映画だ。日本人に生まれて本当に良かった。生涯独身を貫いた小津監督によくこういう映画が撮れたなと思う。また、カメラがまったく動かない構図、そしてローポジションと、僕が大好きな黒澤映画とはまるでベクトルが違う。黒澤映画が幼稚に思えるほど大人びたシャシンである。大人と少年。静と動。あらゆる意味で黒澤監督とは対極をなす監督・小津安二郎。いかにも日本的なお茶漬サラサラ映画も捨てたもんじゃない。 [映画館(字幕)] 10点(2004-12-01 17:30:07) |
4. ベン・ハー(1959)
《ネタバレ》 いかにも米アカデミー賞が好みそうな映画。11部門制覇もうなずける。まさに大作。セットや衣装などが細部まで丁寧に作られていて、ストーリーも時間をかけてゆっくりと展開する。また馬車によるレースシーンには、近年の何でもCGに頼ろうとする映画にはない生の迫力がある。ガレー船のシーンも印象的。芸術作品としても娯楽作品としても楽しめる。全編通してキリストが絡んでくるので、クリスチャンでないと意味や意図が分からないシーンがあるかもしれない。ただ、キリストの顔を決して見せない演出は巧いと思った。最後に一言言いたいのが、馬車によるレースシーン…。どこかで見たような気がすると思ったら、某星戦争/第1章の某レースとそっくり。もちろんどちらがパクったかは制作された年代を見れば一目瞭然。 8点(2004-06-14 22:53:02) |
5. 七人の侍
こんなに面白い映画が半世紀も前の日本で作られていたという事実にただただ驚くばかり。三船敏郎のキャラが最高。最近の意味もなくCGを多用する映画がアホらしくなってくる。娯楽映画であるにも関わらず、心に残る言葉が多いという点も見逃せない。 10点(2004-02-05 16:33:14)(良:1票) |