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コメント数 6
性別 男性

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1.  ボウリング・フォー・コロンバイン
実際の事件を題材にした、アメリカ銃社会暴露もの。案の定、マフィアとユダヤが1カットたりとも登場しない安全圏レポートに終始。中国と朝鮮半島をアンタッチャブル扱いする、わが国のテレビメディアと同じだ。だから、「バイオレンスシーン抜きでは視聴率が取れない」でマスコミへの追及をあっさり打ち切ってしまう。この映画を報道として見るならば、その価値はほぼゼロに近い。■ジャーナリズムに失望することほど打ちのめされることは他にない。上司や公務員や政治家が「その人の話はカンベンして」と懇願してもそれは仕方がないと諦めがつくが、研究者とジャーナリストは、よく知らない対象のことでない限り、絶対に口をつぐんではならない仕事なのではないのか。本来ならばマスコミ業界とは、どんな公職や業界よりも抜きんでて殉職率の高い業種でなければならないのである。彼らには、マイクやメモ帳をかざす前に、取ってる高給で身内全員を用心棒で固めてから仕事しろよと言いたい。そして装備を徐々に機械化し、やがてジャッジドレッドのような全く新しい映画(ごめんちょっと鼻血が出た)■ところで、最後に登場するチャールトンヘストンだが、ひょっとしたら彼は、台詞を与えられてこの作品に出演したのではなかろうか。「人種問題のせい」の言及は、ヘストンの立場を考えるとあまりに致命的だ。ところが、この一言とそれをすぐ言葉を濁して撤回した老人の姿に、マイケルムーアはどうだか知らないが私たちは深い敬意を払って、映画を見終えることができる。結局の正解が人種問題にあるという意味ではもちろんない。私たちの誰もが抱く不信感の、根深いけれど揺らぎをたたえた実像と、ものごとを話し合いで解決することへの私たちの期待の根拠が、あのヘストンの姿にこそ表れていた。
7点(2004-09-17 22:55:33)
2.  突入せよ! あさま山荘事件
久々におもしろい邦画を見た。脚本・監督の原田眞人という人は、カットの切り方が本当に巧い。このショットは何秒見せれば観客に伝わるということがよく分かっている。「金融腐食列島[呪縛]」では、その精緻な演出にストーリーが伴っていなかったが、この「あさま山荘」は実話の力を借りて、見ごたえのある力作に仕上げてみせた。■カットの巧さは、犯人側の描き方に顕著だ。作中、犯人の全身像は3度しか現れない。異様に正確な狙撃弾だけで意思表示をする彼らだが、本編終盤で再び姿を現す。それは、外気を吸おうと崖側の窓を開けて現れた、まるで高校生のような少年である。山荘攻略の苦闘をたっぷり見せつけられた後のこの一幕には愕然とする。そして何よりも、連行の時にほんの一瞬画面をかすめ通る犯人の眼光。ここのカットの破格の短さは凄いとしか言いようがない。■強烈な印象を残す犯人側に比べていかにも無統率の警察側は、最近の日本映画に馴染みの鷹揚さで描かれ、安心して見ていられる。また、若い警官同士が拳を突き合わせて挨拶を交わすシーンのような、階級間の敬語やフランクさの按配の付け方がいかにも30年後の若い監督のメガホンによるドラマ化作の趣で、これもこれでなかなかいい。戦後四半世紀を経た日本の庶民意識を象徴させられ、ずいぶんアホな姿に描かれてしまった地方県警は気の毒ではあるが、マスコミを更にクズ扱いしていることで勘弁してほしい。「だったらあんたが志願するしかないよ」と詰め寄られた時の県機隊長氏の心境は、画面から十分伝わってきた。■唯一、ファランドール踊りだけは差し替えてほしいと思った。一杯一杯の主人公のこういう仕草は日本映画で何度となく見かけるものだ。
8点(2004-02-10 19:49:00)
3.  ブラックホーク・ダウン
配役の区別がつけにくく、もう1度見ろと言われると正直辛い。ソマリア派兵の政治的経緯をもっと映像化して盛り込まないと、アメリカ以外の国では映画化の意味がよく分からないだろう。それでも必見。いかに最先端の軍事技術を駆使しても最前線の状況は、西部戦線やベトナムの時代から少しも進歩していないことが分かる。国連=アメリカがかつて乗り出した理想の正体がここにある。野蛮人の集団に引き回される殉職兵士の映像がきっかけで全軍撤退となったにしても、私はジェノサイドが公然化するアフリカ国家なんかよりもアメリカを支持する。ゾンビ扱いされたくなければ真っ当に民主化すべきなのだ。
9点(2003-07-20 18:54:13)
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