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1.  メゾン・ド・ヒミコ 《ネタバレ》 
部分部分は上手に作られているし、オダギリ ジョーははまり役でしごく素敵でしたが、全体としては、うーん・・・。ゆるく自由に作っているのはいい感じだし、「めぞん一刻」的にいろいろな人たちを見せたい、という意図もあったと思いますが、さすがにちょっと詰め込みすぎではなかったかなぁ。せっかくの設定が十分に活かされていないように思えました。いろいろなエピソードが、ヒミコとその死を中心としてもう少し相互に絡まってくると、もっとジンワリできたのではないかと。ラストは結局、少女のブレイクスルーの物語、になってしまったみたいで、それだったら、「ジョゼ」や「花とアリス」、「ロスト・イン・トランスレーション」のほうがよかったなぁ。エンドロールの「母が教え給いし歌」にちょっとだけ泣けました。
[映画館(字幕)] 6点(2005-10-01 15:26:11)
2.  エレニの旅
ただただひたすらに悲しい映画でした。凝縮された乾いた悲しみに圧倒され、打ちのめされて、何も言えません。さすがはギリシャ悲劇の国。まいりました。
[映画館(字幕)] 10点(2005-06-05 19:36:27)
3.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
残念ながらほとんど何も感動できませんでした。邪推するに、アメリカでヒットさせたいという思いが、とても裏目に出ている感じです。いっそのこと、スター・ウォーズやハリー・ポッターの向こうを張って、「ハウルの動く城、全7作」とかにすればよかったかも。1.ハウル魔法学校に入るの巻、2.ハウル悪魔と契約して城を手に入れるの巻、3.ハウル荒れ地の魔女と出会うの巻、4.ハウルソフィーと出会うの巻、5.ソフィー魔女に呪いをかけられるの巻、6.ハウル年とったソフィーと出会うの巻、7.すべての呪いは解かれるの巻、とかではどうでしょうか。
2点(2005-02-07 00:38:19)
4.  ロスト・イン・トランスレーション 《ネタバレ》 
日常に孤独と虚無を感じている主人公二人が、不思議の国=すべてがナンセンスに見える場所で出会い、不思議の国を彷徨いながらお互いの孤独と虚無を認め合い、抱き合って別れる。おかしくて、切ない。観ている間はたくさん笑い、ラストシーンでは、少しほろ苦いけど心暖まるような気分になり、映画館の外に出たときには、見慣れたいつもの風景が異国に見えた。良い映画だと思います。
7点(2004-05-26 23:55:34)
5.  コールド マウンテン 《ネタバレ》 
純愛映画というよりは、女性原理を高らかに謳いあげたお伽噺。森の中の魔法使いのおばあさんも出てくる。そう思って観れば、丁寧に作られているし、絵も音楽も美しい。一編の、少し残酷だけれどもよくできた絵本を読んでもらったときのような、ちょっと幸せな気分になれました。
6点(2004-05-18 22:15:22)
6.  イン・ザ・カット
アメリカの、さらには人間のやさぐれ具合がよく描かれていたと思います。でも、多くの方が書かれているように、下手にサスペンス仕立てなどにしないほうがよかったのではないかなぁ。不協和音で伴奏されたケ・セラ・セラが気持ち悪る良かったり、あの変なねずみみたいなおもちゃが欲しくなったり、という具合に、ディテールは不思議と印象に残りました。
6点(2004-04-26 22:13:29)
7.  きょうのできごと a day on the planet
あまりに「ドラマ」が無いので、物足りない感じもしたんですが、でも、これで映画になっているというのはすごい、とも思えて、うまく言えないのですが、結構幸せな気分で映画館を出ました。出演者もそれぞれいい味出していると思います。
8点(2004-04-26 22:05:56)
8.  ドッグヴィル 《ネタバレ》 
トリアー監督の作品は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」しか観ていませんが、この映画もまた、人間の弱さ、愚かさ、醜さを観るものに突きつける作品。小劇場の演劇のようなミニマルなセット、ミニマルな音楽は、作品の象徴性を高めるとともに、豪華なセットやCG、エモーショナルな音楽の洪水の中で忘れられがちな映画の本質を取り戻すためにとても有効だったと思う。テンポよく進んでゆくストーリーとあわせて、3時間弱がまったく長く感じられなかった。セルマがすべての弱さをひきうけた前作に比べると、ブレヒトの演劇の中の歌を下敷きにしたという今回のラストは、感情移入しやすかったが、それに感情移入して喜んでしまう自分が怖い、という意味では、前作よりさらに救いが無い。しかし、こういう映画が、アメリカの俳優も含めて協力しあって作られた、ということは、人間はやはり素晴らしい、と思わせてくれる。ニコール・キッドマンはもの凄く美しくて格好よく、エンディングのヤング・アメリカンもぴったり。良い悪いは別として、スタッフの豪華さも含めて、より「巨匠的」になっている感じがしました。しかし、どうして私はこういう映画が好きなんだろう・・・
9点(2004-04-17 09:10:37)
9.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
サディスティックなまでに人間の弱さ、愚かさ、醜さを観るものに突きつける作品。それをミュージカル仕立てで作る、というアイデアは「悪魔的」と言う他はない。そして、歌姫ビョークを得たミュージカルのシーンは、これまでに観たどんなミュージカルよりも圧倒的で印象的だ。そのビョークが演じるセルマが、すべてを引き受けて殉じる、衝撃のラスト。ビョークを使うのなら、別の終わり方にして欲しかった。身体的にも精神的にも後味はものすごく悪い。でも、傑作と言わざるを得ない。
9点(2004-04-17 08:56:54)
10.  トーク・トゥ・ハー
ストーカーを礼賛するわけではないですが、私には、とてもかっこよくて素敵な映画でした。これだけ嫌悪感を催しそうな哀しくて強烈なテーマを、これだけ静かにきれいで感動的に描けるという、作り手の人間や映画への愛情(というと陳腐ですが)がすごいと思いました。映画中で引用されているダンスや歌も素敵だったです。
8点(2004-03-14 18:09:42)
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