1. アポロ13
およそ20年ぶりの鑑賞。登場人物たちがそれぞれ魅力的で素晴らしかった。昔も感動したが、今観てもやっぱり感動した。宇宙に行けなかったパイロットが活躍するのカッコ良すぎ。しかし、20年も前の特撮やCGを駆使した映画となると、今観ても映像が古くないかとか、現代のCGと遜色ないかとか、そういう減点方式みたいな評価をしがちになってしまって、我ながらさもしいような気持ちになってしまった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-04 19:54:05) |
2. シックス・センス
《ネタバレ》 もう何回も観ているのに、BSでやってたのでまた観てしまい、そしてまた号泣させられた。作中に仕掛けられたトリックばかりが注目されるが、実際にはこれは心を通わせることによって魂を救済する物語だ。終盤、自分の使命に気づき、受け入れ、一回り成長したオスメント君は、クラスの演劇で見事に主役を張る。それまで常に眉間にしわを寄せて不安な表情だったオスメント君が、初めて子供らしい無邪気な笑顔を見せる感動の場面だが、客席に母親の姿は無い。ラストの車内のシーンで、母親はハンドルを握りながら、オスメント君の顔も見ないで、「発表見に行けなくてわるかったわね、忙しくてね」などと素っ気なく言う。一見冷たそうに見えるが、ここまで映画を見てきたぼくらは、この母親は、実は、とっても良い母親だとわかっている。このシーンの母親の演技、演出はすごいと思う。オスメント君もそんな母親のことが分かっていて、自分の秘密を告白しようと決心する。この世に思いを残して亡くなった者が、救いを求めてオスメント君に取り憑くわけだが、おばあちゃんがオスメント君に取り憑いた理由は、娘(つまりオスメント君のお母さん)と心を通じ合わせることができなかったから。最後、オスメント君から、自分がおばあちゃんからどんなに愛されていたかを知った母親が、無防備な子供のような表情になるシーン、あそこで必ず号泣させられてしまうのだけど、あの場面では、お母さん、おばあちゃん、オスメント君、それぞれの魂が同時に救済される、映画史上屈指の感動的なシーンだと思う。。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2024-06-18 17:24:16) |
3. シンドラーのリスト
素晴らしい作品だと思いました。特にシンドラーを俗っぽい人物として描いているところに深みを感じさせられた。しかしながら、これはスピルバーグの良いところでもあるのだけど、作為的というか映画的というか、演出上とても作り込まれた絵面がリアリティを損なっていて、作品にのめり込む妨げになってしまったのが残念だった。例えば、カメラをゆっくりパンしていくと、パンした先に違う役者がスタンバっていて、次のシーンにスムーズに切り替わっていくみたいな。作為に気付かされると、ついつい演出の作法を鑑賞するモードになってしまうというか。リアリズムに徹すると、見るのが本当にツラい映画になってしまうのだろうけど。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-16 22:37:33) |
4. ゴッドファーザー PART Ⅲ
《ネタバレ》 独特のセピアがかった色調、ニーノ・ロータのテーマ音楽、そして懐かしい登場人物たち…、映画が始まった瞬間から、そうそう、この世界観よ!と感動したのも束の間、あれっ?マイケルってこんなだったっけ?…結局、最後までその違和感が拭いきれないままでした。いっそデニーロにでもマイケル役を演じてもらった方がしっくり来たんじゃないか。またマイケルの娘役もなんだかなあって思ってたら、後から分かったけど監督の娘さんだそうで…。アンディ・ガルシアは良かったし、ダイアン・キートンやタリア・シャイアなど懐かしい俳優陣も素晴らしかったが、マイケルと娘役のミスマッチのせいでかなり評価が落ちてしまったような。終盤の、オペラと殺人が同時進行して現実がオペラの悲劇をなぞってしまうというあたりの演出は素晴らしいと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-04-03 09:33:08) |
5. スター・ウォーズ<特別篇>
小学生の子供と共に、30年ぶりに鑑賞。結構ディテールまで覚えてました。新たに付け加えられたシーンはすぐにわかったけど、正直不要だと思った。変に手を加えるより昔のままが良かったな。特撮やセットは昔のままで十分素晴らしかったが、むしろ演技や演出の方にリアリティがないというか、今見ると古さを感じた。子供もそれなりに楽しんでましたが、中盤ちょっとダレてた。C3POとR2D2のやり取りにはケラケラ笑ってましたよ。子供は結構笑いながら観てて、あっ、これって意外とコミカルな作品だったんだ、というのが発見だった。 [DVD(吹替)] 7点(2022-02-24 22:05:33) |
6. 羊たちの沈黙
《ネタバレ》 およそ30年ぶりに鑑賞。前に見た時よりむしろ面白く感じた。昔より怖いモノへの耐性が出来た分、ストーリーや演技に没入できたからかな。全編にみなぎる緊張感がイイ。そしてやっぱりレクター博士の造形が素晴らしい。犯人でも探偵でもあるというね。とんでもなく嫌なやつなのに魅力を感じてしまう矛盾。ラストシーンで、さあアイツを食っちまえよ!って思っちゃいませんでした? 怖い怖い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-11-02 16:40:11) |
7. ノッティングヒルの恋人
《ネタバレ》 古い友人がこの映画好きでね。個人的には恋愛映画なんか興味ないし見たくもないんだけど、その友人がしばしば話題にするので、BSで放送されたのを機に観てみようかと。オープニングはイイ感じで、おお、お洒落じゃんと感心してたら、序盤でジュリアロバーツがいきなりキスしてきところで、もう、ウゲッとなって、一旦レコーダーの電源を落とした。あまりの馬鹿馬鹿しさに耐えられなくて。日を改めて再び見始め、なんとか頑張って最後まで観て、妹の誕生会のシーンなどちょっと良いシーンもあったけど、とにかくこういうの苦手です。ジュリア・ロバーツが痴女か変態にしか見えなくて、魅力を感じなかった。良いところをあげるなら、ノッティングヒルの街並みやお店や建物の中の感じなどはとても良かった。ちなみにこの映画が好きな古い友人は、毒舌のパワフル姉ちゃんなんだけど、こういうのが好きだったんだと、ちょっと見る目が変わっちゃったな。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-10-01 13:52:44) |
8. バットマン・フォーエヴァー
前作には強烈な作家性を感じたが、本作は良くも悪くも普通の映画になってしまったという感じ。個人的にはイビツで悪臭を放つ前作の方に惹かれてしまいます。ニコール・キッドマンの美しさとジム・キャリーの芸達者さが際立つ。あと老執事も良かった。それ以外はあんまり印象に残らなかったなあ。あと前作まで音楽を担当したダニー・エルフマンの偉大さを思い知らされました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-30 00:55:42) |
9. バットマン リターンズ
おそろしく趣味的な作品。前作以上に下品の方向に振り切れている。製作者の心の闇が滲み出ている感じもする。こんな作品なのに名優たちが熱演してくれているのは、やっぱり前作のジャック・ニコルソンに負けじと頑張ったんでしょうね。ほぼ素顔のクリストファー・ウォーケンが一番不気味というか漫画っぽくて笑ってしまう。とても下品な作品だが、ダニー・エルフマンのオーケストラが作品の格を数段上げている。っていうか音楽のおかげでだいぶ間がもっており品格もギリギリ落とさずに済んでいる。個人的には嫌いではないが、高得点はつけられない作品。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-08-22 08:59:47) |
10. ギルバート・グレイプ
地味な映画かなあと思いながら観てましたが、中盤からなんだか無性に泣けて来て、終盤の大きなイベントのシーンではカタルシスを感じながら号泣してました。どうして泣いてしまったのか、私の文章力ではうまく表現できませんが、心の奥にある感情を揺さぶる作品であることは間違いない。主人公の心の成長が上手く描けていると思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-13 13:46:00) |
11. 平成狸合戦ぽんぽこ
小学生の娘と一緒に鑑賞。娘は、すごく面白かったと言っていたし、確かに笑ったりしながら最後までしっかり集中して観ていた。しかし私は、昔一度見たはずなのに、妖怪大作戦以降の展開をほとんど覚えていなかったことに我ながらびっくり。この歳で見れば、メッセージ性や、古典、名画からの引用、下ネタなど、様々なことが分かるし、丁寧に作られた作品であることはよくわかるが、バランスが悪いというか、特に後半とてもダレてしまっていると思った。おそらく前回観たとき後半ウトウトしてしまっていたんだろうが、今回もまたウトウトしかけたところ、娘に起こされるような有様であった。だからと言って、駄作かと言われると、そうではないと言いたくなるのは、ジブリブランドの力ゆえか、何か説明できない魅力をどこかで感じているからなのか、うーん、うまく説明できませんが。 [地上波(邦画)] 4点(2019-06-02 15:37:20) |
12. 夢(1990)
なんじゃこりゃ!?冗談なんだか何だか。狐こっち見んな!とか、トンネルから出てくるアレとか、雪山のアレとか、いかりや長介のアレとか、とにかく画面に対してツッコミが止まらない。しかしツマランとか、観て損したとまでは思わなかったのは、映像としては力があったためか、あるいは世界のクロサワというブランドに判断力を惑わされたのか。それにしても晩年にこんな映画を撮らせてもらえるなんて、ホンマ幸せですなあ。 [地上波(邦画)] 4点(2016-10-26 02:34:27) |
13. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
パート1を信奉する者です。冒頭10分くらいのデロリアンが出てくるシーン、あそこが私に取ってはこの映画のクライマックスだった。登場人物の内面(の成長)が描けているという点ではパート2を上回っているが、全体としてトーンダウンは否めないと思った。娯楽作としてとても優れた良い映画だと思うけど、どうしても1作目との比較になるので評価が辛くなるのは仕方ない。あとこのシリーズは音楽が良いですね(主題歌じゃなくてオーケストラのあれ)。あれを聴くとホントワクワクさせられる。 [地上波(字幕)] 6点(2016-03-05 09:48:13) |
14. トイ・ストーリー2
4歳の娘と一緒に鑑賞。娘はゲラゲラ笑ったり、怖がって指の隙間から見るシーンがあったりしつつ、長めのアニメはいつも途中で飽きるのに、座ったまま最後まで見られました。こちらはこちらでパロディーにニヤリと笑ったり、結構グッと来るシーンがあったり。まあスゴイ作品だなと素直に思いました。 [地上波(吹替)] 7点(2015-11-15 19:32:45) |
15. エネミー・オブ・アメリカ
《ネタバレ》 テンポ良く緊張感を保ちつつ最後まで楽しく鑑賞。冒頭のマフィアを最後に再登場させて話をうまくまとめるあたり、うまいなあと。なんといってもジーン・ハックマンが盗聴やってるところは「カンバセーション…盗聴」のファンとしてはニヤニヤしてしまう。 [地上波(字幕)] 7点(2014-11-22 13:00:41) |
16. 蝶の舌
とても好きな映画。映像も音楽もきれい。全体的にいい感じなんだけど、ラストシーンが強烈過ぎていびつな印象が残ってしまうのがちょっとマイナス。良くも悪くも子供の純粋さみたいなのはよく出てると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-12 11:06:05) |
17. Kids Return キッズ・リターン
ぼくはいわゆる真面目な優等生タイプであるし、不良やチンピラ、ヤクザなどに共感できるところなど微塵もない。でもこの作品の主人公は、何というか分かる。…分かるっていうことは、どこかに共感してるのか!? うーむ。男が(女のことはわからない)ある時期に通過する一瞬を見事に切り取った傑作だと思う。正直ビートたけしを色物と思ってました。すみません。 [DVD(邦画)] 8点(2007-05-26 00:05:51) |