1. 海街diary
メインの四人の女優さんがそれぞれ美しく魅力的で、脇役も素晴らしい俳優が揃っていて、みんないい演技をされていて、風景も美しく、音楽も品があって、なんてことはないのになぜか深く感動してしまうシーンもあって、これは久しぶりに10点満点の映画かと思いきや、大きな不満点がありました。カメラワークです。なんか意味もなくゆっくりズームしたり、ゆっくり左右にパンしたり、(ひょっとしたら意味はあるのかもしれませんが)、せっかく俳優の皆さんが自然な演技をしているのに、カメラの変な動きのせいで作為的な感じが強くなってしまって、映画の世界に没入することを妨げられてしまったのが残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-05-22 00:28:39) |
2. 翔んで埼玉
コンプラやら何やら色々とうるさいこの世の中、よくもこんな映画が作れましたね。私は大阪民なので、よくわからないネタが多かったですが、十分面白かったです。関西だったらどの県でできるのかな、なんて妄想してみたのですが、これがなかなか難しい。多分シャレでは済まない事態になってしまう。きっと埼玉だからこそ、このスケールで映画化できたんでしょう。そう思うとやっぱり埼玉の人って凄いですね。個人的には麿赤兒が一番面白かった。 [地上波(邦画)] 5点(2022-11-01 22:31:26) |
3. ブレードランナー 2049
あの名作の続編としては十分に及第点だったと思います。ハリソンさんも出てたし。しかし、旧作ありきであることや、思わせぶりな終わりかた(旧作もそうであったが…)など、単体の作品としては評価が落ちるかも。旧作へのレスペクトが少々行き過ぎている感じがしたことと、SFとして新しいビジョンを示す以上に、情緒に寄ってしまったんじゃないかなあという感じがしてしまったのが個人的な残念ポイントでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-19 00:16:21) |
4. ボヘミアン・ラプソディ
とても残念ながら、素晴らしい素材を扱っているのに凡作に仕上がっている。もちろん音楽は抜群(もう反則レヴェルだよ)。俳優たちの、ご当人たちへのヴィジュアルの寄せ方も凄い。ライブエイドの再現もなかなか。しかしドラマの部分の見せ方やシナリオがどうにも単純で浅い。より多くの観客(子供も含む)に受け入れてもらうために、レヴェルを落とした感じ。確かに本作は大ヒットしたので、狙い通りということなのだろうが、フレディに焦点を当てるのならば、もっと心揺さぶるドラマが作れたはずだ。惜しいというか、とにかく残念感が拭えない。 [地上波(吹替)] 5点(2021-06-18 22:04:53)(良:1票) |
5. パラサイト 半地下の家族
韓国映画を見るのは初めてでした。映画としての点数は6点くらいですが、韓国文化や低所得者層の暮らしについての興味深さでプラス1点です。もちろん映画なんでこれが全て正しい描写とは思いませんが。テンポよくダレるところもなくエンタメとしてはとても面白い作品でしたが、富裕側の人物の背景や深みがなかったところに物足りなさを感じました。黒澤明の「天国と地獄」という作品があって、テーマとしては近いと思うんですが、あれは富裕側も魅力的に描かれていた。まだ観てない人がいたらお勧めしたいです。 [地上波(吹替)] 7点(2021-04-13 17:00:17) |
6. メイキング・オブ・モータウン
ソウルミュージックが好きなので、音楽制作の裏話的なものを期待して観たら、よくある音楽ドキュメンタリーとは違うなんだか途轍もなく凄いものを見せつけられてしまったという感じです。もちろん数々のライブシーンや、のちにビッグになっていくアーティストたちの若き日の姿も実に素晴らしく感動的なのですが、とにかくゴーディさんの人柄と生き様にひたすら圧倒されてしまいました。まさかあんなに泣かされてしまうとは思わなかった。ハンカチ必須です。 [映画館(字幕)] 8点(2020-10-27 00:04:56) |
7. イエスタデイ(2019)
《ネタバレ》 出てくる歌はほとんど一緒に歌えるし、セリフに散りばめられた小ネタには笑わされるし、ビートルズファンとしては大いに楽しまさせてもらいましたが、理屈っぽい自分としては、腑に落ちないところが色々あり、どうもすっきりしないのです。ビートルズとともに忘れ去られたcigaretteやcokeやハリポタはどうして?とか、主人公以外にもビートルズを覚えてた人たちはどうして?とか。終盤に出てくる彼は、ビートルズがなければ殺されることもなかったのだろうが、例え音楽をやってなくても一介の漁師として一生を終える人物のようには思われなかったり。細かいところで色々納得いかなくて、面白かったけど高得点はつけられない感じ。それにしても流れてくる曲がどれも素敵すぎて、いやあ、ビートルズって本当に素晴らしいですね! [インターネット(字幕)] 5点(2020-10-02 15:44:08) |
8. この世界の片隅に(2016)
序盤からもの凄い情報量で頭がパンクしそうになった。私は広島弁も広島の地名もだいたいわかるが、そうでない人には訳のわからないところもあったのではないか。そして、ただ単に情報量が多いというのでは無く、なんでもないような日常のシーンで心の機微に触れる描写が多々あり、どうしてここで感動しているのか自分でうまく説明できないけれど、何故か涙が流れてしまうところも何度かあった。作品として評価が高いことはわかっていたので、身構えてというか、ちょっとハスに構えた感じで見始めたが、まあとにかく見事に心を奪われてしまって、参りましたという感じです。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-07-07 13:09:37) |
9. 映画ドラえもん のび太の月面探査記
小学3年の娘と、年長さんの息子と共に、テレビで鑑賞。子供達はそれはもう喜んでましたよ。小3の娘は、ちゃんと正確にストーリーを理解できてました。ギャグシーンも多く、年長の息子はゲラゲラ笑いながら楽しんでました。でもね、「宝島」は劇場まで家族で観に行って、私もそれなりに楽しめましたが、今回はテレビ鑑賞だったせいか、正直、私にはイマイチだった。どこかの映画監督が、近年の映画を評して、「これは映画ではない、テーマーパークだ」みたいなことを言ってましたが、この作品にもその言葉が当てはまるような。演出はド派手で、映像も綺麗で、もしも劇場で観ていたら評価はもっと高かったのだろうけど、自宅のテレビで観ると、ちょっと引いた感じの冷めた評価になるというか。脚本は凝った伏線もあって良い点もたくさん合ったのですが、そもそも毎回ドラえもんたちが「世界を救う」みたいな大風呂敷を広げなくてもいいんじゃないかと思ったり。まあとにかく、ドラ映画は劇場に足を運んで、お祭りとして楽しむべきものなんだと思いました。 [地上波(邦画)] 5点(2020-03-09 00:29:13) |
10. ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years(2016)
《ネタバレ》 ビートルズはどのアルバムも愛聴してますが、ライブは音源も映像にも馴染みがなかったので新鮮でした。ライブの演奏と歌唱の見事さには驚嘆。個人的には後期の独創的なスタジオアルバムが好きなんですが、やっぱりライブバンドだったんだなあと改めて思い知らされました。ところで武道館ライブについてコメントしてるのが浅井慎平さんなのですが、何を言ってるのか全然意味がわからなくて、英語の字幕を見て、ああこういうことなのかと理解するという、なんでやねんという感じなんですが、まあとにかく翻訳者がすごいね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-18 16:30:50) |
11. カメラを止めるな!
この映画で賞賛すべきは、アイデアやストーリーよりも、キャラの立った役者たちとその演技でしょう。特に監督の奥さん役には惹きつけられるものがありました。低予算であることを考えてもなかなかの快作だと思いますが、宣伝しているほど意外性の高い作品では無く、歴史に残る傑作とまでは行かないかなと。 [地上波(邦画)] 7点(2019-03-09 08:18:05) |
12. すばらしき映画音楽たち
私は映画音楽マニアです。監督より先に作曲家をチェックしてしまうようなタイプ。この映画にはひたすら感動。そして感謝。あの憧れの作曲家が喋ってる!、もうそれだけで感涙ものです。ざっくりとではありますが映画音楽の歴史について言及されているのも良い。ものすごい密度、情報量ですが、それでもとりこぼされている巨匠があまりに多いことが悔やまれる。ニーノ・ロータもミシェル・ルグランもフランシス・レイも出てこないのは本作がアメリカ映画だからか。しかしアメリカ映画ならばミュージカル系の映画をもっと取り上げても良かったのでは。まあ色々言いたいこともあるけど、それでも本作のようなドキュメンタリーが作られたことに感謝。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-03-19 09:46:06)(良:1票) |
13. 映画ドラえもん のび太の宝島
劇場にて、妻と7歳の娘と4歳の息子と鑑賞。家族全員が大満足というおそるべき作品でした。春休みに家族で行くファミリー映画としては満点に近いと思う。妻と娘が同じシーンで涙を拭いていました。子供には難しいシリアスなシーンでも、キャラがいきなり変顔をしたり変なポーズをとったり、4歳の息子も飽きることなくゲラゲラ笑いながら楽しんで観てました。アニメーションとしても迫力のある画で、私にとっても見所が多かったし、正直、ウルっときた場面もいくつかありました。のび太の勇気とかジャイアンの男気とか。まあドラ映画のいつものアレですが。細かいところでケチをつけたい部分はいくつかあるけど、子供も大人も同時に楽しめる作品に仕上がっているのは賞賛に値するでしょう。ただし、今回の冒険のきっかけであり、作品のメインテーマである、親子のすれ違いとその克服ということについては、ちょっと掘り下げ方が足りないというか見せ方が表面的な感じがしてしまって、歴史に残る名作とまではいかないかなと。 [映画館(邦画)] 7点(2018-03-15 10:59:19)(良:2票) |
14. 君の名は。(2016)
基本的に流行り物には何でも飛びつきたいミーハーな私ですが、本作に対しては何故か今まで食指が動かず、幸い地上波でやってくれたのでようやく観る機会を得ました。率直に言って、本作は大ヒットに見合うほどの作品ではないと思いました。どこかで読んだり観たりしたことがあるようなベタな感じのストーリーで、せいぜい良く出来た佳作の域を出ていないというか。決して面白くなかったわけではないですよ。それでもひとこと言いたくなってしまうのは、作品の質に見合わない桁外れの動員を記録してしまったが故でしょうか。日本のアニメにも、もっと優れたいい作品があるのになあと、ついつい愚痴をこぼしたくなる感じ。作品の内容よりも、どうしてこの程度の作品が大ヒットしたのかという社会現象の方を語りたくなるというか。 [地上波(邦画)] 6点(2018-01-06 13:40:18)(良:3票) |
15. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 劇場で観ればよかったと後悔。これは傑作じゃないですか!前半の情報の洪水が快感。一番感心したのは、ゴジラが途轍もなく強いのだが、それを倒すため、訳のわからん超兵器みたいのを出すんじゃなくて、自衛隊とか民間企業とか外交とか鉄道などのインフラとか、オールジャパンの総力戦で打ち克つところ。あと伊福部昭のテーマの素晴らしさ。あー、キタキタ!みたいな。ゴジラの口に注水するポンプ車を見て、福島原発で注水する様子を思い出さない人はいないでしょう。ゴジラ(=原発)はとりあえず停止したけど、またいつ暴れだすかわからない。その不安とともに私たちは生きていかなければならない。メッセージ性が極めてわかりやすいところも良い。 [地上波(邦画)] 9点(2017-11-30 21:19:20) |
16. かぐや姫の物語
まずは脇を固める声優陣の演技が素晴らしいと思う。唐突で分かりにくいところがある古典が、現代人の我々にも感情移入できるように表現できているのは、声優陣の力が大きいのかなと。ただ脚本がちょっと理屈っぽいかなあと。屋敷から走り出るところとか、月に帰るところとか、アニメーションとして息を呑むような美しいシーンもいくつかあり見応えがあった。 [地上波(邦画)] 7点(2017-08-05 14:24:05)(良:1票) |
17. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 二郎は、一見、優しくて紳士的で真面目な好青年。でも実際には自分の好きなことしか頭に無い、寧ろ薄情な人間だ。自分の作った飛行機が人を殺す道具として使われようと、妻が山の療養所でひっそり息を引き取ろうと、あまり意に介してない。ヒロインが凄くて、二郎が薄情な人間であることをよく分かっている。そういうところも含めて二郎を愛している。すごい恋愛映画だと思う。主人公は、宮崎駿の分身なのだろうし、庵野秀明の分身でもあるのだろうし、そして私の分身でもある。私自身も薄情で身勝手で、しかし人からは真面目で優しいなどと勘違いされているような男なので、この映画はとても響くものがあった。 [地上波(邦画)] 8点(2016-06-04 18:51:32) |
18. 借りぐらしのアリエッティ
原作はシリーズの5作品全部読んでおり、それなりに思い入れがあるので、ケチを付ける気まんまんで観ましたが、いやあ、見事!の一言。もっと早く観れば良かった。文章をビジュアルとして提示出来る強みが最大限に発揮されてます。何気ない背景や小物類にも色んなアイデアが詰まってて細かいところまで見応えがあります。基本的に1作目のストーリーを軸に、2作目と3作目の要素もちょっとプラスしている感じですが、原作を読んだ人ならきっと大満足できる内容にまとまっていると思います。それにしても公開から6年も経っているのに続編が作られる気配がないのは残念です。実は、原作は、1作目よりもそれ以降の作品の方が面白いんです。気球を作って空を飛ぶ4作目なんかすごくアニメ映えすると思うんですが。抜群の素材(原作)がまだ手つかずで残っているのに、このまま一作だけで終わってしまうのは勿体ないなあ。 [地上波(邦画)] 8点(2016-04-22 00:39:51)(良:1票) |
19. 思い出のマーニー
十数年前に原作を既読。児童文学としてはトップレベルの傑作だった記憶はあるが、なにせ随分昔に読んだきりなので細かい筋は忘れていた。舞台が日本に移されているので、あれっ?と思ったが、観ているうちにストーリーをどんどん思い出してきた。日本的なアレンジを加えつつも、ストーリーはかなり丁寧に原作をなぞっており、内面描写の多い難しい作品を上手くアニメ化できていると思った。主人公とマーニーの関係を明かす謎解きみたいなのも確か原作には無かったと思うが、アニメらしく分かりやすくなって、良い改変だと思った。但し、内面描写が肝の作品なのに、そこの部分がちょっと物足りない感じは残った。[訂正]原作には謎解きが無かったと書いてしまいましたが、記憶違いでした。失礼しました。 [地上波(邦画)] 7点(2016-01-03 15:10:59)(良:1票) |
20. 探偵はBARにいる
全編に漂うパロディっぽさというか、キッチュさというか、どこかで観たことあるような既視感というか、そういうマイナスになってもいい筈の要素がプラスに働いている。劇画的な面白さというか。ただしストーリーのラストまで読めてしまうあたりはちょっとなあ。あとディテールの凝り方が気持ち良かった。 [地上波(邦画)] 5点(2015-04-06 16:04:28) |