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プロフィール
コメント数 230
性別 女性
ホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/
自己紹介 正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。

好きな女優
 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子
好きな男優
 「お茶漬けの味」の佐分利信
好きなキャラクター
 グレムリンちゃんとマシュマロマン

☆評価基準
10点:超絶。ほとんど奇跡。
9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ!
8点:傑作だし、好きデス。
7点:素晴らしいです。好みの映画です。
6点:まあ、悪くないと思います。
5点:なにか気になるものはあります(~~;

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1.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 《ネタバレ》 
2時間半の超大作で、シリーズの中でいちばん面白かったかもしれない。雷雲へ飛び込むスカイダイビングも、トイレのカンフーアクションも、バイク&トラックのカーチェイスも、パリの屋根伝いの疾走も、カシミール山岳地帯でのトップガンみたいなヘリ空中戦も凄かったです。 ただ、いかんせん内容が複雑で分かりにくい。IMFとCIAとMI6とアポストルとホワイトウィドウと東欧マフィアとが絡み合う六つ巴戦ですが、とくに英国MI6の関与が不可視なために、後から考えてみてもホワイトウィドウの取引の背景やイルサの行動に謎が残ります。 ジョン・ラークを暗殺しようとした組織は何だったのか?なぜホワイトウィドウはイルサの身柄を要求したのか?なぜ取引場所はパリからロンドンへ移ったのか?…そこらへんは自分のブログでも考察してみますが、辻褄は合ってる気がするものの、あまりに分かりにくいのは減点要素。そして、いちばん落ち度があるのはCIAだと思いますが、CIAの責任が問われないまま終わるのも腑に落ちない。
[地上波(字幕)] 8点(2025-06-02 11:49:16)《新規》
2.  ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 《ネタバレ》 
いままで見たシリーズ作品のなかで、物語はいちばん面白かったです。アクションの面白さじゃなく、物語としての面白さがありました。 米ソのような国家対立の話ではありません。米英の同盟関係から生まれたテロリストとの対立であり、最大の同盟国が諸悪の根源だった…という話。自国の軍隊が敵を育ててしまうように、自国の情報機関が敵を育ててしまうのですね。最大の敵が内側にいるところにリアリティがあり、誰が敵なのか分からない恐怖もある。国家の殺人に憎悪を抱くテロリストの動機にも説得力があります。 主役はイルサ・ファウストとソロモン・レーンの2人であって、イーサンはほぼ脇役です。アクション映画としてなら、イーサンの強さを見せれば事足りるだろうけど、物語としてはイーサンが強いだけじゃ面白くない。その意味でイルサ・ファウストとソロモン・レーンはとても魅力的でした。イルサ役のレベッカ・ファーガソンは、過去のヒロインと比べても存在感が群を抜いてますね。往年のロミー・シュナイダーのような知性的な雰囲気を漂わせながら、それでいてセクシーでもあり、切れのあるアクションもこなすのだから凄い。 最後はCIA長官がIMF長官に転任する結末でしたが、あんな間抜けな奴が長官で大丈夫?ってのはツッコミどころ。それから、冒頭のシーンで飛行機にしがみつくのはともかく、さすがに羽根に飛び乗るのは高さ的にも速度的にもありえなさすぎる。なお、シンジケートのメンバーはなぜスウェーデン語で話してたのか、何かしら前作との関わりがあるのかどうか、ネットで調べてみても分かりませんでした。
[地上波(字幕)] 8点(2025-05-24 22:40:15)《更新》
3.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
米ロの見かけの対立の原因はスウェーデン人テロリストだった…という話。イーサンたちは4人のチームですが、スウェーデン人側はたった2人で動いてる。実際のスウェーデンにも情報機関や特殊部隊があるらしいので、それをモデルにしてるのかも。それと同時に、このテロリストのモデルは、アルフレッド・ノーベルとヤン・ギィユー(あるいはカール・ハミルトン)の掛け合わせかもしれません。最後の対決は、もっとインドらしい場所でやればいいのに…と思うけど、インドは自動車の渋滞問題が深刻とのことで、実際にあのようなオートメーションの巨大立体駐車場が実在するのかもね。 ブダペスト〜モスクワ〜ドバイ〜ムンバイと舞台を変えながらスリリングな展開が続くのは面白いですが、相変わらず不可解なことも多い。妻は殺されてないのに遺体の一部が発見されたのは、またしても替え玉の女性が殺されたから? そして、報復の必要もないのにセルビア人を殺したのは、IMFの指示でロシアの刑務所に侵入し、ボクダンを脱獄させるためとしか思えない(Wikipediaの英語版にもそう解説されてる)けど、脱獄協力チームがその真のミッションを理解してないのも不可解。テロリストとイーサンとIMF長官が同日にクレムリンに結集するのも偶然すぎるので、これもIMFの指示でテロリストの動きを追ってたからと考えるのが自然だし、イーサンと分析官ブラントを引き合わせるのも計画通りだったはずだけど、長官がロシアの特殊部隊に射殺されるのはマヌケすぎます。そして何より、自殺してまでして核戦争を起こさせたいというスウェーデン人のカルト的な動機は説得力に乏しい。
[地上波(字幕)] 7点(2025-05-17 15:33:48)
4.  紅の豚 《ネタバレ》 
じつはちゃんと見たのは初めてです。宮崎駿の価値観がもっともシンプルかつストレートに表現されてるのかもしれません。久石譲の音楽は「ハウル」と「紅の豚」がもっとも美しいと感じます。 おそらく「風立ちぬ」の堀越二郎が飛行機に託したのも《自由》という夢だったのでしょうが、それはあっという間に近代国家の戦争や全体主義の道具になってしまったわけですね。この「紅の豚」では、国を捨ててお尋ね者(盗賊)になった男の姿をとおして、本来の飛行機乗りの素朴なロマンティシズムを描いてるわけですが、それとは逆に「風立ちぬ」では、戦争の現実のなかで近代国家の道具にならざるを得なかった男の姿を描いてる。そういう意味で、2つの作品はちょうど対照をなしてるといえます。 資本主義に適合しやすいゲルマン民族のプロテスタンティズムとか、日本人やドイツ人のような勤勉さに比べると、イタリア人のラテン的な特質は欠点に見えたりもするわけですが、裏を返せば、近代国家に適合しきれない自由な精神こそがラテン民族の美点でもあるわけよね。たとえばベルトルッチやビクトル・エリセの映画などを見ていると、イタリア人やスペイン人にとっての《ファシズム》は一種の病気だったと感じられるのですが、その一方で日本人やドイツ人の場合は、もともとの民族性がかなり全体主義的だし、それは戦後になっても変わってないように見えるし、ファシズムの捉え方がちょっと違うんじゃないかと感じます。 そう考えると、「紅の豚」の舞台がイタリアであり、「風立ちぬ」の舞台が日本であるのは必然かもしれません。
[地上波(邦画)] 8点(2025-05-10 01:00:44)(良:1票)
5.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 
映像にも設定にもリアリティがあって面白かったです。 遺伝子操作の結果、《保護色&赤外線抑制&高い知性》などの能力をもった怪物が出来上がってしまったのですね。もちろん、それに起因する事故は「想定外」ではなく、適正に情報を共有していれば防げたことですが、日本の福島原発を見ても分かるとおり、個々の利害に囚われて情報共有や危機管理が後回しになれば、こういう事故はいつでも起こるりうるわけです。CEOがインド系で科学者が中国系なのもありえそうな話だし、恐竜を殺人兵器として利用しようとする発想が、かつて白人が黒人を奴隷化したことの隠喩になっていたのも的確です。 ヒロインや兄弟などの主要人物が善玉すぎないのもリアルでした。登場人物に安易な共感をさせないことで、勧善懲悪的なベタな話になるのを避けているわけなので、それが作品の欠点だとは思いません。インドミナスとティラノサウルスの対決シーンを長回しの移動撮影に組み合わせた映像もよく出来てました。 ただし、インドミナスとラプトルの知性の高さが極端すぎて説得力に欠けます。すでに共食いをしていたインドミナスが、なぜラプトルのことを「同種」と認識して共闘するのか不可解だし、そのラプトルたちは、なぜ人間に攻撃されてもなお主人公を襲わずにインドミナスのほうを裏切るのでしょうか? その行動原理が飛躍しすぎてて理解しにくい。
[地上波(字幕)] 8点(2025-05-04 00:37:11)
6.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
これは戦時中の話です。主人公は転校先で同級生の悪意にさらされ、自分で自分の頭を傷つけて嘘を吐きます。一方、父親は戦闘機を作っている人で、個人の悪意に対しても国家の悪意に対しても「力で解決できる」と信じているように見える。家のなかに戦闘機の操縦席のガラスをたくさん並べるシーンがありますが、あの部品の数だけの若者が特攻で死んだのではないかと思います。そのように命が使い捨てにされる現実のなかで、主人公は地下の世界に潜り、命の神秘(生まれる前と死んだ後)の世界を体験します。ひとりの人間の生き死にには壮大な物語があるし、この世に産まれてくるのも、死なずに生き延びるのも簡単なことではない。 大叔父は悪意に満ちた世界を作り直そうとしています。父や祖父は子孫を残した人ですが、一般に「叔父」というのは子孫を残さなかった人の象徴だろうと思います。おそらく大叔父は、命の連鎖から切り離されたところで世界を作り直そうとしている(『ポニョ』でいえばフジモトの立ち位置に近い)。そして頭に同じ傷をもつ主人公も大叔父と同じ資質をもっている。しかし結果的に、主人公は大叔父の仕事を引き継ぐことなく戻ってきます。それは「悪意に満ちた世界を生きるほかない」「戦争を含む人間の文明に向き合うほかない」ということを意味します。そして、観客であるわたしたち自身もそのような世界に生きている。 映画公開時には「難解」との評判だったので身構えてましたが、すこしも難解とは感じませんでした。あきらかに宮崎アニメの過去作の延長上に作られており、共通のテーマを負ってるのも分かります。簡単にいえば『ポニョ』と『風立ちぬ』を組み合わせたような構造ですが、過去作に比べてもテーマ性はより明瞭になっている。実際、本作を観ることで『ポニョ』のテーマが理解しやすくなるはずです。残念ながら『ポニョ』はキャクター造形などから幼稚な作品と思われがちですが、じつは本作にも通じるテーマをもつ作品だったというべきです。 宮崎駿のアニメは、たんなる反戦映画でもなければ、たんに世界を肯定する映画でもなく、つねに否定と肯定の宙吊り状態のなかで「人間としてどう生きるか」を問うてくる映画です。そういう映画は珍しいわけじゃありませんが、その宙吊り状態に耐えられず、より簡単な答えを求めたがる観客には拒絶されるのでしょうね。
[地上波(邦画)] 8点(2025-05-03 01:53:04)(良:1票)
7.  スター・ウォーズ 《ネタバレ》 
第1作をちゃんと観たのは初めて。…といっても、金曜ロードショーのカット版ですが。 もうちょっと見所があるかと思ってましたが、正直「バックトゥザフューチャー」あたりと大差ないほど漫画じみた映画。キューブリックやタルコフスキーのSF作品とは雲泥の差がある。もしこれをルーカスでなくコッポラが撮っていたら、もうすこし大人の鑑賞に耐える映画になったのでは?…と考えてしまう。唯一、オビワンケノービと出会った星の砂漠の映像にはマカロニウエスタンっぽい魅力がありましたが、それ以外の部分にスペクタクルとしての感動は皆無。例によってジョン・ウィリアムズの音楽も過剰です。ノーカット版なら多少は印象が変わるのかしら?? ルークとハンソロとレイア姫が生き延びるのは知ってるので、次々に襲いかかる危機にもまったくハラハラしません。そもそも、設計図を託されたロボットの脱出を見逃したり、ファルコン号の二重底みたいなアナログ戦術を見逃したりと、帝国軍は全般的にアホっぽいのですが、デススターの構造的欠陥はさすがに脆弱すぎるでしょ。最後は爆発シーンで終わりますが、同盟軍による破壊が先だったのか、帝国軍の惑星攻撃のほうが先だったのか、映像的に分かりにくい…(^^; 戦闘経験のないルークがいきなりニュータイプみたいなパイロットになるのも唐突すぎるし、ルークだけが生き残るトップガンみたいな空中戦も予定調和的なうえに長すぎます。最後の最後にハンソロが助けに来て、ローマの休日みたいな叙勲式で大団円を迎えるベタベタな展開も子供じみている。ロボットが活躍する時代なのに、砂漠の星の住人が「農業で生計を立ててる」のも意味不明だし、宇宙空間で「水平が保てない」と言ってたのも意味不明でした。
[地上波(字幕)] 7点(2025-04-26 12:58:20)
8.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
恋愛の夢が現実に敗北していく内容は、さながら『ラ・ラ・ランド』の日本版って感じです。現代の日本の若者の標準的な恋愛のリアルを直球で切り取ったような物語。 清原果耶と細田佳央太が出てくる場面はほとんどコメディで、悲しいというよりも笑ってしまいました。もしも、あの場面を70過ぎの老夫婦が微笑ましく眺めるような映画なら、それは幸福な人生の物語になるはずですが、わずか4年のサイクルで恋愛を終える男女が見てしまうところに現代日本のリアルがあるのよね。とはいえ、結末を見るかぎり、その現実を悲観的に捉えるのではなく、むしろ4年のサイクルで恋愛を積み重ねていくことをポジティブに捉えてるらしい。 実際、ひとつ前の恋愛での学びが次の恋愛に生かされることもあるだろうし、これから恋愛をする男女にも、ひとつの恋愛を終えた男女にも、希望や勇気を与える映画に仕立ててるといえます。とくに文化系オタクの男女にとっては夢をくれる映画なのでしょうね。「マ」のつく花の名前を教えなかったことと、タイトルの「花束」の関連はよく分からないけど、ひとつ前の恋愛が次の恋愛へのプレゼントだという解釈も出来そうです。 わざわざラブラブのカップルに割り込んでイヤホンの使い方を説教する人なんていないだろうし、ほかにも序盤の脚本と演出にはクサいところが目立つのだけど 、後半のリアルな展開とのコントラストを狙ったものだと考えて大目に見れば、オマケで8点つけてもいいかなと思います。坂元裕二の作品として考えれば、地上波のテレビドラマのほうがスリリングで面白いけどね。
[地上波(邦画)] 8点(2025-01-11 01:25:49)
9.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 
角川のYouTubeチャンネル期間限定配信で視聴。画質も音質も良好で、ようやくちゃんと観れた感じです。 父親のような男と女子高生の恋物語という意味では『雪の断章』と似たような題材です。ピエロのからくり人形とチンドン屋を映したカットの不穏な寂しさとか、死の予感が北海道に結びつくところも『雪の断章』や『魚影の群れ』のモチーフに通じている。全編にわたってロングショットの長回し演出は堪能できるし、スクリーンに時代劇を映すところにも相米らしい趣味が垣間見えます。前半だけなら9点ぐらいつけたいほど面白い。 しかし、太っちょのアジトに潜入して以降の展開はあまりに子供だましで安っぽく、赤川次郎の犯罪トリックもつまらないし、女子高生に依存していくヤクザのセンチメンタリズムも陳腐だと思う。『雪の断章』は原作を無視することで相米イズムを貫いたと思いますが、本作は原作に忠実にしてる分だけ映画としては見劣りがします。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-09 23:04:35)(良:1票)
10.  ミステリと言う勿れ 《ネタバレ》 
天然パーマを物語に絡めようという発想で作られた物語なのでしょうが、いくら先祖の罪を隠すためとはいえ、一族の人間を殺すのは本末転倒だし、生まれてすぐに殺してしまうならまだしも、成人してから天然パーマの人間だけを殺すって、わざわざ怪しまれるようなことをやってるとしか思えない。犯罪動機に合理性がなさすぎて、物語の前提が崩れています。それから、松嶋菜々子が出てきてからのくだりが長すぎる。原菜乃華は可愛かったです。
[地上波(邦画)] 6点(2025-01-05 01:38:49)
11.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
とても面白かったです。前作とはずいぶん印象が違う。前作は、緊迫感が乏しいわりに、戦意ばかりを高揚させるプロパガンダ映画って感じだったけど、今作は緊迫感が強いぶんだけ、かえって戦意を萎ませる映画じゃないかと思う。 前作の主人公には「友人の死を乗り越える」というミッションがあったものの、技術的な優位性は一貫してたので負ける気がしなかった。あの映画を見てパイロットに志願する米国人が多かったのは、映画のなかの勝利を追体験したいと考える観客が多かったからだと思う。でも、今作を見てパイロットになりたいと思う人は少ないでしょう。なんせ無人機の時代にあって、優秀な有人戦闘機に課せられるのは、まるで使い捨ての特攻みたいな任務なのだから。全体的に悲壮感の漂ってる映画だし、いちおう最後には勝利するけれど、それはあくまで映画のなかのフィクショナルな勝利であって、あれを現実にやらされたら生きて帰れないのは誰にでも分かる。敵国に先制攻撃を仕掛けたり、殺人をおこなってる点では前作と同じだけど、これは上質なエンタメフィクションであって、現実の戦意を高揚させる映画とは思えない。むしろ「戦争は無人機にやってもらうほうがよい」と思わせるためのプロパガンダ映画なのかもしれません(それを肯定するわけじゃありませんが)。 ちなみに、若い世代の観客は、なぜあの女優がヒロインなのか分からないでしょうが、前作をリアルタイムで見た世代にすれば、その容姿や演技のうんぬんはともかく、彼女が「ジェニファー・コネリーだ」という事実そのものが重要なのよね。わたしも、そういう感慨だけで見てました。なんせ美少女だったときの記憶しかないから(笑)。きっと制作者側もそれを狙って起用してると思う。
[地上波(邦画)] 9点(2024-11-16 02:10:46)
12.  トップガン 《ネタバレ》 
金曜ロードショーで視聴。初見だったのですが、あからさまなプロパガンダ映画だったのでドン引きでした。冷戦下で、まるで第二次大戦中のような映画が作られていたとは…。敵機を撃墜して大喜びしてましたが、SF映画ならともかく、現代を舞台にした軍人の映画でそれを平然と描いてることに唖然とします。他国の海域での敵機の撃墜は、端的に殺人であるだけでなく、状況的にも自衛の範疇を超えてるし、国家戦争の引き金になりかねない。 冷戦下の諜報活動を描いた「ミッションインポッシブル」も、考えてみればプロパガンダ映画かもしれませんが、それ以上に露骨です。しかし、この映画がきっかけでパイロット志願者が殺到し、冷戦を終わらせることに繋がったのなら、政治的な効用はあったってことでしょうか?  制作規模は大きかったかもしれませんが、映像作品としての魅力にも乏しく、ゲスなヤンキーのあんちゃんのサクセスストーリーは、ほとんど安っぽいキムタクドラマのようでした。この映画に魅了される大衆の心理は、戦争の本質を考えるうえでも無視できないものがある。 一昨年の続編は評価が高いようですが、とりあえず来週の金曜ロードショーも見てみるつもりです。
[地上波(字幕)] 6点(2024-11-09 01:42:11)
13.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
ミュージカル映画と同じように、こういう路線の三谷コメディって、独特の演劇的な設定とかお約束のノリを共有できないと楽しめないですね。それなりに笑えるところはあるけれど、いまいち独特のノリやリアリティのない設定への違和感に馴染めないし、権力闘争の物語として見た場合にも、大河「鎌倉殿」などを書いた人の作品とは思えないほど薄っぺらいので、さすがに拍子抜けがします。いっそのことお馬鹿なミュージカルにしてもらったほうが、わりきって楽しめるのかもしれません。きっと俳優陣は、どこまで振り切るべきか匙加減が難しいでしょうけど、わたしは由貴ちゃんのベタベタなコメディっぷりがいちばん面白かったです。
[地上波(邦画)] 7点(2024-09-15 17:27:40)
14.  今日から俺は!!劇場版 《ネタバレ》 
テレビドラマと同じように楽しめました。それぞれのキャラをちゃんと立てながら、2時間の整った構成の物語に仕立ててます。とくに映画的といえるほどの特質はなく、テレビドラマと変わり映えのしない内容ではあるけれど、へたにメッセージ性のある話にしたり、地元のケンカ以上に世界観を広げるのも違うと思うので、あくまでナンセンスなバカ路線に徹するのが正しいんだろうと思う。合格点の7点。
[地上波(邦画)] 7点(2024-09-15 17:02:14)
15.  キングダム2 遥かなる大地へ 《ネタバレ》 
山﨑賢人と清野菜名がありえないほど強かったり、トヨエツと小澤征悦が日本人どうしのコスプレ大会になってるのは、ほとんどギャグかコントのように見えてしまうけど、しょせん漫画の実写化なのだと割り切って観るならば十分に面白いし、2時間超えも長くは感じません。 騎馬隊を蹴散らしたり馬車を転倒させたりするスペクタクルの迫力もあるし、山﨑賢人の足の速さや清野菜名のアクションの美しさも堪能できます。ミクロな次元の描写は荒唐無稽なファンタジーだけど、マクロな次元のリアリティは担保されてるので、歴史物語としての納得感もある。 二次元推しの人は「漫画の世界を忠実に三次元化した!」と評価するかもしれませんが、三次元推しの人は「あくまで漫画の実写化」という条件付きでの鑑賞を強いられるとは思う。
[地上波(邦画)] 7点(2024-07-06 02:50:22)
16.  M:i:III 《ネタバレ》 
初期3作の中ではいちばん面白かったです。考える間もないほどスピーディーな展開で、どんでん返しもアクションも見応えがあった。当時のイラク戦争に対する批判にもなっていたと感じます。 ただ、あとから考えてみると、マスグレイブがリンジーを救出させたのは不可解だし、チェサピーク湾橋で大規模な武装組織を出動させた背景も謎です。デイヴィアンが妻の替え玉の女性を銃殺した理由も分からない。そもそもラビットフットの所有者は誰だったのでしょうか? そこらへんについては自分のブログで考察してみます。
[地上波(字幕)] 8点(2024-06-26 10:58:25)
17.  ミッション:インポッシブル 《ネタバレ》 
トム・クルーズの映画ってほとんど観たことなくて、このシリーズも初視聴です。テレビシリーズも観たことありません。 ストーリーが複雑でよく分からなかったのだけど、見終わった後にWikipediaで確認して、なかなかよく練られた話なんだなと理解できました。ビロード革命を経て世界遺産になったチェコのプラハから物語が始まるところにも歴史的な背景があります。ネズミのいる天井裏から人力で宙吊りにするシーンとか、狭いトンネルのなかをヘリコプターが飛ぶシーンとかは、ツッコミどころを笑いつつも手に汗を握りました。 ただ、全体的なテイストにテレビっぽい安っぽさがあって、あまり映画としての魅力を感じない(テレビシリーズに親しんだ視聴者にとってはそれが魅力なのかもしれませんが)。敵とはいえ、エマニュエル・ベアールやジャン・レノやジョン・ヴォイトが殺されてしまうのも無慈悲だなあと思いました。スパイ映画って、そういうものなのでしょうか?
[地上波(字幕)] 7点(2024-06-08 15:43:05)
18.  舞妓はレディ 《ネタバレ》 
京都の舞妓文化の再生に一役買おうという主旨で、それなりの取材をしたうえで作ったのはいいと思うけど、残念ながらさほど面白い物語にはなってないし、ミュージカル映画としても中途半端にすぎる。たんに「マイフェアレディ」のダジャレという以上の意図を感じません。実際のところ、長谷川博己の役どころはただのヒギンズ教授のパロディであって、訛り音声の波形分析などは出鱈目なフィクションだろうし、ミュージカルの演出部分もまったくの素人じみた出鱈目にしか見えません。 京都の舞妓の世界をミュージカル仕立てで描くアイディア自体は悪くないと思うし、地元訛りを封じられて言葉を失なう主人公の心の声を歌で表現する手法も有効だとは思うけど、どうせやるならミュージカル映画として成立させるだけの技術的な前提が必要なはずです。それがまったく揃っていないように見える。  音楽の周防義和も、振り付けのパパイヤ鈴木も、ミュージカルの経験はほぼ皆無だったようだし、キャスト陣にもミュージカル俳優は含まれていません(全キャストのなかでミュージカルの基礎を学んでるのは、おそらく新人の上白石萌音だけ)。どんなにベテラン俳優勢を並べたところで、歌や踊りについては素人なのだから、スタッフ側にもミュージカルのプロがいないとなれば、どうしたって「なんちゃってパフォーマンス」にしかなりませんよね。 主演の萌音は「ド素人の田舎娘」という設定だからヘタでもいいと思うけど、脇を固めるキャストやエキストラがそれ以上にヘタじゃ話にならないでしょう。唯一まともなミュージカルとして見れたのは大原櫻子のシーンだけです。それ以外は、音楽にせよ振付にせよ舞台装置にせよ、せいぜいマツケンサンバみたいな歌謡ショーのレベルにしかなっていない。 演出に「ミュージカルらしさ」が欠けているため、たとえば序盤で舞妓さんたちが出迎えるシーンなどは、たんなるパレードの場面なのかと思ってしまうし、竹中直人のシーンなども、たんに悪ふざけで踊りながら歌い出しただけかと思ってしまう。せっかく東宝の制作で東宝の俳優を起用したのなら、スタッフやキャストにも宝塚や東宝ミュージカルのプロの人材を入れて、もっとちゃんとしたミュージカル映画に仕立てるべきだったと思います。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-04-14 06:13:06)(良:1票)
19.  ジェーン・エア(1944) 《ネタバレ》 
養母や教育者からの虐待、友人との死別などの苦難を乗り越えた孤児の少女が、ワケありな金持ちツンデレ男と結ばれるまでのベタベタなシンデレラストーリー。握手どまりのボディタッチが今でいうムズキュン要素にもなっている。 そこに「美女と野獣」みたいなゴシックホラー要素が加えられており(ちなみに原作の主人公は美女ではありません)、その過剰なほどのサスペンスタッチな演出がエンタメ映画としての面白さになっています。音楽もバーナード・ハーマンなので、どこかしらヒッチコックのサイコスリラーっぽく、実際のところ舞台設定も「レベッカ」に似ています(原作のほうは「レベッカ」より「ジェーン・エア」のほうが先ですが、映画は「ジェーン・エア」より「レベッカ」のほうが3年先です。ただし、映画「レベッカ」の音楽はフランツ・ワックスマンだったのでバーナード・ハーマンではありません)。 なお、物語を簡略化するためだと思いますが、原作における「テンプル先生」や「セント・ジョン牧師」の役割が、この映画では「リバース医師」によって兼任されています。それ以外にも原作からの変更はあると思いますが、長い小説を簡潔にまとめてるので、原作の内容を手っ取り早く把握するには最適な映画。 ちなみに、モンゴメリの「赤毛のアン」でもフランス系アカディア人が差別的に描かれてますが、その原型ともいえる「ジェーンエア」でも、ジャマイカ出身の妻が狂人であるがゆえに監禁されているという人権度外視の反コンプライアンスな設定。しかも、その妻が死んだことをこれ幸いにヒロインの愛が成就するという差別的なトンデモ結末です。このあと何度か映画化されてるようだけど、現代的な人権規範に適合させるには原作の内容を大幅に(ポストコロニアリズム的に)改変する必要があるはずです。 また、キリスト教にもとづく児童教育が、産業革命期の英国においてさえ中世の魔女狩りみたいな発想で子供を虐待してることに驚かされますが、原作者が通った実在の学校がモデルだそうです。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-12 13:25:30)
20.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
見終わった直後ですが、恐怖のあまり、いまだ動悸がおさまりません。 序盤は、大映の様式的な映像美のせいもあって、わりと落ち着いたテイストの人情喜劇かと思ってましたが、芸者置屋をやめて以降の流れはかなり目まぐるしく、主人公の心理にも話の展開にもついていくのが難しくなる。そして最終盤の10分間は、気持ちがえぐられるような衝撃の展開。ラストシーンは、(最初のレビュアーの文章にもありましたが)まさしくブラックホールのような終わり方でした…。これほど予想を覆す脚本の映画は観たことがないので大きなショックです。 これはリアリズムのための手法だと思うけど、やはり藤巻潤のキャスティングがえげつない。そこが通常のセオリーを大きくひっくり返しています。 しかし、よくよく考えてみれば、序盤の会話にもあったように、2人は戦争で家族を失った犠牲者なのです。主人公は、それゆえにこそ互いに分かり合える関係を期待したのだろうけど、逆に言えば、戦争の犠牲者だからこそ、他人を利用してでもしたたかに生きるほかなかったのかもしれない。実際、いくら祈ったところで靖国神社は救ってくれなかったのだし、それは主人公自身も同じなのだから、藤巻潤の残酷さを責めることはできないのでしょう。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-12 01:51:20)
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