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プロフィール
コメント数 220
性別 女性
ホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/
自己紹介 正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。

好きな女優
 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子
好きな男優
 「お茶漬けの味」の佐分利信
好きなキャラクター
 グレムリンちゃんとマシュマロマン

☆評価基準
10点:超絶。ほとんど奇跡。
9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ!
8点:傑作だし、好きデス。
7点:素晴らしいです。好みの映画です。
6点:まあ、悪くないと思います。
5点:なにか気になるものはあります(~~;

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1.  暗殺の森 《ネタバレ》 
町山智浩の解説付き上映で観てきました。 なぜイタリア人のベルトルッチが、フランスや中国やアフリカやインドを舞台にして映画を撮ったのか、以前から疑問に思っているのですが、この映画ではイタリアとフランスが対比されているので、この後にフランスで「ラスト・タンゴ・イン・パリ」が撮られた理由もそのことに関係するのかもしれません。また、町山智浩の解説によれば、この映画は「ラストエンペラー」の構造によく似ているとのこと。つまり、みずからをファシズムの檻の中に閉じ込めた男の物語なのですね。のみならず、同性愛や舞踏会のモチーフの使い方もよく似ているとのことです。 また、町山は「ベルトルッチが師匠ゴダールのような左翼になりきれなかった」との趣旨の話をしていました。たしかにベルトルッチは(思想的にはファシズムに否定的だったとしても)、なんだかんだでファシズムのグロテスクな美しさを浮かび上がらせている面があるし、複雑ながら結果的にファシズムと同性愛の親和性を認めてしまっているようにも見える。つまり、思想的にはファシズムを否定していながら、美学的には肯定しているように見えるし、政治的倒錯が性的倒錯に重なり合うファシズムの美学的誘惑から逃れていないように思えるのよね。逆にいうと、ゴダールは、その種の「美学」に懐疑的だったのでしょう。 これがベルトルッチの最大の魅力であると同時に危うさでもあり、そういうところは日本の鈴木清順にも近い気がします。ヴィットリオ・ストラーロの映像も、そういう側面から批評的に捉えねばならないのでしょうし、坂本龍一の音楽だって、やはりゴダールの批評よりはベルトルッチの美学に近いんじゃないかと思います。さらにいえば、これはベルトルッチのセクハラ問題とも無関係ではないかもしれない。 でも、作品の素晴らしさは傑出しているし、ジョルジュ・ドルリューの音楽もヤバかったし、やっぱり9点はつけたくなります。
[映画館(字幕)] 9点(2023-11-11 10:06:11)
2.  話の話 《ネタバレ》 
GYAOの無料動画で視聴。「25日・最初の日」「ケルジェネツの戦い」「キツネとウサギ」「アオサギとツル」「霧の中のハリネズミ」「話の話」の6本。とくに最後に2本には、まるで自分自身の体験だったかのような強烈な既視感。不安や焦りをともなったノスタルジー。もしかしたら昔どこかで観たことがあるのかしらと疑ってしまう。 「話の話」は、一見すると脈絡のないイメージの連なりのようでありながら、何度か見ていると内在している物語が見えてくる。赤ん坊をあやす子守歌。端っこに寝ていたら子供のオオカミが脇腹をつかまえて森へ連れて行ってしまう。そんな子供の狼がいつしか主人公になって、子供の視点から大人たちの世界を巡っていく。 大きな牛と縄跳びをした時間が終わるように、木の上でカラスと林檎を食べた時間も終わってしまう。旅人が海辺を去り、漁師の父が海へ出ていったように、母とベンチで話し込んだ父も見知らぬ場所へ行ってしまう。エンジンを噴き上げる自動車。木の葉を吹き飛ばす列車。戦争で引き裂かれる男女。 現在のアパートに残っているのは、足踏みミシンのブランコと、焼け焦げた木の枯葉と、茎の生えたジャガイモ。風に巻き上げられてくるまったテーブルクロスのように、テーブルから盗み出した詩人の譜面もくるまって赤ん坊に変わる。海岸で詩人と猫が書いていたのが、ほかならぬ自分の子守歌だったのかもしれない。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-07-01 17:26:11)
3.  殺人遊戯 《ネタバレ》 
GYAOの無料動画で視聴。オシャレでユーモアもあって、カッコよくて、安定的に面白い。大野雄二の音楽も相俟って、まるで実写版のルパン三世のようにも見えます。 ただし「蘇える金狼」もそうだったのだけど、なぜ最後に女を殺すんでしょうね。この結末がいただけない。脚本の必然性の有無にかかわらず嫌悪感をもよおします。そのせいで最後のおちゃらけたシーンも後味が悪く見える。村川透×松田優作のコンビによる作品は国際的な評価に値すると思うけれど、こうした「女の扱い」はその足枷になるだろうと推察します。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-13 21:56:25)
4.  暗殺のオペラ 《ネタバレ》 
GYAOの無料動画で視聴。 非凡でした。これまで観たものはイタリア国外を舞台にした作品が多かったので、あまりベルトルッチに「イタリアらしさ」を感じていませんでしたが、本作では存分にイタリアらしさを味わえました。奇天烈なユーモアとバイタリティ。支離滅裂なエロスの匂い。そこはかとない暴力性。なぜかドキュメンタリーのようになる会話。そして画面が美しいので、いちいちそれに目を奪われて困ってしまいます。 密告・裏切り・陰謀が渦巻き、誰もが加害者にならざるをえないファシズム時代の小さな町の過去へ沈潜していく内容ですが、殺人手法はヒッチコックの「知りすぎていた男」みたいでした。まるで日本の夏のように、蚊取線香が出てきたり、やたらとスイカを食べたりするところも興味深かった。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-05-25 05:50:23)
5.  フェリーニのアマルコルド 《ネタバレ》 
GYAOの無料動画で視聴。このニーノ・ロータの曲は好んで聴いてたけど、映画を観たのは初めて。予備知識なく見始めて、最後まで何の話なのか分からないまま、ワケワカランと思いつつも面白いので見てしまいましたが、要するに家族とご近所のエピソードを綴った回想録なんですね。「春の火まつり」「教室の悪戯」「食卓の喧嘩」「教会の懺悔」「ファシストの拷問」「国王のホラ話」「木登り叔父さん」「アメリカの客船」「霧の朝」「煙草屋の女」「大雪の日」「母の死」「グラディスカの結婚式」…と、およそ2時間で全13話くらいのエピソードが描かれてるので、一話につき10分くらいの「サザエさん」的な笑話集だといえます。ノスタルジックではあるものの、1930年代の北イタリアを描いたこちらの映画は、1960年代の東京を描いたサザエさんに比べて一つ一つのエピソードがかなり過激で下品で濃厚ですけど(笑)。 平均点は低いだろうかと思いきや、すごい高評価なのにびっくり!たしかに、すごく映画らしい映画だと思います。このレビューサイトはスピルバーグ好きが多いという印象だったけど、こんなにフェリーニ好きが多かったとは新たな発見です。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-03-30 12:55:01)
6.  蘇える金狼(1979) 《ネタバレ》 
GYAOの無料動画で視聴。鈴木清順や森田芳光の文芸映画は見ていましたが、村川透のアクション映画で松田優作を見たのはこれが初めて。予想以上に面白かった!もっと血生臭くて陰鬱な内容かと畏れていましたが、かなりスタイリッシュで軽快だし、スケール感もあって見ごたえがありました。物語はまあ荒唐無稽ですけど、大映時代劇に優るとも劣らぬアクションの美学を十分に楽しめる。 とくに優作の狂気をはらんだ意味不明な動きは不思議なくらいにカッコいい。一般には、太陽にほえろの「なんじゃこりゃあ!」が有名ですが、本作での死に際のよろめきは舞踏のように美しかったです。この点では、ジャン・ポール・ベルモンドやブルース・リーをも凌ぐような唯一無二の輝きがあると感じます。クラーク・ケントみたいな「変身前」と「変身後」の落差も魅力的だったし、飛行機の中でキューブリックのSFみたいなことを呟いて終わる不気味でシュールな感覚も洒落ていました。 ちなみに原作では、風吹ジュンのことを無慈悲に殺して逃げおおせるらしいけど、やはり優作の場合は最後に死んでこそ真骨頂なのでしょうね。むしろ風吹ジュンを殺したことのほうが腑に落ちなかったです。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-16 21:12:21)
7.  ルートヴィヒ(1972)
批判的な視点で淡々と史実だけを綴ったジャーナリスティックな伝記映画。けっして美しい映画ではありません。むしろ、美しさからはもっとも遠い世界だと思います。ヴィスコンティ自身は、ワーグナーはおろか、ルートヴィヒのことも、まったく愛していないのでしょう。ひたすら冷たい眼差しで、その哀れで無様で滑稽な人生を描いています。ヘルムート・バーガーもロミー・シュナイダーも美しいとは思えません。むしろ露骨なくらいに醜悪でした。あえてドイツ文化のグロテスクな面をあぶりだしているのでしょうか。個人的には、幻想的な映像美とワーグナーの音楽に耽溺できる内容に期待していましたが、そうした要素は皆無でした。安っぽいだけのデカダンが、悲しく虚しい。 個人的な好みとしては6点ぐらい。伝記映画としてなら7点。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-19 07:32:24)
8.  オキナワン チルダイ〈特別版〉
沖縄の「チルダイ」が本土資本によって買い占められようとしている、そんな危機的な事態が、のんびりとしたテンポではあれ、中心的なテーマとして描かれています。「チルダイ」というのは日本語の「気だるい」が沖縄風に訛ったもので、いわば「テーゲーでもなんくるない、沖縄特有のうちなぁタイム」とでもいうような、沖縄の社会や人々の怠惰な特性を表す言葉だとされています。しかし、私が見たところ、この映画における「チルダイ」は、「気だるい」というよりもむしろ、本土の言葉でいう「かったるい」の感覚に近い。すなわち、そこには少なからぬ暴力的な衝動が秘められていると感じました。前作の『オキナワン・ドリーム・ショー』に「死臭」のようなものが漂っていたとするなら、さしずめ本作には、そこはかとない「殺意」のようなものが漂っている。そして、それは本土に向けられたものであろうと私は考えずにいられませんでした。処女作の『サシングヮー』とこの作品こそが、高嶺剛の本質を強烈に感じさせる傑作であり、これ以降の劇場用作品ではそうした面が薄まっていくばかりで残念です。ちなみに『サシングヮー』は、ソクーロフの『ロシアン・エレジー』にも匹敵するような危険な傑作。
[映画館(邦画)] 9点(2011-07-29 08:12:20)
9.  怪談昇り竜 《ネタバレ》 
お、面白い…(笑)。エロ、グロ、やくざ、拷問、化け猫、見世物小屋からアヘン窟まで、何から何までテンコ盛りのエンタテインメント。テンコ盛りといっても、そこに娯楽以上の意味は皆無だし、中身もまったくマンガじみた無内容な話ですが、しょーもないギャグを交えながら、それらを面白おかしく、テンポよく見せてくれる。60年代のどこか陰気な石井作品に比べると、ある意味、陽気で分かりやすいともいえる。内容の無さといい、無駄にグロい仕掛けといい、土方巽の安い小芝居といい、端的に言えばただの「アホ映画」なんだけど、梶芽衣子のきりりとした美しさ、その歌声による泣かせの怨歌、そしてオープニングとエンディングをつなぐ女どうしの粋な戦いの格好よさと耽美性とが、全体のアホっぽさをぴしっと引締めていて上手い。そのクールさに惚れて8点つけようかと思いましたが、はやる心をおさえて7点。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-07-12 06:06:02)
10.  スティング 《ネタバレ》 
ラグタイムの音楽とともに描かれる、猥雑ながらも洒脱な感じのシカゴの町はとても魅力的だし、演出も見事で、役者の演技も素晴らしい。楽しめる映画ではある。ただ、こういう「技巧的な脚本」をどう評価するかについて、私はちょっと微妙ですね…。カラクリを弄するあまり、人間描写の深みはほとんど感じられないし(たまたま一緒にレンタルしたのが「第三の男」だったので、つい比べてしまったってのもある)、観客に疑問をもたせたまま、最後の最後まで真相を明かさないわけですが、最後になってすべての疑問が晴れるのかというと、けっこう色んなモヤモヤが残ってしまう。見終わった後であれこれと振り返ってしまうぶんだけ、かえって脚本の疑問点が浮かび上がってしまうんですね(脚本の緻密さという点でも、つい「第三の男」と比較してしまいました)。たとえば、サリーノは自室ではフッカーを殺害しなかったわけですが、なぜ白昼堂々、通りの真ん中で、ボディガードにも目撃された状況の中で殺害を試みるのか解せないし、ボディガードの側から見れば、それ以前にも殺し屋を排除しなければならないシチュエーションはあったんじゃないかとも思えてくる。あと、これはよく指摘されることだと思うけど、ロネガンは殺し屋のサリーノを差し向けてまでフッカーの殺害に固執しているのに、目の前にフッカーがいることには最後まで気づかないんですね。フッカー殺害の進展状況については報告が逐一あがってきているはずだし、直近の者もいつも傍にいるんですが、誰も目の前にいるのがフッカーだと気づかないのは、ずっと不自然に感じるわけです。その疑問が最後まで晴れない。むしろ、正体がバレた上で、あらためてフッカーとロネガンが手を組むという展開のほうが納得しやすいんじゃないかと思えます。そのほうが、ラストの「死んだフリ」も効果的に生きる気がするんですね。そうじゃないと、レッドフォード(フッカー)はいつまでたっても殺し屋に追われ続けるんじゃないかしら?と心配になります。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-12 23:12:54)(良:1票)
11.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
なるほど。物語がシンメトリーになっているんですね。素朴で勇敢なアイルランド人の成り上がりの前半生/巧緻で傲慢な似非貴族の没落の後半生。一部と二部はまるで別の映画でした。一般に、技術的・美術的な側面から、後半部の映像が高く評価されているみたいですが、どちらかというと前半のほうが面白かったです。純朴で勇猛なアイルランド人の、愚かしくも愛すべき人生をユーモアをこめて描くのかと思いきや、後半はそういうことじゃなくなっていくわけですね。主役のライアン・オニールは、前半部ではアイルランドの純朴な青年役がピッタリだと思ったのに、後半では存在感が物足りなくなってしまった気もする。現地では、「そもそもアメリカ人俳優にアイルランド人気質は表現できない」との批判もあったようです。結局のところ、これは大きい映画だったのか、小さい映画だったのか分からない。いわば、もっとも偉大な表現によって、もっとも卑小なものを描いたってことなんでしょう。面白くて、見応えがあって、造りも完璧なのに、いつもテーマの核心部分が“空虚”なのが、どうしようもなくキューブリックらしさだなと思います。最後は、善人も悪人も、アイルランド人もイングランド人もドイツ人も、死んでしまえば皆同じ。きっとこの監督にしてみれば、過去の人も未来の人も、原始人も暴力野郎も、死んでしまえば皆同じなんでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-27 19:09:32)
12.  ラストタンゴ・イン・パリ 《ネタバレ》 
中年のゲスおやじ、ブサイクな田舎娘。その、リアリティにあふれる生々しいエロス。こんなにも暴力に満ちあふれた性の行為を、これほどまで美しい映像で魅せてしまっていいんでしょうか?この美しさはちょっと犯罪的じゃないのでしょうか・・? でも実際は、ここで繰り広げられる暴力的なエロスは、たんなる“性欲”なんてものではなかった。「名も知らぬ男にレイプされそうになったので撃った」という言葉によって消去されてしまう彼らのエロスというのは、ほとんど“存在そのもの”だったと言っていい。それは名前とか身分によって示される表向きの存在とは違う、もっと切実に自らの生を根拠づける何かだったし、それゆえにお互いにむさぼるように求め合ったものだった。ラストは、ある意味、わたし自身が撃ち抜かれてしまいました。おそろしく悲しい映画。きわめて格調の高い映像美に、救いがたい下品さが共存することで、悲しみがいっそう深まっているように思います。傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2007-08-31 02:32:55)(良:1票)
13.  砂丘
なんでわたしはこーゆーのが好きなんだろう?とにかくバクハツするのが好き。爆破!爆破!爆破!もう永久に爆破シーンの映像だけでもいいかも(~o~)。(いま書いてて気づいたけど、わたしが「3-4×10月」が好きなのもたぶん同じ理由だわ。。)
[映画館(字幕)] 7点(2004-03-31 16:56:41)
14.  ガルシアの首 《ネタバレ》 
「俺のところにガルシアの首をもってこい。」ですよね~。カッコイイなー。男の映画!って感じですよネ。コクが深いです。全員死んでも「自滅的」という陰鬱な感じはしないです。どこまでも「破壊的」なんです!画面もドカーン!としてて。監督が大股で撮ってんだろうなあ・・みたいな。ちまちましてない。日本映画じゃこれは無理。
[映画館(字幕)] 7点(2004-03-20 12:14:39)
15.  遺言
牧牛や羊の、カランカラン・・、という鈴の音だけが映画を通してずうっと鳴ってる。大地の上で、人や動物が生きて、そして死んでいく。それだけ。それだけなのにボロボロ泣ける。あまりの映画世界の静かさに、一歩まちがうと眠ってしまうけど、最後まで見た時には、深い感動が押しよせてきます。わたしが考える、ほんとうの傑作中の傑作。
10点(2004-03-20 11:42:38)
16.  マーラー
約20年ぶり(!)の鑑賞。当時はたしか「三鷹オスカー/ケン・ラッセル3本立て」なんて状況の中で、頭をグルグルさせながら観た記憶がある。そのせいもあってか、「ワケワカらん」という印象しかもたなかったんだけど、今回、マーラーの曲についても史実についても当時よりはだいぶ知識をもった上で見直してみて、意外にも「けっこうまともな映画だったのね‥」と印象をあらためました。ということで、6点から7点に格上げ!DVDの特典では、マーラーの系譜のほかにミュージックチャプターもついていて、劇中に流れる音楽が誰のなんていう曲か分かるようになっていて、こういうのも便利ですネ。ケンちゃんの映像はいつもながらロック全開だったけど、マーラーの音楽も、結構ロックなんじゃないかな、と思います。一般に、奔放なイメージで知られているアルマ・マーラーがわりと貞淑で美しい女性に描かれており、反対に、献身的な女性とも思われているコジマ・ワグナーのほうは、ほとんどヒトラー同然でした(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2004-03-19 12:29:20)
17.  欲望のあいまいな対象
面白い!大好き! 円熟したブニュエルの、だれもが楽しめるようなオールマイティな魅力がたっぷりです。あいかわらずナンセンスなエログロギャグもふんだんに散りばめられてて、ブニュエルの臭いは至るところに感じられるけど、筋立てはまともだし、普通の人でも、ちゃんと楽しめる映画だと思います。キャスティングにも展開にも、とても創意があふれてて、それにくわえて、どこかラテン的な情感や哀歓も感じられて、味わいぶかい。もちろん、革命思想的な過激なムードも、まだまだ各所でとぐろを巻いてます。(~~)
10点(2004-03-17 23:47:33)
18.  ざくろの色
これは衝撃的だった・・。見たこともない映画。血とザクロでできた紙しばいみたい。“めくるめく”とはまさにこのこと。その色と音と、幻惑的な動きのリズムに圧倒される。でも、あのころシネヴィヴァンでなんども予告編を見たけど、じつは本編以上に、予告編のほうが衝撃だったし、魅力的でした・・。(~~ゞ  
10点(2004-03-16 21:33:43)
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