1. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
《ネタバレ》 ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウなど演技派が出ているということで、どのような作品に仕上がっているのか期待して鑑賞した作品▼内容はアニメで描かれそうなものだが、個人的にはそれなりに楽しめた。独特の映像美、多用されたCG、子ども向けとも受け取れるストーリー。そこに実力派の俳優の演技が加味される▼実力派の俳優と言っても、名演技をしているのではない。本作品では作品のテイストにあった役作りをしている。例えば、人が死んだにも拘らず「死んだわ」とあっさりとした口調で述べるグウィネス・パルトロウ。この演技には舌を巻いた。作品のテイストを考えるなら、これぐらいの淡白さがふさわしい▼好みによって評価は分かれるかも知れないが、割り切って楽しむべき作品だろう。 [地上波(吹替)] 6点(2007-04-08 01:12:18) |
2. 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
《ネタバレ》 劇場版第10作の記念的作品▼事件そのものは決して複雑ではない。暗号も大きな捻りもなく、あっさりとしている。しかし、登場人物が多すぎることが欠点として挙げられるだろうか。登場人物が多いことは決して悪いことではないのだが、鑑賞者にも理解しやすいようにキャラをしっかり立てる必要がある。本作品ではそれがない。写真や警察から得た情報だけで人物の説明を済ませてしまう▼内容は評価するほどのものではないかも知れないが、前作、前々作よりもおもしろい。監督が山本泰一朗になってからでは一番の出来ではないだろうか▼ところで、光彦の声優って変わったのだろうか?最後まで違和感があった。 [地上波(邦画)] 7点(2007-04-08 01:03:33) |
3. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 ネタとしては決して新しいものではないと思う。『ドラえもん』にも登場する話であるからだ▼しかし、トニー・スコット監督は決して単純なまま終わらない。片目で現実を、片目で過去を認識しながら犯人の車を追うシーンに斬新さを感じた。また、世間で“スタイリッシュ”と評される映像も、『マイ・ボディガード』や『ドミノ』ほど慌しくなく、作品のテンポと見事にマッチしていた▼ストーリーは細かい部分にはツッコミを入れたくなる。例えば、レーザーポインターが画面を通り抜け、監視中の女性がその光に気付いたが、その現象はなぜ起こり得たのだろうか▼だが、このような細かい部分は気にしない方が良いだろう。気にしなくても良いようなテンポと映像でこの作品は出来上がっていると思う。デンゼル・ワシントンの名演技も含め、サスペンス映画としてもアクション映画としても楽しめる娯楽作品に仕上がっている。 [映画館(字幕)] 7点(2007-03-30 22:52:37)(良:1票) |
4. リバー・ランズ・スルー・イット
《ネタバレ》 兄弟の絆を描いた映画であるが、この作品は人間ドラマよりも良かったがモンタナの美しい景色がそれ以上に素晴らしかった▼兄弟にまつわるエピソードを幾つか紹介しながら話は進んでいくが、どのエピソードもあまり深く掘り下げない。兄が恋に落ちたこと、弟が警察沙汰を起こしたこと、他にも様々な話が点綴されているが、大きなウェイトは決して置いていない▼それが故に退屈な感もあった。しかし、このエピソードの点綴が兄弟の人間像を作り上げ、二人の絆を描き、そして最後の衝撃に結びついたのではないか。決して大きな山場はないが、気が付けば余韻に浸れる作品である。 [地上波(字幕)] 6点(2007-03-30 22:40:37) |
5. 閉ざされた森
《ネタバレ》 ジャングルに迷彩服を着た7人の男女、暗さばかりが目立った回想シーン、何転かするストーリーの展開。これらが相まって解りにくい作品となっていたことは否めない▼しかし、もう少し何らかの工夫をしていたとしても、このストーリーを考えるならば多少観客に理解できない部分があってもやむを得ないだろう。逆に私などは頭をフル回転させて観ていたため、眠気に襲われることもなく、また時間の経過が非常に早く感じられた▼最後のドンデン返しには賛否両論があることだろう。個人的に最後の捻りは不要だったように思う。“8”の暗号をいまいち強調しきれていなかったために、最後のオチにも納得がいかなかった。そもそも、取調室において兵士が“8”という暗号をメモに残したのかも十分に説明されていないのではないか。非常に未消化である。もし「第8特殊部隊」の話をないものにしていたら、もう少し高得点を付けることができたのだが。やや残念。 [地上波(字幕)] 4点(2007-03-21 14:13:05) |
6. 白い嵐
《ネタバレ》 ディザスター・ムービーかと思ったらドラマがメインの作品だった▼このドラマ、やや淡白な印象を受けた。登場人物のキャラがいまいち立っていないため、単調な感じは否めないだろう。「友情」や「師弟愛」など幾つもの要素を監督のリドリー・スコットはこの作品に盛り込んでいるが、「友情」のみをもう少し前面に押し出し、最後の裁判シーンはカットしても良かったかも知れない。最後のドラマが感動の山場なのかも知れないが、私には「蛇足」に思えた▼しかし、さすがはリドリー・スコット監督である。大きく外しはしない。全体としてはそれなりにまとまっている。またイルカのシーンなどのカメラワークも良かった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-03-17 16:24:15) |
7. エミリー・ローズ
《ネタバレ》 「オカルトホラー+法廷サスペンス」といったところか。この2つのテイストが定期的に入れ替わる形で映画は進行していくのだが、この手法のために作品に集中することができなかった。「怖い」と思う部分も「ハラハラ」する部分も中途半端になってしまったような気がする▼それに加え、やはり私のようにキリスト教に馴染みがない人間には取っ付きにくい作品と言える。これは『エクソシスト』に関しても言えることだ。ただ、『エクソシスト』は全編をホラーで統一し、独特の音楽も効を奏して雰囲気を楽しむことができたが▼これは実話を基にして作られているようだが、現実的に考えて、身の回りでこのような悪魔祓い裁判が行なわれていたらどう思うだろうか。にわかに信じることは難しい。しかし、「エミリーの墓に大勢の人が訪れる」と映画の最後で述べられていることから、この裁判の意義は大きなものと言えるだろう。 [DVD(字幕)] 4点(2007-03-14 14:30:55) |
8. ザ・ハリケーン(1999)
感動するドラマだったが、これが実話だと思うと背筋が凍る。もし自分が冤罪で20年間も失われたと思うと、「イヤになる」の一言では済まされないような気がする。黒人に対する偏見が生んだ悲劇としか言いようがないが、この作品では悲劇を感動作として描かれていた。このテイストは個人的には良かったと思う。でないと、ただの暗い映画で終わってしまって、人々の心に届く以前に人々をヘコませるだけの結果になってしまっただろう。しかし、事件の描写が少し足りない。もう少し詳しく描いて欲しかった。 6点(2004-09-30 09:14:55) |
9. ランボー3/怒りのアフガン
《ネタバレ》 『ランボー』シリーズって、本当にアクションの連続で歯切れが良い。この作品なんか、ひたすらアクションで、大佐を救出することを描くのに90分の映画になったなぁと感心する。最近はアクション映画でもストーリーが入り組んでいるが、このようにシンプルな映画も好きだ。特に今作は敵の砦内に侵入することもあって、スリルが今までもよりもあった。まぁランボーがやられないという前提では観てしまったけど。 7点(2004-09-29 09:31:52) |
10. スコア
マーロン・ブランド、ロバート・デ・ニーロの演技の上手さは言うまでもないことだが、エドワード・ノートンもこの二人に勝るとも劣らない名演技だったと思う。障害を持つ青年の役をいとも簡単にこなしているかのように見えた。ストーリーとしてはありきたりでラストの展開も予想がついていたが、この作品はストーリー云々ではなく、この三者で成り立っていると思う。 5点(2004-09-28 09:11:42) |
11. ハートに火をつけて
ありきたりなサスペンス映画って感じだった。個人的には好みに合わなかった。ややストーリー展開が強引な気がしたし、主演二人の関係の押しも少し足りなかったように思う。もっと二人が惹かれ合った姿を描くべきだ。そうしたら二人の口喧嘩なども生きてきたと思うのに…。とりあえず、全体的に迫力がなくてダルい印象を受けた。 4点(2004-09-27 13:18:19) |
12. トランスポーター
コンパクトにまとまっていて良かったと思う。おかげでテンポ良く事が運んでいた。アクションも前半のカーアクションから後半のカンフーアクション、それに派手な爆破シーンと観る側を楽しませてくれる。統一性がないとも言えるけど…。ただ、主人公の過去や今後の詳しい説明を完全に無視している点が気になる。警察にウソの供述をしたり警察官を人質にとったり、そんなことが現実で許されるはずがない。娯楽性を追求した最近のリュック・ベッソンらしい仕上がりだと思った。 8点(2004-09-27 10:59:31) |
13. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 過去の英雄は話が美化され神話化されやすい。それはどこの国であって同じであり、救世主を求める人間の心理から生まれるのかも知れない。この作品はジャンヌ・ダルクをより現実に近い姿で捉えようと試みられていると思う。つまり、神話化されるような要素を取り除き、ジャンヌ・ダルクに人間臭さを求めている。特に後半のジャンヌ・ダルクの心の中での葛藤がそうだろう。一歩退いてみるとジャンヌ・ダルクは単なる狂信者にしか見えないかも知れない。しかし、私は上手く具現化されていたと思う。あの部分がなければ、それこそジャンヌ・ダルクは我々にとって掴み所のない人物であったろう。この作品でジャンヌ・ダルクは戦略を考えずにイギリス軍に勝ったように描かれているが、実際はある程度考えて行動したのであろう。だが、ただ神のお告げで勝ったように描くことによって、奇跡の度合いが増し、彼女が長年に渡って人々に語り継がれてきたことに結び付いたと考えられる。その辺りも、私が個人的にこの映画が好きな理由の1つだ。 8点(2004-09-26 10:10:52) |
14. アイ,ロボット
《ネタバレ》 人間とロボットの関係について考えさせられる、非常によくできた作品だと思う。と言うのも、この作品では人間とロボットの対立のみならず、交流に関しても描かれているからだ。これは脚本の出来が良かったと言わざるを得ないだろう。過去の映画作品において、『ターミネーター』シリーズなどが両者の対立と交流を扱った作品として挙げられるだろう。しかし、『ターミネーター』シリーズではヒーローと悪役が明確に位置付けられていた。この作品においては、その役付けがない。いや、できないと言っても良いかも知れない。なぜなら、ヴィキが言っていたように「戦争を行い破滅への道を進む」人間にも悪役となる要素があると考えることも可能だからである。換言すればロボットの革命は人間のツケであろう。科学技術の進歩に「待った」をかけることは不可能だが、人間とロボットの在り方については考える必要があると思う。 9点(2004-09-23 17:50:52)(良:1票) |
15. GODZILLA ゴジラ(1998)
日本のゴジラとは全く無縁な仕上がりになっている。単なるモンスターパニック映画と言っても決して過言ではない。だからと言って『ジュラシック・パーク』のようなドラマがあるわけでもない。本当にただ怪獣が暴れ回っているだけで、そこに意味合いは全く含まれていない。例えば、突然変異で巨大なゴジラが突如現れるのも理解できないし、巣作りをして卵を産むとことにも疑問が残ったままだ。しかし、さすがはハリウッド。映像は迫力があってスゴいと思った。 5点(2004-09-22 20:53:27) |
16. ホット・ショット
《ネタバレ》 マジメな顔をしてバカをやってるチャーリー・シーンも笑えたけど、個人的には提督役のロイド・ブリッジスの方が面白かった。「194回出撃して194回撃墜された」なんて小ネタを至る所に盛り込んでいたのが良かったんじゃないかな。面白くないギャグでも定期的に繰り返されると笑ってしまう。特に頭をぶつけた時になる効果音や着席する時に犬を踏んづけるシーンは「またかよ」ってツッコミを入れながら口元が緩んでいた。日本では「テンドン」と呼ばれる笑いの手法がアメリカでも使われているんだなって思った。この作品が他のコメディーと異なる点は、細部にまでギャグを入れていること。観ている人に気付いてもらえない可能性のある所まで笑いを取りこんでいることに好意が持てる。もちろん私が見逃しているギャグも多々あるんだろうけど…。 6点(2004-09-17 06:43:57) |
17. ネル
《ネタバレ》 「狼少女」を題材にしていると言う点で非常に興味があった。ジョディ・フォスターはよく十分に言語を話せない役を演じられたなぁと思って感心するばかり。あそこまで「役になりきれる」のは実力がある証拠だろう。彼女の演技は上手かったと思うものの、ストーリーには疑問がいささか残る。人間世界と隔離された子は社会力の形成に問題が生じる。つまり、他者とコミュニケーションを図ることが難しく、また学習能力も低い。また、過去の事例では野生児は長生きすることもなかった。この作品では、これらの過去の事例を覆す設定となっている。ネル語も人間の言語から生まれたものであったし、物の食べ方にしても人間と大差はない。確かにネルも人間に変わりはないため、おかしくないと言えばそれまでだが、もう少し現実に近づいた設定でも良かったと思う。ジョディ・フォスターにそれだけの演技力があるだけに、少しもったいないような気がした。 6点(2004-09-16 05:41:46) |
18. マネートレイン
《ネタバレ》 主役の二人が強盗になるという展開に驚きつつも、それなりに楽しめた。主演の二人が全く対照的なキャラクターである点にも好意を持てる。前半ではこの二人の人物像がよく描き出されていたと思う。後半のアクションは単純で微妙だったし、エンディングも予想外だったけど、まぁ人に薦められなくなくもない作品かなぁ。 6点(2004-09-15 06:37:26) |
19. イン・マイ・ライフ
《ネタバレ》 「愛してる」と言えないもどかしさが伝わってこなかった。むしろイライラしてしまう。この作品のテーマは「できそうでできない言動」にあると思うが、そのテーマを前面に押し出すために年月をめまぐるしく変化させる点にはどうしても馴染めない。これは脚本に問題があるのではないだろうか。 4点(2004-09-14 11:53:15) |
20. ザ・シークレット・サービス
《ネタバレ》 クリント・イーストウッドがシブかった。悔いのある人生を送ってきたことが滲み出ていた。見事な演技だったと思う。しかし、なぜか映画の世界に入り込むことができなかったんだよなぁ。ちょっと話が分散し過ぎていたのかも知れない。特に、この作品内におけるレネ・ルッソの役割がいまいち理解できない。製作者側としてはクリント・イーストウッドとジョン・マルコヴィッチだけでは男くささが漂い過ぎてて、それをまろやかにするためにレネ・ルッソをキャスティングしたんだろうけど、別に男くさい雰囲気になっても良かったと思う。あるいは、まろやかにするならするで、もっとレネ・ルッソの出番を増やすべきだったろう。この役割が中途半端だったため、男二人の対決に少し水を差した感があることは否めないと思う。 6点(2004-09-14 09:31:40)(良:1票) |