1. クライマーズ・ハイ(2008)
まあ、いろいろと問題はありますが近年、この手の問題点(革新的な視点で描いてるようだけど、どこかずれてる、っていうか観てる方はそんなにバカじゃないよって感じ)は洋邦問わず溢れてるので、観る方もいい加減慣れないとね・・。主役から脇役まで、漏れなく迫真の演技をしてくれた役者陣にこの点数。もう、演技自慢コンテスト状態でしたし(笑)。話自体はNHKのドラマ版の方が勝ってたかも。 [地上波(字幕)] 6点(2009-10-09 01:59:52) |
2. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
《ネタバレ》 ミュージカル部分が弱い。長く歌わせる必要はないが、もう少しパンチを効かせた方がよかったと思う。自信がなかったのかな?ストーリー(特にオチ)が淡々としていて、意外性に乏しかったのも△。ジョニーデップの演技も鬼気迫るというほどではなく、これでアカデミー賞って、うーん・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-25 21:26:05) |
3. たそがれ清兵衛
藤沢周平の世界観をうまく表現できていると感じます。でも、原作(小説)の「たそがれ清兵衛」とは全然違いますね。全体の雰囲気で言ったら「竹光始末」の方に近いです。題名の響きの良さから考えてこっち(たそがれ)にしたんでしょうね。立身出世に興味はなく、守るべき家族も有り、愛する人もいる清兵衛が、好都合な道具として使われるだけのクソみたいな藩命に律儀に従うところが美しいです。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-10-22 01:09:44) |
4. 武士の一分
《ネタバレ》 ほぼ原作どおりの展開、というところにホッとしました。キムタクの演技も結構良かったし。注文を付けるとすれば2つ。まずは「修練」について。原作では落ちてくる木の葉を気配だけで狙い打つという描写がありましたが、これは是非入れて欲しかったですね。キムタクは剣道経験者ということもあってか、木刀の扱いは結構サマになっていたので、制作サイドにその気があれば十分に描ききれたと思いますし・・・。もう1点は最後のシーンですね。原作では妻が家に帰ってきたことを主人にははっきりとは伝えずにあえて「飯炊き女を雇った」という風にしておいて、主人は主人で離縁した妻が帰ってきたことを何となく気づきながらも、その女がつくった飯を口にして「この女の飯はうまいな。これかもずっとこの家にいてもらおう」みたいなことを言い、それを聞いた女(妻)はたまらず台所へ身を潜め、うれし泣きの声を悟られまいと必死に声を殺す・・・という感じだったと思います。たしかに少しわかりにくいかもしれませんが、やはりこっち(原作)の方が観た人はグッとくると思うんですけどね。「語らずともわかるだろ?」っていうのは大事だと思いますよ、ホントに。最近は洋画邦画問わず、「分かり易すぎる描写」にこだわりすぎだと思います。商業的にはそっちの方がいいのかもしれませんが、それでは作品に奥行きが無くなってしまう。実にもったいない。「わからん奴らは放っておけ」ぐらいの傲慢さもときには必要かも。 [地上波(字幕)] 6点(2008-02-28 02:01:50) |
5. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 せつないなあ・・これ。映像もきれいだし、演出も丁寧だからB級臭さとかは全然無いです。あとはこの「やるせなさ」を受け入れられるかどうかですね。詳しく分析しちゃうと脚本の矛盾点とか結構出てきそうな、やや不安定な感じもありますけど、とりあえず言いたいことはちゃんと伝わってくるので良作だと思います。 [地上波(字幕)] 8点(2008-02-28 00:55:22) |
6. ソウ3
《ネタバレ》 私は1作目のレビューで「殺人鬼を制作サイドが神格化すべきではない」旨のレビューを書きました。2作目では不思議とその辺のところが抑えられていていたのですが、残念ながら3作目で一気に爆発してしまったようです・・・。どうやら制作サイドはどうしてもこの「ジグソウ」を神格化したいらしい・・・。いや、そうしたいのであればこそ、制作サイドは殺人鬼側を讃えるような演出は厳に慎むべきなのだ。中立的な立場で描いてこそ、客観性は増すものなのです(羊たちの沈黙やセブンがそうであるように)。本編で、刑事が言った台詞「お前はジグソウなんかじゃない!」には呆れました。これって、ジグソウに少なからず敬意を持つ人間しか発しない言葉ですよね?ましてや、親子共々の被害者である刑事がこんな言葉を発するなんて、どう考えても無理があるでしょう。でも、何だかんだ言って結局「3」まで観てしまっている自分はある意味、制作サイドの術中にハマっているのかもしれませんが、さすがに「4」の鑑賞については考えますね・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2008-02-26 01:02:51)(良:1票) |
7. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
おバカ作品ですけど、まあまあ楽しめました。バブルを知らない世代にとってはつまらないかも・・・ピンと来ないと思うので。広末涼子が妙に艶めかしくて、観ていて落ち着きませんでした(笑)。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-26 00:35:26) |
8. A.I.
所々に違和感をおぼえるシーンがあり、視点が定まらないまま無駄に長く撮ってしまった感じですね。スピルバーグは作品の当たりはずれが激しいな、と再認識しました。 [地上波(吹替)] 4点(2007-03-28 00:38:49) |
9. メメント
基本的に一定方向の逆再生なので、時間軸が激しく前後するパルプフィクションよりもわかりやすいです。ただ、1シーンごとの演出に派手さがなく、展開もオチも地味なので強い刺激を求めて観てしまうと期待外れになってしまいそうです。単に記録するためだけのはずのイレズミの字体が妙に凝ってて違和感を感じましたが、総合的に言って良作の部類だとは思います。 [地上波(字幕)] 7点(2007-03-28 00:32:04) |
10. レッド・ドラゴン(2002)
《ネタバレ》 いいですねえ。2作目「ハンニバル」があまりにも色合いが違ったから、本作を観るとホッとします。作品の出来自体で言えば「羊たち」と比べても遜色ないと思いますし・・。主人公が冷静沈着でしっかりした男だったから、クラリスよりも安心して観ることができました。MVPは何といっても”奥さん”ですね。銃弾が飛び交う寸前に床に伏せ、亭主が目の前で倒れているという状況で、泣きじゃくりながらもしっかりとレッドドラゴンにとどめをさすという・・・さすがです!(笑)。 [地上波(吹替)] 10点(2007-03-14 01:30:16) |
11. トレーニング デイ
ベタだけど・・・、おもしろかったです。演技力はさすがに凄いです。でも、こういうことはさりげなくやってくれたほうが・・・これじゃあ、「賞をくれよ!」って言ってるのも同然。まあ、これぐらい節操無くやらないともらえないのかな・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2007-03-14 01:15:31) |
12. 真夜中の銃声
ちょっと地味過ぎ。やたらとどんでん返しが多い作品よりはいいけど、少し物足りない。ストーリーに波乱らしいものがなく、結局のところ、哀しい話なのか、ハッピーな話なのかもわからなかった。映像がとても丁寧に創り込まれているところが◎。 [地上波(吹替)] 6点(2007-02-14 22:16:16) |
13. 亡国のイージス
まあ、たしかに”パクリ”ですね。でも、かなり良質の”パクリ”だと思います。何であれ、とにかく最初にやったヤツが一番凄いっていう、いわゆる”オリジナル至上主義”に懐疑的な私にはとても好印象の作品です。だって、「ザ・ロック」も「ダイハード」も「沈黙の戦艦」も観たことない人が観たら絶対に面白いと思うでしょ、コレ。それぐらい、仕事としては丁寧だと思います。豪華俳優陣が時折見せる迫真の演技には素晴らしさを感じましたし・・・。それから、過度にリプレイ&スローモーション&しつこいBGMをやらなかったところもいいですね。そういった部分の演出が鼻につく有名作品が多い中、主要人物があっけなく死んでいく本作の演出はある意味リアルでよかったと思います。亡国云々というところは別として、撃たれる前に撃つというのが実戦の鉄則、今の日本(人)にはそれができない、っていうテーマに関しては真摯に受け止めておいて損は無いでしょうね。 [地上波(字幕)] 8点(2007-02-11 01:52:26) |
14. 交渉人 真下正義
《ネタバレ》 ある意味、非常に考えさせる作品。私は開始2分後に鑑賞モードを「娯楽」に切り替えました。そうしたら結構楽しめました。作品自体は「(ビジネスとして)それなりに仕事はしました」って感じですね。それ以上でも以下でもない。いろんな映画の一場面や、さまざまなジャンルの“それらしきこと”を安っぽく切り取ってつなげることには心血を注いでいるわけで、それはそれで評価できなくもない。「小難しいことを言う一部のクソ真面目な映画ファンなんて放っておけばいい。それよりももっと多くの人たちに楽しんでもらえばいいんだ」という、おそらく制作者側の意図も、ある意味、徹底した“プロ意識”のあらわれなのかもしれません。ただ・・・本当にそれでいいの?「使い捨て」を前提に映画を創る・・・洋画、邦画を問わず、最近はこういう映画が実に多いこと。大量生産、大量消費っていう理念はせめて生活必需品の範疇で収めておいてほしいものです(笑)。ところで・・・、冒頭での真下へのインタビューシーンで執拗に映し出されてた若者が犯人ってことでいいんですよね? [地上波(字幕)] 5点(2007-01-01 02:28:39) |
15. ブラックホーク・ダウン
1回しか観ていないからかもしれませんが、ひじょーーにわかりづらい。印象に残っているのはヘリの勇敢なパイロット?2名とトム・サイズモアの苦悶の表情のみ。感じるものは多少あったので点数は甘めですが、もう1回観たら多分、大幅に変更すると思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-03 03:18:07) |
16. PLANET OF THE APES/猿の惑星
オチはまあ、良かったと思います。オリジナル版ほどではありませんが、まあ、あれなら・・・でも、それ以外は全然ダメでした。 [地上波(吹替)] 3点(2006-09-03 02:31:36) |
17. インソムニア
なかなかの出来じゃあないでしょうか。たしかにアレッ?っといった感じのツッコミ所もありますが、ハッとさせるようなシーンもあり、良悪混在の憎めない作品だと思います。「パルプフィクション」みたいに、ブツ切りのカット&時間経過の入れ替えを取り入れ、「シャイニング」のようにしつこく凝視する映像にしていたら・・・もっとそれらしい雰囲気になったんじゃないでしょうか。 [地上波(吹替)] 7点(2006-08-02 02:04:01) |
18. ハウルの動く城
賛否両論の作品ですね。前半はまあ、多少難ありでも何とか観ることができましたが、後半は辛かった・・・。ツッコミ所はほとんど↓ぽやっちさんが書いてくださっているので省略しますが、最近はジブリに限らず、こういった「話そのものが訳のわからん作品」って多いですよね。これで本当にいいんでしょうかねえ・・・。だって、要は「設定」と「脚本」でしょ?そんなに金がかかる部分ではないはずです、多分(笑)。制作者&監督&脚本家が作品に対する熱意(愛情?)を持って、じっくりと取り組めばクリアできる問題だと思うんですが・・・それが多分できないんでしょうね、深刻です(笑)・・・。「ラピュタ」と「ハウル」の距離がどんどん遠ざかっていくような気がします。 [地上波(字幕)] 5点(2006-07-31 01:25:14) |
19. ソウ2
前作に引き続き、瀕死の老人の一方的な価値観の押しつけ感は否めませんが、えこひいきや犯人に対する賞賛は少なく感じられ、不思議と前作よりも印象は良いです。あらかじめ前作を観ておくことが必須条件ではありますが、逆に言えば前作を観たことのある方々には必見の作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2006-06-18 02:28:16)(良:1票) |
20. スウィングガールズ
少々長くなりますが、吹奏楽部(以下「ブラバン」と略)を経験し、その後もいくつかの楽器を経験し、音楽に対して割とクソ真面目なタイプの人間からの感想を・・・まず、ブラバンにおける象徴的な苦悩が一切描かれていないのが×。「そんな難しいことは言わずに気楽に観れば?リアルなブラバンを表現したかったわけじゃなくて、題材を拝借しただけなんだから。」と制作者側は言うのだろうけど、これはあまりにもヒドイ。そもそも管楽器というのは「歌」に似ていて、激しい音程の変化や極端な高音・低音を出すこと自体が難しく、ピアノならその音に対応した鍵盤を叩けばいいだけのことが管楽器では至難の業だったりするのです。だから、ブラバンで日常的に繰り広げられる光景、顧問やキャプテンに幾度となく言われる言葉・・”出せない音があるなら全体練習には来るな。そんなのは個人練習でやってこい。”・・・そして、悔し涙をこらえてひとり、校舎の片隅でその音が出せるようになるまでマウスピースを持って自分の唇と格闘・・・っていうシーンが全くないというのはあまりにもリアリティに欠けている。それこそ戦争映画で一滴の血も見せないほど非現実的だと思う。そして私を最も呆然とさせたのはスーパーマーケットの前?での路上ライブのシーン。鍵盤楽器や弦楽器は音楽理論を学び、自分の指の動きや押さえるべき鍵盤の位置を視覚的にとらえてさえいれば「音」そのものを理解できていなくても何とかアドリブでの演奏が出来てしまうものなのですが、管楽器だけはそうはいかない。鍵盤楽器、弦楽器、打楽器、管楽器の中でアドリブ演奏が最も難しいのは管楽器なのです。それなのに、たまたま遭遇した場所で、しかもいったんは離脱し、かなりの期間練習をしていなかった高校生たちが集合してセッション・・・絶対にありえません(笑)。メンバー全員がよほどの天才でもないかぎり。・・・なんでこういう意地悪なツッコミをするのかと言うと、楽器経験者、ブラバン経験者なんて世の中に腐るほどいるでしょ?この映画のように「音楽」をかる~く描いている、もしくは何かを描くための材料として利用しているっていう部分に対して嫌悪感を抱く人も結構いるんじゃないかと思ったものですから・・・。 [地上波(字幕)] 2点(2006-06-18 01:27:53)(良:5票) |