1. LUCY ルーシー
《ネタバレ》 これ、2001年宇宙の旅を意識してますよね。 最初猿が水飲んでるシーンでまずそれを感じました。 中盤に数回出てくる、目玉ドアップでパチクリするカットも、ボーマン船長がスターゲートを通過する時っぽいし。 99%に覚醒し、時空間をも超えるシーンで観客に??と感じさせるシーンは、スターゲート通過後の展開にも似てる。 表向きはSFアクションという体裁ですが、終盤を解釈するに、とても宗教的・哲学的な事がメインテーマとなっています。 量子力学や応用数学の話も出てきましたし、「この世の全ての物質は時間という概念によって存在できている」という説明も、意識によって物質も形状を変えるという理論のようです。 覚醒が進むと、周囲のパソコン等の物質との同化まで自由自在ですしね。 んで、99%まで覚醒すると時空を遡り、宇宙誕生の瞬間くらいまで自在に戻っていけるようになりました。 そして100%になったら、ルーシーとしての肉体は消えました。 これは仏教でいう「空」の状態を表したのだと解釈しました。 キリスト教でいえば「神」と同等の存在。つまりは全知全能の存在。完璧な「一つ」の状態に到達したといえます。 その状態から携帯を自在に操り「I AM EVERYWHERE(私はどこにでもいるわ)」で映画終了。 間違いないですね。ラストの解釈は、「何もないことだけがある」という空の状態に到達し、悟りを開いた、という事で間違いないでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2014-09-18 21:37:35) |
2. アナと雪の女王
《ネタバレ》 4月に映画館で鑑賞。 普段全くテレビを見ない私は、ただ「この映画がヒットしている」という情報しか知らずに観に行きました。 つまり、この有名な主題歌も、ひいては吹替えの声優が誰かさえも知らない状態でこの映画を見たのです!! なので、この感動的な主題歌を人生で初めて聞いたのが、まさに劇中でエルサが歌うシーンだったのです!! 当然「何ていい歌なんだ!」と一回聴いただけですごい感動しましたよ。多分一般的な日本人より、このシーンで受けた衝撃は圧倒的に僕が一番ですよ笑。 姉妹役の声優に関しても、歌のシーンでの声量がすごいので、ミュージカル界での実力派を起用してるのかなと思ってたら、エンドロールを見てビックリw 松たか子と神田沙也加なんですねw 2人がこんなにパワフルな歌を歌えるとは知りませんでした。 エルサは山に逃げた後、魔力というコンプレックスを「ありのままの自分」と受け入れ、抑圧から解き放たれますが、そのシーンでの「これでいいの 自分を好きになって~」という歌詞が、自身に言い聞かせてるように聞こえてすごく切なかったです。他者との関わりを完全に絶つと決めたわけですから。 両親の死はサラっと描きすぎてて、どこに行く為に何の為に船に乗ったの?と疑問に思いましたが、5分見進めたら忘れたのでまあよしとしましょう笑。 ディズニー映画を映画館で観たのは初めてでしたが、メッセージが普遍的なので、老若男女に共感されるのでしょう。他者の為に何かをしてあげたいという気持ちが「真実の愛」であると。 あとは単純にキャラがかわいかったり、オラフのボケも単純にかなりおもろい笑。笑いのクオリティが結構高いんですよ笑。 勧善懲悪的な結末も見ててスッキリしますしね。 全世界で大ヒットも納得のテーマと歌でした。こりゃあっぱれ!! [映画館(吹替)] 8点(2014-06-06 15:49:46) |
3. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 imaxで鑑賞。imaxという映像技術は本当に神がかってる事を文字通り体感しました。全ての3D映画は絶対にimaxで見るべき。綺麗さが雲泥の差です。 映画に関しては、映像技術のすごさ、どうやって撮影されたのかという驚きなど、この映画の存在自体が偉業である事、90分と短い時間の中でこれだけ観客をドキドキさせ楽しませるのは、まるで映画というよりアトラクションのようだ、という事は分かりました。 しかし!ストーリーを楽しみたい僕としては、結局同じ展開が何回も続くだけで、正直ハラハラ演出に段々飽きてくる。 大まかには『宇宙空間に一人取り残された人間が数々の危機を乗り越え最終的には地球に帰れた』ってだけの話ですよね。 僕みたいな人間は、その間に何があっても最後は地球に帰れるんでしょ、って思ってどうでもよくなってしまう。もうこうなると事あるごとにいちいちトラブるのがめんどくさい。 しかもパターンが全部同じ。扉が開かないとかボタンがきかないとか… 音楽のパターンも、仰々しい音楽が徐々に音量が上がり、最後ドン!みたいな。ぜーんぶこのパターンだから終盤はもういいわ!ってなる。 ただよかった点は、やはりサンドラブロックのセクシーさ。宇宙服を脱いだ時現れる体はまさに垂涎モノ笑。 あと最後水から上がり重力を感じるシーン。ここの喜び表現演技が素晴らしすぎる! 我々は日常重力を意識しませんが、重力を感じる喜びがこんなにも伝わってきた時点で、この映画に完全に入り込んでいた事を気づかされた。 そして自分の足でしっかりと立ち上がったところで、タイトルがドーン!! え?原題ってGRAVITYなの?じゃあ邦題意味真逆じゃねーか!!日本の配給会社は勝手に何してんですか? だってこの映画は、地球で悲しい出来事に見舞われた主人公が宇宙に行くけど、無重力空間はあまりに過酷で、やはり地球に帰りたい、でついぞ地球に到着し、重力を感じる…。 この重力こそが地球なんだ。(まさに母なる地球) 地球(=重力)って素晴らしい!ってシーンの後にGRAVITYって出てきて、おー拍手ー!!ってアメリカではなってるはずじゃないですか。 なのに完全に反対の意味の邦題をつける感覚が本当に理解不能。最後の最後で映画の製作者ではなくバカ配給会社に腹が立つという本当に勿体ない結果に。 まあこの手のハラハラ劇は頭使わずにただ楽しめばいいので、万人受けしてるのは納得でした。 [映画館(字幕)] 5点(2014-03-12 21:46:08)(良:3票) |
4. 土竜の唄 潜入捜査官 REIJI
《ネタバレ》 久しぶりに「ひどい邦画」に当たってしまったな、という感じですね。 もうクドカンのおふざけとかホントクソほどの面白さもないんですけど。低俗すぎて怒りすら覚えました。 地味に伏線を入れてるぶってんのも(純奈のプレゼントが渡した時点では分からないとか)、もう「こんなんでいいっしょ」みたいな手抜きにしか見えない。「仕事」として一脚本執筆のお仕事をやってるだけなんでしょうね。熱意を持って作品を作ろう!って気はこの作品からは一ミリも感じ取れませんね。 三池監督って人の作品は今まで見た事はありませんでしたが、フィルモグラフィを遡ると、この人こそまさに「ザ・日本のクソ映画監督」って感じですね笑。 編集というかシーンの移り変わりとか超乱暴で、雑な仕事してんなぁってのが見え見え。まあ本人も仕事と思って割り切ってやってるのでしょう。アクションシーンのチープさとかホントにゴミ以下としか言いようがないでしょ。 生田斗真は頑張ってるなあと思いました。今までにないハジケ演技に文字通り体を張ってトライしてみようと目的を持って役に挑んでる感じを受けました。上述の「一つの仕事をこなしてる」監督さんと脚本家さんとは作品に取り組む姿勢が違うのが、言わずとも画面を通して伝わってきます。 さて、そんな本人生田さんは演じ終わって完成されたこの映画を見てどう思ったんでしょうか。まあ作品の完成度がどうであれ、俺は自分の演技の幅が広がってよかった、とポジティブに捉えてるのかな。もしそうでなかったら、あまりにも生田さんが浮かばれないよ…。 何かこの作品は、「原作を俺たちで実写化したい!」っていう意気込みから撮影が決まったのではなくて、金儲けの一アイテムとして製作が決まったんだろうなって思います。 とにかくこの映画は、ビジネスの為に製作された、製作者側に製作意欲のない適当な一本です。余計に一生懸命やった生田さんの本心が気になります…。 [映画館(邦画)] 0点(2014-03-09 20:36:58)(良:2票) |
5. ウルフ・オブ・ウォールストリート
《ネタバレ》 タクシードライバーをほぼ40年前に撮ったスコセッシの最新作という事は、要はもはや今じゃ大ベテランの70歳すぎたおじいちゃんの最新作なわけですよねこれは。 それを考えるとこの映画の持つエネルギーはマジすごすぎ。70歳超えてから3時間も大金とセックス・ドラッグのみをただただ描き続ける監督がどこにいますか笑。 ディカプリオのキレ演技も激ヤバ!!全編に渡ってはじけまくってる。ジャンゴから思ってたけど本当に迫力のあるすごい役者だよ。タイタニックの甘いマスクの貴公子みたいなイメージはとうに超えた演技派と思う。ちょっとジャックニコルソンに見える時があったけど笑。 ナレーションで進めていく構成と「欲望と金に溺れ一代を築いた人間の栄光と破滅」というテーマがグッドフェローズとカブりますが、最後異国の地で庶民相手にカリスマ的セミナーを決め、復活を匂わせ終わる点はグッド~とは真逆ですね。 結局いくら金を稼いでも、本当の幸せってのは掴めなくて(妻と子どもや仲間も失うわけですし)、汗まみれで電車で帰るような所謂普通の暮らしの方が実は幸せなのでは?というメッセージにも感じましたが、だとしたらそれは遡れば市民ケーンで既に言われてる話で、題材として全く新しくないんだけど、やっぱりディカプリオの爆発演技と、スコセッシの70歳とは思えない若さに溢れたセンスによる映像・音楽技術により、コメディとしてちゃんと笑えるし、映画としてのウマさに唸れるという、エンターテイメントとして最上の高みにまで到達したと思う。 無駄が全くないとは言えないが、3時間もあっと言う間であり、楽しすぎてむしろずっと終わるな!!と鑑賞中に思っていたほど。 ある意味詐欺と言える行為で大金を手にし、その金で女と薬に明け暮れるという豪遊ぶりは、鑑賞者の大半である庶民からしたら嫌悪感そのものですが、結局その感情ってそんなに大金を稼ぐ能力のない庶民の嫉妬なんですよね。 最後のセミナーで一言も漏らすまいと熱心にメモするのは、ああいう金持ちになりたいって気持ちがあるって事だもん。あとラストカットの参加者たちの見た目というか服装が、庶民を表すのにちょうどいい具合なのよ笑。確かにこいつらじゃ大成する事はねえなって笑。んでそんな自分もまさに彼らと同じ地味な格好なのに気付きガチでヘコんだり笑。 とにかく娯楽映画としての最高傑作。映画館で圧倒されるべし!! [映画館(字幕)] 10点(2014-03-03 15:52:53)(良:1票) |
6. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 映画館に行く度に予告編が流れてて、曲がすごくいいのと、「姫の犯した罪と罰」というキャッチフレーズが気になりすぎて見に行って来ました。 結果は号泣w 「生と死」とか「人の一生」みたいな題材のストーリーに滅法弱いってのもあり、見終わった数日後でも夜に家で思い出し泣きしまくってました笑。 ところですごく見る動機となった、姫の犯した罪と罰って結局なんだったの? 誰かが口ずさんだ地球の歌を聞いて地球に憧れを持ってしまった事? んで実際に地球で生活して(月には一切ないと言われる)人間の欲望とか卑しさに苦しむ事が罰? ちょっと置いてかれてポカンとなってしまいました。 でも最後の月へ帰るシーンはやはり涙なしでは見れませんでした。 「姫の幸せの為を…」と繰り返してた翁は、実は自分の冠位が上がるのが目的の大半だったりしてちょっと卑しい書き方をされてますが、かなり人間臭くて、だからこそ惹かれます。姫が月へ帰る為地球を去らなければならないとなった時には、ここまで育てたお前を離すものか!と親としての愛情と悲しみが強く、最後ついに姫が記憶を失い月へ連れて行かれる時には、今までの自分のエゴの押し付けに気付き、「わしが悪かったよー」と泣きじゃくります。このシーンで僕のダム決壊でしたね。 そして…。 羽衣を羽織り地球の記憶をすべて忘れたはずの姫でしたが、最後地球を振り返り、涙を流しました。 「今の全ては過去の全て 必ずまた会える 懐かしい場所で」 姫は月に帰っても、地球での「いのちの記憶」を忘れずに生きていくでしょう。僕はそう信じています。 P.S. 捨て丸兄やん、女房と子ども置いて駆け落ちはあかんやろ! 「今からでも遅くない!!」 遅いわ!!笑 [映画館(邦画)] 10点(2013-12-05 22:10:51) |
7. 八日目の蝉
《ネタバレ》 八日目の蝉とは、一匹だけ生き残った寂しい蝉か、他の蝉が見れなかった景色を見る事が出来る幸せな蝉なのか…。 まずプロットが「悪人」に似てるなあと思いました。罪を犯しての逃避行と、決して結ばれない愛情、ゆえの切なさ…。やっぱり似てますね。 まあそれはさておき、今まで何にも関心がなかったような恵理菜が、感情を爆発させ走り出すシーンはかなり心打たれました。今までは希和子との記憶を思い出さないようにしていただけだったのですね。幼少期の楽しかった記憶、「薫」にとっての記憶の中の優しいお母さんは本当のお母さんじゃない…。 ただ、そこでグワーって映画のピークまで登り詰めた後、スパっとエンドロールになったのにはビックリしました。え?余韻に浸るまもなくそのまま終わり?クールダウンの時間一切なし?って感じでした。まあ蛇足になるくらいならピークでバシっと終わってくれた方がいいのかもしれないですけどね。 永作博美はやはり神級の演技力でした。本当にああいう感じの優しいお母さんいそうですもん。(って言っても実際は本当の母親じゃないんですけど) でも本当のお母さんはやっぱりかわいそうですね。赤ん坊が寝てる間に外出しようと思ったのでしょう、鍵のかけ忘れ以外には彼女に落ち度はないですからね。ただ過去を乗り越えないと一生自分が苦しいだけ。あとは父ちゃんも全国に不倫してる事がバレちゃって大変みたいだけど、全ての元凶はこいつだからなあ。何人の女苦しめとんねん。 P.S.授乳シーン、あそこは絶対ナマ乳出すべきだろ!! [DVD(邦画)] 8点(2013-05-22 22:01:35)(良:1票) |
8. ジャンゴ 繋がれざる者
《ネタバレ》 何かプロットが前回のイングロと似てるなあって思いました。 差別を受けた主人公が復讐を企てるが、敵がキレ者でなかなかうまく事が運ばず、でも最後にドカーン!!とブッ殺しまくる!! という事で、僕は前回のイングロの方が衝撃がすごくて、これは3部作にせよ、似てるのうって思ってしまいました。 でも始まりで流れる音楽から何かもう異様にテンションが高揚しましたっ!! いわゆる会話での緊張感が今回もやっぱりすごい。見てるこっちがもじもじしながら手汗ベチョベチョになる感じ笑。 個人的には、タランティーノ率いる鉱山の従業員を騙してブッ殺した後、白馬に乗って復讐へ行く…、彼は再び「unchained」となり、復讐しに行くのだった…!! これでエンドロールでも十分だったと思いますけどね。その後物語として、しっかりみんなブッ殺しちゃうのかー、って思いました。ある種ハッピーエンドですよね。 とてもハラハラドキドキして楽しめたのですが、さすがに「長い!」と思ってしまったので…。8点でフィニッシュです。 [映画館(字幕)] 8点(2013-04-23 23:48:19) |
9. 悪人
《ネタバレ》 孤独を抱えた者同士の、決して幸せになる事のない切な過ぎる物語でした。 要は「世間的には悪人」でも善の心は持ってるし、逆もしかり。人間はそんな単純じゃなく、誰しもが双方の側面を持ってるって事ですかね。 妻夫木さんはいい演技してました。何か影を抱えてるというか楽しくなさそうなあの暗い感じ…。タクシードライバーのトラビスみたいなあの感じですね。 ただ他で群を抜いてよかったのは、満島ひかりさんの、死後橋の上でお父さんが(幻覚だけど)話しかけるシーン。あの時の何も喋らずに見せる表情が絶妙なんですよね。 でもやっぱり何よりラストカットの妻夫木アップが最高に泣ける。微笑みの中に涙を浮かべて何かを感じているシーン、取り返しのつかない事をした後に知ってしまった心から人を愛する気持ち…。それをずっと続けて行く事は無理だという事も同時に悟りながら…。この表情だけで切なさにグワーっと感情移入されられ、思わず泣いてしまいました。 2時間強とちと長めの尺でしたが、一つの物語をちゃんと見たなあって感じでそこそこ見応えはあったのかなと。 P.S. イカの目にクローズアップって…、どうなの?笑 [DVD(邦画)] 8点(2013-03-24 21:50:12) |
10. パーマネント野ばら
《ネタバレ》 いやー相変わらず吉田大八監督は裏切らない。どの作品も見終わった後すげー!!ってなる。 ラスト手前で「ある真実」が明かされるのだが、その一つ前の段階で、頭が混乱するんです。これはデビットリンチ作品なのか!?と笑 そして「ある真実」を示された後の衝撃…。全ての点と点が線となりつながった時、言いようのない哀しみや辛さが襲ってきます。そして同時に取り巻く人々の破天荒でどうしようもないと思っていた行動が、あたたかく優しい行動であった事に気づきます。 それでも最後、(空想の)デートを楽しんでいた「女の子」は、我が子の声でフッと現実に戻り、「母」としてふんわりとした優しい笑顔を見せます。 彼女はこれからも心の傷は完全に癒える事はなく、時にはどうしても彼に会いたくなりデートをしてしまうでしょう。それでも彼女は「母」として、辛い現実を周りの(みんなも強くはないが)あたたかいみんなに支えられながら乗り越え、何とか前を向き生きていけるでしょう。僕はそう信じてやみません。 [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 22:46:07)(良:1票) |
11. 告白(2010)
《ネタバレ》 音楽とかが仰々しくて気に障ったのと、爆破のシーンのCGとかは、盛り上げようとしすぎでサムいですね。というかあのやりすぎ演出は僕の肌に合わなかった。もっと淡々と冷酷に追い詰めていく方が怖さが際立つと思うんだけどなあ。しかも爆破のシーン長すぎだって!!その後修哉を生徒がみんなで丸く囲むのも…。現実じゃありえないでしょ。 ていうか全体的に演出が過剰。いわゆる「悪」の書き方がデフォルメしすぎでクドい。 あとは少年Bの告白のところだけ、いきなりコメディタッチな描き方(ボヨ~ンみたいな効果音とか)にしたの何あれ? 完全にここだけ浮いてますよ。はっきし言って製作側のセンスを疑います笑。 悪い事ばかり並べちゃいましたが、ドキドキしながら見進めていき、最後にピークがあったので見終わった後は素直におーすげー!!と思いました。僕はテンションのピークを最後に持ってきてほしいタイプの人間なので。 ラストの「なーんてね」の一言、シビれますよね。見てよかったです。 P.S.てか松たか子、やっぱ演技うますぎ!!! [DVD(邦画)] 8点(2013-02-24 17:20:30) |
12. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 「高校」というコミュニティ内のリアルをエグすぎるくらいに描き出している。賛否両論になるのも当然で、鑑賞者が高校生当時に人気のランクにおいてどんな立ち位置だったかによってまさに本作品の感じ方は違ってくるからだ。 ちなみに桐島らしき男の描写は2回あるだけ。 しかし、僕がそこそこの公立共学高校に通ってた事もあり、本当にイタイくらいにリアルに感じましたね。まさにこの映画の描写が僕の高校の縮図(勢力図)そのものでした。なのでやたらツボりました。(何気に剣道部も体育会ながら下層として描かれているのが皮肉) まあこの話の核は「一見華やかに見える人も実は悩みを抱えてるし、華やかでない人も実はその人なりに一生懸命自分のしたい事に取り組んでいる。誰しもが何かを抱えながらも、この辛い現実を生きていかねばならない」ってとこですかね。 非華やか組は自分の熱中できる事が明確ながらも、自分の限界に気づき自分を卑下したり、中心メンバーにやはり若干の嫉妬心も持っている。華やか組も「桐島」というスターとつるむ事でしか実は自分のステータスを保てておらず、その存在が消える事で自分の「軸」のなさをまざまざと気づかされ、苛立つ事しか出来ない。 ただ、かすみだけが中立で全てにうまく立ち回ることができていて、悩んでる描写がないんですよね。全て俯瞰して見れていて、一番精神的に大人でした。(悪く言えば腹黒い?) あとは結局ラストの宏樹が全てでしょう。何にも本気じゃない自分、クラスの隅っこのオタク映画部の方がずっとしっかり生きているじゃないか、という事に気づきました。そんな中、夜遅くまでライトの下で愚直に練習を続ける野球部の描写が素晴らしい。 まあ思春期の悩みを描いているだけと言えばそれまでなんですけどね。あまりにありのままを描きだしてるもんだから、何か胸の内を真っ正面からこじあけられてる感じで結構複雑な気持ちにもなった。 ちなみにラストの桐島が電話に出ないシーンの解釈、「桐島は誰も眼中になかった」ってのはどうでしょうか。県選抜に選ばれたのに退部したのは受験の為で(竜汰の台詞)バレー部はハナから眼中にない(梨紗の台詞)、というか梨紗はもちろん宏樹も眼中にない。(彼女からの連絡もシカト、親友なのに相談せず退部、最後の電話も出ない)あの上位ランクの宏樹でさえ足元に及ばない、それほど圧倒的な最上層に君臨している…。 いかがでしょうか? [映画館(邦画)] 10点(2012-10-22 00:30:04) |
13. モテキ
《ネタバレ》 普通にコメディとしてクスっと笑えるとこがいっぱいあってよかったですよ。でも冷静に振り返って見ると、それくらいですかねえ。あとは音楽がよかったとか? まず、最初に主人公が刺されるシーン、あれいる??ストーリーに何の関連もないし、これぞ蛇足です。未公開シーンとしてDVD特典にでもすれば十分です。 でも一番言いたいのは、実際主人公モテてはいないじゃんってとこです。4人の女性から次々にホレられてモテまくり…みたいなストーリーかと思ってたら、麻生久美子扮する重たい女にしかホレられてはいないですよね。真木よう子に至っては主人公の事をバカにしているだけじゃないですか!!あと仲里依紗のくだりも朝起きたら隣で寝てただけだし、やっぱりモテちゃいねーよ。とってつけたように短いエピソードだし、完成作見て仲里依紗は「私の役ストーリーと関係ないし出演時間短いし、全然意味ないじゃん」って思ったはずですよ笑。 みゆきの思わせぶりな態度は分かっててもやっぱり「殺人級」ですね。もうこれ以上振り回すな!ってこっちが見てて思いました笑。こりゃ大概の男は狂いますよ笑。 あとるみ子のエピソードも何か不思議でした。一途に想い続けてたのにあんなに酷いフラれ方して(しかもセカンド童貞男に!)、ヤケになったのか、失恋した女性は抱きやすいとの噂は本当なのか、モテ男墨さんと寝て、その朝に一人で牛丼食ってしかもお代わりしてスッキリ!ってどうなの?そんなもんなの?女性ってそんなに立ち直り早いの?一般女性にこの描写に共感するか聞いてみたいものです。 しかしラストは何だったんでしょう。あまりに意味不明(というかみゆきの心情が理解不能)すぎて、これは幸世の妄想なのかと錯覚してしまったほどです。というのは、360度回るカメラワークに金子ノブアキが映ってないし、森の中なのにミラーボールが回ってたり。そしたら「物語はちと不安定、DEATH!!」で映画は終了。何だそりゃ、女心もちと不安定ってか。説明不足というかみゆきの転換の理由が分からな過ぎます。 まあ長澤まさみが殺人級にかわいかったのは間違いないし、俺もそれだけが目当てで見たのだが、それはあくまで長澤まさみがかわいいというだけで…。映画の出来とは別の良さです。 まあ見終わった時に退屈感とか不快感はなかったし、所々笑えたので8点でフィニッシュで。 P.S.俺も「俺のS○X正確だったでしょ?」って言ってみてぇ笑 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-16 22:16:13) |
14. さや侍
《ネタバレ》 まず最初の3人の刺客のシーンはいらんかったですね。てか何で頭ピストルで撃たれて死なんの?その後の刺客たちもストーリーには関係ないただの外野だし。あと、いちいち前の描写を説明的なセリフで登場人物たちに言わせるのも邪魔。分かってっから!って感じで逆にダルいです。 芸に関しては、クスクス笑えるものはまあ2~3個あったけど、よくよく考えたら爆笑するのがあったらダメですよね。若君が途中で笑ったら無罪放免になっちゃうわけですから。でも野見さん主演って事でおっさん劇場的な笑いを期待しすぎたからほとんどの芸はキツかった。(まあ笑いたいだけだったら最初からおっさん劇場を見ればいいだけか) そして、確かに予想できなかった野見勘十郎の行動。DVDだったので何回か見返しましたが、この行動の前後の野見さんの演技がマジでうまい。偶然の副産物かも知れないけど、表情だけで複雑な気持ちが絶妙に表現された顔をしよるんですよ。初見時はア然として見てただけだったけど、2回目以降はこの野見さんの表情でウルっときますもん。 そんな衝撃シーンから更に意外な展開へ。意味ありげに立っていた托鉢僧に勘十郎が託した遺言。途中で歌になる流れにやはり初見時はア然なのですが、2回目以降は竹原さんの歌声が心に沁みてすごくいいんです。まさか松本映画で本当に泣くとは思いませんでした。その後の墓場での「首が~戻った」もそこそこウっとくるのですが、そのままエンドロールになって普通に終わったわと思ったら、最後また一ひねりあって、これはいらんやろと思ったけど、実は!!このシーンの自転車の人にちゃっかりある仕掛けがされてるんです。(これは見終わった後ネットで発見しました) てか松ちゃんは娘ができたってのもあって、ここまであからさまに「親子愛」を主題としたとは今思えばビックリですね。そういや「ライフイズビューティフル」を満点にしてたし。遺言の手紙も松ちゃんが書いたみたいだけど、モロ自分の娘への内容じゃん。「俺の娘に生まれて来てありがとう」てな心境なんですね。 ただ、ライムスターの宇多丸さんが言ってたけど、「普通に退屈な映画になっちゃったじゃん」とはなかなか納得できるもの。 まあ結論、映画の出来3点、竹原さんの歌声13点って事で、間の8点ですかね笑。確かにあそこは感動して泣きましたし。映画の内容よりも歌の良さだけで点数あげるのもどうかと思いますが笑。 [DVD(邦画)] 8点(2012-06-06 22:40:48) |