1. めまい(1958)
印象的な目のカットから始まり、バーナード・ハーマンによる不気味かつ幻想的な音楽により一気に引き付けられる。 そして、物語が始まるや否やジェームズ・スチュアートが宙ぶらりんになるあの恐怖演出。 そこに説明的台詞などは無く、映像だけで彼の高所恐怖症を語っている。実に分かりやすい演出だ。 本作は主人公が犯罪に巻き込まれるといういつもの巻き込まれ型サスペンスではあるが、かなりラブストーリー的な要素が強い作品であると言える。 ミステリー要素もあるものの、醍醐味であるトリックなどは途中であっさりネタバラシされるので謎解きとかを期待すると少々がっかりな作品かもしれない。 しかし、高所恐怖症を表した階段の俯瞰ショットとか、主人公の心情を表した夢のシーンとか、とても凝った演出が多くて見逃せないし、主演2人の演技が素晴らしいのでとても好きな作品である。 [DVD(字幕)] 8点(2020-02-13 19:33:19) |
2. 情婦
アガサクリスティ原作の映画化としてはやはり断トツにこれが面白い。 冒頭からグイグイ引き込まれる謎に満ちたプロット。 シリアスなだけじゃなくて、登場人物達のコミカルなやり取りもまた楽しい。 葉巻を巡る老練の弁護士と看護婦とのやり取り、本筋に関係ない階段の昇降機を使った笑いのセンス等々。 最後の法廷のシーンはまさにクライマックスと呼ぶに相応しい迫力で全く飽きさせない。 [インターネット(字幕)] 9点(2020-02-07 19:41:34) |
3. 道(1954)
《ネタバレ》 最近観た「日日是好日」という映画で、主人公が幼い頃にこの映画を見て良さが理解できなかったが、大人になって見返すと感動した。と言っている場面があって、自分も高校生くらいの頃に観たがやはりつまらないと感じていたので、改めて見てみようかという事で鑑賞する事にした(前置きが長い…) 旅芸人ザンパノに買われた、ちょっと頭の弱い女性ジェルソミーナ。この二人が辿る道、道、道。 ひたすらその旅する光景を眺めながら、ザンパノという男の粗暴さ、不器用さに戸惑いつつも、ジェルソミーナの置かれた境遇に同情しつつ、二人の関係性がどう変わって行くのかをじっと眺めていく。 最初はジェルソミーナの視点で観ていたが、途中からザンパノ視点にならざるを得ない展開が凄く巧いと感じる。そして、悲しさに打ちひしがれながらも、突き放したように去っていくカメラがなんとも的確で素晴らしいと思った。 旅芸人の話だからと言って決してお気楽な明るいものではなく、生きる事の大変さ、儚さを感じられるような内容だったので、その辺はやはり大人になってからでないと感じられない部分なのかなと思う。 [インターネット(字幕)] 9点(2018-10-09 18:42:11) |
4. 白い馬(1952)
皆さん言うように映像は美しいんですが、『赤い風船』に比べるといまいちインパクトに欠けるかなという印象でした。ストーリーも殆どファンタジーですし。 序盤の方の、白い馬を追い込んで捕まえようとするシーンが良かった。馬の猛々しさが感じられ、迫力満点。大の大人4人集まっても1馬力も出せないんですね。 それにしても、↑のキャストで『馬』があるとはびっくり!メイン担当動物って…動物以外を担当してたらそれはそれでびっくりですね(笑)でも馬の出てくる映画にいちいち登録していったら大変でぃす。西部劇とかキリがありません。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-23 23:36:27) |
5. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 劇場で、デジタルリマスターで、遂に観た! 初めて観たのは「ゴジラ対ビオランテ」で、映画館で観る迫力に興奮し、以来ゴジラというと年に一回必ず映画館で観るのが恒例でした。したがって白黒のゴジラ作品は観たことが無く、今回60周年記念で第1作を見れるという貴重な機会なので行って参りました。 まず、戦後10年足らずでこんな作品を作ってしまうそのパワーに驚かされる、そして反戦映画でもあり、戦争の悲惨さ水爆の恐ろしさをゴジラに置き換えて描いていると思いました。勿論エンターテイメントとしても面白く、人間のドラマ部分もしっかりしているのでこの評価なのだなと感じました。 何より良かったのは、ゴジラが怖いという意見が多い中、私はカワイイ!と思わず叫んでしまうほどゴジラに親しみを覚えました。初登場シーンの山の向こうからひょっこり覗いているところとか、ミサイルの集中攻撃にあうもマイペースに、ちょっと踊りながら余裕で海に帰って行くシーンとか、最高にチャーミング! なので、ラストの海底で何も知らずに興味津々の様子で兵器を持った人間に近づいてくるゴジラを観た時、ダメー!こっちに来ちゃダメー!と夢中で叫んでいました。 [映画館(邦画)] 8点(2014-06-24 15:37:08) |