1. 暗殺の森
映像と演出はとても格調高く、かなり芸術的と言えるが、そこまで物語には入り込めなかったかなぁ。 幼少期のトラウマからファシズムに傾倒して行く主人公だが、結局ファシストにはなり切れずにただ流れに身を任せて傍観しているだけというキャラクターなのであまり感情移入も難しい。 とても印象的だったのは、女同士によるダンスのシーンとか、最後の暗殺の森(よく考えたら全然暗殺じゃなくね?)のシーンとか、より主人公の孤独感を強調するシーンに思えたしなんか凄かった。 [DVD(字幕)] 7点(2020-02-13 19:32:25) |
2. トラベラー
アッバス・キアロスタミ監督の映画と言えば子供達の自然な演技が見所ですよね。この長編第2作でもサッカー好きな少年のサッカーにかける情熱がとても自然に描写されていた。 物語は至ってシンプル。とにかくサッカーの試合を観戦したいという欲望の元、少年は盗んだカメラで撮影して金を取ったり、もう手段を選ばないので、ちょっとえげつないんですけどその行動力の高さに感心させられた。 楽しいことの後にはちゃんと罰を受けるというのも教訓めいていて良い。 [DVD(字幕)] 6点(2020-02-13 19:21:29) |
3. 燃えよドラゴン
閉館する映画館の最後の記念上映で鑑賞。 何度もテレビなどで観たが劇場で観るのは初なのでかなりテンションが上がった。 ストーリーは単純だけど、ブルース・リーを観るための映画なので細かいツッコミは無し。 キメ顔の時にカメラがぐぐーっとズームインするところとか、ヌンチャクとか、怪鳥音とか、リーの佇まいがとにかく格好良かった。 [映画館(字幕)] 8点(2019-05-21 11:47:59) |
4. 恐怖の報酬【オリジナル完全版】
初の『恐怖の報酬』。カットされた版は観てません。 一旦死の恐怖に取りつかれてしまった男達が、そこから逃れようともがき奮闘するんだけど、やがて確実に死神は迫って来ているというようなそんなストーリーだった。なんか元祖『ファイナル・デスティネーション』?みたいな感じだった。勿論呪いとか超常現象といったものとは違うんだけど、描かれる根源的な恐怖としては同じようなものだと思う。 とにかく、トラックにニトロを積むという行為が正気の沙汰じゃない。観ている間中嫌な予感しかしないし、ハラハラ感が半端ないって。 あと、リマスターされたんだろうけど、70年代の映画なのにここまで映像が綺麗という事に驚いた。密林の空撮シーンとか特に美しかった。 [映画館(字幕)] 7点(2019-01-22 23:21:59) |
5. フェリーニのアマルコルド
映画通なら高得点点けるべきなんでしょうが、特に思い入れもなく、遠い国の出来事なので文化も違うし、時代背景なんかも詳しくないのでそんなに入り込めず。 一番の原因はストーリーらしいストーリーがない事。前後の繋がりのない脈略の無い話が延々と続く為、正直言って退屈。 やたらカメラ目線で話したがるオッサン達は誰に対して語りかけているのか、何を訴えたいのか。そこがよくわからず疑問だった。 1年を通して描かれるという事で、その季節感だったりノスタルジックな雰囲気は悪くない。 [DVD(字幕)] 4点(2018-07-31 21:13:33) |
6. オリエント急行殺人事件(1974)
原作を知っているせいかもしれないけど、この作品は映像で見てもイマイチ面白くないなぁというのが率直な感想だった。 この物語自体動きが少ないんだよね。殆ど止まった列車の中の出来事だし、立て続けに事件が起こる訳でもないですからね。動いているといえばポアロくらいのもんですよ。 あとはひたすら容疑者との会話会話会話に次ぐ会話。こんなん、活字で追ってる分にはいいですが、映像でひたすら見せられても飽きるってもんです。演出も単調だし、外の列車の様子と内部が全然リンクしてないし、音楽で盛り上げる訳でもないし、終始無音…。 あと、やっぱりポアロの大袈裟な演技が駄目でした。 [DVD(字幕)] 3点(2017-11-27 07:32:45) |
7. 悪魔のいけにえ
殺人鬼一家が皆狂ってて、何が目的なのかよくわからない所が怖い。 殺人鬼ものとしてはちょっと隙だらけだし、めちゃくちゃにチェーンソーを振り回すだけなので、知能指数はかなり低い。そういう"緩さ"が失笑を生んでいて、ホラーなんだけどちょっとコメディ感覚で楽しめた。 [インターネット(吹替)] 7点(2017-11-22 16:29:59) |
8. エイリアン
怖さではシリーズダントツ! なんと言っても、腹を食い破って出てくるチェストバスターの衝撃! とにかく暗い船内の雰囲気が怖いし、得体のしれない生物が潜んでいるという怖さ。 また、CGが無い時代故にエイリアンは人間っぽい動きだが、逆にそこが愛らしくていい! 突然ばぁっ!と手を広げて脅かしてきたり、やっと居なくなったと思ったらなんか隙間に挟まってて手だけ出してやっほー!とか、今見直すと妙に笑えてしまう。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-09-16 19:56:01) |
9. ゾンビ/ディレクターズカット完全版
最近の映画で、競うように加速したゾンビに異議を唱える者としては、ゾンビはゆっくり歩いてなんぼである。たしかに、足を速くすればするほどゾンビは人間にとって脅威だし、恐怖も増幅するのは間違いないだろう。しかし、それは単純に娯楽映画としての面白さを追求しただけであって、そこには論理性も説得力もないのである。何故ならゾンビはそもそも死体である。なのに何故生きている時より超人的なスピードが出せるというのか。足だって腐っているんだし、そんな速度で走っては身が持たないはずだ。 ・・・などといくら声を枯らして叫んだ所で、所詮ゾンビ映画は娯楽映画だの一言で片づけられてしまう。論理性を説いたのがそもそもの間違いなのである。 では何が言いたいのかというと、たまにはゆっくり歩くゾンビもいいものですよ、という事である。遠くに居たり、分散している時は人間にとってそれほど怖くはなく、余裕があるのに、ちょっと油断して取り囲まれるとヤバい、という絶妙な距離感が最高なのだから。 先日亡くなったジョージ・A・ロメロ監督のご冥福をお祈りいたします。 [DVD(字幕)] 10点(2017-07-21 21:07:25)(良:3票) |
10. ブルース・リー/死亡遊戯
ほんとストーリーはつまらないし、リーの代役のシーンはカット割りが不自然すぎるし、無理矢理作った感が思いっきり伝わってくる。 それでも本人が出演しているフィルム見たさに最後まで見てしまう。途中耐えた分だけ、やっと本人が登場するや否や拍手で迎えてしまう自分がいた。 全部リー本人で撮っていたらどんな作品になっていただろうか。実に惜しい作品である。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-07-21 20:38:39) |
11. JAWS/ジョーズ
近年のCGに頼ってばかりの映画には出せない恐怖感、迫力がある。 手作り感満載だし、鮫もなんかもっさりした動きでそんなにリアルだとは言えないが、それを逆手にとってあまり鮫を見せないで恐怖を煽る演出が素晴らしい。 男3人が船に乗り込んで鮫を退治しに行くという展開がとにかく面白く、もうグイグイ引き込まれてしまう。 [DVD(字幕)] 9点(2017-07-15 22:13:35) |
12. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
ブルース・リーの映画を1つ勧めるとしたら迷わずこれを推す。 他の作品に比べてリーの役柄がそれほど重くないというか背負ってるものが軽いので、まず気軽にアクションを楽しめるという点。 そして、これまでラスボスがしょぼくて張り合いがなかったのに対し、本作のボスはかなり強く、互角の名勝負を繰り広げている為見応えがあるという点。 リーの役柄も前半のコミカルな感じがまた良くて、でも悪いやつらには容赦しないというそのギャップに萌えるので非常に好きである。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-07-11 23:01:32)(良:1票) |
13. ドラゴン怒りの鉄拳
アクションだけでなく冒頭の師匠を失って泣き叫ぶ演技やキスシーンなどリーの色々な表情が見られるので好きな作品。 もちろんアクションシーンでの鬼気迫る表情は迫力があり凄いインパクトであった。 また、リーが複数の敵と同時に戦うシーンとかで引きの画を多用したり、見せ方が巧いと思った。 ちょっと笑ってしまったのが、リーが敵に追われ身を隠す為に一人旅に出たと思ったら、いきなり一人で薪をおこし謎の動物の肉を丸焼きにして食べるシーンだ。一体何の動物なのか気になってしょうがなかった。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-07-09 19:38:04) |
14. ドラゴン危機一発
久々にブルース・リーが観たくなり鑑賞。 ストーリーがあまりにつまらないし、かなり悲しい内容なのでスカッとアクションを楽しみたい方にはあまりお勧めできない。 ある人物が行方不明になり、観客は早々に殺されたとわかるのだが、それをブルース・リーと敵側とで「探せ!」「探してる!」の攻防がひたすら終盤まで繰り広げられるので、引っ張りすぎだし先が読めるのでつまらない。ここがテンポを悪くしている要因だと思う。 1番好きなシーンはラスト、リーが悪の親玉の元へ乗り込む時に、何かスナック菓子的なものをむしゃむしゃ頬張りながら向かうシーン。普通ものを食べながら戦いに行くなんて間抜けな図だがリーだと不思議と格好良いんである。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-07-09 19:25:13) |
15. ファントム・オブ・パラダイス
今観るとさすがにチープだし、幼稚だし、ダサい。 だけどそこがいいんじゃない!?(みうらじゅん風) やっぱり最高なのはスワンだろう。あの眼鏡に格好、ダサ過ぎて最高だ。 あの胡散臭いキャラクターが出てくるたびに笑えるので、この映画を圧倒的に面白くしている要因だと思う。 また、デパルマ好きなら外せない映画である。過剰な演出がこれでもかとぶち込まれているからである。 ストーリー、演出、キャラクター、全てが狂っている映画。良識ある人にはお勧めできない。好きな人だけ見れば良い映画。 「キルビルvol.2」のキャスト全員登場のラストはこの映画のオマージュですね。わかります。 [DVD(字幕)] 9点(2016-09-07 10:06:40) |
16. サンゲリア
ゾンビの造形のリアルさ・・・10点 ゾンビの脚の速さ・・・1点 スプラッター度・・・10点 ストーリーの面白さ・・・2点 絶望度・・・7点 色んな観点から評価してみました。 ゾンビ映画の古典だけあって、ゾンビはとにかく遅いです。 ゆっくり土の中から現れるシーンが凄い印象に残っている。目にミミズがうじゃうじゃしてたり、その造形のこだわりは目を見張るものがあります。血の量も半端ではなく、ゾンビが黙々と人間の死体を食うシーンのえも言われぬ不気味さ。 ゾンビの脚が遅すぎて余裕で逃げられるから、そんなに絶望的ではありません。でも、何故か逃げず固まる主人公達…それじゃあダメじゃん。 あと、サメvsゾンビばかりが語り継がれてますが期待しすぎると肩透かしを食います。だって、全然サメが獰猛そうじゃないんだもん…。無理矢理ゾンビ(に扮した人間)がサメを追いかける感じ?サメもいい迷惑ですよ。でも、監督としては良い画が撮れたと思ったのでしょう。やたらサメのシーンが長いです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-11-11 16:48:30) |
17. ミミズバーガー
『死霊の盆踊り』『ミミズバーガー』を2本立てで鑑賞するというアホな事をやってのけた私はもう無敵かもしれない。だって、これ以上最悪な映画はそうそうないでしょう。今後どんな駄作に出会っても、この2本よりはマシだと思えば我慢できるに違いない。 一応ストーリーがある分『死霊の盆踊り』よりはマシに見える。だが、ミミズを食べるシーンの強烈さは実害を伴う。見なきゃよかった感では『死霊の盆踊り』を遥かに凌ぐレベルだ。なのでやはり0点を付けざるを得ない。 ミミズの鳴き声なんて初めて聞きましたよ。ミミズ食べてミミズ人間になるというトンデモシーンがあるが、ただ茶色の毛布みたいのを体に巻いただけというね。アホ過ぎて笑えてきます。 このまま目指せワーストランキング1位!あと、21人も必要なのか。 ここのレビューを読んで興味の出たそこのあなた。ミミズ教に入会しませんか?今なら無料でミミズ1匹お付けしますよ? [DVD(字幕)] 0点(2014-10-20 03:54:58) |
18. 美しき冒険旅行
《ネタバレ》 ふとツタヤにて手に取り、パッケージ裏の解説を読むと"熱狂的なファンの間で密かに語り継がれてきた幻の傑作"みたいな文が踊っていて、何気なくレンタルしてみた好奇心旺盛な私。 そういうのに限って地雷が多いから困る…。 冒頭から映し出される都会の様子に流れる不穏な音楽(これが実に怖い)、やがて何気ない一家の様子が映し出される。そして、旅行に出掛ける一家。 ここからどんな美しい冒険が始まるのかな~とワクワクしている私。だが、この時の私はまさかあんな事になるなんて知る由もないのだった…。 いきなりの超展開。なんじゃこりゃ~! 突如として始まった砂漠で子供2人のサバイバル。 どこが"美しき"旅行なの? たしかに広大な砂漠の映像と少女の美脚だけは美しいけど…。 時おり挿入される動物や虫の映像が怖すぎてヤバい。 そうか、これは少女の美脚だけを観る映画なんだ!と勝手に解釈し、なんとか美脚だけでやり過ごそうとする私。 だが、現実は厳しく、子供達を次々と災難が襲う。 なんとか現地の部族に助けられ生き延びる事が出来たが、今度はその部族の男に気に入られ求愛のダンス(?)を夜通し続けられるという悪夢が繰り広げられ・・・。ぃみゎかんなぃ。。。もぅマヂ無理。。。 何度も心が折れそうになりながらも最後まで鑑賞した自分を褒めたいと思います。 [DVD(字幕)] 2点(2014-10-14 18:57:21)(良:1票) |
19. オルカ
多くの方が仰っていますが改めて言おう、これは「ジョーズ」のパクリなんかじゃないと。 「ジョーズ」は鮫から人への一方的な殺戮。そこに理由なんてなかった。鮫はいたってシンプルだ。感情が無く、ただ無差別に襲ってくる。問答無用の殺戮マシーンだ。全く話の通じる相手ではない。だからこそ不気味であった。 しかしこの「オルカ」ではどうか、もともと彼らに人を襲う理由など無かった。しかし、人間の欲望による愚かさが(シャレじゃないよ)彼らを復讐の鬼へと変貌させてしまったのである。一方の人間側も引き下がる訳ではなく無謀にも彼らに挑むのである。そう、この映画における人とシャチは互いに戦う理由があるのである。不毛とも言えるその戦いはもはや意地と意地のぶつかり合いだ。壮絶な戦いの先に待ち受けるものは一体何か。それはもはや誰にもわからないだろう・・・ [DVD(吹替)] 7点(2014-07-13 20:23:55)(良:1票) |
20. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 初めて観たのは約10年前で、たまたま映画館で特別上映をやると言うので観に行った。あれだけの惨殺劇を演じて英雄になるのがちょっと受け入れられず、首を傾げてしまったが、あの行動に至るまでのトラビスの心情は凄く理解できたし、素直にカッコイイと思った。世界観にぴったりの哀愁漂うBGM、唐突なモヒカン頭、緑色の眼鏡、テレビから流れるレイト・フォー・ザ・スカイ、砕け散る手、全てが衝撃だった。 [映画館(字幕)] 9点(2014-06-10 19:21:34) |