1. レディホーク
《ネタバレ》 スクリーンは中世のヨーロッパなのに、耳に流れてくるのはあたかもミラーボールでも回っているのかと思うような80's! 普通なら「ぬぁんじゃぁ!ごぉりゃぁ!!」と「怒髪、天を衝く」レベルなんでしょうが黒騎士R・ハウアーの格好良さで全て帳消しになります。いや、むしろ聞いているうちにこのこっぱずかしい音楽に嵌ってしまう。 いいねぇ、このアンバランスさ!!いかにもな音楽よりも途轍もないインパクト(?)があって、癖になりそう…… 他にもヒロインの80'sな髪型とか(ラストの「髪、切ったんだね」には笑いました、オイオイどこの軟派なあんちゃんみたいなセリフ言ってんだよ)、ミサ中突然おっぱじまる死闘にも呆気にとられて見物しちゃうたくさんの坊さんたちとか、突っ込みどころは多々あります。 それでもこんだけカッコイイR・ハウアーが観られただけで私は大満足。とても冷静に点数なんかつけてられないです。 というわけで「アバタもエクボ」の8点献上。今度はここで評判の「サルート・オブ・ザ・ジャガー」でも借りてみようかしらん…… [DVD(字幕)] 8点(2012-01-24 18:09:15) |
2. 影武者
ああ長いですね、本当に長すぎ。どうしてこんなに長々と起伏のないストーリーを撮ってしまったのでしょう。 現代において「重厚長大」とは、裏返せば「鈍重」「冗長」「もったいつけ」と同義でほとんど褒め言葉にはなっていないのに、この巨匠はかくも「重厚長大」な大作を撮ってしまったのですね。 黒澤監督という人は、そういう機微をよく知っていて、こういう面白みの無い超大作を撮ることを一番嫌がる人のような気がしていたのですが……残念です。 [DVD(邦画)] 5点(2010-10-04 17:51:18) |
3. グローリー
《ネタバレ》 不思議な映画。もちろん前のほうでも仰られているように差別を逆手にとった感動を狙った作品のひとつに違いはないのだろうが、何故かその手の作品にアリがちな「白人の自己欺瞞への反吐が出るような嫌悪感」は少ない気がする。思うに、主役たる白人のショー大佐があまりにも幼く情けない存在であることが功を奏したということなのだろう。 かつての戦闘の凄まじさにトラウマを抱えて正直いっぱいいっぱいなのに、昇進というエサにもつられ難しい立場である黒人部隊の指揮官となってしまった彼。その彼が黒人の兵士に対しどのような感情を抱いていたのか、また兵士たちが指揮官たる彼にどの程度の信頼や尊敬の念を抱いていたのか?この映画はそれについてほとんど語らず、大仰な「対立」やそれを乗り越える「感動的和解」もない。ただただおのおのが自分の役目を果たすのに全力を注ぐ、それが勝利につながり、解放につながり、贖罪にもつながるという事実を客観的に描くのみ。 結局、黒人の解放とは一部の良心的な白人達の共感や改心なんぞによって成されるものでは決してないということ。つまり、被差別者である黒人(を含める有色人種すべて)も差別者である白人も、真の意味では「対等な存在」以外にはなりえないという事実、本作はそれをストレートに描いた佳作であろう。 余談だが、上から見下ろすような余裕ある視線が一切ないせいか、個人的にはマシュー・ブロデリック演じる戸惑いの「坊っちゃん大佐」には非常に好感をもってしまった。「おばちゃん」さんのいわれるように、このナイス・キャスティングに感謝! [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-03-24 17:25:10) |
4. 恋人たちの予感
《ネタバレ》 おばあちゃんの「彼女と同じものを」とか。はたまたハリーの「一日の最後におしゃべりをしたいのは君だ」とか「僕は本を買うとまず結末を読む。読みおえる前に死ぬと困るから。」とかとか。そういう小洒落て気の利いたセリフ満載の映画です。そういうセリフが私の中で熟成され増殖され、自分の中では物凄いラブコメ最高傑作へと膨張されていったのでしょうね。つい先ごろ20年ぶりに観てみると割りとフツーのラブコメだった。こんなんだったけ?ちょっと期待しすぎちゃったのかしら・・・それでもまた20年後に見たらそのときもこのセリフたちに再会して喜ぶ気がします。これはそういう映画。ちなみに私が一番好きなセリフは、サリーの「ソースは添えるのよ」です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 17:22:37) |
5. 2010年
・・・ある友人に、「『2010年』ってあるじゃない?あの『2001年宇宙の旅』の続編の・・・」って言いかけた途端、その友人に「あー、あの駄作ね!」と言われてしまったとき。スミマセン、その後「あれ、わかりやすくってなかなか面白かったよ」という言葉をどうしても言い出せず飲み込んでしまった私は、しょーもない意気地なしです・・・ [地上波(字幕)] 7点(2007-10-31 17:12:14) |
6. ダイ・ハード
「『ダイハード』ってさ、すっごい面白いんだよ。」 「・・・どんな話なの?」 「ハイテクビルがね、占拠されてね、それでたったひとりで閉じ込められて戦うんだよ」 「・・・」 今を去ること20年程前この友人Mの説明を聞いた私は正直「けっ、すっごいつまんなそー」と心の中でつぶやいたものだった。だが・・・ごめんMちゃん、あんたの言うとおりだったわ。この映画の面白さは見なきゃわかんないね。ユーモアと機知に富んだセリフ、アッと言わせる練りこんだストーリー、靴すら履かずガラスで足を切りボロボロよれよれになりながら知力と体力の限りを尽くしてテロリスト強盗団に立ち向かう普通の中年男。ただのアクションだけじゃない、限られた空間で全ての能力を駆使する男ジョン・マクレーンの魅力の炸裂する作品です。 [地上波(吹替)] 8点(2007-07-30 17:03:17) |
7. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 一言で言ってあざとい映画ナンバーワンですな。あどけなくかわいい少年、映画を愛してやまない朴訥とした善良なる老映写技師、某生保の広告でも有名なあの泣かせどころを心得た美し過ぎる音楽!んんんーもぉぉぉー、これはラストに向かって泣け泣け泣け攻撃の集中砲火じゃないですか!というわけで、その辺の製作者側の意図が見え見えって感じがしてしまい、この程度の評価になってしまいました。平均点下げてこめんなさい。それでも広場のへんな住人とかそういう脇のエピソードなどにくすりとかほのぼのさせてもらえました。こういうとここの監督上手いよね、悔しいけど。 [地上波(字幕)] 4点(2007-07-20 15:41:01) |
8. 天空の城ラピュタ
《ネタバレ》 シータがさ、滅びの呪文をパズーにささやいて教えたとき。 あのとき 「今、飛行石が反応ちゃったらどうすんだろ」、と 放映されるたびにそんなツッコミをお約束のように入れてしまうワタシ・・・ ホント宮崎さんって可憐な美少女好きなんだよね。そんなやっかみもあるから高い点数は入れられない・・・ でも好きですよ。DVDもうちにあるくらい(ほとんど観ないけど)。 [地上波(邦画)] 7点(2007-06-27 14:28:30)(笑:1票) |
9. となりのトトロ
《ネタバレ》 この作品は、言わずと知れたお子様向けジブリ作品ナンバー1であることは間違いない。お子様向けでありながら、昭和のノスタルジーを描くことでそのお子様たちの親御さんにもまた深い鑑賞に堪えられる。そんなところもこの映画の素晴らしいところである。 だから、この作品によって子育てを楽させていただいた私ごときに、何かを言う資格などもちろんないのだが・・・んでもさぁ子供が行方不明になっちゃって村は総出で池の底さらったりしているってのに、お父さんお母さん団扇かなんかで扇ぎながら談笑している場合じゃないでしょ!!いくらなんでも病院に連絡ぐらい来るだろうによっっ!まあ、このラストばかりじゃなくなんつーか、おばあちゃんはじめ村人いい人たち過ぎじゃないスか?よっぽどお父さんの上司の教授かなんかがここらのとっても人望のある大地主さんとかで、その肝いりでここに越してきたってこと?そうでもなきゃただのよそから来た都会のちょいインテリな一家に奇異な目こそ向けるけど、あんなに親切にいろいろ世話なんか出来ないよ!農家って忙しいんだからねぇ・・・ なんて今ではすっかり心が汚れてそんなどうでもいいことがやたら気になる人間になってしまいました。お子様向けのアニメ映画なのについつい熱くなっちゃうなんて私もヤキが回ったな。・・・確かにいい作品です。ご家族で楽しんでください。もしもうっかり私のように考える方がいたとしてもお子様方の前ではそれは禁句です。それは悲しい大人の世界の話ですから・・・(涙)。 [DVD(邦画)] 7点(2007-06-21 16:23:59) |
10. プラトーン
《ネタバレ》 ワタシにとってのベトナム戦争映画における最高の作品。ちなみにオリバー・ストーン作品の中でも一番好きな作品です。こんな悲惨な戦争映画を何度も見る気にさせてくれるという点で、最早文句の付け所がありません。 この作品の中で語られるのは戦時における正義というもの。片や薬や酒に吐け口を求めながらも人としての正義を捨てきれないエリアスと、片や隊が生き延びることを最終目的とする単純かつ直接的で狭い正義を振りかざすバーンズ。その二人の体現する正義のぶつかり合いがこの映画のテーマなのです。平和なお茶の間から見ると、どうしたってエリアスのほうがマトモであるとは思うのですが、そう思いながらもバーンズの力強さ・生き抜こうという時に邪悪なまでの逞しさも完全に否定はしきれない。 そんな重いテーマを小気味いいテンポやストーリー展開、分かりやすい人物設定などで再見可能ないい意味での「面白い映画」に仕上げた、これはまさに逸品であると思います。 [DVD(字幕)] 9点(2007-05-23 17:10:19) |
11. ドライビング Miss デイジー
この作品は、こういうダラダラとした日常を綴ったものとしては珠玉のものですね。気の利いた会話、ユーモアとペーソス溢れるやり取りの数々。この手の作品でコレを上回るものってそうない(似たクサイのも沢山あるけどどれも退屈だったり理屈っぽかったり独りよがりだったり、です)。ザッピングでうっかり通りかかったら絶対そのまま観続けちゃう作品。これはワタシ的には映画に捧げる最大級の賛辞です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-23 17:08:04) |
12. 薔薇の名前
《ネタバレ》 すみません、観る前に期待しすぎちゃったのかな、そういう意味ではちょっとがっかりさせられた作品でした。歴史モノとしては丁寧でいい線いってるとは思いますが、ミステリーとしては残念ながら肩すかしくって気分です。謎解きも犯人の正体も動機もいまひとつインパクトに欠けてますしね。 ただ意外だったのがラブストーリーとしての側面。これは全然予想していなかったせいか新鮮に映りました。とくにあの農民の彼女、あんなきったない格好なのにどこか魅力的で・・・いやあんなきったないからこそその美しさが際立つのかしら、とにかく良かったですねぇ。あんな女性だからこそラストのモノローグもぐっと来るのかもしれません。 というわけで、ミステリーとしては5点、歴史モノとしては7点で、普通ならばその間をとっての6点のところ、ほのかなラブストーリーとしての要素を感じる「薔薇の名前」というタイトルにプラス1点した結果、この7点という献上になりました。 [DVD(吹替)] 7点(2007-03-05 14:28:16) |
13. ラストエンペラー
《ネタバレ》 この映画、前半のほうが好きですね。特に結婚式の初夜のところは、何度見てもゾワゾワする・・・こういうのを「上質な官能っていうんかしらん」なんて思って何度も再生して観ていた娘時代を思い出します。それから一転後半の政治的な匂いが漂い始めるとちょっとひいちゃって・・・坂本さんの棒読み演技のせいだけではないと思うんですけどね、ちょっと中途半端な印象になってしまいました。長すぎるのからかしら・・・でも音楽は素晴らしいです。この音楽があるんだもの、棒読みのセリフなんか帳消しですよ、坂本さん! [DVD(字幕)] 5点(2007-01-25 17:08:22) |
14. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 「映画って、決して豪華でなくっても美男美女が出なくってもその上ものすごいストーリーがなくっても成立するんだ」そんなことを私に教えてくれたのがこの映画。 一言で表現するなら「面白い」でも「きれい」でも「深い」でもなく「気持ちのいい」映画。で、その気持ちの良さってのは、爽やかさじゃなくてもっとエクスタシーに近い感じ・・・ アベマリアのシーンではあまりに気持ちの良さにゾワゾワと鳥肌が立ち、その心地よさを再現したいがため何度も再生して観ちゃうほどこの快感の虜になった私でした(汗)。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-23 13:24:51)(良:1票) |
15. トップガン
《ネタバレ》 昔、地上波でやってたヤツ観たんですが、いやはや・・・ なんつーか今も記憶に残っているのが、チャーリーの「だって、みんなの前では言えやしない『あなたが天才だ』なんて!」とかなんとかいうセリフ。「天才」だって・・すっげーこと言っちゃうんだな、このネエさん。 というわけでその後すっかり引いててしまったため、天才パイロットの息を呑む空中戦のほうは印象に残りませんでした。・・・やっぱセリフって大事です。 [地上波(吹替)] 4点(2006-12-18 16:32:17) |
16. 炎のランナー
《ネタバレ》 実はレビュワーになったらまず書こうと思っていたのが、この映画だったのです。だって大好きなんだもん!ユダヤ人としてのコンプレックスのあまり過剰なまでに攻撃的で尊大な彼も、走りながら「神の栄光」を感じちゃう彼も、お貴族サマのぼっちゃんでハードルにシャンペン載せて練習する彼も、大切に育てられてきたいかにもひとのいい世間知らずのおっとり彼もみーんな大好き。(ちなみに寮長のジイさまコンビの何が楽しいのか分からないような3時のお茶のシーンも好き!) ここに描かれているのは2人の青年の生き方。どちらも私たち大方の日本人がおよそ理解できない何かに、あるときは導かれあるときは縛られて喜び苦しみながら生きている。 まあ皆さんいろいろ批判(宗教クサすぎ、人間離れした品行方正さなどなど)もございましょうが、私としては「一本スジの通った生き方」ができる彼らの人生に素直に拍手を贈りたいです。前のほうでどなたかもおっしゃっていましたが、その「スジ」ってのは信仰云々とは別物で、そのひとそれぞれに存在していると思うんですよね。それに出会うことのできた幸せな若者たちのドラマ、これはそういう映画なんだと思います・・・ [DVD(字幕)] 10点(2006-12-18 16:00:21)(良:2票) |