1. 内海の輪
《ネタバレ》 とにかく主演の岩下志麻さんが綺麗過ぎて、エロすぎて、ストーリーとかどっかに飛んじゃってるんですが、あえて言うならば、原作の方が奥行きがあるといいますか、縦軸に男女の恋愛、横軸に警察の捜査を置く構成になっているのに対し、本作は警察の捜査は完全に省略して結婚している男女の恋愛、いわゆる不倫、それ一本に絞った構成になっています。そのせいかどうかは不明ですが、何となく一本調子というか単調というか、ドラマとしての盛り上がりに欠ける感じになっています。白骨死体のエピソードも伏線として全然活きてきません。ただ女優岩下志麻のセクシャルな魅力は存分に描かれていますので、ファンとしてはたまらないでしょうね(私もどちらかというとそのクチですが)。逆に言うと、そうしたエロ的な要素がなかったら何も残らない、薄っぺらい作品だと思います。清張ファンからは「原作レイプもたいがいにせえっ!」との罵声が聞こえてきそうです。 [DVD(邦画)] 3点(2011-02-07 21:41:02) |
2. 球形の荒野
《ネタバレ》 原作でもそうでしたが、戦時外交の場面をすべて省略しているので、ドラマとしての奥行きに若干欠けるところはあります。やはり予算等の事情でしょうか。また原作にはあった、野上久美子が絵のモデルをつとめるシーンも映画の方には入っていません。これがあると伏線としてラストにうまくつながると思うのでちょっと残念です。やはり100分足らずでは尺が足りないようですね。キャスト的なところでは、この頃の島田陽子は本当に綺麗だということと、悪役の大滝秀治が意外に怖えーってところでしょうか。大滝さんが本格的な悪役を演じるのを観るのは私的には恐らく初めてかと思いますが、飄々としたイメージとのギャップが強烈ですね(笑)。出番が短いのが本当に惜しいです。 [ビデオ(邦画)] 5点(2010-11-21 22:04:06) |
3. 外人部隊フォスター少佐の栄光
《ネタバレ》 このスタッフとキャストの豪華さを見れば、ある程度質の高い作品であることは容易に察しがつきますが、やはり期待どおりの内容でした。任務達成と現実の間で苦悩する指揮官、生粋のフランス人ではないが故に政治に振り回され消耗品のように使い捨てにされる外人部隊の悲哀、いけない事と分かってはいても軍人に恋してしまう女の悲しみ等、どれも戦争ものには付き物のモチーフではありますが、しっかり描き込まれています。特に娼婦相手に愚痴をこぼすシーンでのハックマンの寂しげな表情と演技は印象に残ります。自分の話を聞いてくれるのはもはや娼婦くらいしかいない。浮草のように漂う外人部隊の中途半端な立場を象徴しているようでした。ただ一つ苦言を呈するとすれば、ラストの砂漠での白兵戦が尻切れトンボというか何となく釈然としない終わり方になっているのがちょっと残念です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-12 22:31:57) |
4. キラーフィッシュ
《ネタバレ》 最初から思いっきり本当のワルが明らかになっちゃってるんで、湖にピラニアって時点でオチ丸わかりですねえ。その辺あえてボカしながら話を進めるみたいな手法はとれなかったんでしょうかねえ。犯罪ものにしてはエライ中途半端だし、パニックものにしてはミニチュアがバレバレだし、かといってホラーのテイストは限りなく薄いし、肝心のピラニア襲撃のシーンは思い切り手抜きだしで、いいとこないっス。オープニングの爆破シーンなんか結構良かったんだけど、後が続かないなあ。せめて女優さんがキレイならまだ救いもありましょうが、それすらも微妙・・・。カレン・ブラックってあんなブ○だったかなあ・・・? [地上波(吹替)] 4点(2009-05-04 22:25:00) |
5. 冒険また冒険
何かいちいち理屈っぽいな、これ。フランス映画の悪いところが出ちゃったかなあ。特に前半なんか、何がしてえんだよコイツら!の連発だった。いちいち回りくど過ぎるし、詰め込みすぎだよ。盗みのエピソードなんてひとつかふたつで十分なのに。ラストもアフリカに着いたとこで終わりでいいいのに、余計なのくっつけちゃうから・・・フランスの近現代史にある程度通じてないと理解できないようなギャグが満載で、分かってる人には面白いかもね。それでも後半から徐々に持ち直してきたようで、大使や将軍とのからみが妙に笑えたんだけど、そこに辿り着くまでが・・・それにしてもキツイよ、これは。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-06-17 22:32:52) |
6. 愛ふたたび
途中で作るのを止めた料理みたい。生煮え過ぎておいしくない。要するにフランス語は難しいということを言いたかったのか?浅丘ルリ子の可愛らしさだけが印象に残っている。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-03-31 22:22:33) |
7. リップスティック
《ネタバレ》 忠臣蔵が日本人の原点であると密かに思っている小生としては、あのラストはどうしても納得できないわけです。復讐という行為の裏側に、情状を酌量すべき如何なる事情があろうとも、それはそれとして是非を判断するというのが理性というものでありまして…いくら何でも無罪なわけねーだろ! [地上波(吹替)] 4点(2008-03-18 22:48:59) |
8. ブルックリン物語
《ネタバレ》 人生訓みたいな展開に流れるところがあったり、息を引き取るまでに間があったりしてベタなストーリーなんですけど、臭味が無くて妙に泣かせてくれる作品ですね。特に後半のバクスターの死に方なんて、舞台人としては理想的ではないでしょうか。役者のコミカルな演技も良いし、見終わって何となく元気が出てきます。前半のボクシングは無くして全部ミュージカルにしても良かったと思います。 [地上波(字幕)] 6点(2008-03-14 21:50:21) |
9. THX-1138
製作年の割には新しく感じる。近未来の雰囲気も良く出てると思う。終盤のカーチェイスも派手さは無いけど結構ドキドキした。だけどストーリーの肝腎なところが何となく間が抜けている気がする。簡単に脱出できる監獄?とか、ぬるい警備体制とか(あの仮面みたいな顔の警備ロボ、全然役に立ってない)。予算超過のため追跡終了には思わずずっこけた。ラストも太陽にほえろみたいになってるし。もう一工夫欲しかった。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-06 23:14:52) |
10. モナリザお京
川津祐介さん超カッコいいんだけど「トレビアン!」はないわ。あれは普通に退くわ。他にも使い古されたキザな台詞のオンパレードと、馬鹿でもわかるスリの手口に思わず失笑を禁じ得ません。でもエロ抜きの渥美マリが意外と存在感あって良かったりします。妙なコメディ色は排除して正攻法で行けば意外といい作品になったと思います。 [地上波(邦画)] 4点(2008-03-03 22:27:47) |
11. 夜のいそぎんちゃく
毎度御馴染みの中途半端エロには正直ウンザリなんですけど、ストーリーの方は意外に深いと思いますよ、コレ。聖職者の抱える苦悩や矛盾、宿命みたいなものを分かり易い形で表現しています。キリストの顔に落書きなんて、欧米では考えられないこともやってくれてるし、単なるエロボケ神父のヨタ話で終わっていないところが評価できます。渥美マリの唄もなかなか聴かせてくれます。 [地上波(邦画)] 6点(2008-02-15 22:21:29) |
12. カスパー・ハウザーの謎
《ネタバレ》 カスパーの唯一の理解者であり、最大の後ろ盾でもあったダウマー教授との出会いから一緒に暮らすまでの描写が少し薄いかなと思いました。それまでは言葉を喋るのも不自由そうだったカスパーが、次のシーンではもう普通に会話をしていて、その辺が若干唐突な感じがしました。でも気になったのはそこだけで、モーツァルトのオペラ「魔笛」のアリアから始まって、同じ曲でラストを迎えるまで一気に見入ってしまいました。これほど素晴らしい作品を褒めるのはかえって難しい。ただ観て欲しいとしか言いようがありません。あの怪我は、カスパーの正体を知る者の仕業なのか、あるいはカスパーの妄想の産物なのか、はたまた大衆の注目を引くための自作自演なのか、今となってはもうすべてが謎。その辺をあえてぼかしたラストも見事と言う他ないです。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-02-04 23:07:13) |
13. リオ・ロボ
《ネタバレ》 上から目線を抑えた演技のジョン・ウェインは、とりあえず良かったんだけど、ストーリー的におかしな点が目立ち過ぎ。こんな西部の片田舎の町に、若くて綺麗な女が場違いなほど多いという点はまだしも、列車を乗っ取る手口がスズメバチとか、名前も知らない相手からの重要情報を易々と信じてしまうコルドナ達のナイーブさとか、秘密兵器の爆薬を手元に置いていない間抜けな保安官とか、ラストの対決で何の脈絡も無くいきなり加勢に来る村人とか、あるわあるわ。まあハワード・ホークス監督の最後を飾るに相応しい無茶苦茶ぶりって考えれば済むんでしょうけど。やっぱこういう系統が好きな人じゃないと結構キツイね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-12-11 20:22:00) |
14. 裸でだっこ
現在では想像すら出来ない梅津栄の壊れっぷりを見れただけで、もうお腹いっぱいでございます。エロの方は中の下といったところでしょうか。相変わらず中途半端ですなあ。 [地上波(邦画)] 3点(2007-09-14 20:27:39) |
15. ガラスの墓標
初対面の相手にいきなり「僕は、ただのさすらい人です」(笑)は、ないと思うんですけど…。やはりフランス流ということでしょうか?とにかくストーリーの先が読めちゃって読めちゃって大変(笑)。こういう展開になるなと思ったら、その通りになるし。少しは外してくれよって感じ。まあ、大麻(カンナビス)と他の麻薬を思いっきり混同してる時点で観る気は萎えるんだけどね…。あと相棒のポールですけど、どう見ても大学のキャンパスでギター弾いてるアホ学生にしか見えない。あれがマフィアの助っ人とは…。まあ、ジェーン・バーキンの裸くらいしか売りがないのは分かるけど、出し過ぎ(笑)。服着てる時間より裸でいる時間の方が長いんじゃないの? [DVD(字幕)] 4点(2007-06-15 22:52:42) |
16. オクラホマ巨人
《ネタバレ》 ちょwwwダナウェイ、銃撃ち過ぎwww。全米ライフル協会推薦?(笑)まあ、ストーリー的には、アラがたくさんあって変な所も目に付くけれども(そもそもあんな無法地帯有り得ねえー)、リナとメイソンの微妙な距離感が妙におかしかったのと、リナの親父さんが死ぬシーンなどは少しホロリとさせられました。また、単純なハッピーエンドではない、少しひねりの利いたラストも評価したいです。 [地上波(字幕)] 5点(2007-06-09 19:43:33) |
17. ラ・スクムーン
とにかくベルモンド独りが格好良過ぎるだけで、マフィア抗争に特有のドロドロしたものや悲壮感があまり感じられない。銃撃戦のシーンや、血が迸る時の描写とかも技術的に稚拙でリアリティに欠けている。比べるのもどうかと思うが、「ゴッドファーザー」のような重厚さが無く、どこか軽い。また、いくら戦時中の混乱期とはいえ、あれだけ派手に街中で銃撃戦を繰り広げていながら、警察が介入しないというのも、ちょっと非現実的で不自然。キャストでは、ロベルトの用心棒、オルガン弾きのミグリが結構良い味を出しているなと思ったが、あまりにも間抜けな死に方で可哀想。まるで撃って下さいと言わんばかりに(笑)…。まあ結局、ベルモンドのファンの人にしかウケなさそうな作品ということですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-05-31 21:20:54)(良:1票) |
18. 西部に来た花嫁
《ネタバレ》 本当は一緒にいたいのに正直になれない不器用で頑固な男と、どんなに酷い目に遭わされても他に行く所がない哀しい女の物語、と一言で言ってしまえば簡単だが、あまりにも妻に対する夫の暴言・暴力が強烈過ぎて、印象は最悪。強烈にやられている割には妻の納まり方も不自然だし、最後はとりあえず落ち着くところに落ち着いてはいるのだが、そんなことでチャラにできるわけもなく、何となく後味の悪さだけが残った。男尊女卑の思想が根強く残る地域社会の特殊性や、牧牛を所有しているカウボーイとそうでない者との経済格差等を考慮に入れたとしてもなお、感情の部分ですんなり受け入れることはできない。ザンディが家族と離れて独りで暮らしている背景にも、何となく父親からの暴力を推定させるものがある。あのかわいい子ども達が、暴力の連鎖から逃れることができるのか心配だ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-04-26 23:06:55) |
19. でんきくらげ
エロい。暗い。ショボい。 [地上波(邦画)] 4点(2007-03-12 13:49:14) |
20. わが道
実在の事件の裁判記録を元にしているだけに、法廷のシーンは迫力がありました。それにしても国が地方や出稼ぎ労働者などの社会的弱者を切り捨てようとするのは、今も昔も変わらないんですね。 [DVD(邦画)] 7点(2007-02-12 13:48:15) |