1. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 ここ最近見た邦画の中では一番良くできていました。最初から最後まで、物語に 引き込まれました。裁判に関してはいろんな意味でやりきれない気持ちになりましたし、ここ最近の実際の事件を見ていても、痴漢の冤罪を晴らすのはとても大変で現実的には不可能に近いことらしいという問題点を広く世間に広めたという良い点も有ったと思います。 ただ、気になるのは、この映画では、実際に痴漢被害にあった女子高生の側からの物語はほとんど語られておらず、むしろ女子高生(本当に痴漢にはあっているらしい)は 考えの足りない悪者?悲劇のヒロイン気取り?のような描き方さえされているような印象さえ受けることです。 できれば、もう少し、被害者自身の葛藤やとまどいも描いていてくれたら、 「痴漢の裁判制度」そのものへの問題点だけがもっとクローズアップされて良かったかなぁと思います。この描き方では、痴漢を捕まえて訴える事自体、被害者側がそもそも よく確証を得てないならするな!といっているようにも見受けられ、それはそもそも監督自身が痴漢という犯罪を軽くみてやいやしないか・・・、女子高生が痴漢を捕まえることがどれだけ勇気のいる行為か本当にわかっているのか・・・? という危惧を少し持ちました。痴漢冤罪を晴らすのも大変ですが、実際に痴漢を捕まえて訴える事だって、被害者女性にとってはとても大変な事です。本当に痴漢は世の中に 沢山居て、被害にあっている方も本当にたくさん居ると思いますよ。 なので、この映画がきっかけで冤罪事件が注目されることは良いことですが、だからといって、痴漢を訴えづらくなるような事のないようにくれぐれも気をつけて欲しかったですね。植草教授の事件なんて見ていると、なんでもかんでも冤罪を主張するやからが 増えているような気もして、大変心配な気もしているのです。まあ、当方既に痴漢に 逢うような年でもないのですが・・・。 [地上波(邦画)] 7点(2008-03-30 01:55:33) |
2. 凶気の桜
《ネタバレ》 ここ数年の窪塚くんの印象からして(元々よく知らんけど)、この映画はもっと変わった偏った映画なのかな?と思っていたが、実際に見たら案外普通のヤンキー&ヤクザ映画でした。ネオトージョーとかイデオロギーだナンダと言ってますが、少なくても映画上では、単なるちょっと変わった格好をしたチーマーな3人が、ちょっとした間違いから、ヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう悲劇を後半は割とテンポよく描いております。窪塚くんの友人二人は、本当に頭が悪そうなお人よしに見えるので、(だって武蔵だし)なかなか良いキャスティングで、本当にかわいそうに思えました。高橋まり子は 美人&オサレすぎて、この映画ではちょっと浮いてしまったのかな(私は好きですが) で、江口とか組長とか会長とかは、嵌ってるけど、ちょっと漫画みたいな感じが過ぎて、微妙でしたね。窪塚くん演じる山口のような「ちょっと変わったオレを演出中なヤンキー」って私の同級生にもいたので、ほほえましい気持ちを思い出しました。素直な 良い子なのよね・・・。サムイけど。 [地上波(邦画)] 6点(2008-03-30 01:17:07) |
3. プラネット・テラー in グラインドハウス
《ネタバレ》 わざとのB級感や、小ネタ満載な所や、女性がきれいでセクシーな所はとっても 好きですし、ストーリーも込み入ってなくて単純でよかったのですが、イマイチ どうにもこうにも緊迫感にはかけていたかな??「みんな助かれ!!がんばれ!!」 とはあんまり思えなかったんですよね。とってもいいキャラだらけなんですけどね。 でも足から銃が映えてる滅茶な絵柄は好きなので、+2点です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-30 00:38:34)(良:1票) |
4. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 題材としては大変興味深いし、主役にジョディ・フォスターを持ってきたことも悪いとは思えない。しかし、最近のジョディは、「フライトプラン」でもそうだったが、物語のそもそも最初から、私の目から見ると、とても「普通の幸せな女の人」には見えません。ラジオのDJやってて、インド系?アラブ系?の婚約者(婚約者の男性はLOSTのザイード役の人ですね~。セクシーで好きです)がいるような中年女性には、そもそも全然見えない。見るからに白人のホワイトカラーで、少し神経質そうな感じのするナチュラル系美人(つまり、自由な感じがない)って感じなので、物語の最初からどうも違和感がありました。そのせいか、その後の悲劇から復讐に向かう所も、いまいち感情移入しづらかったです。ラストも、私には違和感がありました。あの黒人の刑事さんは よく見ると非常にハンサムで、これから期待できますね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-30 00:30:41) |
5. ソウ4
《ネタバレ》 2回続けて見たけど、それでもよく伏線の回収が判らない部分もあったので、3から見直そうかな・・。(単に5に続いてるだけか?) それなりにグロく、それなりにどんでん返しが楽しめましたが、登場人物たちが今までにもまして更に頭が悪くなっており、どうにもこうにも、イライラするのは否めない。 そろそろ、もう少しジグソーに多少対抗できる頭の回転のよい人が出てきてもいいかな・・・と思うんだけどね。今回はFBIまで出てきたのに、とってもドン臭い人たちでした。デスノートのLはさすがに要らないけど、24のバウアーくらいのゴキブリのような 生命力のしつこい人がそろそろ欲しい所。次回期待。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-30 00:20:55) |
6. アポカリプト
《ネタバレ》 久しぶりに映画を観る事の原点に立ち戻らせてくれたような作品でした。 まず、マヤ文明チックな世界(正確なマヤ文明の描写かどうかは私はどうでもいい)が舞台で、知ってる役者が誰一人でてこない。圧倒的みどりの自然の中で行われるワイルド!!な生活。 これだけで、かなり普段の現実から離れた世界に連れて行ってもらえます。本当に別世界を観察するような感覚を楽しむ。これが最近の映画ではなかなか望めなくて・・昔はよくあったのですけど。 で、その世界が本当にプリミティブ。最初の主人公の村はわたしゃかなり好きです。 いや、住むのは「ウルルン」出演でさえ無理だけど、ほほえましいというか、楽しそう。なんか、一瞬快適な暖かい部屋で大きいTVでDVD見ている自分より、焚き火の周りでみんなで踊ってるあの人たちの方が幸せなんじゃ?、って思えたり・・・。単純さに憧れる部分はありますね。それだけにその後の首都?の退廃&残酷な儀式には心打たれました。私はスプラッター映画好きなので、首がポーンと飛んだりするのは、大変好みであります。しかし、あの人たちの退廃・・あの人たちの盲目っぷり・・・は、実際に私たちの現実の生活に近い。なのであの首都シーンは、残酷さが嫌というより、自分達の 生活のさまざまな落とし穴を考えて少し現実に戻って鬱な気持ちにはなりました。 この映画で比較されているのは、主人公達の村(原始的社会)と、首都(あれでも文明的社会)であり、決して、最後に出てくるスペイン艦隊が善としてはは書かれてはいません。あらたな文明がやってきた・・・というだけであり、たとえそれでマヤ文明が結果的に滅びようと、主人公は、結局元の原始的な社会に戻ろうとするのですから・・。 何はともあれ、基本的には家族を救う為に、逃げ、戦いまくる男の単純アクション ストーリーです。はらはらドキドキも楽しいです。残酷描写は嫌な人は嫌でしょうね。 最近のメルギブソンの動向のおかしさは置いておいて、観ている間は何も考えずに お~~っと、観ることをおススメします。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-17 16:39:07) |
7. レストストップ デッドアヘッド
《ネタバレ》 特典映像を見ないとすっきりしないかもしれない映画ですね。 本編では出番が少なめで残念ですが、あの一家が かなりいい味出してます。(特に謎がとけるわけでもないんですが) 最初から中盤にかけて主人公の行動があまりにもアホっぽく、 イライラはしますが、途中でなんとなくネタが判ったので、 そこからは納得して見れました。それなりに楽しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-23 23:10:28) |
8. ザ・シューター/極大射程
《ネタバレ》 主人公の腕のよいスナイパーとしてのシーンが少なすぎたような気がする。 マークウォルバーグはよくも悪くも常に自信満々に見える人であり、そのせいも あり、物語に緊迫感がない。ピンチがピンチとして感じられない場面が多かった。そして、最後のまるで水戸黄門のような悪役達の宴。さすがにあれはないでしょう?? [DVD(字幕)] 5点(2007-10-23 22:49:56) |
9. リーピング
《ネタバレ》 イナゴシーン以外は特に迫力のあるシーンもなかった。宗教がらみの話は 結局日本人である私には実感できない部分も多い。でも、一見平和に 見える街が実は・・・みたいな話は結構好きですよ。 ヒラリースワンクを使わなくても別にいいじゃん、とは思った。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-23 22:43:27) |
10. フラガール
《ネタバレ》 ストーリーもセリフも、この手の映画の王道をただ単になぞっただけかなぁ? と監督の手腕を認めたりはできないのですが、なぜか割と感動できました。 それはきっと、フラダンスにそれなりの迫力があったせいだと思います。 演じる人達のきっちり練習したんだね!と思える努力に感動したのではないかと。 「ウォーターボーイズ」でも思えばそこがポイントだったんですよね。 それと、役柄がきちんと女優さんたちに合っていましたね。大根ではないか?と 思っていた松雪さんもこの映画ではぴったり合っていました。 [地上波(吹替)] 6点(2007-10-23 22:36:39) |
11. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 ペルシャのクセルクセスたんが、大階段付きキンキラキンのめちゃくちゃ デカイお輿で現れた時に決定的になった、この映画の映像のセンスがツボに入りまく りました。 重要なセリフを言ってるであろうときも、 映像に夢中になっていて、あまり聞こえてこなかった、という欠点はある。 というか、話は内容の割りに、薄味ですよね。奥さんのかっこよさは 心に残るものの、(昨今まれにみるGJだよ、あいつをアレしたことは) 他のキャラがたってないせいか、セリフが長く感じられる。 やっぱり、お話的にはグラディエーターやベルセルクに勝るようなものでは 決してないものの、いい意味でのアニメっぽさが、うまく生きている映画 でありました。クセルクセスたんの映画もみたいわ、作ってくれないかしら。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-03 16:58:52) |
12. サンシャイン 2057
《ネタバレ》 映像といい、話といい、一風変わった感じで、なるほどダニーボイル監督だなぁ という印象でした。 太陽に対する恐れと憧れ、宇宙船の中の閉塞感・外に出たときの圧倒的大空間への 恐怖など、映像的にはいいなぁと思えるシーンがたくさんありました。 でも、お話やキャラクターがそれについていってないというか、薄味すぎる 感じはありましたねぇ。なんでそんなに使命感に燃えてるのかがイマイチ伝わって こない為(地球のシーンがほとんどないため、地球滅亡が胸にせまってこないんですわね)任務の為仲間をすぐに「人減らしする計算」を始めたり、殺すことを決断できたりするこの人たちに、どうも違和感があるのは私が単にセンチメンタルなだけでしょうか??まあ、やらなくちゃ地球が滅亡するんだから、そりゃ、必死になるのは わかるんですけど、、その割にはうっかりミスが多かったり、危険予測が甘かったり のシーンが目立ちましたね。イカロス一号からの密航者がいることに気が付くのが 遅すぎませんかね・・・。というか、誰も見張ってなかったんかい!! 結局、みんな「死にたがり」なのかい?と思うくらい真田広之はじめあっさり自分の 命はあきらめるし、その辺がねぇ・・・・。地球を滅亡から本当に救おうとしている 人たちとしてはあまりにも、暗い人たちでしたねぇ・・・・。イカロス一号 の映像のフラッシュバックは本当に薄気味悪かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-09-25 14:39:02)(良:1票) |
13. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 レオ様の演技はなかなか良かったし、最初は利己主義だった男が段々変わっていく様 はリアルに感じた。ブラッドダイヤモンドに関する話も為になったと思う。(これから はむやみやたらに「ハリーウィンストンLOVE」とは言えないな) でも、、おおもとの話自体はなんとなく、冗漫というか、「そんな、あの ダイヤがもしもう無かったらどうすんねん!!」という突っ込みが頭から 離れなかった。隠し方といい、探し方といい、どうも、リアルな感じがしないんですよね・・・・。それに、ダイヤ一つで、レオ様演じる主人公の人生が本当に劇的に 変わるか~~??という疑いも。(どうせ大佐から逃げるのは無理じゃない?という) どうも。。消化不良というか、「あ~~そうですか~~」的な流れが多かったですね。 息子を心配する気持ちはわかるけど、隠れてるのにいきなり立ち上がってゲリラに 話しかけてみたりする黒人もねぇ・・・あまりにもうっかりしすぎな気が。 [DVD(字幕)] 6点(2007-09-25 14:28:26) |
14. ブラックブック
《ネタバレ》 ヴァーホーベン監督の良い持ち味は、なんといっても「エグさ」と 「いい意味での常に客観的な視線」にあると思います。 戦争やユダヤ迫害を描いた映画はたいてい、よく言えば「感動」「生きることの素晴らしさとそれを奪われる理不尽な悲しさ」を描いたものが多く、でも、ぶっちゃけ「主観的すぎ」「子供とかだしてこられたら、そりゃ誰でも泣くわい!!」「テンポ悪い」等の感想を抱きがちでもあります。(日本の8月前後にわんさか放映される戦争ドラマがいい見本でしょう) この「ブラックブック」に関して言えば、とにかくものすごいテンポがいいです。 大変残酷なことが次から次へと起こるにも関らず、感傷的なシーンはほとんど ありません。その代わり、エロシーン・脱ぎまくりシーンは多いです(笑)そして、ユダヤ人・オランダ人(レジスタンス)・ナチス・英米軍、、 どの立場に対しても、必要以上に偏って味方をしている映画ではありません。というかみんなそれぞれ、嫌~~なやつと普通の人が混じってる。 この「公平さ」って単純にすごいなぁ~~と思いました。 「どこにだってワルはいるんだぜ。ナチスだけ、 戦争そのものだけ憎んでも戦争はなくならない。人間の中の悪がなくならない限り・・」というメッセージが明確にわかりやすく伝わってきます。 そして、ヴァーホーベン監督はこの映画でも、女性に対して、いつもの通り(笑) 脱ぎ散らかしまくり、下世話なシーンいれまくり、なのですが、 なぜかいつも、「この人ってもしかして、本当はフェミニストなんじゃないのかな」と 思わせてくれます。だって、監督の映画にでてくる女性は本当に、いつも、たくましく、強く、ずる賢く、本当の物事を見定める鋭い眼を持っていたりします。 エグイシーンのせいで、女性や良識ある男性からは 嫌煙されがちな映画かもしれませんが、生きることの本質的なものを本当にリアルに 描いていると思います。下の毛を染めているシーンに拍手です。染めなくても 手入れはみんなああいう風にしてるんだい!! [映画館(字幕)] 9点(2007-09-25 14:08:46)(良:1票) |
15. 舞妓Haaaan!!!
《ネタバレ》 クドカン作品も舞妓の世界も好きなので、期待して観にいきましたが、期待しすぎたかな・・・?判り易く、舞妓の世界へ導いてくれたり、相変わらずのノリのよさは、 脚本にも阿部さんにも感じましたが、??な小話が多い、、、というか、柴崎こうの 役がいらないんじゃないかなぁ?と思いました。柴崎コウにあまりにも冷たいサダヲさんが、ありえない&人間的に好きになれないし、あの年齢で入った柴崎さんが、いくらかわいくても舞妓の主役になるわけもないし(というか、化粧しないほうが柴崎さんは かわいいから、向いてないし) 。他のクドカン作品ではありえなさはあまり気にならないのですが、今回は、普段から私は舞妓→芸者さん好きなせいか、どうも、コウ&サダヲが 気になって気になって、イライラしちゃいました。単なる「彼女の出来ない、もてない 舞妓オタク」の役の方がサダヲさんちっくで良かったのにな、、。 [映画館(吹替)] 4点(2007-08-28 12:32:09) |
16. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
《ネタバレ》 あ・かるい映画。ささっと、楽しめました。バブル時代の終わり辺りに高校生で、ほんんの少ししか恩恵をうけず、大学時代にどんどん崩壊し、就職で地獄を見せられた私ですが、それでも、あの、バブル時代の浮かれた感じは、キライじゃないです・・・・ というか、大人になるにつれ、その良さがわかってきました(笑) (バブル時代に就職した人の仕事できないっぷりにはうんざりでしたが。) いまだに六本木あたりにはバブルちっくな人が多少居られますが、「薄っぺらいものの、やたらとノリがよく、やたらとめげない、やたらとおおざっぱ」というのは、同性だったら結構好きなタイプです。ホイチョイ作品のよさもそういうところかな。 この映画は、バブル時代の明るさを肯定的に描いていて、でも、笑える感じは やっぱりあって(あの眉毛はねぇ・・)、いろいろ細かい部分で突っ込める 所はあるものの、「好景気ってやっぱいいじゃん!!」っていう単純なメッセージが 案外、今の日本には重要だと思う。バブル期の浪費を反省したり、「虚飾の時代だった」とグチグチするより、最近は、高度成長期からバブル期にむけての「やたらと上をめざす気概」みたいなもんのよさを少しは見直してほしい。もちろん、危機管理や環境保護は大事だけど、、「お金もうけ」について、あんまりにも腰がひけてるってのもね・・・(って村上被告みたいになってきた・・・株大好きな私はそこそこ儲けてます)たまに、「何がエコじゃ~~何がロハスじゃ~~!!倹約の美??知るかいな!! 自分の為の贅沢大好きじゃい!!」と叫びたくなる私的には「バブル期のみっともないけど、たくましい、明るい感じ」をまた見せてれるこの映画に感謝。 [DVD(吹替)] 7点(2007-08-28 12:15:06) |
17. ハンニバル・ライジング
《ネタバレ》 あまり前作の「ハンニバル」の映画が好きじゃない私としては、この「ハンニバルライジング」の方が、原作や「羊達の沈黙」のレクター博士に抱いたイメージに近かったので、なかなか面白かったです。(脚本もトマスハリスなので、そのせいもあるのかな) もちろん、レクター博士の後々のあまりの怪物殺人者っぷり を考えると、この作品でのハンニバル君は、まだまだ、控えめ・初心者な部分がたくさんありますが、年齢や、人生で唯一「癒し&愛」を与えてくれたレディ紫の存在を考えると、この時期が最後の人間→←怪物期だったのかな、とそんなに殺人のぬるさに関しては気になりませんでした。完全に怪物化して、超人化したハンニバルよりも、 こういう人間らしい部分を残したハンニバルを見せてもらって、ますますレクター 博士の事が好きに、というか、気になります。 妹を食べられた過去については、あれが後の全てのレクター博士の素ではないでしょうね。ただ、、前に本で読んだのですが、レイプされた女性のなかにはその後、わざと 売春や援助交際などをして、自分の身を汚そうとする女性が居たり、虐待を受けて育った人間の方が、普通の人より自分の子供を虐待する率が高かったりするようです。 なので、必ずしも、人間は「やられた傷」を再生して生きていこうとするより、 深すぎる傷をうけた人は、その傷を自ら掘るような事をして、生きていくしかないという場合もあるようで、レクター博士は、確かに、人間であることをすて、 再生する道も捨てて生きていく道を選んだのでしょう。 レディ紫を演じたコンリーが大変魅力的で、ただし、日本テイストについては、 中国と混ざっていて、日本人からみたら違和感はありました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-28 11:50:00)(良:1票) |
18. PROMISE プロミス
《ネタバレ》 話とCGについてはギャグとしても笑えない低レベル。たとえアニメでもこんな話は嫌じゃ。 ただ、ドンゴン様ファンの私としては、この映画のドンゴン様はかなり好きです。 ドンゴン様はアホな役・「えっ?マジ?」と思う役を演じたほうが魅力が増すということを再確認しました。「あなたがすきだからぁ~~!」以来のステキ!!ドンゴン様。 ただし、本人はマジでやってる、というのがミソです。(監督もマジなんだろうな・・・涙) 牛に追いかけられて四足で走るドンゴン様には本当に胸がときめきました。 薄汚い格好がかえって美貌をひきたてるようです。羽をおいかけてぴょんぴょんする ドンゴン様もステキです。バカな子ほど、かわいい・・・・ってドンゴン様を見て、 初めてわかった感覚です。そんな魅力を確認するのみの映画でした。 [DVD(字幕)] 4点(2007-08-28 11:33:06)(笑:1票) |
19. A.I.
《ネタバレ》 公開時に見たときは、エンターテイメント映画としてはストーリーが破綻している 事もあり、感嘆しつつもどこか理解できない部分もあったのだが、 自分が子供を持ってから見なおすと、とても胸にせまるせつない映画だった。 特にうちは男の子のせいか、ハーレイ君演じるロボットの絶望的な「母への 絶対的な愛」のインプットが胸に迫る。うちの子も、私なんてたいした母親じゃないのに、「ママ~~ぁママ~~LOVE」を毎日叫んでいます(小さいうちだけでしょうが)。小さい子供の親に対する愛情というのは、まるで、どこかのセンターでインプットされてきちゃったの??というくらい絶対的なものなのです。でも、ハーレイ君の 旅路はあまりにも過酷で悲しくて美しくて・・・・・。 スピルバーグ監督は、この映画で誰かを感動させたり、夢や希望をよびおこそうという ことはまるで狙っていないように思えます。監督自身の絶望感をキューブリックの原案に映し出したかのような、なにもかもが、幻想的で、悲しいおとぎ話。子供の頃、 スピルバーク監督の映画から夢や冒険心をたくさんもらった私ですが、この映画に 漂う絶望感も好きなのです。子供ロボットと、くまさんロボット(かわユス!) と宇宙人しか出てこないラスト。人間なんて本当は嫌いなんでしょう?? [映画館(字幕)] 8点(2007-08-21 22:27:38) |
20. デビルズ・バックボーン
《ネタバレ》 全く怖くはないものの、しみじみとさせられるような作品でした。 物語の緩急には欠けていますが、色々と、物悲しい部分があり、 スペイン映画らしい味でしょうか、私は結構好みです。 院長先生があのバカ男と寝ていたり、老人の男性教師が院長に片思いだったり、 年をとっても、色恋に熱があるのが、ヨーロッパっぽくていいですね。 少年達の団結するまでについてはもう少し描写が欲しいところですが、 とにかく全体的に、丁寧な作りだという感想です。 [DVD(吹替)] 7点(2007-08-20 14:52:13) |