1. フロスト×ニクソン
ニクソンに思い入れがなく、それほどの感慨は無し。 [DVD(字幕)] 6点(2013-02-21 02:05:00) |
2. レクイエム・フォー・ドリーム
おそらく低予算で作られた映画だろうが、アロノフスキー監督の実力がよく分かる傑作。カメラワークとこの音楽と役者陣の熱演で一気に見せる。芸術的反麻薬映画。美しい。 [DVD(字幕)] 8点(2012-11-15 23:04:52) |
3. 誰も知らない(2004)
傑作「歩いても 歩いても」や「奇跡」につながる「家族」にまつわる物語。会話量が少なく、退屈なシーンも多いが、特異な設定と子供たちの演技に救われて、最後まで鑑賞できた。ただ、つらかった。 [DVD(邦画)] 5点(2012-09-08 17:52:12) |
4. アウェイ・フロム・ハー 君を想う
「テイク・ディス・ワルツ」の予習として鑑賞。安易に涙を拾いに行かない作り方がとても良かったと思う。特にラストが良い。 この映画のテーマは「ひたむきな愛」ではなく、「気持ちのすれ違い」にあるのだ。認知症ですらも設定に過ぎない。描きたいものをきちんと見据えて製作された作品だと感じた。 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-11 09:24:12) |
5. ナポレオン・ダイナマイト
クライマックスは良いんだが、少し眠かった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-05 23:39:41) |
6. 僕のニューヨークライフ
ちょっと失敗作。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-16 14:42:57) |
7. 預言者
それほどではなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2012-07-02 20:25:46) |
8. ビフォア・サンセット
素敵な続編。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-01 11:37:02) |
9. サマーウォーズ
どうにもテンションについていけず。最後の場所選びはかなり杜撰。間違ったら数百人が死ぬレベル。 [DVD(邦画)] 5点(2012-07-01 11:32:32) |
10. ネバーランド
《ネタバレ》 "Just believe."で思わず涙。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-30 14:48:54) |
11. サガン -悲しみよ こんにちは-
主演の演技は素晴らしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-30 14:01:55) |
12. ラスト、コーション
《ネタバレ》 肉欲が主題なのに、エロだけではない映画。ラストのヒロインの「誰も得しない」選択に痺れた。憎しみと肉欲が止揚されてニヒリズムに到達している。その過程が実に丁寧に描写されており、長い映画だが全く飽きなかった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-24 22:33:34) |
13. ラースと、その彼女
《ネタバレ》 リアルドールを生身の人間と勘違いするちょっと頭のおかしい男の話で、それを題材に、社会におけるミスコミュニケーションの問題に切り込んだりするのかなと思って鑑賞したのだが、全く逆の意味で素晴らしい映画であることに驚愕した。この映画はラースとビアンカの関係性を元に社会問題を風刺するような、そんな浅はかな社会派映画ではない。人間愛というものについて、深く考えさせられる映画だった。 確かに、リアルドールを自分の彼女と考え、それを他人に紹介するラースの思い込みは異常である。しかし、多くの人は何かモノに執着して生きている。マーゴのテディベア然り、男性同僚のフィギュア然り。ラースの住む小さな町の人々は、人ではなくモノを愛してしまったラースをとても優しく受け止める。この「優しさ」(人間愛とも言う)が一貫してこの作品の底流となっており、それが観ていて心地よかった。観客も町の住人と一緒にラースとその彼女を見守ることになる。 ラースがビアンカを愛してしまった背景も考えてみれば興味深い。自らのお産では母を亡くしたラースにとっては、兄嫁の妊娠はおめでたいことであると同時に、恐ろしいことでもあったのだ。兄嫁の様子がおかしいと先生に訴えるシーンからも、それは見て取れる。そのストレスと人に触れられることを病的に恐れる性質から、彼はリアルドールにその行き場のない愛をぶつけることになった。このあたりは、もっとラースを屈折した気持ちの悪いキャラクターに描くことも可能であったはずなのだが、あえて監督はそれを避け、この映画のメルヘン性を維持している。 とにかく、観てみなければ分からない独創的な映画であるし、非常に優れた映画でもある。これを観た後は、観る前よりも少し人に優しく接することができそうな気持ちになるのだ。しかもその押し付けがましさを一切感じさせないところが何とも心憎い。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-17 20:26:27) |
14. 南極日誌
《ネタバレ》 ソン・ガンホの熱演以外には観るべきところが無かったなー。南極の閉鎖空間が人間の心に魔物を産み落としたってことなのか?わざわざ6人の名前や担当などをメモしながら観ていたけれど、結果的にそこまでする価値は無かったのでちょっと残念。思わせぶりな演出ばかりで眠くなったし、結局クライマックスもなんだか微妙だった。で?と思ったところで終わる映画ってのはやっぱり苦手だ。 [DVD(字幕)] 3点(2011-12-11 18:56:52) |
15. うつせみ
《ネタバレ》 とても中途半端な映画。最初は音楽が入らない中で物語が静かに進行し、映像も綺麗だったため期待したが、中盤以降、突然抒情的な音楽が入りはじめ、話もどんどんくだらない方向に流れてしまった。テソクがソナの家に戻るのも簡単に読めるし、ソナの旦那が超分かりやすい悪人なのもどうかと思う。そもそもなんであんなやつと結婚したんだか。ソナが気の毒とも思えないし、笑うのも憚られるし、対応に困る。 また、キャラクター造形でも、テソクが極端に無口なので、心の動きが何がなにやら分からない。あんだけ人の家で寛いでたら、これまで何度も逮捕されていて可笑しくないのだがなぜか初犯扱い。ゴルフボールで人を殺しといて逃げる。当然ああなることは予測すべき。頭の悪い男だとしか思えなかった。こういうお馬鹿さんな上に辛気臭い二人が主役だと俄然鑑賞のテンションが下がる。 あとはコメディかと思えるほど酷い箇所も何箇所か。まず、3番アイアン(邦題も邦題ならこの原題も原題だ)をああいう風に思うがままに振るのはかなり難しい。これは経験者として言えるが、あんなに一瞬でゴルフは上達しないし、テソクのあのフォームできちんとボールが標的に当たると思えない。他には監獄の気配を消すシーンも笑えた。実際は監獄で死んだという解釈も出来るのだろうが、それにしても香港映画みたいな妙な動きで看守の後を付回したり、スパイダーマンみたいにドアの上の壁に張り付いたり。もうちょっと観念的な撮り方は出来なかったか。期待していただけにガックリ来た。 [DVD(字幕)] 4点(2011-12-05 21:03:47)(良:1票) |
16. レイチェルの結婚
僕がまだメンタルの不調に陥る人がいるということを知らない思春期の頃に観たら、こんなに良い点はつけられなかっただろう。 アン・ハサウェイ演じるキムは薬物中毒から精神を病んで入院しているが、姉のレイチェルの結婚式に出席するために一時退院して家に戻ってくる。しかし、帰ってきた実家にはレイチェルの結婚式をプロデュースするために、たくさんの友人が宿泊しており、彼女の心は休まることが無かった。また、彼女が精神を病むに至った「事件」も家族に影を落しており、次第に彼女は追い詰められていく。 タイトルとは異なり、キムがこの映画の主人公なのだが、ストーリーの中心に配置されているのは、あくまでも「Rachel getting married」つまり「結婚するレイチェル」なのだ。この原題の付け方からもキムの満たされない思いが伝わってくるようで、実に上手である。優等生の姉と常に比較され、精神を病むに至ったキムの哀しさは理解できる。そして彼女の傍目にも見苦しい劣等感とその裏返しである自己顕示欲にはただ悲痛な思いが増すのみである。持てる者と持たざる者。両者のどうしようもない心の懸隔とそれでも僅かにそれをつなぎとめる家族の絆。ヒリヒリする緊張感は最後まで途切れることは無い。潮が満ち引きを繰り返すように、一つの家族の思いは繋がり合い、その直後には断絶し、その様子が延々と繰り返される。エンターテイメント性は決して高くは無いが、考えさせられる良い映画だった。ちょっと先日鑑賞した「光のほうへ」を思い出した。 ただし、手持ちカメラによる撮影で臨場感を出そうとする監督の試みは理解できるものの、常に揺れ動くカメラは観ていて少しつらかった。悪い試みではないと思うが、2つのカメラを使い分けたほうがもっと良かったような気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-27 23:38:11) |
17. ハード キャンディ(2005)
《ネタバレ》 まず、導入部のタイトルバックのデザインに感銘を受けた。赤頭巾ちゃんの「赤」をモチーフに室内をイメージしたとてもオシャレなイントロである。作品の内容に関しても、主要なキャストがほぼ二人だけという制約をものともせず、最後まで飽きずに鑑賞できるレベルに到達しており、よく出来ていると感じた。14歳の小娘にここまでいたぶられると、相当に腹が立つだろうなと、小児性愛者の変態野郎とはいえジェフに同情を感じたし、彼の心情を想像して笑える箇所も多かった。主演二人は本当に良い演技をしていたと思う。ラストの展開がご都合主義に過ぎるのだけが残念かな。 そして、僕のエレン・ペイジ愛をあらためて確認できた作品だった。いや、子供が好きなんじゃないよ。エレン・ペイジが好きなんだよ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-20 17:09:46) |
18. オテサーネク 妄想の子供
《ネタバレ》 嬉々とした変態映画。本当はもっと変態な映画を撮る人らしいが、もうこれで十分。おなかいっぱいだ。 ただごはんを食べているだけのシーンが悉く不快。狙いすましている。下ネタ映画以上に飲食しながら観たくない映画だ。「物を食べる」という行為をテーマにここまで嫌らしい映画が作れることに感動した。他の動物の命を奪う「食」は確かに原罪だ。動物性の食べ物ではなく、キャベツを食べて死ぬという御伽噺も象徴的である。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-21 12:46:21) |
19. すべて彼女のために
《ネタバレ》 実話かと疑ってしまうほど真実味のある映画だった。ジュリアンは大学の先生で何となくおじさん臭い男。妻のリザはジャーナリズム関連の仕事をしており、若くて美人。まずこの配役がうまい。ジュリアンにとってリザは明らかに身に余る妻なのだ。二人の間にはオスカルというまだ幼い息子がいる。ラブラブで何一つ不満の無い幸せな日々を送っていたある日、突然リザが殺人罪で逮捕されてしまう。凶器の指紋という物証もある上、運悪く状況証拠も揃っており、有罪の判決が下る。残されたジュリアンにとってはまさに青天の霹靂であり、状況の打開を試みるべく、彼は妻の脱獄計画を練り始める。 この映画のテーマはズバリ愛である。ジュリアンは一切妻を疑わない。この設定が映画の面白みを殺ぐという意見もあるかもしれないが、これは映画のテーマ上、仕方が無いことであろう。私にとっては、この設定だけでかなり心を打たれるものがあった。美しい最愛の妻を取り返すためなら、全てを擲っても良いと開き直るジュリアンの姿はとてもかっこいい。私も将来結婚するなら、そこまで深く妻を愛したいものだ。 当然ながら、ジュリアンは犯罪にはど素人なのだが、その彼が脱獄計画を練る様も興味深い。着実に少しずつ決行に向けて準備を進める描写にはリアリティがあった。時には悪党に騙されながらも、妻を助けたい一心で決してあきらめず何度もチャレンジする彼を観ていると思わず応援したくなってくる。それだけにいよいよ決行に移る終盤では、思わず手に汗握ってしまった。 ただし、上映時間が短いだけに、粗い部分があるのも確か。ジュリアンとその父母兄弟との関係については、もっと設定を作りこめるし、リザがいなくなった後にジュリアンが公園で出会う女性との間にももう少しドラマがあって良い。そのあたりをきちんと修正してくるであろうハギス監督によるリメイク版も楽しみだ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-10 20:05:08) |
20. パラダイス・ナウ
パレスチナの自爆テロのニュースを見るたびに、なぜなぜと思い続けていたが、この映画を観て少し分かったが気がした。あくまでも分かった気がするだけで実際は違うのかもしれないが、実行犯の彼らの気持ちに共感できた。 あっさりと自爆テロに協力しようとする彼らの気持ちが理解できないという意見もあるが、私は比較的すんなり理解できた。彼らはあらゆる未来を閉ざされている。特にサイードは物事を考える能力に恵まれているのに、大学などは夢物語で自動車の修理工しか職が無い。イスラエルに膝を屈して就労ビザを取ってもたいした職につけないのは目に見えている。自分の能力を生かせないのは本当につらいことだ。「やってられない」という思いが強いだろう。まして、彼は父親がイスラエルに対する協力者とみなされ処刑されている。汚辱を晴らすためにも実行犯に応募するのは無理が無い。 インテリ役の女性(スーハ)を登場させたのも効果的だった。イスラエルによる占領という軍事的暴力に自爆テロという暴力で対応することの不毛を説く彼女の主張は分からないでもないが、対立の現場であるヨルダン川西岸地区(ナブルス)で生まれ育ってきたサイードたちには通じないのは自明のことだ。いわゆる「暴力の連鎖」。その哀しさを盛り込むことで、ストーリーはぐっと深みを増した。 実際にテロを実行するに当たって、ハーレドやサイードの心の動きの過程が分かりにくいのが難点だが、作られた価値は十分にある。もっとこういう映画が日本にも入ってきて欲しいと思う。DVD特典映像の監督インタビューも一見の価値あり。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-26 00:42:55) |