1. シリアナ
うう…分かりづらいですね。このような硬派な内容の映画ならば、まずストーリーや人間関係を、観客側に理解させる描き方が最低条件なのではないでしょうか。それがわかった上で、現実社会の複雑さや不条理さを深く感じ取る事ができると思うんだけど…。国際情勢なら「ゴルゴ13」を読んだほうがよっぽど勉強になると思います。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-03-26 18:42:11) |
2. ラヴェンダーの咲く庭で
《ネタバレ》 アーシュラは本当の恋愛をした事が無かったのでしょうか。孫ほどの年齢差の青年に抱く少女のような恋心。J・デンチはこの老女の思いを、下品にならずに演じていて素晴らしい。せつない気持ちがひしひしと伝わって来ました。また妹を傷つけまいとして苦心しつつも、自分も青年の存在を嬉しく思っているという、微妙な姉の心境を演じるM・スミス。これまた巧い。少しの嫉妬や対抗心を織り交ぜながらも、凛としている2人は何だかとても美しかった。クライマックスの演奏シーン、ヴァイオリンの泣くような調べがとても雄弁で心に響きました。まるでアーシュラのせつない恋心のよう。夏の終わりと共に去って行く青年…何とも言えない寂寥感でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-16 20:08:37)(良:1票) |
3. リトル・ミス・サンシャイン
オリーヴちゃん、無敵の可愛らしさ。彼女の笑顔、家族にとってはまさに燦燦と輝く太陽なのですね。最後のダンスシーンは観ていて気恥ずかしいのに、大笑いしながら泣いてしまうという貴重な体験をいたしました。顔の筋肉がボロボロです。だってみんな心が温かいんだもの。「勝ち」「負け」とかいう、他人が判断した表面的な価値観なんてどうでもよくなってしまう。大切な人を大切にする勇気、支えてあげられる人が素敵なのだと思いました。 [映画館(字幕)] 9点(2007-03-15 18:35:02) |
4. ダ・ヴィンチ・コード
息をつかせぬ展開で飽きさせません。次々と発生する謎解きは難解だけれど、こちらが考える暇もなく主人公がサクサク解答してくれるので楽チン。しかし、集中して見ないと混乱するので非常に疲れました。ロケ地が美しく、過去の回想録的な映像も面白いと思うのですが、何しろ字幕を追うのが大変でイマイチ堪能できなかった。もったいない。映像をじっくり見ようとすると話について行けない…どうしてこうなったんだっけ?と考えてしまう事もしばしば(吹替えの方が良かったのかな)。観客側は話に追い付こうと常に走らなければならず、物語や背景を楽しむ余裕などないわけです。そもそもこの映画に起承転結のメリハリや、人間ドラマとしての深みは無く、漠然と‘見ただけ’で‘訴えかけてくるもの’は何もありませんでした。映画としての物足りなさは原作未読、既読には関係ないと思います。 [映画館(字幕)] 5点(2007-02-28 19:13:40) |
5. 僕の大事なコレクション
《ネタバレ》 地味な作品ですが、静かな余韻を残してくれました。ヘンテコな3人+1匹の‘異文化コミュニケーション’が笑えますね~。犬の演技が良い映画に悪い映画は無いなあ。そのコミカルなやりとりに少しずつシリアスな内容を絡めて、彼らのルーツが明らかになる演出は巧い。会話のズレが笑いを取る為でだけでなく、作品の中で重要な意味を持っていて唸らされました。後半のヘビーな展開とは対照的な美しい田舎の風景が物悲しく、民族調の音楽が耳に残る…。ホロコーストという重い史実を扱っていても、未来への新しい繋がりで終わるラストは希望が持てて良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-19 18:56:20) |
6. 守護神
《ネタバレ》 「海猿」+「愛と青春の旅立ち」+「トップ・ガン」といった所でしょうか…。ストーリー展開はありがちで、厳しい訓練シーン(これがホントに過酷なんだな)は少々長過ぎかも。しかし、伝説の救助士と訓練生との心の通い合いがきちんと描かれているので、意外と飽きずに見る事が出来ました。ベタな話ながらも丁寧に手堅く作られている映画だと思います。ガツンと来るような熱い感動は無いのですが、海難救助の迫力の映像には目が釘付け。ケビン・コスナーを見るのは久々でしたが、いいカンジに枯れていて渋い。たぷたぷの下アゴさえ男臭く見えました。 [映画館(字幕)] 6点(2007-02-14 22:47:34) |
7. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
音楽、というか歌詞が全部良かったです。ヘドウィグの、心を開放するまでの過程が音楽に乗せてこちら側に放出されて来て、気付けば真摯に聞き入っている自分がいました。切々と歌い上げる姿はまさに‘魂の叫び’。「愛の起源」も最高ですが、全てを脱ぎ捨てて歌った「Midnight Radio」には泣かされました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-09 23:02:09)(良:1票) |
8. ディパーテッド
《ネタバレ》 それなりに緊迫感と面白さはありましたが、うーん普通の出来でした。まず登場人物が口汚く罵り合っているだけでお互いの関係性に深みが感じられない(fu○kって言いすぎ…)。なので次々と殺されてもその死に対する感慨がない。あらー皆んな死んじゃったよ…みたいな。あ、「Departed=死者達」だもんね、とか余計な事考えてました。J・ニコルソンは迫力満点だけど突出し過ぎで他の役者とのバランスが悪い。段々ただの百面相のエロおやじにしか見えなくなって…。ディカプリオとの対峙で正体がばれるか?っていう緊迫の場面では、顔のアップに堪らず吹き出してしもた。おかげで主役2人の印象が薄かったです。これだけ豪華な俳優と監督、良いプロットが揃っていただけに残念です。 [映画館(字幕)] 6点(2007-02-09 01:31:48) |
9. ザ・メキシカン
《ネタバレ》 う~ん、乗り切れない。何故みんなしてあの銃を手に入れたいのか理由が希薄なんですよね。終盤のとって付けたような説明もシラける。ジーン・ハックマンがもったいない~。伝説のシーンも唐突な印象。さらに2人の恋愛が重要な部分なのにあまり好き合っているように見えない…。ジュリア・ロバーツはブラピとのシーンよりゲイの殺し屋とのシーンの方が魅力的でしたね(それもどうかと思うが)。ブラピのドジでおバカな役は結構はまってると思う。情けなくて母性本能刺激されました。 [地上波(吹替)] 4点(2007-01-25 22:21:45) |
10. かもめ食堂
終始ニコニコしながら観賞してました。何とも気持ち良い時間が流れています。つかず離れず…でもお互いを思いやっている、みたいな3人の距離感が良かったですね。最後まで「ですます調」だし。日本人が少ない土地だからといってベッタリするわけでもない。北欧の透明感のある落ち着いた空気の中だから、気負うこと無く生きていけるのかな、とも思いました。家具や食器、雑貨なんかも凄く素敵で、ちょっとこういう生活してみたい。サチエの「来る者は拒まず去るものは追わず」というブレない姿勢は、いいなぁとは思いますけど現実にはなかなか難しいかな。ところで私は小林・もたい・片桐というとTVドラマ「すいか」が真っ先に思い浮かびました。お勧めです。 [DVD(邦画)] 8点(2007-01-25 20:03:35) |
11. トラフィック(2000)
少しでも目を離すと置いて行かれそうで必死で観ました~。疲れたけど充実感あります。これだけ多くの登場人物とエピソードにもかかわらず、見る側をあまり混乱させないのは凄いです。シナリオが良いこともありますがキャスティングが絶妙ですね。ほとんどの俳優が役の個性にぴったりはまっているし、それに見合う演技をしていると思う。特に麻薬取締りの現場で戦うデルトロとドン・チードルがいいです。デルトロは自然な演技なのに強い感情が伝わってくるというか…2人の悲しげな目が麻薬問題の現実を表しているようでやるせなかった。最後にわずかな救いがありますが、終わりの無いイタチごっこ。報われないと知りつつ戦い続ける男の姿にグッときました。 [DVD(字幕)] 9点(2007-01-23 22:59:10)(良:1票) |
12. 間宮兄弟
《ネタバレ》 独特の間があってゆる~い雰囲気。この兄弟の異常な仲の良さをありえない・キモイととるか、微笑ましいととるかで評価が分かれると思います。自分はといえば…いい年して「商店街でグ・リ・コ」にドン引き。今どきカップルでもやらないぞ…。ふとん並べて寝るか?フツー。恋愛についても不器用で女心が分かってない。人柄は悪くなから‘いい人’止まり。たぶん2人とも彼女を作るより兄弟で一緒のほうが居心地がいいんだね。だって楽しそうだもんね、、?キモイの通り越してチョット羨ましいかも…あれれ?何故か最初の嫌悪感が無くなったから不思議…映画はもう見なくていいけど、間宮兄弟の生活はずっと見ていたいなあ…。 [DVD(邦画)] 5点(2007-01-23 19:29:55) |
13. Mr.&Mrs. スミス
コメディ、ラブストリー、アクション…それぞれは面白い設定で魅力ある映像も多いのに、全体としてうまく噛み合ってない気がします。話が所々で停滞してテンポが悪かったかな。音楽の使い方もシーンにイマイチ合ってないと思う(わざとかな~)。クライマックスの銃撃戦は、おおっ「ボニー&クライド」か?「明日に向かって撃て」ですかー?と一瞬思わせといてあのラスト…ズルッ。中途半端過ぎるでしょ。続編作りたいのかな。ただ主役の2人はとってもゴージャス!目の保養になりました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-01-21 01:06:29) |
14. タイタンズを忘れない
公開当時はデンゼル目当てで内容はあまり期待せずに観ましたが、これがなかなかの掘り出し物。人種差別とスポ根を絡めてうまくまとめていたと思う。人種差別の理不尽さについてはこの程度の描写でも充分伝わってきたし、デンゼルはじめ役者達の熱演も好感が持てて素直に感動できました。現在活躍中のライアン・Gやケイト・Bの初々しい姿も見られます。キップ・Pは当時第二のブラピとか言われてなかったっけ?どうしてるのかな~。 [試写会(字幕)] 6点(2007-01-18 22:52:19) |
15. ポセイドン(2006)
迫力満点の映像で、何も考えずに見れば海洋パニック物として楽しめます。思わず画面と一緒に息を止めちゃって苦しかった~。ただ、映像以外は記憶に残ってないので小さな画面で観ていたら評価はもっと下げたかも。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-18 21:29:55) |
16. シン・シティ
ペ、ぺッツ…首ペッツ!!!デルトロ見るたびに思い出しそうで鬱…更にこの映画を結構楽しんじゃった自分にも鬱… [DVD(字幕)] 7点(2007-01-17 21:53:34) |
17. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 この映画の凄い所は、全ての台詞、シーンに無駄がない事です。無駄が削ぎ落とされて全てが心に焼き付けられる。一見平和そうな日常。そこに暴力や殺人という非日常が唐突に入り込んでくるのだけど、みんな何の躊躇も無く殺しちゃうんですよ~、さらっと手際良く。アクションヒーロー映画みたいに。でもそれによって壊れた肉体はとってもリアル。ゾッとします。虚構の世界だと思っていた暴力が現実の日常を侵食していく恐怖…。一番衝撃を受けたのは、いじめられっ子だった息子が暴力に目覚め、家族を守るためとはいえフォガティを射殺したシーン。エディにしてもね、コスプレHなんかして幸せ全開!で愛してた夫“トム・ストール”の過去を知って、吐くほど嫌悪したのに魅力も感じているように見える。暴力的な階段のシーンですが最後にエディは自分から夫を引き寄せてました。夫(父)の過去を受け入れるかという家族の葛藤と同時に暴力に魅了されていく人間の姿も描かれていて奥深い映画でした。 [映画館(字幕)] 9点(2007-01-16 22:31:07) |
18. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 監督、やりたい放題ですね。大迫力の映像が楽しめて満足です。船は大揺れだわ恐竜は出るわ巨大な虫やら何やら気持ち悪い~おぇ(大騒ぎで回りの人に迷惑だったスイマセン)でもなんて綺麗な夕日…。結末はわかっているんですが2人で戯れる夢のようなスケートのシーンからウルッときてしまい、エンパイアステートビルから見つめる朝日の美しさに涙が出ました。孤独なコングが心を通じ合えた相手、アンと最後に見た悲しくも美しい風景。あとね、途中からジャック・Bが前田健にしか見えませんでした。泣いて笑ってビクビクして3時間…どっと疲れた…監督、次回作も期待してるので今度はもう少し短めにお願いしますだ~。 [映画館(字幕)] 8点(2007-01-16 16:06:30) |
19. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
あまり「ファンタスティック」な映画ではなかった。話がサクサクと展開していって登場人物の紹介や人間関係なんかもわかり易くていいと思うんだけど、何か物足りない…。それなりに見せ場はあるが、手に汗握るって感じでもない。箇条書きのプロットだけを見ているような薄っぺらい印象です。薄くてもいいんだけど、見ている者を引き付ける何かが欲しかったな~。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-01-10 18:20:30) |
20. ナチョ・リブレ/覆面の神様
B級お笑い映画。バカバカしいので頭を空っぽにしてまったり見るのがおススメです。ジャック・Bの表情や仕草、格好がいちいち面白くてツボに入った~彼が画面に映るだけで吹き出してしまった。鑑賞中は和やかな雰囲気で結構あちこちで笑いが起こってましたねー。内容的にはたいした事ないんですが、映画を見て爆笑したのは久しぶりなので採点は甘め。 [試写会(字幕)] 6点(2007-01-05 16:50:04) |