1. ヒトラーの贋札
《ネタバレ》 うーん、収容所の人たちが保護されすぎな感じ(白衣はちょっと不自然だったか?)と、贋札を作る過程が具体的でなかったので「作れるか作れないか」の緊迫感に欠けた点で、良作とまでは言えないかなと思いました。収容所が舞台だというだけで、あとは観客が勝手にドラマを補って想像しちゃいそうですが、この映画だけで描けてるものはそれほど多くないかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-29 11:48:50) |
2. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 よくある「ドタバタ追跡物」とか「どんでん返しヒッカケ物」だと思って観てはいけません。詐欺師が主人公の人間ドラマと言うべきでしょう。振り込め詐欺が横行している今になって観ると、現実の詐欺って、こんな様子なんだろうなあと思いました。作り話のような驚きの手口は出てこないけど、だまされるほうの微妙な心理を臨機応変にとらえるあたりが、リアル。司法試験をパスした手口(?)にちょっと拍手。ラスト近く、ハンクスが逃げようとするディカプリオに「もう君を追ってくる人間はいない(んだから帰って来い)」と声をかけるシーンにちょっと感動。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-12 01:32:13) |
3. サマーウォーズ
公開時に言われていたほど、親戚のみなさん、活躍しませんでしたね。強引な展開続きで、作り手ばかりが盛り上がってる感じ。細かいアラが気になるというレベルではない、子供向けアニメを観てしまったなあ。 [地上波(邦画)] 3点(2010-08-07 22:45:19) |
4. シッコ
内容のことはともかく、語り口のリズムが絶妙で、あっという間の2時間でした。都合のいいところだけつぎはぎしてるような印象も強いので、この映画だけで分かったような気になるのは危険だと思いますが、娯楽作としての完成度は高いです。下手な社会派ドラマなんか観るより、よっぽど楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-04-17 19:58:54) |
5. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 実話ベース&スポーツ物という、いかにも失敗しそうなテーマにもかかわらず、ほんとに上手にドラマに仕上がってます。差別問題も、細かく描写しようとしたら切りがなさそうなところを控えめにして、ラストの決勝戦のシーンに収束させるのに成功していて、気持ちいいです。その決勝戦も、思い切り時間を使ってたっぷりと見せており、スタジアムの興奮を見事に再現してくれています。フリーマン氏も、キャラが濃すぎるかなあと心配してましたが、実際に映像で見るマンデラ氏と違和感ない演技をみせてくれます(そっくりだと思います)。一方で、ラグビーサイドから観ると、気になるところが多々あり。(1)そもそも南アが弱小チームだったというストーリーが実話と違うので、WCでの勝利がうそっぽい(2)NZ戦はロムーの突進シーンばかりで変(3)体当たりのアップが多くスピード感がない(4)ピナールとチェスター以外の選手はほとんど名前も呼ばれないのでチーム自体に感情移入しにくい(車中で名前を当てるシーンは、メンバ全員やって欲しかった)、等々。ほんとはもっと複雑な背景があるのを省いた上で、作り話を極力避けた結果、その辺は中途半端になってしまったのでしょうか。最後のクレジットも「あの曲」だけで終わって欲しかったです。ちなみに決勝シーン、選手の立ち位置、キックの角度、インタビューのやりとり、マンデラ氏の仕草まで、かなり当時そっくりに撮ってます。別の意味でおもしろかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2010-02-09 22:41:15)(良:2票) |
6. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 本筋と無関係なシーンが多くて、全体にバランスが悪いと思います。オープニングの万博シーン、バスのカーチェイス、鉄骨の上でのドタバタは、不要とは言わないまでも、長すぎでしょう。その時間分だけ、悪役側の背景を丁寧に見せて欲しかったです。子供の頃は遊んでばかりで楽しかったという感情と、昭和の風景との関連も、よく分かりません。幼稚園の先生たちの子供時代は、もうあの町の風景ではないですもんね。ラストの、しんちゃんが足にしがみつくシーンも、どこかで観たようなものでしかないので、ちょっとあざとい感じです。飛び降りようとするシーンも、なぜそこまで思いつめないといけないのか、説明不足で理解できないので、強引にまとめただけのようにしか見えません。ヒロシの足のにおいと、お疲れサラリーマンの回想シーンの流れだけ、うまいなあと思いましたから、4点。 [地上波(邦画)] 4点(2009-12-19 16:30:02)(良:1票) |
7. サイドウェイ
《ネタバレ》 映画全体に人間くささがぷんぷんしていて、上質な短編小説でも読んだような気にさせてくれる作品。元妻が意外に誠実そうな人で、その現だんなが意外にいい男だったところ(かつ、それをしつこく説明していないところ)が、うまいなあと思いました。派手なドラマが展開しないと映画観た気がしない方にはおススメしませんが。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-07 21:52:05)(良:1票) |
8. 明日の記憶
病気自体の怖さやつらさはほとんど全く描かれず、主人公の「病気やだ~」という感情だけを押し付けてくる展開で、安っぽいドラマになってしまってると思います。出演陣の演技で少し救われてますが。ちなみに、原作は徐々に記憶が「縮んでいく」様子を上手く表現してみせてくれています。 [ビデオ(邦画)] 4点(2009-11-07 21:35:08) |
9. E.T. 20周年アニバーサリー特別版
必見の作品だとは思いますが、2回目以降の鑑賞には耐えないです。アラが多すぎて。子供向けの映画だからという理由ではなく、作品としての完成度が低いのだと思います。スピルバーグ作品にはありがちですが。「ひどいなあ」と特に感じるのは、人物の描き方の拙さですね。母親のラストの泣き笑顔は、それまでの演出からは全く理解できません。あのチョイ役の科学者(?)のおじさんは何のために必要だったの?一緒に自転車で逃げるお仲間も意味不明。この作品あたりから、派手な映像と音楽で観客を盛り上げて感動してるような気にさせる演出が流行してしまったように思うので、歴史的な価値はある作品かな? [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-09-22 23:30:50) |
10. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
子供向けの作品なので、ありきたりなメッセージ性が無い分、すっきりした物語になっていて、気持ちよく感動できました。姫や「お又のおじさん」の立ち振る舞いも、丁寧に演出されていて、下手な時代劇よりよっぽどリアルな人物像になってると思います。ラストがまたいいのです。中途半端に説明っぽいエピソードもなく、ほろ苦い後味がうれしい。小手先のメッセージより、シンプルな物語の力強さが、結局映画のおもしろさの原点なのだなあと改めて感じました。野武士のエピソードがちょっとだけ余計な感じなので、減点しましたが…。 [地上波(邦画)] 9点(2009-09-19 17:43:46) |
11. ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢<TVM>
《ネタバレ》 あいかわらず、30分をフルに使って、楽しませてくれました。今回は、パロディシーンが多めだったかな?個人的には、アクションが多すぎて、ドラマとしては弱いと思うので、ちょっと点は辛めです。ラストも、ちょっとだけ血を見る(?)ので、少しすっきりしません。 [映画館(字幕)] 7点(2009-08-08 18:07:05) |
12. マッチポイント
中途半端に好きな相手とは結婚したり寝たりしても後で困るだけ、という退屈なテーマを、尾ひれをつけてみました、というだけ?指輪のエピソードは、まあ上手く生かしていたけど、主人公のやってることに共感できるところがないせいか、「どっちでもいいや」という冷めた見方しか出来ませんでした。 [地上波(字幕)] 4点(2009-07-04 19:03:24) |
13. たそがれ清兵衛
《ネタバレ》 ひとつひとつのシーンを丁寧に演出している印象が強く、一見すると単調に思えるけど、完成度は高いと感じました。ストーリー重視で観たり、派手なアクションやお涙シーンを期待して観ちゃうと、損です。主人公が実は剣の達人だという設定も、「もっとおもしろく展開できたのでは?」とも見えるほど、サラッと描かれますが、かえって観客の想像をかきたててくれて、映画全体の内容を濃くしていると思います。刀を研ぐシーンの緊張感がたまりませんね。真田広之の表情や動作も、余計な演出一切なしで無駄がない。残念なのは、岸恵子のしゃべりとシーンだけが説明っぽすぎる点(そこだけ減点対象に) [地上波(邦画)] 8点(2009-06-27 08:55:50)(良:1票) |
14. 穴(2001)
ひどい出来とまでは言わないが、全てがミステリー「っぽい」だけで、全部見終わっても、何のお話だったのか、よく分からない。異常「っぽい」主人公に薄笑いをさせておけば、ミステリー「っぽく」なると思ったのだろう、安直な演出。肝心の穴の閉塞感も、暗がりを増やしただけという素人並みの演出のせいで、ほとんど伝わってこない。バーチが結構かわいく見えてしまうのも、観ていて盛り上がらない原因か? [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-03-28 20:48:30) |
15. ヘアスプレー(2007)
ダンスシーンが意外に単調で、がっかりでした。有名なミュージカル映画には、単なるダンスじゃない、それぞれの作品に独特で印象的なシーンがあったものですが、この映画は、ダンスパーティみたいなシーンばかりで、PVとコメディ映画を強引にくっつけたような、安っぽい感じしかしません。当然、主人公のダンスも、どこでもやってそうなものにしか見えず、全く魅力的なキャラクタと思えません。踊らないキャラ2人のほうがおもしろかったのは、たぶん映画として大失敗でしょう。 [DVD(字幕)] 4点(2008-10-12 22:36:37) |
16. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 いろんな意見がありますが、私は、あのオープニングから、「王女さま」の部分は全部少女の空想として解釈しました。そして、「少女は結局幸せになったのだと思いたい」と観客に感じさせることで、現実の哀しさを強調するという意図だったのだと。珍妙な姿の生物を出せば「御伽噺」が出来上がると思ってる子供だましのファンタジー映画に比べれば、対になる毒の部分を正面から描いている点で、完成度の高い作品だと思います。食うなと言われても食べてしまうシーンや、弟を連れて来いと言われて連れてくるのに、土壇場で「渡さない」と翻意するシーンで、もう少し少女の気持ちを上手に演出してくれたら、満点だったかも。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-12 18:49:23) |
17. フラガール
《ネタバレ》 主人公の成長をテーマにした映画では、ラストで成長した姿をいかにリアルに見せるかが勝負だと思いますが、その点で大成功だと思います。最後のシーンで、ヒロインだけ顔が見えないので、どうしたのやらと思っていたら、ソロで踊りだしたのは、うれしい驚きでした。しかも、ほんとに楽しそうに踊ってるので、感動的なラストでした。一方で、別れのシーンや、母親が味方になってくれるシーンなどは、ありきたりすぎて、白けました。 [地上波(邦画)] 6点(2008-10-12 18:27:21) |
18. ザ・マジックアワー
いやー、笑った笑った!佐藤浩市のコメディアンぶりがお見事の一言に尽きますね。前半は、とにかくドタバタに集中して、爆笑、後半は、ちょっと人間ドラマっぽく展開して(でも不自然な人情話にならずに)、うまくまとまってました。こんなに素直に笑えるシナリオを作るのは、さすが三谷さん、才能です。「有頂天ホテル」では、登場人物が半端にマジメなキャラばかりだったので、ちょっと笑いにくい面がありましたが、今作はキャラがギリギリまで単純化されていたので、細かいこと気にせずに笑えます。セットへのこだわりとか、タイトルの意味付けなんかも、聞いていたほどしつこくないので、そこに注目せずに観れば、全く気になりません。 [映画館(邦画)] 9点(2008-07-19 22:52:36) |
19. 茄子 スーツケースの渡り鳥<OVA>
原作のマンガは、前作(アンダルシア)よりもコミカルな作品になっているのですが、その要素をほとんどそのまま取り込んで、でも、アニメのほうは、メインストーリーを、シリアスっぽい作りにしてしまっているので、何が描きたいのか、全然分からない映画になってしまっています。無意味な子供キャラの挿入も不快。自殺した「マルコ」の登場も、自転車ファンを喜ばせるつもりでもあったのかもしれないですが、わざとらしすぎて、とても不快。 [DVD(邦画)] 2点(2008-07-05 18:38:05) |
20. ボーン・アルティメイタム
民家の窓から窓へ飛び移りながら移動するシーンは、なかなかおもしろいアイデアでした。 [DVD(字幕)] 5点(2008-07-05 18:29:57) |