1. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 皆さんも言われている通り前半と後半ではまるで別の映画ですね。繋がりもなければ場面も全く違います。前半で描かれる,ただひたすらに敵を殺す機械を作る軍隊はある意味では戦場よりもつらい場所なのかも知れません。恐ろしい軍曹がいて,ヘマをすれば連帯責任,原因になったうすらデブはいじめに…本番の戦争以前に,この時点で人はなんて非生産的なことを時としてしまう生き物なんだと思わされますね。前半のパワーが圧倒的なのは言わずもがなですが,意外と私は後半も嫌いではありません。楽しげな戦場で売春婦を束の間の楽しみにする戦士・一転やってくる敵の奇襲,まさに戦場というのは正気と狂気の入り交じった場所だと思った最後にそれを最も簡潔に象徴したかのようなミッキーマウス・マーチの行進…いやーやられました。キューブリック作品でも1, 2を争うくらい好きな作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-17 05:54:37) |
2. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 ファンタジーだからといってここまで何でもありな展開だと見ていて滅入ります。。本当にこんな話があったらいいよなぁ、っていうのがファンタジーのはずなのにどうにもリアリティがなさ過ぎてこんな話あるわけないだろ、って目で見てしまいました。それでも過去の野球選手の中から敢えて八百長によって追放された選手たちを選んだことで、プレイヤーたちの野球への真摯な姿勢や情熱が観ている者にも効果的に伝わっていること、また若い姿に戻れなくなってしまったドクターグラハム、そしてもちろん最後のキャッチボールのシーンはよかったです。 [DVD(字幕)] 2点(2007-02-16 17:33:38) |
3. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 映画史に残る大傑作です。イタリア映画独特の雰囲気や、不意に挿入されるジョークもまた良しです。火事になる直前の、映像が壁を伝っていくシーンは映画の魅力を最高に引き出した名場面でしょう。一度故郷を離れたトトがその後ずっと帰らなかったことや、離ればなれになってしまったエレナとはその後決して再会しなかったこと(オリジナル版ではそうではないようですが)、映画館をはじめあらゆるものが年月と共に移り変わってしまうこと。本作は「映画好きのための映画」とよく言われますが、実はそんなことはなく、故郷に思い出のある人や実らない初恋を経験した人、年を重ねた人全てにお勧めしたい映画です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-02-03 15:52:02) |
4. レインマン
ダスティン・ホフマンがよかったです。それだけに弟はトム・クルーズじゃなきゃダメだったのか疑問にはなりましたが、それはそれでよく頑張っていたと思います。最近ではすっかりアクション俳優としての地位を確立してしまったトム・クルーズのこういった作品は今となっては貴重なのかもしれません。自閉症という題材に社会的・医学的な側面などから深く切り込むわけではなく、あくまで兄弟愛を中心に描いたのが映画として見やすくなっていて、後味もすっきりしています。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-15 07:21:55) |
5. スタンド・バイ・ミー
大人が束の間子供心を取り戻せる作品ですね。あのくらいの年頃はやけに年齢の上下関係などに縛られ、それでもやけに背伸びをしたい気持ちでいっぱいだった気がします。ひとつひとつのエピソードが子供らしさをいい意味で象徴していますが、反面やはりスティーブン・キング原作の薫りが随所に感じられ、しかも名作と名高い前評判のもと拝見したせいもあり映画としてあまり後味がよくなかったです。しかし画面全体からありのままの少年たちを写し出したキラキラする何かが存分に感じられ、音楽も素晴らしかったのは確かでした。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-01-15 01:55:09) |
6. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 うーん、終盤まで何のアップダウンもなくただ淡々と進むストーリー。なのにラストのワンシーンだけでここまで観ている者に感銘を与える力には驚きました。作り話のような大袈裟なことのない、ただ何ごともない日常を共に過ごしているからこそ人と人は分かり合える、といったところなんでしょうか。最後、デイジーに逢いに行く前にホークが「今日はわかってもらえるかな」と寂しげに呟いていたのが何とも印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-01-11 04:05:17) |