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プロフィール
コメント数 30
性別 女性
年齢 46歳
自己紹介 思いっきり地味、思いっきりB級、思いっきり大作志向、どんな映画も人の少ない映画館で観るのが好きです。

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1.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
アニメならではのファンタジックな描写と、主人公の仕事と、人生の物語があまりにもアンバランスで、作品として破綻していた。残念なことにアニメーションである必要性が微塵も感じられなかった。  不可解な点はいろいろある。なぜその時代設定で、わざわざきわめて裕福な一握りの人間の、しかも天才の、そのうえ時代錯誤な悲恋の物語にしなければならなかったのか。とか、「省略の文化」にかこつけて、小説のセリフを薄っぺらくなぞっただけで終わらせたのか、とか。色々な事情が省略されすぎて、「生きねば」の説得力が皆無だったとか。  実はいやな予感は冒頭からあった。 冒頭、震災のシーン。蠢く大地の迫力と、肉声の効果音の気味悪さに、これを3.11の後に撮ったのだ、と監督のクリエイターとしての誠実さみたいなものも感じた。が、すぐに失望した。 大火事が起こって大勢の人間が死んでいくその日に、親友は本を運び出して「ひどい日に戻ったな」。主人公はタバコ吹かして、白昼夢。家が倒壊して大火事になればどれだけの人死にが出るか、成人した人間は想像がつく。 創作にそんな感情を持ち込むなと言われても、あれだけ力を入れて地震を描写しておきながら、こんなシーンが出てくるわけだから、この登場人物たちには下界のことよりよほど大事なことがある、つまりは「殿上人」だと宣言しているわけだ。胸糞悪いったらない。  ヒロインのはた迷惑ぶりもすごい。結核の女が見ず知らずの家に居候。うつったらどうすんの? 身内からも忌避される、あの時代、そういう病気でしたよね? 挙句の果てに忙しく立ち働いてる家人のそばに来て、「散歩に出る」神経がいっちゃってる。何不自由なく搾取してきた金持ちの発想そのものだよね。  いちいち引用される詩も、あまりにひとりよがりで失笑。主人公は極めて自分に都合の良い人間関係の中でだけ、生きているんですね。それがあの天才だったに違いない、監督の人生観かな。若くしてあれだけ成功したら、そうなっちまうのも当然かもしれないね。  とうとうこんなものを作ってしまったか。これが全世界で公開されると思うと、正直ぞっとする。莫大になりすぎたジブリブランド、駿作品の影響力の大きさをマイナスの意味で危惧した。好き放題やりやがって!
[映画館(邦画)] 3点(2013-07-24 00:55:06)(良:5票)
2.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 
3D環境で鑑賞。スコセッシの個人的な懐古趣味的呟きを、悪趣味な味付けで観た感じ。主人公はメリエスのためにひたすら狂言回しをしてるだけ。すなわち、いる必要がない。人格も謎。感情描写が致命的に手抜き。まさか、子役がせりふで説明するとは思わなかった。スコセッシは「映画をつくるというのは特別な体験で、特別な人間にしかできない、おもちゃ屋なんぞとは天地の開きがある特別な仕事である」と認識しているらしいことはよくわかった。その筋書きだけのために作られたプロットであり、登場人物にはそこに登場する必然は何もないわけで、誰ひとりとして魅力を感じられないっていうのが清々しい。
[映画館(字幕)] 4点(2012-03-11 20:32:33)
3.  TIME/タイム 《ネタバレ》 
広げすぎた風呂敷をマント風に首にかけて若気のいたりで走り回ってみました!というか、設定や世界観だけで手一杯になってしまったというか、どこを楽しんでよいのかわからない尻軽な映画。喋り方からしてお頭が足りなさそうなヒロイン、初っ端から最後まで延々手を取り合って駆ける二人、面白いぐらいに機動力を発揮しない体制側…大筋だけでなく映像にすら「お遊戯会的ですね」というカットが目立ち、子供向け絵本を見せられているような気分だった。
[映画館(字幕)] 4点(2012-03-11 20:13:13)
4.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
お見事! スーパースターがこれでもか!これでもか!と活躍しまくる贅沢な娯楽大作、安心の出来でした。頭脳派のはずでしかも年配の教授がなぜにそこまで武闘派&肉体派? とか、レア・セドゥーは設定負けしてね? とか、よくも悪くも完璧につくりあげたフィクションの中にも敢えて突っ込みたくなる箇所はおいといて、ところどころ笑いもちりばめてあって至れりつくせりですな。映画館でも笑い声があがってたけど、日米の笑いのツボって同期しはじめてるのかな?
[映画館(字幕)] 7点(2011-12-26 12:15:55)
5.  タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
3D環境で視聴。 どうしたことだろう、主人公・タンタンがとにかく勘に障る。顔が、表情がムカつく。よくもこんな苛立たしい造形にしたものだと感心さえする。『太陽の帝国』でも感じた、スピルバーグの少年像への違和感と同じ、主人公にとにかく特別感があって、まったく感情移入ができないのだ。まあ、スピルバーグ自体がスペシャルな人だから、仕方ないのかな? 感情移入という点では、キャラクターの演技とストーリー展開にも難ありと感じた。アル中船長のような、脇を占めるべきクセのあるキャラクターは、やはり性格俳優に演じてもらってこそ味が出るというものだ。CGの限界だろうか、説得力が致命的にない。 フルCGアニメの表現力には脱帽することが多いだけに、CGの限界を感じさせたこの作品は、実写と同じつくりかたをして、失敗した例とみていいのではないだろうか。 絵本のあの飄々としたタンタン、好きだったんだけどな。
[映画館(字幕)] 4点(2011-12-26 12:02:01)
6.  エアベンダー 《ネタバレ》 
映画の概念を根底から覆されるような、トホホなつくりだった。 こう、ハコ書きしようとした小説がつながらなかった感じ?  冗長でなぜ描写されているのかわからないシーンが多く、グダグダだった。  冒頭から嫌な予感がしたが、序盤の土の国での対決シーンなど、ハラハラし通しだった。ってか、3者入り乱れた中で、順番に台詞を言ってお行儀よく殺陣がはじまるとか、学芸会を思い出しました。こう、場面として崩壊してるってば!  さて、興味深かったのは、キャスト。 それぞれの国に、人種が入り乱れていて、説得力がない。冒頭からして、欧米人の兄妹たちに混じって、モンゴロイドっぽい人々がいたんだもの。火の国はインド、土の国はアジア、気の国はインド+ミャンマー?? とりあえず、どの国も何かしら混ざってる。カオスを感じた。 さらに、印象に残る役者がいなかった。正直、演技力に難アリだと思った。 だが、もしかしたらもしかすると、ナイト・シャマランの逆襲かもしれない。ハリウッド的人選とハリウッド的演技に異議を唱えたということなのかもしれない。   実は行った劇場が混んでいて、仕方なくこの映画を観たのだけれど、うーん第一章とか銘打ってありましたが、続くの?  3Dの超吹替え版とやらで観たんだけど、この吹替えもグダグダ>< 苦笑するほかなかった。
[映画館(吹替)] 1点(2010-08-02 16:27:53)
7.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
映画の尺の中に切り取った物語はさすがだと思うし、アリエッティが滑車で上昇するシーンや、人間から見た彼らの身のこなし、借りぐらしたちから見た人間の動きの重々しさ、などところどころにハッとさせられる描写もありました。 が、至らなさも目立ち、特に一部の人物造詣の甘さに監督の力不足を感じました。登場人物が数少ないからこそ、背景を含んで描くことは外せないポイントだったはず。 描ききれていなかった順を追うと、ハルさん、アリエッティの母親、少年、でしょうか。  ①ハルさんのただただ醜悪な様子は意図自体が意味不明。なぜああいう設定にし、異常なまでにこだわって動かしたのかが謎です。 ②母親は、母らしくなるときと、家や住まいに執着を見せる様子がアンバランスで?です。家自体への愛着は、もう少し控えめに描いたほうがよかったのでは? ③少年は、手術を前にした不安定な状態が台詞だけでしか説明されておらず、「きみたちは滅び行く種族なんだ」とアリエッティと対峙する肝心のシーンが、とってつけた宙ぶらりんのように感じました。  ①②から穿って考えますと、監督は日常や女性に対して、嫌悪感に近いものを感じているのではないか、とも見えてしまいます。 しかし、③もあわせて考えますと、監督は映画監督に臨まれる力量は、持ち合わせていないのかな、と思いました。  すばらしいと思ったシーンがすべて宮崎監督がらみだったとしたら、本当にがっかりです。 回顧趣味と言われてしまいそうですが、昔の作家たちは若い時分から目を見張るほどにすばらしい作品を送り出してきたように思うんですが…。分業化の弊害? とりあえず、ジブリは新しい人材を招いたほうがいいんでないですか?
[映画館(邦画)] 5点(2010-08-02 16:04:04)(良:2票)
8.  ベッドタイム・ストーリー
厳しいなあ。 ごくごく個人的な意見なのだが、主人公にどうしても好感も共感も持てず、故にその他の出演者の演技も全部鼻についてダメだった。 なぜかを考えてみると、この主人公に人間らしい愛嬌がないからじゃないだろうか。 自分大好きで、それ以外の感情との鬩ぎあいみたいなものが見れない。究極の自己完結型。 演技のひとつひとつにそれが出てて、不快になる。 それが脚本通りの役だとしたら脚本が微妙だとは思うんだけど、 まあなんだ、アダム・サンドラーも人気コメディアンなのは重々承知だけど、 コメディアンとして受け入れられやすいポイントをひとつ外してるのかな、と思った。 例えばベン・スティラーやジム・キャリーは、どんなにおバカで自分勝手な役をやったって、 人間らしい愛嬌が滲み出しているような気がするんだよなあ。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2009-08-24 23:31:17)(良:1票)
9.  MW-ムウ- 《ネタバレ》 
玉木宏のプロモーション映画。  美しい。その力だけで引っ張った決断力は清々しい気がする。 草刈正雄の『沖田総司』を思い出した。 面白いのは、演じている役柄の違い。 劇中軽々しくも「モンスター」という言葉が出てきたけれど、 現代人は劇中の結城のような人物にヒロイズムを感じるのか。  刑事役がのっけからガチガチに主人公をマークしていて笑った。 さらにあまりに中途半端な賀来の役回りにも笑った。  玉木宏は非常に細長くスタイルがよく、どの場面でも美しかった。 湖に潜るシーンと殴るシーンが微妙で残念。 個人的には若き日の草刈正雄の方が好みだ。
[映画館(邦画)] 3点(2009-07-13 15:11:39)
10.  トランスフォーマー/リベンジ
1作目を見ずに2作目を劇場で観ました。  映画はフィクション、御伽噺である。 そんな一面を逆の意味で再認識させてくれる作品。 最先端の技術とご都合主義と破綻した物語を詰め込んで 飽和ギリギリで垂れ流し続ける勢いは大したものかもしれません。 娯楽映画として非常に厳しかったですね。 …こんなものが評価されるとは、世も末でございます。 と思ったら、マイケル・ベイの文字が現れて納得。  CGは凄まじかった。
[映画館(字幕)] 2点(2009-07-13 14:59:23)(良:1票)
11.  スピード・レーサー
映像の仕掛けも、映画としての展開も安心して観ていられた。 中盤、一瞬だけかかるマッハGOGOGOのテーマでアドレナリンが噴出! 設定にノれて、笑えてしんみりして悪ノリもあって。フィクションの醍醐味がぎっしり。 娯楽映画はこうじゃなきゃね!
[映画館(字幕)] 8点(2009-02-17 12:21:33)
12.  ウォーリー 《ネタバレ》 
アニメーションがキレイでかわいい! が、とにかく気持ち悪い。 何がって、ロボットたちに至れりつくせりのサービスを受けて労働のない日常生活を送り自立歩行できなくなった人間たちの奇妙な善良さ。おそらくそれもテーマなんだろうけど、皆さま何か思い出しません? というわけで、ラストも絶句。おーい、開拓時代の黎明期の争い(どこで内輪もめが起こって誰が死んだか等々)を歴史博物館で詳細に解説するあの精神はどこに行った~?
[映画館(字幕)] 3点(2009-02-17 12:14:45)
13.  ミラーズ(2008) 《ネタバレ》 
グロに弱いもんで、序盤がやたらに怖かった。が、謎解きが進むに連れ、恐ろしさは霧散。キリスト教圏のホラーってどうしてもそっち行くね。そして救いがない。おばあちゃん、犠牲になっただけじゃん。 ビニールに人間が体を押し当てててるような描写は、撮影場面を思い浮かべてちょっと笑った。 んでふと思う。例えばはるか昔「ポルターガイスト」で出演者に不幸が相次いで祟りだなんだと騒ぎになったけれど、その後のホラーの方がもっとえげつない設定でやりたい放題やってるよね。
[映画館(字幕)] 5点(2009-02-17 12:08:36)(笑:1票)
14.  マンマ・ミーア! 《ネタバレ》 
もったいないなあ、という印象です。あれだけの名曲を連ねたミュージカルを、あんな演出でしかつなげられない。シーンに必然性がない、というかすべてが苦しい(笑)。作り手さん、中学生の学芸会みたいなノリ? 音楽面も残念ながらちょっと古くさかったかな。プロデュースを違う人間に任せていた方が、うまく聞かせられたと思う。 ミュージカルとして厳しいと思ったのは、曲の大部分を聴きたくならないということ。いくら大女優で歌も歌えるっていっても、ずっと聴いていたい、というレベルじゃない。デュエット場面のピアース・ブロスナンは「そりゃああんまりだ」とスクリーンの前で噴出しました。コリン・ファースの歌をもう少し聴きたかった。アマンダ・セイフライドはとてもよかった。
[映画館(字幕)] 5点(2009-02-17 11:53:19)
15.  ウォンテッド(2008) 《ネタバレ》 
こう、なんというか、ひどいもんですな。 映画というフィクションの楽しみ方を承知しつつ、野暮を敢えて言うなら、 暴力とか死体とか痛みとか、そんなスタイリッシュなもんじゃないですよ。  どんな怪我も全快する風呂に曲がる弾丸、秘密結社という設定等々、 いわゆる御伽噺なわけですが、ちょっと悪趣味すぎるのでは? 上映開始30分でどん底の評価&気分になったので、 どうまとめるのかどう運ぶのか落ち着いて見届けることができた。 的外れでセンスのないラストの台詞も駄目押しで、妙に納得。  音の聴こえ方や文字の追い方など、神経症的自覚症状(のちに高い心拍数による驚異的な肉体能力の発露と判明)の描写は面白かったが、非常に耳障りなので、いつ区切りがつくのか心待ちにしていた。これが結構長かった。  ジョリーさんが拒食症気味の頃の撮影ですか? 明らかに痩せすぎで、食餌シーンが却って痛々しかった。最初の戦闘シーンの鬼気迫る凄味ある表情は、まあよかった気がする。 マカヴォイの冴えない陰鬱な表情もね。 だが如何せん映画本体として、どうなんだろう。R15とはいえ、大作映画の持つ影響力にナーバスな時世にあって、こんなもんにスター俳優使って全国公開すんなよ、と思ったわけです。個人的な不快感から1点!と叫びたいところですが、プロモ効果というか前評判もあったし、パッケージソフトは割と売れるんだろうなあ。
[映画館(字幕)] 3点(2008-09-24 12:10:37)
16.  憑神 《ネタバレ》 
浅田次郎特有の、凝った設定の中にぶちこまれた、消え行く美学とかご身分礼賛魂とか戦争とか、そういう要素をまんま映画にしただけで、 何がしたいのかよくわからなかった。特にラストは萎えた。あー、もったいない。
[映画館(字幕)] 3点(2007-07-18 16:13:05)
17.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 
騙し合ったりやりあったりするのをハラハラして見守るのは個人的に好きではないが、構成や俳優陣の演技を考えると良作だ。ヒュー・ジャックマンもクリスチャン・ベールもすごいと思ったが、ベールが演じた二役のそれぞれの女性への愛は、ちょっとわかりづらかったなあ。いい題材をそれなりに料理した感じ。少しだけ、何かが足りない。 
[映画館(字幕)] 7点(2007-06-27 20:06:23)
18.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
見所は、鍛え上げられたカラダと特殊効果? ストーリー性、ドラマ性は極めて貧相。あんまりな超人ぶりなので、圧倒的な戦力差の闘い→裏切り→奮闘虚しく討死、の流れに説得力がない。つうか、起承転結とか緊迫感とかそんな惰弱なものはない。能天気な筋肉映画だ。それでいい気がしてきた。どーでもいいといっちゃあいいんだが、裏切る男にゴラムを、個性豊かな敵の軍勢に「北斗の拳」や「男塾」の世界を見た。
[映画館(字幕)] 3点(2007-06-27 19:55:08)
19.  バベル 《ネタバレ》 
同じ人間であるけれど、環境や生まれもった特質によって生きかたや感じ方が違う。 みんな生きているから、人の数だけ悩みがあり葛藤があり、そこにはリアリティがある。 「その多彩さを、不思議さを、妙を、無常を描きたい」。 自分が生まれ育った環境にはじまり、成人してあるいは監督として活躍するようになって色々な世界を知り、イニャリトゥ監督は純粋にそう思ったのじゃないだろうか。 だから、ドラマチックなストーリー性はないといっても過言ではなく、部分的に関係を持つ事象の断片が、つなぎあわされていく。ストーリー性を期待してみると、肩透かしを食らった気になるのかもしれない。 描かれるのは、その場で起こったエピソードと関わる人々の動きだけ。我々はそれを見ながら、自分の出自や文化的背景にとらわれながらも、立場や環境の異なる登場人物たちの心の動きやその背景を追うことになる。 各エピソードでリアリティを描くことに成功したとは、少なくとも私には断言できないが、監督の野心的で素朴な姿勢と、かつ情緒的に過ぎない視点が印象に残った。 余談だが、お手伝いさんと村の中年男のラヴ・シーン、あれは冒険ですね。 男女のむつみあいに美も若さもへったくれもないのだ! 美しいハリウッド・スターの夢のようなラヴ・シーンと、彼らのそれのどこが違う!思わず微笑んでしまうとともに、それを描いた心意気が気持ちよかった。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-18 15:48:26)
20.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
よかった。ジャイモン・フンスーもディカプリオもよかったけど、演じがいがあるのはジャイモンのソロモン役かな。ディカプリオ演じたアーチャーは、性格も特性も違うが、『ラスト サムライ』の勝元とだぶった。高潔で苦悩もするが結局果敢に挑むほうを選んで、非常に魅力的だ。が、現実味に少し欠ける。独特のヒロイズムとリリシズムは、ズウィック監督の持ち味なのか? ここまでは映画の感想。ここからはメッセージ性について。 映画の訴える諸問題について考えさせられもするが、いまひとつちぐはぐさを感じるのは全編が映画として構築されているからかもしれないし、日本という国柄のせいかもしれない。 でもね。なんかおかしいと思うんですよ。 『ラスト サムライ』は映画として魅力的だったのであって、あれで「戦争の悲惨」とか「天皇制の悲劇」とか「力差のある戦闘の悲惨」を感じてくれ、とか言われても困るでしょ?この作品も同様で、鮮烈なヒーローと家族を大切にする生身の人間がいて、そのドラマの印象が強い。 ほとんど英雄譚に近い映画を観た人が「感動した」「ダイヤを買うのはやめよう」という動きをとるとしたら、う~ん。すごく気持ち悪い。同じようなヒーローを置いてまったく違うメッセージ性を持たせた映画をつくったら、観衆はそれに引きづられるって可能性を、見せ付けられた気がする。扇動の可能性を内包している気がします。 もちろん、知る機会、考える機会を提供したことの意義と、ズウィック監督の善意は認めます。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-08 10:39:20)
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