1. アバウト・シュミット
《ネタバレ》 この映画にある現実味。それは自分にとっても遠くない将来にあり得る姿であり、目を背けられない人生の厳しさでした。 どこかに救いを、夢を・・・と望む私の願望はことごとく跳ね返されます。 ジャックニコルソンが大好きな私には、たとえ映画でもこんな淋しい役を演じているのを見るのさえ悲しい。 けれど、このシュミットという男のとことん孤独な生活。それをここまでリアルに私たちに見せられるのはやっぱり彼しかいないと思う。 「最高の人生の見つけ方」といい、晩年の人生を想う作品を ニコルソンはやはり意図的に選んでいるのでしょうか。 次作はガツン!とまた、違ったテイストの役柄を選んでくれることを一ファンとして切に願います。まだまだニコルソンという俳優の 存在感に圧倒されたいから。 [DVD(字幕)] 8点(2009-02-13 17:28:29) |
2. 最高の人生の見つけ方(2007)
2人の大名優あってこその脚本とは思います。 が、2人の男の人生が、見る人自身の人生に思いを馳せさせる力のある作品です。 [DVD(字幕)] 10点(2008-12-26 09:18:43) |
3. オーシャンズ13
《ネタバレ》 キャストの豪華なこと!それにベガスのホテルという設定の豪華さ。音楽の効果も加わって、十二分に楽しめました。ハラハラするようなスリルとはちょっと違いますが、テンポ良い展開が飽きさせません。 バンクの秘書スポンダー。彼女がもっと敏腕やりてな秘書だったら、媚薬に落ちてからのダメダメっぷりがもっと引き立ったかも。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-23 13:32:57) |
4. 再会の街で
《ネタバレ》 幸せに満ちていた家庭を突然失った男の気持ちをアダムサンドラーという俳優が熱演しています。 その悲しみは深く、苦しく、周りの者のどんな言葉も思いもはねのけてしまう。 親友、知人らの彼を癒したい、救いたいという気持ちが余計にチャーリーを追いつめてしまうシーンは見ていて辛かった。 誰も彼を今すぐ救うことは出来ない。 けれど、彼を思う人たち。その存在がこれからのチャーリーを支えている。 そしてまた、チャーリーの存在に親友アランの気持ちが癒されていく。自分らしさを取り戻すきっかけになる。 お互いの繋がりの深さがとても温かく、静かで、ゆっくりと 光のある場所を見つけようとしている2人それぞれに希望を感じました。 もう1度ゆっくり見てみたいです。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-14 13:51:44)(良:1票) |
5. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 キャメロンディアス演じるマギーとトニーコレット演ずるローズ。 方やあばずれ、オツムがちょっと弱いけど美人な妹。 方や優秀弁護士、だけど恋に恵まれない真面目な姉。 そんな対照的な2人。 私だったら絶対許せないよー!と思う恋にまつわる一件が序盤に起きます。 この時点ではローズに同情100% マギーの良さがさっぱりわからず少しイラっとしました。 その後お互いに本当の自分らしい生き方を見つけ、姉妹としても許し合い再び絆を 取り戻します。 私には女の兄弟がいないのでわからないけれど、女同士の兄弟ってすごく近くて、近すぎて 摩擦が起きて、でもやっぱり絆が固いって感じなのかなあ。 この2人以上に私が惹かれたのは、祖母エラハーシュ役のシャーリーマクレーン。 こんなに強い目をした女性だったんですね。 周りに妥協しない強さは、この年になっても自分の力で生きている誇りと自信の現れか。 つらい経験をプラスにしているからこその強さがあります。 フロリダの老人ホーム。ちょっとセレブな老年の方々の暮らしぶりも華やかで 場所もあいまって陽気さを感じさせますね。 ラスト。1人でパーティーに戻っていくマギーの楽しそうな嬉しそうな後ろ姿が可愛くて 暖かい気持ちになれました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-21 18:02:30) |
6. Ray/レイ
《ネタバレ》 音楽の天才 レイチャールズ。人生の光と影。 天賦の才能を持って成功を収めていく一方で、心から消えない傷。 表の顔と裏で苦しむ姿のどちらもがレイチャールズの人生だったんですね。 長い間苦しんだ心の闇は、実は自分の幼い頃の出来事に対する「罪悪感」でした。 母親 弟 長い間堪え忍んでレイを支えた奥さん。 家族の愛情が真実だったからこそ、傷を乗り越えることが出来た。 偉大なるアーティストが私たちに感じさせてくれるものは、音楽だけではありませんでした。 [DVD(字幕)] 8点(2008-02-29 08:54:11) |
7. チャーリーとチョコレート工場
今までずっと子供に向けた夢いっぱいの作品と言うイメージを持っていました。 が、意外や意外、ブラック(ダーク)な面が全面に感じられます。 考えてみると「おとぎ話し」にはそのようなダークな陰の面が必ずと言ってよい程 存在しています。それが映像という形になるとぐんと強調されて感じるのかも。 そういった部分には大人ながら目を背けたくなりました。 けれど「映画」という別世界がここまで完成されていること。 ジョニーデップでこそと思わせる主人公ウィリーウォンカのキャラ。 間違えなく大作です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-07 17:17:02) |
8. かもめ食堂
《ネタバレ》 優しく穏やかな時間。 それは決して急がない。 普段の日常をゆっくりと大切に過ごしてこそ得られるもの。 この作品には大きな出来事や展開があるわけじゃない。 でもそこに、ふわっとしたなんとも言えない安らかな空気があります。 主人公のサチエという女性がまさにそんな人。 淡々と物事を受け入れる様子がなんだか周りの人をホッとさせる。 美味しそうな和食、おにぎり、シナモンロール。 誰かが自分の為に作ってくれたものは嬉しくて、だからますます美味しい。 元気になるにはやっぱり、美味しい物をたべなくっちゃ。 [DVD(邦画)] 8点(2008-01-28 17:40:45) |
9. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 みんなどこかしら心に傷を持った家族と、ミスコンでの優勝を目指す女の子オリーブがロスに向かうロードムービー。 道中で起きることも悲惨なことばかり。 だけど、バラバラにならない家族。 負け犬とは「負けるのが怖くてチャレンジしないこと」 勝ち馬とは「最後まであきらめないもののこと」 見終わった後に、じわーっと暖かくなる気持ち。 何度でも見たい! [DVD(字幕)] 9点(2008-01-11 09:13:10) |
10. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 最初の1時間は、それぞれの繋がりが「?」でした。 が、後半の展開。夢中のままラストを迎えます。 セリフで何かを伝えるような作品ではなく、言われている通り 見た人それぞれの感性、感じ方によって如何様にも捉えることのできる作品だと思います。 私は、それがすごく心地良かった。 ストーリーは悲しすぎる、切ない恋の話。 クラブでの泣き女の歌には、自分の気持ちにもぐっと来るものがあります。 あの時泣いていたのはベティだけじゃなく、リタも同じ。 2人して泣いていたところに、この作品における一抹の救いを感じます。 そう、あのシーンが1番心惹かれます。 ラストには余韻が残りすぎ、クレジットの画面をぼんやり眺めていました。 デヴィットリンチ監督ならではの、細かいトリック(?)そういったものを 見つけていくには、まだ2度、3度と作品を見直していかなければ無理だろう。 けれど、今はしばらく。マルホランドドライブ、デヴィットリンチの世界に もう少しこのまま浸っていたい。そんな気持ちです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-23 13:32:11) |