1. 香も高きケンタッキー
《ネタバレ》 この作品を見るまでに相当な時間を要した。 かつて新宿TSUTAYAや渋谷TSUTAYAにVHSレンタル在庫が大量にあった頃に借りていれば難なく見る事ができたであろうが、それらのTSUTAYAにVHS在庫なき今、サブスクでこの作品を見ることは出来ない。 便利な時代になったはずなのに、この作品を見るという点においてはむしろ不便になっている。 便利とは何かについて考えさせられる。 便利と引き換えに何か大切なものを失っているのではないかと。 さて本作について。 素直に感動できてほっこりもできる、非常に優れたサイレント映画だ。 母娘の馬同士が馬体を擦り合っているシーンなんか胸が熱くなる。 かつての主人が馬体を撫でてくれた時、赤ちゃんの頃を馬が思い出すという演出も素敵だ。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-12-14 22:23:32) |
2. ダウンヒル
《ネタバレ》 文武両道のエリート学生だったロディは、遊びに行った飲み屋のホステスに因縁をつけられ、学校を退学になってしまう。 実家に戻ったものの、厳格な父親は退学という事実を許すことができず、ロディは一人家を出る。 その後、あぶく銭の大金を手に入れ有名女優と結婚することになるが、浪費の激しい妻にお金を溶かされ離婚。 無一文になって場末のダンスホールに辿り着く。 という転落の物語で、それがダウンヒル(下り坂)という題名の由来になっている。 あぶく銭はすぐ底をつき、金が無くなると周りから人がいなくなり野垂れ死にするという、厳しい世の現実を教えてくれる作品。 同時に「捨てる神あれば拾う神あり」も最後に教えてくれるのが深い。 (以下、個人的な自己満足メモ) 本作の鑑賞をもって、把握できている範囲でアルフレッド・ヒッチコック監督作品をコンプリートできたかと思う。 実にその数56本に及ぶ。 最後は中古DVDを購入してまで力技で達成した。 ここまで20年を要する険しく長い道のりだった。 達成できた先に何かあるかと聞かれれば、特に何も無いが、とにかく達成できて嬉しい。 [DVD(字幕)] 6点(2024-10-22 13:42:17) |
3. 女優ナナ(1926)
《ネタバレ》 3時間近いサイレント映画とあって、見るのにえらい気合いと体力を使った。 少しずつ見進めて、見終えるのに3日を要した。 話はかなり分かりやすくて、演出に対しての抵抗感はなかった。 抵抗を感じたのはナナの外見に対してだった。 目の色が薄くてそれがモノクロ映像で浮き上がり、まるで白目を剥いているように見える。 つまり気持ちが悪い。 サイレント映画の演出とはいえ、立ち振る舞いも大げさで、こちらのテンションは落ちる。 時代とはいえ、脇毛ボーボーも見ていて気持ちの良いものではない。 ナナに人生を狂わされた男たちの話だけに、このナナの外見の気持ち悪さは重大な問題だ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-10-06 14:07:20) |
4. これがロシアだ
《ネタバレ》 1920年代のロシアとか、もう想像がつかないくらい縁遠い世界で、もはや意味がわからん。 前半は高層建築物の美しさや個性に魅了された。 中盤は街の様子が繰り返し映され、やや中だるみ。 後半はスポーツなどが描かれ、少し集中力が戻った。 当時としては斬新な映画技法がふんだんに使われている。 アメリカのサイレント映画に出てくるお化けのような顔つきの人たちと比べると、本作に出てくる人たちの顔貌は自然な感じだった。 何故だろう、それが一番の驚き。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-14 15:11:51) |
5. 帽子箱を持った少女
《ネタバレ》 帽子箱を持った少女と宝くじをめぐる珍道中。 少女は帽子を作って売って生計を立てているが、代金の代わりに宝くじを受け取り、そのくじが大当たりだったからさあ大変! 当たりくじをめぐって、それを取り返そうとするオッサンなどが入り混じってドタバタが起きるという展開。 サイレントのドタバタ喜劇ということで好みに合わなかった。 [映画館(字幕)] 3点(2024-09-01 15:42:50) |
6. ラヴ・パレイド
《ネタバレ》 モーリス・シュヴァリエの執事が気持ちが悪い。 やたらに短足な上に顎が割れすぎている。 飛んだり跳ねたりするダンスも癇に障る。 ストーリー的には無難に楽しめる内容ではある。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-26 19:53:53) |
7. ハレルヤ
《ネタバレ》 アメリカ映画で黒人だけの映画って、見たのはこれが初めてかも。 しかも黒人による黒人のためのミュージカル映画。 その点だけでも希少価値がある。 家族総出で綿花を摘んで稼いだお金を、女にほだされて博打につぎ込み失ってしまう。 これだけでも私なら耐え難いことだが、更には弟まで死なせてしまう。 もはや疫病神でしかないし、こんな男は家族にとって要らないコなはずなのに、最後は家族があたたかく迎えてくれる。 なんと心の広い家族、いや、映画だろか。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-06-02 20:53:39) |
8. 紐育の波止場
《ネタバレ》 ニューヨークの波止場で女が海で溺れていた。 それを助けた男。 彼は船乗りでこの波止場には数日間しかいない。 女を助けた縁で二人は結婚する。 しかし男は船に戻ると言い出す。 逃げる気だ。 船は港を出たが男は海に飛び込み、女の元へ泳いで戻っていった。 二人はかくして結ばれた、めでたしめでたし。 という簡単な内容で眠気に襲われた。 見やすい方のサイレント映画だとは思うが、何かこう心を鷲掴みにされるようなものがない。 すなわち物足りない。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-02-16 21:04:15) |
9. 快楽の園
《ネタバレ》 ヒッチコックのデビュー作なので見ておこうと思い鑑賞。 二人の踊り子の外見が似ていて混乱した。 婚約者よりアフリカの愛人の方がスタイルも良く魅力的。 その愛人を殺してしまう辺りにヒッチコックらしさを感じた。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-05 23:02:00) |
10. ジャズ・シンガー(1927)
《ネタバレ》 世界初のトーキー映画という事だが、実質的にはサイレント映画だ、これは。 なんか騙された気分。 親は子供の夢を優先して考えてやるべきで、親が子供にやらせたい事を強要してはいかんな。 特に宗教はいかんざき! [インターネット(字幕)] 4点(2022-10-12 20:50:44) |
11. 十誡(1923)
《ネタバレ》 先に同じデミルのリメイク版を見ていたので、このオリジナルの方も聖書の中の世界を描くだけと思いきや、途中から現代劇(とは言っても今から100年前だが)に移行したからビックリした! [インターネット(字幕)] 2点(2022-09-04 23:10:07) |
12. ロイドの要心無用
《ネタバレ》 最後は冷や冷やして、心臓に悪い。 コメディというよりスリラー! サイレントにしては比較的、見やすい部類。 とりあえずはロイドの映画を見る事ができて満足。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-15 11:07:30)(良:1票) |
13. ベン・ハー(1925)
《ネタバレ》 いやぁキツイ!長く感じまくり。 特にラストの30分、見飽きたイエスの最期のシーン、これが長い。 ベン・ハーと言えば、やはり馬車馬のレース。 これは見応えがあった。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-08-30 22:12:40) |
14. オペラの怪人(1925)
《ネタバレ》 怪人のクリスティーヌに対する偏愛が物凄い。 自分の部屋に強引に連れ込み、最後は無理駆け落ち、無理心中。 怪人のクリスティーヌに対する執着と執念が、何より恐ろしく、物悲しかった。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-07-05 23:42:45) |
15. 結婚哲学
《ネタバレ》 話はよく出来ています。 結局、色々あったけど、それぞれの夫婦は元の鞘に戻りましたってこと。 凝縮したストーリー展開の上に、サイレントなので、ストーリーを追いかけるのに少し疲れました。 [インターネット(吹替)] 5点(2021-06-27 20:06:23) |
16. サーカス(1928)
《ネタバレ》 今更ながらチャップリンすげー!と思った作品。 アクションもチャップリン的な動きと演出で唯一無二だし、ちょっぴり切ない恋愛要素もある。 チャップリン作品の中でも上位にくる作品。 見るの後回しにしてきたけど、見てよかった! [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-26 14:21:24) |
17. あるじ
《ネタバレ》 『あるじ』という題名から、てっきりキリスト教モノかと思っていたら、現代にも通ずる話でビックリ。 これを見て、妻の偉大さを改めて思い知らされた。 心洗われる作品。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-05 16:34:15) |
18. つばさ
《ネタバレ》 大作ではあるが、大して面白くない。 メリーの眉毛が気持ち悪くて仕方なかった。 終始退屈で、長く感じた。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-03-04 19:08:39) |
19. ゆすり(1929)
見始めて、あれこれもしかしてサイレント?と意表をつかれた。 もうヒッチコックのサイレントは大体は見たはずなのに、あれ? だけど、途中から音声が入り二度目のびっくり。 内容としてはなかなか入り組んでいて面白いが、展開の遅さで少しイライラしてしまった。 しかし終わり方は完全に予想を外された。 [DVD(字幕)] 4点(2020-09-20 19:42:46) |
20. キング・オブ・キングス(1927)
《ネタバレ》 キリスト教に伝わる福音の数々を、そのまま引用し、イエスが起こす奇跡から復活までを、コンパクトにまとめた内容。 特に面白いとか面白くないとか、そういう映画ではない。 ただただ、キリスト教映画である。 この映画を観て思ったこと。 それは、なんだか善玉と悪玉がはっきりし過ぎているということ。 そして悪玉は最終的に後悔する。 結局は皆、イエスの思うがまま、である。 宗教映画だから当たり前の成り行きだろうが、さすがにうまく行き過ぎていて辟易する。 この一方的な価値観の押しつけこそが宗教である気がする。 真っ向から反対論を展開し、それも正しいとする表現が、もっとあっていいのでは? この映画で表現されている内容は、とても独善的だ。 もし多角的な価値観を認める宗教が存在するならば、信仰してもよいとさえ思う。 だがキリスト教は、私が学んだ限りでは、価値観の押し付けが過ぎている。 閉鎖的な環境の下で、一方的にキリスト教を説かれれば、傾倒してしまう完成度はあるが、冷静になれば都合の良い講釈と感じる。 これが、この映画に限らず、キリスト教というものに関する、私の雑感である。 [ビデオ(字幕)] 4点(2016-05-05 02:52:43) |