1. 拝啓天皇陛下様
《ネタバレ》 最初の方で家族からの手紙を読むシーンで表現されているように、当時の日本の農村部の貧困は深刻で、後に「恵まれた育ちの学徒兵」を「農村兵」がいたぶるという悲劇の元にもなりました。コメディという形をとり、シッカリと笑いも取りながらも、当時の社会の問題や陸軍に存在した問題を描いているところは、「社会派・野村監督」のすごいところですね。 藤山寛美が演ずる「娑婆では代用教員の初年兵」が「字の読めない2年兵」である山田に字を教えるエピソードが一番、好きな部分です。実際に軍隊に入って字を書けるようになったという「農民兵」はとても多く、農民兵の遺書は学徒兵とは一種、趣を異にする「軍隊に入って字が書けるようになったので、手紙を書きます。」「軍隊に入ってハジメテ勉強をしました」という内容が多い。徴兵制度が今の均等な日本人像を形成するのに果たした役割は今の私たちが思うより、大きなものがあるんですだな・・と実感します。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-18 16:57:41) |
2. 東京オリンピック
《ネタバレ》 やっぱりいいなぁ・・。聖火が「聖火」であるのに感動しますよ。昨今の政治で汚れちまった聖火とは違って。アジアの国を始めて走る聖火が広島に。まだ被爆の痕跡も見える航空映像。「平和の象徴」としての「聖火」に集まる広島の人たち。そして富士山を超えて東京に。「人間の手」で聖火が点される。この原点の素晴らしさ。東京オリンピックの時はもちろん、産まれてもいないので、各競技の結果もなんとなくしか知らないので面白かった。柔道はこれぞ柔道ってものなのね!と感動したし、女子バレーは美智子様の表情も素晴らしかった。マラソンの給水風景はまさに驚き。円谷選手の結果も知ってはいたけど、あんな目の前で抜かれていたとは知らなかったので、ショック。なんとなく死相が現れているような気がするほど、ショックな映像でした。しかし、日本の風景だけでも素晴らしいですよね。日本にとってすごい歴史的なドキュメンタリーですね。 [DVD(邦画)] 7点(2008-10-07 01:46:41) |
3. 女が階段を上る時
銀座のクラブのシステムは今も昔も変らないなぁ・・。高峰秀子さんのキャラクターもあって、本当はもっと、もぉぉっとドロドロなプロの銀座の女性がかわいらしく描かれていると思います。だまし・だまされも男性と、、ですから。本当は女性同士の方が怖いもの。しかし銀座っていつまでもこのままで行くんだろうか・・世界中でこういう商売が成り立ってるのってあの街だけなんじゃ・・? [DVD(邦画)] 6点(2008-04-11 20:05:21) |
4. おとうと(1960)
家族の問題を長女が背負って立ってしまうことは、よくありますね。 父親も母親も罪悪感はありつつも頼りきってしまって、娘も「私がこの家を出たら家族が崩壊する」ことを身にしみて解っている。 さらに自分の「女性としての賞味期限」をこの家族のために犠牲にしていることも自覚している。 今も昔もこういう長女っていますよね。。 水木洋子の脚本も上手いんだけど、イマイチ、その長女の苦悩が伝わりにくいのは岸恵子が長女役だからだろうか・・? 公開時には「28歳の岸恵子」は「女性としての賞味期限を犠牲にする長女」としてリアリティもあったんだろうが・・ 現在ではまだまだ(あくまでも女性の側からですが・・)現役・適齢期な年頃なので、その悲壮感にリアリティがないのかなと思う。 しかも岸恵子・・あんなに綺麗だし、問題が解決したらさくっと結婚できそうだと思っちゃうから。 これがもう少し外見的に地味な女優が演じていたら、リアルな悲壮感が出て永遠の名作になったような気がする。 水木洋子脚本は庶民性とリアリティがよさなので、「キクとイサム」のように適切なキャスティングが必要なんだと思う。 一方、市川監督は綺麗な女優さんが好きなので、ココが壁なんだろうか。。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-10 10:11:46) |
5. 何がジェーンに起ったか?
いやぁ・・怖かったわ・・。ドップリとはまり込んで観てしまった・・。ひたすら怖いよ・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-27 00:55:29) |