1. アレクサンドリア
一応、大学で西洋史学専攻でしたし、歴史モノは好きですが、本当につまらん映画でした。映画館に行かなくて正解でした。 「宗教VS科学」なんて定型な古臭いテーマをこんなにお金をかけて、作る必要ってあったんですかね?福島の原発の事故の影響に脅かされている人間としては、本当にくだらないです。だいたい、「科学や学問に一途な人って、すてきだよね♪」って信じがたい。原発にしても、臓器移植にしても、クローン技術にしても、そんなに科学が素晴しいとは思えない。科学が進むと、結局、宗教や文化の積み重ねが試されることになるわけで、科学自体にはこんなにすてきなチカラがあるなんて思えないです。科学自体は「vs宗教」なんていえるようなものではないと思う。「vs宗教」なんて言う単純な図式で気持ち良いなんて人は、逆に危ない人たちじゃないの?この映画、すごく「マッチョ」で下らない。 女性を主役にしているところもあざとい。 [DVD(字幕)] 0点(2011-09-12 20:51:02) |
2. シチリア!シチリア!
《ネタバレ》 私は色々と感じる映画でした。 まず戦後の近代化というものが、コミュニティをバラけてさせてしまう。 近代というのは、人と人がつむいで出来上がる「地域性」を失わせて「無個性」にしてしまうものだなぁ・・と実感した。 モリコーネの音楽が、なんというか本当に・・イタリア! ラストに至っては、音楽が過去から流れてきたように感じた。 その街は近代化して「マック」とか「スタバ」の似合う街になってしまっている。 あの家族の暮らした家は、女の子のイヤリングを飲み込んで 近代化に破壊されて、マクドナルドにでもなるのかしら・・? どっかの塀を壊して子どもの棺おけを作ったり、街のごろつきを集めて聖人画を書いちゃうような街ではもう、、、ないわけで。。 「物語」も終わってしまう。 変な貴族の作った「怪物みたいな人間と、人間みたいな怪物」もどこにあるんだろう・・。 人々の劇的な事項も、平凡な事項も、街が包みこんでいたのが 「平坦」に「グローバル」なんかになって、「便利」に「裕福」に「平等」になると 「物語」ってなくなるんだね・・。 なんか、切なかったです。 きっと、監督の「イタリア」は、もう、この地上には無いんだね・・。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 01:09:20)(良:2票) |
3. 茶々 天涯の貴妃
《ネタバレ》 あはは・・見ちゃった・・。大河の「江」の評判が悪いので、「比較してみよっかなー」と軽く思ったのが運のつき。信長は品のない貧相なヤクザだし、茶々はジャンヌ・ダルクもどきのホラーだし、秀吉も家康もキモイ、秀頼が長身であることだけが史実に忠実だけどさー。だからチビの秀吉の実子じゃないってオチもなし。ただお城や燃える大坂の町は良かったな。CGは良かったけどー、流行の「戦国ゲーム」と変わらないか~?ま、結局、呆れ返った私です。 [DVD(邦画)] 0点(2011-03-10 18:18:56) |
4. みんな元気(2009)
《ネタバレ》 ドリュー・バリモアが出ていたらハズレはないかなーと思い、レンタル。元作があることも知らず・・。しかし・・泣いた!もうボロボロと泣いた!ふと子ども達の幼い頃の姿が出る、それだけで泣けてきた。本当に彼の「宝物」なんだ・・と思って泣けてきた。写真とか幼い頃の姿とか、もう、出てくるだけで愛情を感じて泣けてしょうがなかった。元のマストロヤンニの主演版も観たいけど、これでももう、充分すぎる程、泣きました。販売のDVDを注文しちゃったよー! [DVD(字幕)] 8点(2011-02-03 19:32:08)(良:1票) |
5. ウォッチャーズ(2009)
《ネタバレ》 あれ?誰も書いてない。人気のミーシャ・バートンの主演作ということで、アイドル的な内容かと思いきや、監禁モノ。しかも監禁するのがミーシャ・バートン。人形のようにかわいいので逆に怖い。話の筋としたら、まぁ予想の範囲に納まるんだけど、でもなーんか怖い。ミーシャ・バートンがキレイだから妙に応援する自分の心理もあったりして。 見て損する内容ではないです。何も得ることはないけど。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-07 00:34:40) |
6. 恋する宇宙
恋愛肉食獣のアメリカ人の「王道・恋愛映画」より、不器用な主人公の恋愛は、リアルに楽しめたと思う。障害の特徴も隠すことなく物語にキチンと収まっていてよかった。現実は厳しいね。 [DVD(字幕)] 8点(2010-12-03 22:00:05)(良:1票) |
7. ミリキタニの猫
《ネタバレ》 偶然なんだけど、「マイ・ネーム・イズ・ハーン」というアメリカでのイスラム系住民への差別をベースにした映画のDVDを観たあとに、この作品を観た。 「恐怖が人々を狂気においやる」という言葉が染み入る。これは名作だ。 猫の絵がチカラがあって好きだ。日本で買えるといいのに。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-13 21:01:31)(良:1票) |
8. フィリップ、きみを愛してる!
ユアン・マクレガーが可憐すぎる。この人がオビワン・ケノビーだなんて嘘に決まっている。天然の女でこんな可憐で「キラキラお目々」なヒロインなら嘘臭くて、ブリブリで鬱陶しいのに、男だからってずるいぞ、ぶりっ子・ユアン!話の筋よりユアンのぶりっ子ぶりにばかり目をとられてしょうがなかった。あたくしは腐女子じゃないのに!! [DVD(字幕)] 5点(2010-10-13 19:39:26) |
9. アイガー北壁
《ネタバレ》 山にはあまり興味ないですけど、大変に心に残る作品になりました。山にはまったくの素人なので詳しいことは分からないけど、体感的にすごく「寒い」。本当に寒い。ブランケットにくるまっても寒い。あまりにリアルで自分の身体もおかしくなってしまうほどです。さらに今後、高所恐怖症になりそうです。この映画を思い出して・・震えるかもしれない。ドラマとしても見ごたえがあったし、ドイツ映画の凄さを感じました。寒い・・本当に、鳥肌が治まらない・・。 「運命を分けたザイル・2」も観ようかな・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-26 00:59:33) |
10. ハート・ロッカー
まず「キャスリン・ビグローは本当に女!?」っていつも思うけど、本作を観ている間中もずっとそう思って観ていた。「ハートブルー」も「K-19」も完全に男共感の男映画で、この作品もそう。女の出演シーンもほとんどなく「男世界」。これがすごいと思う。まぁ、「プリティ・ウーマン」のゲーリー・マーシャルのように職人のように「女世界」を描き続けていく男監督もいるので、「男世界を描く・女監督」がいてもいいんだけどね。同じテーマで作り続けているような感じもあるので、どんどんと上手くなっているのも確かだと思う。この作品の描く世界はイラクに限らず、戦争一般に共通するものかもしれないけれど、出来ればこの「ハート・ロッカー」が往年の「遠い夜明け」のように「旧世代の作品」と言われるような時代がきて欲しいと願います。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-05 22:33:35) |
11. 笑う警官
たぶん、原作は面白いんでしょうね。話の筋としては面白い・・でも!・・コレって「Vシネマ?」と突っ込みたくなる・・。くっさーい昭和チックなセリフがたまらないし~、わざとらしいジャズの利用も、、「お笑いのネタ」のレベルです。ついつい「バイク王」のCMを思い出しちゃうし、困っちゃう映画だよ。。まあ、角川春樹だから納得はするけど、大森南朋はこんな仕事をうけちゃダメでしょ・・。 [DVD(邦画)] 4点(2010-08-13 01:03:36) |
12. キャラメル
まず、女性がキレイだなー・・とホレボレ。ハリウッドの修正しまくりの映像ではなく、セルライトもバッチリだし、シワもクッキリだし、しみもドーンだけど皆さん、本当にキレイです。生きている女性そのものですね。それぞれの女性たちのエピソードがきちんと描けていて共感できる。結婚式の前の母娘の会話のシーンも味わいがあった。女性たちの世界を描いた映画としてはすごくよく出来た映画。東欧の映画の「サラエボの花」という映画があって、その映画の1シーン「娘の修学旅行費用のために必死で働く母をカンパで助ける工場労働者の女性たちのシーン」を少し思い出した。女性たちが助け合いながら生きていることは今の日本では何故かあまり見られない。どちらかというと互いに、互いの生活や外見を批判したり批評しあって気が抜けない空気がある。これは本当に残念なことだわ・・。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-12 00:48:46) |
13. 大阪ハムレット
《ネタバレ》 こういう映画を「良作」と言うんだな・・。「傑作」とは言わないけど、観終わってからもジワジワと元気を湧き上がらせてくれる。娘の遺骨を故郷の海と風に蒔きながら、孫につぶやくおばあちゃんの「男だの、女だの関係ない。生かしてもろうてるんだから、がんばって生きにゃ・・。」がこの映画のテーマでしょうね。精神主義的・道徳的には、それぞれの息子たちも「修正の余地のありすぎる少年たち」だし、「大人も修正の余地、タップリ」だけど、それぞれをお互いに受け入れながら頑張っている姿が温かい。いい作品だ・・。 [DVD(邦画)] 8点(2010-08-11 20:55:09)(良:1票) |
14. マザー・テレサ(2003)
《ネタバレ》 感動した。泣くもんか!と頑張ったけど、無駄な努力だった。政府に孤児院の子どもを収容されるときに、自ら子どもを収容車両に抱いて乗せるマザーに感動。言葉よりこういう行動を取れる心が凄いと思う。子どもは警察官に乗せられるより、どれだけ安心しただろう・・。大きな仕事を成し遂げた方だけど、なんともユーモアのセンスのある方なんだろうとも感じた。ガチガチではなく優しさやユーモアが常にある。これが人を惹き付けて大きな仕事の達成に繋がったのだろうな。しかしオリビア・ハッセーには驚きました。素晴らしい女優さんじゃないの・・。立ち振る舞いもソックリ。老けメイクの勇気にも信念を感じた。演技でありながら「マザー・テレサ」という人に感慨をこれだけ与えられるなんて・・オリビア・ハッセー、本当に素晴らしいよ!あと最後のセリフの回し方もよかった。日本にもこれらのメッセージは浸み込むね・・。 [DVD(吹替)] 8点(2010-07-25 19:33:09)(良:1票) |
15. 海角七号/君想う、国境の南
《ネタバレ》 うーん・・前半は面白かったし、結構、期待感があったものの・・バンドが始動し始めると「ダメか・・?」となり、全てがすべっていった感じがする。結局、手紙と映画も繋がらなかったし・・。ただ、戦争直後の手紙の構造が「男性:日本人・女性:台湾人」であるのに対して現在部分が「男性:台湾人・女性:日本人」と入れ替わっていることに日本のアジアでの絶対的な優位が崩れた現実も感じた。メロドラマ的には「優位な国:男性・下位に置かれる国・女性」という構造で映画の脚本は描かれるものなので。戦前の「満映」の映画が「日本男性と李香蘭が演じる中国女性」とのメロドラマばかりだったことが象徴するように・・。中国人男性と日本人女性とのメロドラマは一本もないはず。 [DVD(字幕)] 3点(2010-07-24 21:22:05) |
16. 休暇
《ネタバレ》 当初は回想と執行の軸がイマイチつかみきれなくて、ようやく結婚式のシーンで同僚が料理を食べられないという印象的な場面で「あぁ、これは金曜日の執行の後の土曜日に行なわれた結婚式なのね・・」と理解できた。死刑についての本は何冊か読んでいるので西島さんの演技は本当にすごいですね。色々、読んで勉強したんだろうな・・。執行シーンの緊張感はすごかったけど、神父さんの役者さんが軽かったのが残念。聖書もあんなに抑揚をつけて読むことはないです。小説じゃないんだから・・ってちょっとイライラしたな。でもいい映画だと思う。妹さんのその後も気になったり・・。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-17 00:28:03) |
17. クララ・シューマン/愛の協奏曲
《ネタバレ》 辛口コメントが多いので、どうかなーと思ったけど、そんなに悪くない。史実に忠実な伝記映画だと思う。まずはシューマンが「梅毒で死んだ」ことを、はっきりと病名は出さないのではあるが、病状をはっきり描いたことはよかったと思う。これまではやはり「聖楽・シューマン」という遠慮があったと思う。クララも40代の中年女性として等身大だと思う。天才で大スターとはいえ、シューマンとは大恋愛で結婚し8人もの子どもを次々に出産でこれだけ綺麗なら上出来です。衣装も品があってよかった。40代になって夫が精神病で、子どもが8人もいたら「手に職」があっても人生的にはどん詰まりですからね(クララ本人は「子どもは多くても4人程度で充分だ」と言っている)。それでも夫の曲を延々と弾き続けて、シューマンを「聖楽・シューマン」にしたのはシューマンの死後も続けられた、クララによる「シューマン演奏キャンペーン」の成果ですから、やはりすごい人だと思う。ブラームスも「天使のように美しい青年だった」とシューマン家のお子さん達が証言するよりは、ヤンチャな青年に描かれていますが、一生涯、クララとシューマン家のお子さん達への経済的な支援を続けていった一途さを表現しようとしたのがラストシーンなんだと思う。でもブラームスはこの映画では脇役ですね。主役はやはり、「強い40代女性のクララ」だと思う。ピアノの弾きっぷりも豪快でした。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-16 11:06:26) |
18. カティンの森
《ネタバレ》 最初の避難民が橋の中央で、両方から来た群衆が混ざり合い 「こっから先はソ連がいる!逃げてきたんだ!」「俺たちはナチから逃げてきたんだ!」と混乱するシーンに改めて「ポーランドの悲劇」を実感させられた。 両方から挟み撃ちにされ動物のように追い立てられる。この恐ろしさ。 最期の20分は呆然と見る感じでしたが、歴史的にも意義のある映画です。 ポーランド大統領の追悼集会への出席を強行し専用機が墜落。 ポーランド大統領夫妻を含めたポーランド政府の主要閣僚が亡くなられました。 この映画を観ると、大統領が悪天候でも出席を強行しようとした背景も理解できます。 しかし、60年以上経っても、ポーランドという国に「カティンの森」が亡霊のように悲劇をもたらしている。 さらに大統領を含めた被害者の国葬はアイスランド噴火の影響で、国賓がほとんど列席できない寂しいものだったという・・。 この国の歴史、運命・・。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-08 01:16:27) |
19. 僕はラジオ
《ネタバレ》 「障害のある人を受け入れる」ということが日本とアメリカでは大きく違うなーと感じた。日本なら「差別防止の法律と教育用冊子をつくって配布して」「障害者には手当てを出して」「福祉担当の公務員を増員」が受け入れのカタチ。アメリカでは「法律は無ければないほうがイイ」「変に手当てを出すより周囲からの善意の積み重ね」「公務員を増やすより、社会の中に居場所をつくって皆で見れば?」ということがあるべき姿なんだよね。どっちがいいかは文化・風土・歴史も関係するからジャッジはできないけど(この映画のように幸せな行方をたどるのは珍しいんだろうし)ある意味、うらやましいほど、豊かな文化だ。本当にアメリカらしい映画で、こういう映画は他の国ではありえないと思う。「ピューリタン映画」とでも呼びたくなる自主独立・自治・慈善・コミュニティと家族の物語ですね。 [DVD(吹替)] 6点(2010-05-01 23:26:59)(良:1票) |
20. K-19
《ネタバレ》 ロシア人ばかりの映画なのに、何故か英語という点は・・しょうがないとして・・。「こぇー!」もう、ダメかも・・。原爆モノ・被爆モノは怖すぎる。自分、ダメです。地震や台風、竜巻と違って、人間が作って・人間を原点から破壊しつくすんだもん。怖すぎる。”この世で最も怖い映画が「櫻隊散る」”の私には後半は「吐き気」との闘いでした。自分も電気の恩恵を受けて文明生活しているくせに、どうしようもない奴ですが、本当に怖いです。修理に入った技官達が「美しい若者」であるのも、たまらなく切なくて居たたまれない・・。この監督さんの力量にはまいっちゃいますが・・吐き気が治まらない・・。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-01 00:53:55) |