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コメント数 1207
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年齢 58歳
自己紹介 短くって、切れ味のいいレビューには「良」投票してしまいます。

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1.  人間魚雷回天 《ネタバレ》 
うーん。脱出装置はなく、1.5tの爆薬とともに出撃すれば、敵艦に体当たりするかそうでなければ自沈するしかない、「鉄の棺桶」とよばれた回天の絶望を考えると、本作で開陳されるエピソードはピンとこないですよ。神風(航空機)による特攻よりも狂気が深いことを考えると、前夜のデートや最後の酒宴なんて想像の範囲のセンチメンタルというか(ひとでなし)。作中、朝倉少尉の「僕達が死んで行くのは、無謀な戦いを無謀なものだと気付かせるためなんです。」というセリフはメチャクチャなんだけど、志願する兵士のメチャクチャなメンタルを多少なりとも理解できるセリフ。オレは何を見たがっていたんだろうとも思うが、大津島であったことはこんなんじゃないだろうと思っています。■回天の攻撃成功率は、2%(神風は10%程度)だったとのこと。わたしゃ、最後の出撃は、4人全員失敗してこそこの映画の価値と思っています(どんどんひとでなし)。
[DVD(邦画)] 4点(2024-08-26 20:24:12)
2.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 
本妻と愛人が同じ学校で勤務しており、その学校の校長がダンナ。そのことは学校関係者・生徒までも知っている公然の秘密。という、とてつもなく居心地の悪い状況。そんななか、本妻と愛人は諸悪の根源であるダンナを始末する。■この状況で本妻・愛人が果たして協力し合えるの? ワタシの状況の理解ってそれで正しいの?という疑問が沸き続ける展開でしたが、最後は、ダンナ殺しは狂言であり、邪魔になった本妻をダンナと愛人が病死させる企てだった、と。■結局、下世話な話であったわけで、理解しやすいところに落ち着いたのですね。■「ワタシは、ホントは悪くない」的な振る舞いをする本妻の方が悪魔的とも思っていたので、ホントは「悪魔のような女たち」なのでしょうか。
[DVD(字幕)] 5点(2024-06-16 16:48:04)
3.  点と線 《ネタバレ》 
刑事の三原が分からない。直情的な正義漢なのだと思うが、子供っぽく見えてしょうがない。乗船名簿を調べてくれた駅員さん、双葉商会の社長さん。まるで、自分の思惑と違う情報提供者は切り捨てて良いような失礼さ。こんなヤツ(三原)がまともな仕事ができると思えないなあ。係長(志村喬)、甘やかしすぎじゃないか。田舎の実直な刑事(鳥飼)とタメ張るキャラであるべきなのに。□旦那が青酸カリ入りビールを飲み干すのを、駅名を唱えながら顔色を変えない高峰三枝子はさすがだ。□「心中なんだろうな」。冒頭の静かな偽装心中シーンと対比して、本当の心中(無理心中)はこんなにもみっともないんだと言いたいようなラストシーン。
[インターネット(邦画)] 5点(2024-01-11 15:42:33)(良:1票)
4.  SOSタイタニック 忘れえぬ夜 《ネタバレ》 
被害状況を把握し、冷静に事態を予測するアンドリュー設計技師がかっこいい。間違いなく自分の最高のキャリアが失われた瞬間であったろうに。だから、そんな彼が沈没前にカップルに生き残るための具体的なアドバイスをしたあとの、カップルの片割れ(男)のセリフ(日本語訳)が解せないのですね。「あきらめてる」。アンドリューは乗客の救助の後には、事故の詳細の報告が必要と考えるキャラクターのはず。軽々に命を粗末にしない人物でしょう。おそらくあの日本語訳は、誤訳。■嫌なんだよ、船と命運を共にするのが美学みたいなの。□しかし、本作は面白い。主だったキャストが緊急事態に際して、隠蔽とか重要な情報を握り潰すとかしないんですね。あと、ボートに救われた人が、沈没した人のために祈るところとかもいいなあ。もちろん、阿尾驚嘆と修羅場の後半なんだけど、だからこそ、そんな紳士と淑女の行動がすばらしいんですよ。
[DVD(字幕)] 8点(2023-09-16 21:15:12)
5.  眼には眼を 《ネタバレ》 
結果として子宮外妊娠が破裂した妻を6キロも歩かせた復讐として,その先に何もない砂漠をドクターに歩かせたボルタクなのだと思いますが,もしや何らかの妻への復讐として、雨の夜中に子宮外妊娠が破裂した彼女を6キロも歩かせたのではないかと想像してしまう恐怖。■松本清張か筒井康隆の短編のよう。面白いです。
[DVD(字幕)] 8点(2023-04-23 21:16:08)
6.  地球侵略27日目 《ネタバレ》 
高い文明をもつ異星人に試された地球人ではあったが、優秀な博士がその秘密を解読し兵器の力を反転して使用することにより、地球にはワルものは消え去り、また危機にもあった宇宙人を地球に迎えることができましたとさ。めでたしめでたし。ということで、合っているのでしょうか?■自信がない。■最後は、そんなこともあろうかと思っていたのさ、とでも言いたげな異星人が、なんだかなあ。
[DVD(字幕)] 2点(2023-03-28 22:26:54)
7.  狩人の夜 《ネタバレ》 
サイコ野郎や宗教カルトがあり、影絵のような美しい映像も、動力のない小舟に乗って殺人鬼から逃げるような風情のある演出もあり、またクリスマス映画でもある。見所はたくさんあったのだと思うが、何か物足りない。これは、物語の所々に現れる変態パウエルのツメの甘さからくるんだろうか…。などと鑑賞後、何か理解しがたい思いがあり、チャプターリストを見直していたら、チャプター1のタイトルは「怖い怖いおとぎ話の始まり」。なるほど、この物語を、最後にジョンとポールを救ってくれた女性(クーパー、冒頭にもでてた)が語っていたおとぎ話だとすれば、なんとなく全体の調和が取れるような気がするが、なんだよそんな手の込んだメルヘン話かよとも。
[DVD(字幕)] 6点(2023-01-01 23:06:59)(良:1票)
8.  黒い牡牛 《ネタバレ》 
最後の闘牛のシーンのみ。ワタシ、闘牛のルールなど知らないのですが、リベロの美しいしぐさとヒタノのたたずまいを堪能したと思いました。しかし。60年以上前には、少年と牛の美しいキヅナの物語として扱われていたんのでしょうか?今見ると、非常に危険なものをねだり、そして親はそれを簡単に子に与え、たいしたしつけもせずに、管理もしない。しまいには大統領にまでダダこねる、なんだこれの展開。無垢を装い、えらく無神経だよな、お前。延命が許されたヒタノに駆け寄るレオナルドの姿をみて、ああこのクソガキが最後ひどい目にあう映画かと思ったオレは今、あんまり良くないかも知れない。
[DVD(字幕)] 3点(2022-05-23 11:52:44)
9.  顔(1957) 《ネタバレ》 
DVDジャケットがインパクト大。美しい岡田茉莉子が暗闇からにらみつけるような絵。ワタシ、昔の美人の女優さんを見ても、「ああ、お人形さんみたいだなあ」としか思わない、ありがたみのないヤツなのですが、本作の岡田さんは美しいと思いました。キャットウオークをウエディングドレス着て降りてくるシーン。すばらしい。笠智衆が田舎出身ののんびりはしているが、やり手の刑事をしているのも、なんか珍しくってお得感はある。でも、お話としてはどうなのか。ものの弾みとは言え、人が死ぬ場面から逃げた水原秋子が腹を決めて生きていくのではなく、なぜか野球選手と田舎で暮らそうとする。「顔」っていう大胆なタイトルが効いているとも思えない。冒頭、列車からまろび出る飯島や、塔から落とされる石岡(妄想)の処理など、妙な味はあるのだけれど、見終わった後、何だったんだろうという感じ。共感得られないと思いますが、ワタシのにとっては「死刑台のエレベーター」みたいな作品でした。
[DVD(邦画)] 5点(2022-02-25 13:24:04)
10.  私は貝になりたい(1959) 《ネタバレ》 
怖いのは、矢野中将が個人的には全くの誠実な人であること。清水豊松という「トカゲのしっぽ」を切ったのは、上司による保身のためなどではなく、軍や裁判という仕組みのシステムエラー。こういうのは、時代によるものなのだと以前は思っていましたが、今開催されているTOKYO2020オリパラの組織委員会。大会終了後に事後総括が行われた際には、どんな理不尽に責任取らされる担当者が出てくるかと思うと、悲しいです。印象的だったのは、同房の大西が名前を呼ばれた後、聖書を机に置くまでの間に覚悟を決めるところ。だから、囚人たちが大西を見送るために賛美歌を歌うというありえないシーンがとてもいい。夢のようなシーンだ。これは、10点。所ジョージ版があるのですね。それも見たい。
[DVD(邦画)] 10点(2021-08-28 20:57:41)
11.  女中ッ子 《ネタバレ》 
面白い。不思議な映画。これは、古い日本の映画というよりもう全く別の世界のお話のよう。いたいけな初の輝きと、やはりいたいけな勝美の無垢から、どう延長しようと今の日本につながるような気がしないんだ。■イランの映画を見たときの息苦しさに近いような気がする(「運動靴と赤い金魚」とか)。■だいぶ高い所まで行く木登りのシーン、何度も撮る徒競走のシーン、初の名前を口ずさみながら雪道を歩くシーン。きっちりやるナマハゲのシーン。好きなシーンがたくさんあります。■ただし、このような終わりかたをせざるを得なかったのかもしれませんが、最後にほんとのことを言わなかった初に少し憤りを感じます。黙ってしまうことは、おおきな信頼を寄せてくれていた奥様の気持ちを裏切ることになるし、いつか本当のことを知ってしまう勝美の気持ちも傷つけるものでしょう。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-24 22:02:07)
12.  翼よ!あれが巴里の灯だ 《ネタバレ》 
ビリー・ワイルダーによる宮崎駿の世界!(いやいや、もちろん宮崎監督が影響を受けているのだと思うが、そう言いたい。【追記】でも、そんなこと言ってるの、オレだけ?)カッコよくって、やはり美しい。好きなシーンがたくさんあります。離陸のシーン。滑走路がぬかるむって、こういうことなのね。大勢のオトコたちに助けられながら悪路を進むセントルイス魂号。泣けてきます。着陸のシーンも好き。長時間のフライトで、着陸のカンがおかしくなるって。人間くさいリンドバーグがものすごい好きです。もちろん、飛行機製作のシーンも好きだし、娘さんが手鏡持って、スーッと現れるシーンも好き。最後のシーン。ワタシ、今後とも何事もなく人生を終えてしまいそうですけど、偉業を果たした人には、せめて名前を連呼して賞賛できるようになりたいと思いました。これは、いいぞ。
[DVD(字幕)] 9点(2021-05-09 21:31:54)
13.  お茶漬の味 《ネタバレ》 
あああ、これはちょっと理解できない。妙子もどうかと思いますが、茂吉だってたいがいなもんじゃないですか。「奥さん」だなんてタテマツっちゃって(他の人の配偶者を呼ぶ言い方ですよね)、物分かりがいいばっかりで、ちゃんと向き合おうとしていないじゃないですか。「僕と君のような夫婦がもうひとつできるだけ」なんて、相当なNGワードですよ。夫婦のことは、お互い様。どっちかだけ悪いなんてことはない。うまくやりたいと思いつつ、どうしてもうまくいかない夫婦を描いた作品かと思えば、最後のお茶漬けのシーン。妙子が一方的に折れたような成り行きになってません?「夫婦の味はお茶漬けの味」ってなあ。夫婦の味は、それぞれ違う。ワタシは、カップ焼きそばが夫婦の味の家庭もありだと思うよ。紋切りすぎる。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-03-25 21:38:48)
14.  禁断の惑星 《ネタバレ》 
うーん。なんか、妙な味わいがある映画だとは思う。今となってはアナログな未来観がなんかかっこいいし、ロボット三原則に縛られて赤くなっているロビーはかわいいし。でも、怪物は精神世界の産物みたいなのがあんまり好きじゃないんですよ。急にオカルトっぽくって。なので、この点数です。
[DVD(字幕)] 4点(2021-03-20 22:05:12)
15.  悪い種子 《ネタバレ》 
「禁じられた遊び(1952)」以降の作品とすると多少割引いちゃいますけど、それでも面白い。それほど周到な悪ではなく、やっぱり子供らしいツメの甘さ(宝箱にメダルを保管しちゃったり、雇い人の誘導尋問に引っかかったり)があるところがむしろ怖い。おそらく母親のことは、本当に世界一綺麗で優しいと思ってた彼女がやらかしていることだと思うとゾッとする。雇い人の焼死のシーンを母親の視線だけで見せたシーン。母親の絶望がみるみるうちに伝わってきます(へんな言い方?)。最後天罰が降るシーンは、見た時は興醒めとも思いましたが、これを書いている今は、時代のついた味わいだと思っています。お尻ペンペンのシーンも含めて。今時の身も蓋もないのじゃなくて、演出にいわゆる良識のあった頃の映画なんだなって。
[DVD(字幕)] 7点(2020-10-19 22:05:31)(良:1票)
16.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
冒頭軽薄な記者登場からのビリー・ワイルダー一流のコメディ感とタイトルのギャップに戸惑っていたものです。え、どういう話?しかし、カーチスと保安官が手を組んでからの流れは、確かに「地獄」。鉄火場をてこにして、次のステージに進もうとする輩ってどんなときにもいるんだな(今の日本にもね)。たくさんの人の大小さまざまな私欲が集まったところで、カーチスという触媒を得て、一気に進む負の化学反応。一人の気の毒な男をじっくりと遠回しにして殺すカーニバル。カーチスは、レオのいまわの際に、涙流したんですよね。これはもう本当の悪党だよ。
[DVD(字幕)] 9点(2020-03-16 09:54:57)
17.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より 《ネタバレ》 
ここを書くにあたって脱獄モノ新旧対決をしてみようと、「大脱出(2013、スタローンとシュワ)」を見てみましたが、趣が違いすぎて。かたや純文学(本作)で、もう一方は3Dアクションゲーム(大脱出)ってぐらいに違う。で、好きなのは本作の方。「穴(1960)」よりも先の作なのですね。手記が原作であり、「死刑囚は逃げた」っていうタイトルのようなので、おそらく成功するんだなというのが冒頭にわかっちゃうんですが、それでもディテールが細く息詰まる展開でしたよ。良作。
[DVD(字幕)] 8点(2018-08-18 15:57:43)
18.  必死の逃亡者 《ネタバレ》 
立てこもりの最中に娘をデートに出す犯人側の対応は脇が甘いのか、現実路線なのか。ゆるい犯人の対応を、最悪の状況を回避すべく、被害者である父親が幇助しつつ物語が進む。妙な味わいな映画だったと思います。本作の中心人物は、やっぱりお父さんですね。まったく、瞬きしてないんじゃないかというくらい気合いの入りまくってました。ハンフリー・ボガートを売りにせざるを得なかったと思いますので、犯人視点の邦題は当時としてはやむを得なかったのだろうと思います。が、今となってはヤスいタイトル、もったいないよなぁ。もう少し、たくさんの人に観てもらいたいです。
[DVD(字幕)] 8点(2016-03-12 17:44:11)
19.  知りすぎていた男 《ネタバレ》 
あの有名なヒッチコックの作品なのだからと、何本かみてきたモノです。本作に至りようやく、結局肌が合わないのねと理解しました。剥製屋の乱闘シーンやホテルの部屋に不作法に入ってくるお客さんのシーンは、おそらく「面白」シーンなのだと思うのだけれど、なんか不愉快だなと思うだけなのですよね。キャッチーなタイトルは、もちろんマッケンナ医師のことを指しているんだと思うが、誇大表現でしょう。「知らなくてもいいことを知ってしまった男」ぐらいだもの。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2016-03-06 07:43:56)
20.  ローマの休日 《ネタバレ》 
ギターを振りおろしたときの表情が一番好き。初見は30年前。そのときよりもアン王女が初々しく見えるのは、デジタル・ニューマスターのおかげだけではないのでしょう。観るたびに新しくなるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 9点(2016-02-08 12:53:34)(良:1票)
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