1. アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
映像の進化に圧倒される。ナヴィ族たちと実写の人間との違和感が全くなくなっている。ストーリー展開には強引なところが見受けられるが、展開が1作目より速く、飽きない演出がなされている。「アビス」「タイタニック」に続いて、キャメロン監督の海に対するリスペクトも含まれていて、好印象の作品だった。 [映画館(字幕)] 8点(2023-03-11 23:09:48) |
2. フェイブルマンズ
魅力的な画面に乏しい。ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノの両親役の演技はすばらしいものの、単調な展開と冗長な退屈感には抗えず、期待感とは裏腹な残念な印象が濃かった。 [映画館(字幕)] 5点(2023-03-11 23:02:14) |
3. エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
肩透かし感が強い。ストーリーがあるようでない。映画的興奮も、ヴィジュアルの美しさも何もない。 [映画館(字幕)] 3点(2023-03-11 22:54:52) |
4. ウエスト・サイド・ストーリー(2021)
《ネタバレ》 楽しめました。旧作との一番の違いは、空間の拡がりです。歌とダンスが街中で繰り広げられ、スクリーンいっぱいに溢れるカメラワークに圧倒されました。曲や構成は旧作と同じながら、新たな感動を得られました。今作は、男性よりも女性が主役という仕上がりになっているのも時代の変化でしょうか。リタ・モレノ、アリアナ・デボーズ、レイチェル・ゼグラーの3人の登場人物が、3世代のつながりのような関係になっているのも良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2022-02-23 20:33:38) |
5. この茫漠たる荒野で
《ネタバレ》 南北戦争で心に傷を負い、旅をしながらニュースの読み聞かせをしている主人公が一人の少女に出会う。少女もまた、家族を2度失う辛い過去を背負っている。話は王道で、2人が旅をする過程で困難を乗り越えて、心を通わせていく。荒野の美しさや西部劇の魅力が詰まっていて、トム・ハンクスの存在感も効いている。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-01-28 14:54:09) |
6. ザ・ファイブ・ブラッズ
《ネタバレ》 先の読めないストーリーで一気に見せられた。アメリカの黒人にとって、ベトナム戦争とは何だったのか。金塊と死んだ仲間の遺骨を探しに行く展開から、ベトナム戦争が社会や人々に残した闇が浮かび上がってくる。それでいて、作品自体は暗くない。登場人物たちの目的は中盤で達成してしまうのだが、その後からがこの映画の真の見どころになる。デルロイ・リンド演じるPTSDを抱えた父親と、他の仲間たちが離れていく分岐点がせつない。画面比の変化や、リンドの独白、リー独特の人の動きを中央に置いた長回しなど、映像の魅力も盛りだくさん。「ブラック・クランズマン」では浮いていると感じた実映像の挿入も、本作では気にならなかった。全体に圧倒的なパワーがみなぎる良作でした。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-28 14:49:42) |
7. ドント・ルック・アップ
《ネタバレ》 オールスターキャストの社会風刺デザスター映画。如何に現代の人々がSNSやテレビの無知なエンタメ情報に頼りきっていて、権力や政治の本音の側面や、直面の社会問題に関心を向けることができていないかがシニカルに描かれる。この映画で唯一まともなのが、鼻ピアスで一見不良風なジェニファー・ローレンスなのが、おもしろい。対して、いかにも堅物的な学者のディカプリオは周りにすぐに流されてしまう。どれだけ人が外見に惑わされているのかが風刺される。編集の妙もあって飽きることなく楽しめるが、全編通してコメディで終わってしまうのが惜しい。社会への問題提起とすれば、もう少し現実的な画もあって良かったのかなと思う。 [映画館(字幕)] 7点(2021-12-31 21:14:17) |
8. 最後の決闘裁判
《ネタバレ》 監督リドリー・スコットの歴史劇でこの題材を描く必要があったのか、という印象。最後の決闘がもっとも見ごたえがあるため、その前に3者からの視点を描く「羅生門」調のストーリーが冗長に感じてしまった。マルグリットを主人公にした人間ドラマに徹する方がわかりやすかったのではないか、と思ってしまう。ベン・アフレックが時代劇に合わな過ぎる違和感もあり。 [映画館(字幕)] 5点(2021-11-06 21:59:16) |
9. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 ラミ・マレック演じるサフィンの行動には辻褄の合わない部分や背景がかなりあるものの、ダニエル・クレイグ演じるボンドの存在感に引っ張られてそこまで気にならない。ボンドカーの活躍やスタイリッシュなアクション、少々荒唐無稽なところも、これまでのボンド映画の魅力を引き継ぐ。ダイエル・クレイグ版のボンドは全ての作品でストーリーがつながっているため、予習がないと1作品としてのおもしろさが下がってしまうのが難点か。 [映画館(字幕)] 7点(2021-11-06 21:46:30) |
10. Mank マンク
《ネタバレ》 過去最高のアメリカ映画No. 1に君臨し続ける『市民ケーン』。ハーマン・マンキーウィッツ(マンク)はいかにしてその脚本を書き上げたのか、映画のモデルとなったウィリアム・ハーストとの関係を振り返る回想シーンと並行して描かれる。自分にとって『市民ケーン』は、あまりに有名な作品のため一度は鑑賞したが、ほとんど印象には残っていない。『市民ケーン』がアメリカ映画史においてどういう位置づけにあるかくらいは知っておかないと完全に置いてけぼりになるが、その程度の知識であっても、フィンチャーの巧みな語り口でとても楽しめる。マンクを演じたゲイリー・オールドマンは、全編出ずっぱり。才能があり、信念を貫くも、ユーモアとだらしなさの融合した憎めない役がはまっている。特殊メイクで誰だかわからないチャーチルより、マンクの方がオスカーに相応しい。 [映画館(字幕)] 8点(2020-12-02 21:38:15)(良:1票) |