1. ほかげ
《ネタバレ》 塚本時代劇・・って言っても、戦後すぐのはなし。 汚れたフスマとか、本当にこんな暗さだったのだろうって感じの室内の明るさ。 それを真新しい写真技術で見せられると、確かにそれは新しい。 未亡人女性と男の子が「夫婦」になるという妖しい内容もヨシ。 男の子の瞳がまぶしい。 [DVD(邦画)] 7点(2025-03-29 23:50:42)★《更新》★ |
2. 鑓の権三
《ネタバレ》 追悼、篠田正浩! これだけの仕事をした大監督が2025年3月25日に逝去されました。94歳でした。 本作は、近松三大姦通ものの一つ、「槍の権三」。 あとの二つ、「堀川波の鼓」は「夜の鼓」として、「大経師昔暦」は「近松物語」として、 映画化されてます♪ 本作も見応えあった~♪ 郷ひろみが、元々映画界に縁の深い歌舞伎役者みたいな目をしてるから、 時代劇と相性がいい。 篠田時代劇と言えば、岩下志麻。 彼女と郷ひろみが不義密通で逃避行する話。 心中ではないが、お先真っ暗なストーリーで、 近松門左衛門の味が出てる。 [ビデオ(邦画)] 9点(2025-03-28 00:08:20)《新規》 |
3. 素晴らしい風船旅行
《ネタバレ》 これは、素晴らしい! 本当にこのシャシンを実現させたフランス人に驚嘆します。 まるで絵本のような世界を、映像で魅せます。 宮崎駿監督、この映画にかなりインスピレーションをもらったでしょう! この映画を観てて、彼のアニメを思い出しました。 80分の尺ながら、ハラハラドキドキする展開もあり、 素晴らしい映像にメリハリをつけてます! 今ならドローンで、できるかな? [ビデオ(字幕)] 8点(2025-03-26 23:32:55)《新規》 |
4. 暁の脱走
《ネタバレ》 黒澤明は、映画の鬼である。 「一番美しく」で国策映画を撮った黒澤は、 この作品では一転、日本軍を悪者として、そこから脱出する兵士に感情移入するような映画を創っている。 どうして、こう器用なのか? それは面白い映画を創りたい!もうただこの一心なのだ。 時代がこれが悪となれば、たちどころに、それを悪として話を創り上げてしまう。 そのプロ根性には、脱帽である。 言っておくが、私は黒澤大好きである。 反骨な骨太な映画こそ、彼の本領発揮であろう。 彼のアイデンティティは、反権力、徹底して逞しく生きる庶民目線なのかもしれない。 それでも地位を確立するまでは、プロに徹する。 見事だと思う。 本作の山口淑子は、戦争中、李香蘭という中国人女優として、人気があった人だ。 戦後、本名の山口淑子として活躍、本作が戦後5本目になる。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-25 21:48:38)《新規》 |
5. 大いなる幻影(1937)
《ネタバレ》 捕虜収容所からの脱出劇。 しかし、第一次大戦のときの話ということもあり、 また映画黎明期のルノアールの作品でもあるためか、 おおらか。敵も味方も尊重しあってるというか・・ ラストのギャバンの人妻への一言。 「戦争が終わったら、ここに戻ってくる」 罪を犯したわけじゃないからね、戦争が終わったら自由なわけだ。 いいね♪ [DVD(字幕)] 7点(2025-03-23 20:35:44) |
6. 八月の濡れた砂
《ネタバレ》 時代時代によって、青春ものって、色があるんですね。 同じヨットの話でも、石原裕次郎の話のころは、こんなにギラギラしてなかったですもんね。 ちょうど、ポルノ映画が流行りだし、ニューシネマが全盛のころだから、 こんな青春ものができたってことですかね。 学園紛争の波も終わりを迎え、若者には敗北のやりきれない気持ちが漂ってた頃でした。 この映画の年から、日活がロマンポルノを撮りだすのですね。 ちなみに石原裕次郎も、日活でアクションものを創るのですが、不発だったようです。 日本人の男性は、ポルノの出現に、正直嬉しかったんじゃないでしょうかね(笑) 女性には、眉をひそめる映画が出だした頃です。 令和の今では、セクハラやDVで法律が整備されてきてるので、隔世の感を感じます。 [ビデオ(邦画)] 6点(2025-03-23 00:24:02) |
7. ひなぎく
《ネタバレ》 ひどい映画。 だが、共産主義の国が、自由とはなに?と問うた映画と思えば、意味がある。 自由になれば、あんなこと、こんなこと、出来て楽しいな?あれ?あれ?え?これで幸せなの? そんなラスト。 「自由」についての考察が足りないといえば、そうなのだが、制作されたのは、1966年。 この2年後に、チェコでは、「プラハの春」事件が起きる。 民主化への波が来るのだが、ソ連によって、あっという間に潰される。 今の時代には、あまりにもいろんな考えがアップデートされておらず、 何も知らずにみると、不快なだけの映画。 ただ、あくまでも、これはイチ男の意見です。 追伸)その後、この映画について書籍にて調べました。 チェコでは、1989年までの社会主義時代、すべての映画が国家予算で創られており、 この映画の食べ物を粗末にするシーンなど、国会で是か非か真面目に議論されたらしいです。 しかし、労働者には受けが良かったらしく、作家のミラン・クンデラも擁護して、 1968年のプラハの春を準備したと言われているそうです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2025-03-22 00:02:06) |
8. 長崎の鐘
《ネタバレ》 「邦画ベスト100」で検索したサイトで、知った映画。 そのサイトの運営者の身上を知ると、この映画の主人公の身上に重ね合わされたのであろう・・ 重い気持ちになった。 この映画は、原子学を研究してる人が、キューリー夫人たちみたいに、 やはり自身が原子病に侵されてしまうという映画。 物理学はよく知らないのだが(これでも小生、高校時代は元理系・・(笑))、 原子学の研究してる人が、戦中、原爆を受け、どこまでも原子力の人なのだな、と 運命の過酷さを感じさせられました。 ※原爆の原子力と、放射線の原子力って、違うのかな?分からない・・お恥ずかしい(照) それにしても、厳しい歴史を背負った浦上という地域・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-20 23:51:51) |
9. 秋日和
《ネタバレ》 いやぁ、小津さんの巧さは、本当に凄い! 可能な限り、登場人物を少なくして、その中でうまく片付けてる。 本当に見事! 小津さんのこういう手さばきは、「浮草物語」が一番と思ってたけど、本作もお見事! 「晩春」と対をなしてる。父と娘、本作では母と娘。 母と息子と言えば「一人息子」、父と息子と言えば「父ありき」。 家族の全パターンを、ぐるりと小津さんが料理してくれた。 実に旨いお酒だなぁ・・ [DVD(邦画)] 8点(2025-03-19 00:00:29) |
10. 青春残酷物語
《ネタバレ》 学生運動のなか、何が正しいか分からなくなった時代。 どうあがいても、現状は変わらない。 そんな若者の焦りが、痛々しい結末になる。 アメリカ映画では、「追憶」に当たるのかなぁ バーブラストライザンドと、桑野みゆき。この二人の違いが、 アメリカ人女性と日本人女性の違いと言えるのか・・ 何かそんなこと考えた・・ 桑野みゆきは可哀そうとしか言えない。 でも久我美子にも、妹と恋人の生き方を見て、昔の恋人に会いに行かせるところが大島渚らしい。 やらしいんだね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-17 23:47:20) |
11. ロックよ、静かに流れよ
《ネタバレ》 今や評判良くないジャーニーズだが、こんな良作も制作している。 ジャーニーズの人材を使っての、バンド青春映画である。 ちょっとほろ苦いストーリーが、真っすぐな主人公たちの瞳によく似合う。 舞台は松本。 リンゴも松本城もあまり出てこない、地方活性に欲のない頃の地方映画である。 何かにひたむきになりたい高校生には、おススメです。 自分で切り開いていくとこ、周囲に助けられるとこ、若々しい気持ちになりました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-16 21:08:04) |
12. 偽りなき者
《ネタバレ》 平穏な日常が、突然牙をむく。 恐ろしいホラー映画です。 きっかけは、女の子のちょっとした感情から出た嘘。 子どもが嘘をつくはずないと、小さな村中が、主人公に襲いかかります。 なので人間不信に陥った時、観ると危険ではあります(笑) 劇薬です。 メモ)女の子の一言で、大人の人生が破滅させられた映画は、ほかに キーラナイトレイの「つぐない」があります。 [DVD(字幕)] 7点(2025-03-16 17:50:32) |
13. 暗殺(1964)
《ネタバレ》 篠田正浩監督への辛口コメントが多いのは、期待が大きすぎたためであろう。 「乾いた花」で描いた賭博場の緊張感を、時代劇に持ち込んだらどうなるか? それがまさに本作であった。 そして、その凄まじい出来栄えに当時の映画界は息を呑んだろう。 白黒の緊張感を、武士の殺し合いに応用した本作は、まれにみる時代劇となった。 時は、幕末。幕府と朝廷の間に緊張感の生まれた、あの複雑な時代である。 日本を分裂させるかのように混乱させた黒船。 そこから桜田門外の変、公武合体へとつながる流れの中で 有名な新選組の出番のちょい前、尊王攘夷の志を持つ清河八郎への暗殺が描かれている。 監督の奥さんとなる岩下志麻も出ている。 監督にとって、転換期の作品と言える。 のちの時代劇に、平安時代や近松へのアプローチを見せ、天才新人の名に恥じぬ仕事を していながら、それでも観客は、この緊張感を描いた映画を欲したのだろう。 令和の今、これだけの仕事をする人がいたというのは、驚きでしかないが、 ファンというものは、もっともっと凄いものを、と欲しがるものらしい。 それか、岩下志麻に持ってかれた才能を惜しんだか・・(笑) [ビデオ(邦画)] 8点(2025-03-15 21:48:20) |
14. 乾いた花
《ネタバレ》 石原慎太郎原作。 「狂った果実」同様、独特の女性像。 加賀まりこの存在感がすごい。 花札賭博のシーンの緊張感は、「麻雀放浪記」を思い出した。 遠景からのショットを入れずに、白黒画面で、登場人物の顔を写し出して、 緊張感を醸し出す。 後の篠田監督作品は、時代劇が多いせいか、 世界観を出すために、遠景からのショットが多く、 本作は、彼の若い頃の才気走った演出が面白い。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-15 01:09:32) |
15. 狂った果実(1956)
《ネタバレ》 石原慎太郎原作。 彼の女性観がわかる。 昭和の女性の、小悪魔的イメージ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-15 01:02:23) |
16. 今ひとたびの
《ネタバレ》 有閑令嬢と、こういう人たちの理想的な男性像とのラブストーリー。 恋愛というものがあるならば、こういう形だろうと思う。 でも格差の時代の令和の今では、こんな上流階級の女性はいないだろう。 今の女性なら、独身を貫けるから・・ だから、こんなラブストーリーは、昭和のロマンですね。 当初、高峰三枝子じゃなくて、原節子がやるはずだった。 でも、それが当たった!憂いな目をした女性は、高峰の方が当たり役。 だって、原節子が本気で男に惚れるとは思えないものね~ [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-13 23:17:05) |
17. トラック野郎 御意見無用
《ネタバレ》 短い時間でおなかいっぱい。 娯楽映画の見本ですね~ この映画は最初からシリーズ化を狙って、創られたみたいですね。 いろいろ以降のシリーズにつながる隠し設定が設けられてるところがあるみたいです。 ラストは、ボロボロのデコトラで大爆走。 この話の後、桃次郎が「く~」とか言って、涙ながらに洗車してる光景が浮かびます。 それほど、分かりやすいキャラで、文太さんが好演してます。 [DVD(邦画)] 7点(2025-03-09 17:03:51) |
18. アベンジャーズ/エンドゲーム
《ネタバレ》 このシリーズ、デジャブ感あるなぁと思って観てたら、漫画の水島新司の「大甲子園」だった。 それぞれが主人公の漫画があるチームが甲子園で戦うという話なのだが・・ で、アベンジャーズに戻ると、本作の「エンドゲーム」と前作「インフィニティウォー」を観る時、 「マーベル映画のすべて」(実業之日本社刊)が役に立つ。 全ヒーローの映画を観てない人にもいいし、 この2本にたどり着くために観る映画の順序とか、 好きなヒーローだけ観たかったら、この映画を観ればいいとか、親切に書いてくれてる。 図書館で借りるか、ネットで購入して観ると、分かりやすい。 結局、ブラックウィドーとアイアンマンがいなくなるのだが、 キャプテンアメリカもお爺さんになったし、このシリーズは終わりみたい。 ご苦労様です。 真田広之があまりにもチョイ役すぎて、日本人としてちょっと寂しかった。 [DVD(字幕)] 7点(2025-03-08 20:28:04) |
19. 挽歌(1957)
《ネタバレ》 白黒のきれいな映像で、洋画並みの音楽でのぞんだ、五所監督のロマン派映画。 当時、無名だった地方同人誌の作家の作品を映画化したのが、本作。 しかし、日本人の不倫は、どんなにきれいな音楽で飾ったところで、 鑑賞してて、ううむ?と思わざるを得ないにゃ~。 不倫を壮大なラブストーリーにしよったって、そりゃ無理がありますぜ、五所監督。 体に傷のあるレイコは、心に傷のある人を見ると愛さずにはいられない。 不倫されてる旦那を愛し、自分が旦那を奪ったその妻を愛し、 こりゃアニエスヴァルダの名作「幸福」だよ~ しかし、五所さんの本作の方が先に制作されてた! ううむ、当時の日本映画おそるべし。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-08 00:56:12) |
20. ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
《ネタバレ》 殺し屋が女子トークをする傑作シリーズ。 アクションシーンも観たことない場面の連続。 極めつけは、素手で〇〇を握る痛々しいシーン。 残酷じゃなくても、アクション映画は面白くなりますよと言ってるかのようだ。 日本の挑戦状だぁ!! [DVD(邦画)] 7点(2025-03-06 23:07:48) |