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自己紹介 映画って本当に良いですね、晴郎さんが言っていた。忠夫さんが熱く語っていた。荻さんは斜めに座って、ちと難しめな解説をしていた。土曜日には、テレビの前のあなたとお会いしましょうと、約束され、日曜日の夜には、さよならを、それも三回言われてしまう。その時まだ小中学生。今、その人達と同じ年齢になり、私も同じような事を言い始めている。追いつけたのか?それがこのレビュー。

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1.  グランド・マスター 《ネタバレ》 
美術館なら、こちらが動かなきゃいけないが、こちらは、絵の方が変わってくれる、そんな美術鑑賞したという感想。西洋絵画、浅い知識しかない私ですが、レンブラントとかフェルメールとか、光と影、構図とか、監督は意識していらっしゃるのでは?役者が動かない、ってシーンが多いけど、そういうことでしょ。アップが多いのもそういうことでしょ。雪振る花の樹の庭は、東洋風でしたが。アクションシーンはどこかにあるようなスタイリッシュ系で普通ですけども。この映像が好きか嫌いか、の映画でしょ。私は好きだな、美しいシネマトグラフィ。美術鑑賞のように、動かぬスクリーンから、人の心や時代の空気や哲学を読め、ってね。映画も、横か縦かしかないならば、私はこの映画は「縦」でした。
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-02 18:29:05)
2.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
過激な性描写は、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」への挑戦ではないのか、と感じています。見ている方は、主人公が死ぬのは予想されるのですが、最後をどう決着つけるか、という興味を観る者を最後まで引っ張っていきます。原題の通り、色と戒、で揺れる主人公の気持ちがよく分かる演出が素晴らしい。ベッドでの目線、ダイヤを見た時の表情、車中苦悩を語る男への眼差し……特に素晴らしいのは、娼婦をさせられるのが分かっていて、自分の気持ちを歌で伝えるシーン。そして、最後、「逃げて」という台詞が出る説得力。殺す相手を好きになるとは古典的なストーリーだが、恋愛というコンセプトのユニバーサルは大道「死と同価の恋」をアジアのテーストで大展開している気合い。「ラスト・タンゴ・イン・パリ」と「覇王別姫」への挑戦。ラストシーン、愛欲のシーツへ頭の影が映るのも、上手でした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-12 12:14:13)
3.  フライト 《ネタバレ》 
フライトという言葉の中にライlie「嘘」が入っているなぁ、偶然かな?とか思ってしまいました。そんな嘘と良心がテーマの映画でした。宗教的モチーフ(飛行機での最初の主人公とCAの会話、羽根がぶつかる教会、副操縦士の信仰)をこっそりと配していてあって、でも、主人公は信仰面の描写はほとんどゼロ、だけど、最後は語る、ってどうも中途半端な攻め方でした。わたし的には、嘘をついたままで終わるエンドの方が良かったのではないかな、と要らんことも考えました。ゴッドファーザーPart2 風な栄誉と荒んだ心、みたいなの。ゼメキス監督の良心に合わないのでしょうね。それと、あんなに冷蔵庫にミニチュアボトルあるのか?と、これもまた要らんことですが。
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-17 16:44:54)
4.  ゼロ・ダーク・サーティ 《ネタバレ》 
歴史モノというのは、作者の主観が入らないと成り立たない。しかし、どう入ろうと大昔の事だから、だれも正確なところは知らないし、真偽で議論になったとしても、議論のための議論となるだけだ。しかし、近い歴史は危ない。そこに関与する人が多すぎる。だから、主観を排除したような、「ドキュメンタリー」風な客観的な方向に傾かざるを得ない。ハートロッカーは特に歴史を述べていないので、作者の方向性を打ち出せた。しかし、本作品ではどうもここでブレがあるように思える。覚悟が見えない。戦争プロパガンダと反戦という両極の物差しの上をあっちにいったり、こっちにいったりしているような感じがする。否、わざとブレているのを狙ったの、と言わんばかりなのだが、もしそうだとしてもうまく言っていないような気がする。監督の中に迷いがあったのではないか、それとも、制作側との妥協なのか。最初の拷問シーンで、私は女だけどこんな絵を取れますわよ、と力んでいるような感じだし、ラストシーンでは、女性の複雑な心は女性しか分からないから、ってスカしているようでもあるし。アメリカは強い、っていいたそうだけど、恨みは永遠に終わらない、っていっているようでもあるし……で、私の読みは、繰り返すが、この矛盾を一切抱えて、さぁみんなどうぞ、この複雑さを取り上げる私の感性が分かるかしら、ってのを狙っているということ。それが、うまくいっていない、と私は言っている。最後のサスペンス的展開はそこを隠したかったのではないか。
[映画館(字幕)] 7点(2013-02-19 20:14:38)(良:1票)
5.  東京家族
あまりよく知らずに見に行って、数分して、あ、これ「東京物語」なんだ、と思う形で入りました。長女の演技が杉村春子風だなぁとか思っていたら、父も母も長男も、オリジナルと同じ演技になるように演出されて分かりました。だから、私が日本映画史上ナンバーワンと思っている映画とつい比較して見てしまう。真似をしている段階でオリジナルに及ぶはずがないのですが、まっ、それを見ていない人にはいい感じだったのでは?で、少し見ていて、原節子の枠がないなぁ、とか思っていたら、フラガールのお嬢さんがその役になってでてきて、よくこんな凄い役(純真な心の娘さん史上ナンバー1かもしれないというオリジナルと比較されるからです)したなと感心。ひょっとして、フラガールのお嬢さんが一番近いのかもしれない。本作は母の死を悲しむ、というのがピークにもってきてあって、それはそれで感動的なんですが、オリジナルの「現代の、子供は独立して自分の世界を生きることへの、父母の覚悟と悲しさ」でないなぁとか、やっぱり比較してしまう。ワザとそうしなかったのかもしれません。それができるなら、古今の世界中の監督がやったでしょうから。それで、確信犯的にクライマックを、いかにも山田洋二風に、家族愛風に、変えたんでしょうね。小津安二郎の縦線を意識する画像も、あの柱とか戸の縦の縁とかを画面に入れるの、これも意識してましたね。
[映画館(邦画)] 7点(2013-02-11 17:08:45)
6.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
虎の方が作られた話でしょう。心の痛みを忘れるための彼の想像。虎の話が本当ならば、もう一つの話を想像する理由がない。CG3Dで作られた映像の美しさ(特に水中の浮遊感の驚き)、虎という作られた話、それに、神という作られた超越。作られたモノの中にある、不思議なリアリティ。幻惑的人工美。それがこの映画の魅力なんでしょう。でも、どこかそれが少し欠点にも思えてしまう。ヒューマニズム的人間臭さの不在。人間臭さが、ドラマの中にも、作り人の側にも見えるのが映画だと思う。虎がCGでなければ、違ったかな?……それよりも、3Dの映像、私も船酔いしました。
[映画館(吹替)] 8点(2013-02-02 19:58:01)
7.  ロシュフォールの恋人たち 《ネタバレ》 
「シェルブールの雨傘」と「雨に唄えば」と「ウエストサイドストーリー」が合体してました。それでもの凄くいいのかというとそこはハテナです。普通によくある「幸福感に満ちたミュージカル」でした。音楽やダンスよりも色遣いの方が気になって気になって。地色を白に統一してあります。建物の外壁、内装、ズボン、車の色など、白が基調になり、そこに、light, soft という色の配色。しかも、模様はかなり排除されて(ネグリジェくらい)無地。細かい所まで気を配ってあります。洋服だけではありません。例えば、広場の向こうの建物の鎧戸の色、売店の風船の色、町の消火栓の色、棚にある本の色、等々、隅から隅まで。フランス映画って、色を大事にしますが、ここまで徹底しているのは、執念だなと思いました。それから、ドヌーブは同時期に「昼顔」も撮っているのですね。こっちの少女少女したお色気と向こうの耽美的なエロチックと女性の魅力の双極を演じているのは、なんかスゴ過ぎませんか?
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 14:36:19)
8.  レ・ミゼラブル(2012) 《ネタバレ》 
点数は悩みました。この映画のために脚本演出歌等全てがオリジナルで作られているのならば、最高得点でしょう。ですから、レミゼラブルを全く知らない人にはお勧めします。だけど、これはやはり舞台で見るほうが良いと思います。舞台で磨き上げられた作品です。全く同じ内容を映画に移しているのですから、例えて言えば、料理は同じで、店の雰囲気とか店員を変えただけのような感じがしてます。やはり、内容を作るところに大部分の力がいるのですから、だから、この点数。同じ内容を映画とどう変えるのか。おそらく、CGを使って映画的映像でスペクタクルな感じを出すんだろうかな、と思ってましたら、冒頭からその通りでした。それから顔の大写しを執拗にしてましたね。まさに、舞台との差異化を図った演出なんだろうなと思いました。客席からは見えませんから。でも、どうでしょうか、ちょっと疑問です。舞台は顔がよく見えないからこそ良いのではないのか、つまり、感情表現を、音楽と歌と体の動きなどで観衆に想像させるのがいい点なのではないかと思うのです。「悲しいです」みたいなことを言って、悲しい顔を大写しで見せることはどうも映像の力で勝負する映画としてはマイナスのような気がします。是非、舞台の方をご覧下さい。それに、舞台の方では、ちゃんと拍手することができますよ。
[映画館(字幕)] 7点(2013-01-13 22:39:46)(良:1票)
9.  LOOPER/ルーパー
日本人はドラえもんでタイムマシーン的な話に沢山触れているから、何をどうしてもタイムパラドックスなところでの整合性が気になるんじゃないかな。でも、映画の中で、説明ができない、とか言って、もう開き直っているのが、ま、深く考えないで下さいョ、皆様、って言っているようで可笑しかった。ドラえもんチルドレンを納得・感服させるタイムマシーンの話は無理でしょ。
[映画館(字幕)] 6点(2013-01-13 22:19:34)
10.  ホビット/思いがけない冒険 《ネタバレ》 
なっがーいし、えっ?話終わらないの、また三部作なんだ。うわーって感じ。これ、LOTRに比べて、サスペンスが無いのですよ。だって、主人公が死なないって知ってるし。で、でてくる悪役が醜いし、トロールとオーカーとゴブリン同じだし、人間族いないし、特撮に目立った進歩があまり見られないし、雑魚キャラの大群を薙ぎ払うパターン一緒だし、最初から鷲に乗っていけよ、って全世界で百万人は思っただろうし、ゴラムをお笑い担当にして長丁場を乗り切ろうとしてるし……最後まで見るから、はい、次っ、て感じです。
[映画館(字幕)] 7点(2012-12-26 17:59:42)(笑:1票)
11.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
ジェームズボンド感謝デー、みたいな映画でしたね。いきなりトップギアのアクションから始まる。一息ついたら、歌が…あれ、ガン・バレル・シークエンスは?最後に取ってありました。歌も、ま、女性のシルエットがあって、そうだよなって。小道具も定番が出てきました。ワルサーPPK出ました。マティーニもしっかりシェイクで出ました。「Bond, James Bond」って定番台詞もありました。ボンドガールは必須。公聴会の後の車、え、ジャガーで追うのかよ、って思っていたら、ちゃーんとアストンマーチンが出てきました。がみがみ親父のQが若い兄ちゃんになって残念だが、秘書マネーペニーが復活したからプラマイゼロ。あのコート掛けがある秘書室からMの部屋というパターンの復活。チェックするところが多かった。映画はというと、おもしろいんだけど、こんな映画はダイハードでやれよって感じで。他の主人公ならどうぞって思うけど。ボンドが短距離走ができたり、総合格闘技ができたりする超肉体派ではないよなぁ。秘密兵器と機転を利かして、ピンチを脱しなきゃ。それに、悪役がどうもダークナイトのジョーカー風で……やっぱり、今時のハリウッド映画だなと思いました。
[映画館(吹替)] 7点(2012-12-25 19:32:40)
12.  デリカテッセン 《ネタバレ》 
悪趣味、悪夢、悪食、のアートな絵巻。細部まで徹底している。ダークな色調に閉塞感(縦方向しかない)。カニバリズムのタブーの戦慄があるが、死の意味の軽薄化と変人のオンパレードで喜劇を演出している。そして、水のイメージで不快な湿気感も与えている。どこまでもが、作った側のセンス。見る者はそれを楽しめるかどうか、だ。一度でも、自分なりに悪夢の意味を考えて、それを空想でも実際でもいいが、イメージしてみたことがある人は、そして、自分の想像力の無さに失望した人なら、この監督を天才と評価すると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-02 17:02:39)
13.  おくりびと 《ネタバレ》 
ストーリーがベタだの、盛り上がりがないだの、との声をここでたくさん見ましたが、作る方はそんな事は二の次で、映像で勝負、って所じゃないの。何しろまず、納棺師の仕事に見る儀式の静謐厳粛さを、主人公同様に見る方にも納得させなければならない。日本人が誇りとする、(って若い人に言っても分かんないのかな)様式美を示す。そこをクリアしているのが凄い。見ている方もすごいと思う。あっちこっちにメタファーをちりばめていて、その映像に厚みを与えている。タコの死から始まっている。海ではなく川に捨てられた。違う環境。自分も音楽という違う環境で死んでいたのに気がついた。鮭の話は、台詞で説明したからそのまま。食べるシーンが多用してあるのは、「生きること」の意味をそれこそ低音域で奏でている。詰め将棋に微かに感じる「終わり」の予知。命を表す白鳥。雪と白い山が見せる、ピュアさと生との対比、ラストの白い石と胎児のイメージの重なり。布団の白、ふぐの白子、ああ、白のイメージは大事だ。セロ弾きの宮沢賢治は岩手か、山形ではない。山形弁のごつごつしたイメージは広末の演技のイメージ(これは偶然か)。それでもって、やっぱり親子の情に涙するよな。良質のイタリア映画みたい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2012-06-02 13:06:57)
14.  穴(1960)
脱獄映画の傑作ではなく、映画の傑作でしょう。あんな音を立てて、との意見があるが、昼間の刑務所内はうるさい事は最初の方に提示してありますよ。別の部屋でとんとん音を立てて、トイレかなんか修理しているシーン。さて、見る者をすぐに釘付けにするのが、最初の穴を開けるところ。編集もCGも無しで、本当に最初から最後まで俳優が穴を掘って見せる。すごい。ポルノ映画を除いて、最初から最後まで一つの行為を完全に見せるものはないのではないか?ここにこの映画の剛速球がある。その後のディテールは言うまでもない。最後の方なんか、映画ファンの中には、すぐに先読みにして、「裏切るような演出だが、実際はその反対か、または、違う人が裏切る」、なんて思うのだが、その読みの反対で、普通のラスト。(でも、私は監督はそこらへんも計算しているような感じがするけどな)。私は、だから、驚いた。そして、さらに、監督は最後にもう一つ仕掛けをしてますよ。普通に空き部屋があったんですよ。さぁ、みなさん、偶々でしょうか、それとも……監督と勝負させられますね。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-20 13:13:54)
15.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 
IMDb のTrivia やMessage Board を見ると次の映画へのレファレンスがあるとか。ET、スターウォーズ、バック・トウ・ザ・フューチャー、未知との遭遇、イージーライダー、ジョーズ、1941、ブレード、エイリアン、レイダース、脱出、スタートレック、ホット・ファズ、恋はデジャブ、ブルースブラザース、メン・イン・ブラック、ショーン・オブ・ザ・デッド、プレデター、ロレンツォのオイル、トータル・リコール、ベスト・キッド、タイタニック、銀河ヒッチハイクガイド、スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団、スターマン……スターマン以外は全部見ているのですが、この映画を見ている時は、ET(人形の振りをするPaul、お手々繋いで歩くシーン)、未知との遭遇(岩山、花火屋さんで聞こえた五音)、スターウォーズ(バーの音楽)、トータルリコール(胸が三つの女性)、エイリアン(主人公登場)位しか気づきませんでした。へぇー、って一番思ったのが、ベストキッド。傷を治す前に手を擦るミヤギさんだとか。そうだったような。他にも、なるほど、はありましたが、言われてもぴんとこないものも多かったです。詳しく知りたい人はサイトの英語を根性で見て下さい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-04-08 13:00:39)(良:1票)
16.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 」を見て、ならば、似たような話を、私が「チャイナタウン」風に作りましょうって、ロマンスキー監督。音と映像は任せなさい。後味の悪い感じに仕上げましょうか。えっ?良さそうな人が悪い奴、悪いような奴が実は良い人だったりするって、ミステリーファンにはバレバレ?あ、ならば、少し俳優さんにがんばって演技してもらおうか。特にヒロインの貴女、貴女次第だってばさ。やっぱ、「チャイナタウン」風ってことを意識して、アジア人も入れときましょうね。ちょっと、見ている人には、これなんかあるんじゃないって、思わせる効果もあるし……って感じの映画でした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2011-11-05 10:36:18)
17.  イカとクジラ 《ネタバレ》 
淡々と描く映画がある。作る側が解釈のためのサービスをしないので、観るものが解釈しなければならない。この映画は、普通の日常の、意味がありそうだと思わせるエピソードを意図的に重ねている。これぐらいのサービスが無いと映画として成り立たないし、また、そこのぎりぎりのサービスから解釈するのが映画の楽しみでもある。性的な部分と親子関係のエピソードが多いので、観ている方は、「精神分析医」になって、話を聞いているような感じがする。(私は臨床心理の専門家ではないので、そうなんだろうって想像ですが)。登場人物、特に息子二人の行動には、「意味」がありそうである。作者は映画にするんだから「意味」があるんですよと言っている。ここは、観るものの想像に委ねられている。登場人物がわがままだとか馬鹿だとかの感想を述べてもいいが、それで映画の内容の批判をしてもしょうがない。この淡々とした感じは、主題の普遍性の高さを物語るが裏付けである。みんな見ていて、理解できるところがあるでしょって。イカとクジラの意味は? さぁ、父親のマイ・アイドルの座からの陥落とそれによる自分の成長、今後さらに続く苦しい、藻掻くような人生の予感? セックスという行為自体のメタファー? 素人精神分析医はいろいろと考えたりするのです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2011-06-26 11:47:08)
18.  アジャストメント 《ネタバレ》 
世界の新指導者候補のアメリカ人よりも、この映画自体を「調整」してください、姿を見せない議長さん。
[映画館(字幕)] 4点(2011-06-07 13:28:20)
19.  キック・アス 《ネタバレ》 
予言。公開時はそう話題にはならなかったこの映画、DVDが日本で出る頃、または、2が公開される頃には、この名が知られることになるでしょう。凄い映画です。ここのレビュー数も100は軽く超えるでしょうね。駄目高校生のお馬鹿映画と思いきや(みんなそう思っているから見てないんだ)、後半にマカロニウエスタンになる展開に、心が燃えたね。
[インターネット(字幕)] 9点(2011-02-06 13:57:33)(良:2票)
20.  リバティ・バランスを射った男 《ネタバレ》 
「シェーン」と同じテーマですね。西部の、無法の終焉とガンマンの終焉。西部の時代は、伝説として存在すると、ラストは語る。Jimmy は Jimmy らしく、「誠実」な男、the Duke は the Duke らしく、「強い」男、二大俳優を楽しむ。その他の登場人物も細かな性格分けがしてあって、酒ありギャンブルあり馬あり鉄火肌の女性あり拳銃の早抜きあり投げ縄ありと西部劇アイテムをも並べる、そして、白黒映画の美しさを引き出す、「サボテンの花」、フォード監督の余裕のさばき。モニュメントバレーがないだけですね。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2011-01-03 14:36:41)
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