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メールアドレス wakasa@hf.rim.or.jp
自己紹介 映画って本当に良いですね、晴郎さんが言っていた。忠夫さんが熱く語っていた。荻さんは斜めに座って、ちと難しめな解説をしていた。土曜日には、テレビの前のあなたとお会いしましょうと、約束され、日曜日の夜には、さよならを、それも三回言われてしまう。その時まだ小中学生。今、その人達と同じ年齢になり、私も同じような事を言い始めている。追いつけたのか?それがこのレビュー。

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1.  散り行く花 《ネタバレ》 
何と健気で、儚い乙女。演じるは、20歳も半ばの、リリアン嬢。もうそこが凄いね。ナボコフが「ロリータ」を書かなければ、美少女乙女路線は、リリアンコンプレックスになっていたかもしれない。指で口の端をにって上げて、息絶えるシーン、これは公開後、幾百千万の(男の)心を捕らえてきたことでしょう。永遠の乙女のイコン。グリフィス監督はここでサイレントの映画のテクニックを全て完成させた、とは映画史の語るところ。さらに、映画史は付け加える。クローズアップが出現したのは、同監督がリリアン嬢を可愛らしく撮るために近づいたことによる、と。なるほどなぁ。……また、この映画の、中国人の描かれ方に、人種差別の事は避けて通れないが、とはいえ、勉強不足でコメントの寄せようもない。ただ、当時の一番進歩的なものではないか、と想像している。例えば、長澤まさみ嬢の相手役が、日本人韓国人中国人西洋人以外の人種だとしたらどうだろうか。イランでもスーダンでもイヌイットでもいいが、それぐらいのものではあるまいか。また、仏教の浮き世と枯れる運命の花と儚い乙女との組み合わせで生きる脆さを故意に表しているならば、キリスト教を越えて、思想的にも進歩的でありそうだ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-17 16:17:46)
2.  カリガリ博士 《ネタバレ》 
これ、1921年制作です。日本では大正10年です。大正デモクラシーとかいっています。でも、遠いドイツでは、この映画です。狂人の映画です。セットが曲がっています。話も曲がっています。メイクも変です。字幕の文字も尋常ではありません。狂人の見る世界を私達が見ます。現代の私達だから、あれやこれやの批判もできる。ドイツにはすでに、狂人の夢を語る映画を作る人がいる、見る人がいる。文化の進化度が分かります。ドイツ表現主義。ヨーロッパでは絵画にキュビズムが出た時代。夢を語る、精神分析の影響の強いシュールレアリスムの夜明け。日本は夢野久作の「ドグラ・マグラ」が出るのをあと10数年待たねばなりません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:07:55)(良:1票)
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