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自己紹介 映画って本当に良いですね、晴郎さんが言っていた。忠夫さんが熱く語っていた。荻さんは斜めに座って、ちと難しめな解説をしていた。土曜日には、テレビの前のあなたとお会いしましょうと、約束され、日曜日の夜には、さよならを、それも三回言われてしまう。その時まだ小中学生。今、その人達と同じ年齢になり、私も同じような事を言い始めている。追いつけたのか?それがこのレビュー。

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【製作年 : 1930年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  アタラント号 《ネタバレ》 
川は「人生」の例えか? 老水夫の眼が二人の人生を優しく追う。無邪気な、かつ、人智に長けた、仙人然としている。人生訓を吐き、二人を見守り、二人と戯れる。いくつかの夢のような愛の表現。霧の中の妻、それを探す船長。寂しさと愛の対象の焦点化。嫉妬あり。妻はパリに恋した。船長はパリに嫉妬する。だから離れる。妻は泥棒と失業のパリに失望する。だから後悔する。苦しむ船長は川に飛び込み、妻を見た。そう、妻が「水の中には愛が見えるのよ」という言葉通り。離ればなれ、それぞれベッドの上で悶えるような寝姿二つ、官能的なシーン。老賢人の優しさで二人は戻る。再開に言葉は必要なかった。ラスト、映像は川を上から映す。やはり、川は「人生」の象徴か?二人の人生を明るい音楽とともに祝福する。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-10 14:30:21)
2.  邂逅(めぐりあい)(1939) 《ネタバレ》 
んまっ、素敵。恋愛映画は三角関係とすれ違いが基本。これは、もう、そのもの。それと、ちょっとした装置があればいい。ピンクシャンペンとエンパイアステートビルとクリスマスとショールと絵と。台詞も少し粋にしてね。それと貧乏くさいのはだめよ、夢を見させてもらってるんだから。現実にそんな人いないってくらいの金と美貌と性格の良さがいる。これも基本通り。ラストの「めぐりあい」のシーン、男早く気づけよって、見る者みんな念じたんじゃないの? それとも、女言いなさいよ、ですか? そんな嘘はつかなくていいから、早くって。そう、そんな盛り上がりを「絵」で落とすなんて、涙しちゃうじゃないの。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-22 22:19:22)
3.  ゲームの規則 《ネタバレ》 
私達貴族って、何と申しましても優雅ですわ。人間の品とでも申しましょうか。美しくあらねばなりませんもの。お金もかかりますけども。えぇ、そのとおりでございますわ、中身なんてそんなものは、どうでもいいのですのよ。どんな方でも同じでございましょう。人間の欲望なんて皆同じですわ、どこをどうしても喜劇にしかなれませぬもの。喜劇、ですわ。あなたも目撃なさったでしょう、この喜劇。カモなみに人が撃たれましてよ、でも、喜劇。恋は盲目、ここは悲劇かしら。追いかけっこの茶番。こう見えて貴族をやっていくのも案外大変なのよ。え?、何?、没落の始まり?、だから何なのよ。人生は喜劇って今言ったばかりじゃないの。お分かり下さるかしら……
[DVD(字幕)] 10点(2008-01-15 20:55:23)
4.  大いなる幻影(1937) 《ネタバレ》 
貴族社会の崩壊、「この戦争で誰が勝つのか私には分かりませんが、誰が勝とうと結局我々貴族の最期となるのは確かです」。国境のあることの無意味、「国境なんか人間が作ったもの。自然にとってはどうでもいいこと」。金持ちの実態、「寛大の裏側には必ず傲慢が隠れているんだがね」、親切の薄っぺらさ、「本を焼くなんて残酷だ」「本を送る方が残酷だろ」。全てが大いなる幻影か? ただし登場人物は全て誠実に生きている。幻影だと分かっても必死に生きている。この人間を見る目の暖かさ、素晴らしい………
[DVD(字幕)] 10点(2008-01-15 20:35:49)
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