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1.  南極料理人
どこにでもある日常のゆる~い風景。ただ違うのは外がマイナス70℃な事くらい。南極というネタ満載の特殊な環境をほぼ使うことなく、ただひたすらオッサン達のゆる~い日常を2時間という長尺で描ききった作品。この舞台が日本ならこれほど退屈で面白くもない映画はないだろう。しかし舞台を南極とするだけで、あら不思議なんとも奇妙な空気感が漂ってくるではないか。そしてさらにテーマを「食」にしぼってやることで、テンポが良くなってすごく見やすく分かりやすくなってしまう。この確信犯的な監督の発想。それひとつで面白い映画が出来上がる。そこが映画の魅力であり、次はどんな仕掛けをしてくるのかなと期待してしまうのである。
[地上波(邦画)] 7点(2013-02-19 15:30:53)
2.  ウィスキー 《ネタバレ》 
最後の最後にカジノで自分を変えるチャンスを掴んだのに、あっさりマルタに譲ってしまう悲しい男。次の日出勤してこないマルタ。彼女は降って沸いたそのチャンスを生かし新たな人生を踏み出してるのにそんなチャンスがあったことすら気づいていない駄目な男。でもそんなハコボが物凄く好きだ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-17 03:40:05)
3.  東京タワー 《ネタバレ》 
誰も傷つかず無味無臭で爽やかで真っ白な不倫映画。不倫モノとしてはきわめて珍しい切り口だが、はたしてそれでいいのか?と一瞬思ってしまうがラストに山下達郎が熱唱してれば、それでいいような気もしてくる。おとぎ話のような清潔感ただよう美しい不倫担当の岡田黒木ペアとドロドロ生々しい不倫担当の松潤寺島ペア。二組のコントラストを楽しむ映画なのかと思えば、正直全力で突っ走ってるのは寺島しのぶだけ。傷つけあわない、人も死なない、終わりもすっきり、安心して見ていられる不倫映画という誰得な新ジャンルなんだと私は結論づけることとする。映像音楽は美しいし、テンポも悪くはないから何も考えずボーと見てる雰囲気映画としては悪くないかも。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-11-20 06:36:43)
4.  呪怨 パンデミック 《ネタバレ》 
暑い暑い夏にちょっと刺激的な涼しさを求める分には十分ヒヤッとさせてくれます。 ストーリーに関しては完全なB級路線をひた走る呪怨シリーズ。今回はカヤコが除霊師の娘であり、子供の頃から悪霊を内に取り込み人を呪う能力を有していたことが明かされます。あれ?なんか貞子とキャラが被ってきたな…。監督もすでに呪怨の海外進出が映画としての新たな恐怖表現に挑戦するという目的からジャパニーズホラーをアメリカの人たちへ味わってもらうものとして割り切って作っています。ストーリーはあくまでオマケ。巻き込まれた人たちの異常行動、周囲の異音や超常現象で恐怖を煽り、最後はカヤコの出現で怖がらせるという王道パターンはわかっていてもやはり怖いです。ただ呪怨シリーズを数多く見た人はどうしてもその場に漂う雰囲気の劣化が気になり純粋に恐怖体験を楽しむことが出来ないかもしれませんね。やはり呪怨の恐怖の本質は第一作に漂う、日本のどこにでもある家庭に起こった猟奇殺人、その惨たらしく理不尽な死から発生した呪い。この日本特有のジメジメした湿気を感じさせるような設定にこそ怖さの本質があったのに、カヤコは特殊な霊能力をもつ女性だったなんて、確かに雰囲気ぶち壊しではあります。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-08 04:11:19)
5.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
前半はとてつもなく面白かった。無人化したNY、夜になると怯えだす主人公、前情報なく見始めた私にとって「いったいこの世界に何が起こり何に怯えているのか?」その謎にワクワクして堪らなかった。しかし中盤を待たずしてほぼ全ての謎が明らかになりその後はよくある脱出系ホラーアクションでした…。後はハリウッドの鉄板要素である銃でのドンパチドンパチ。無駄にアクション要素を詰め込むのはハリウッド映画の本当に悪い癖です。武器や体術で撃退できてしまう敵は毎度のことながら冷めてしまいます。この映画でもせっかく紫外線に弱いという設定を持たせているのにその設定を巧く使いこなすことなく最後の最後は銃に頼りっきりです。物凄く良い雰囲気を持った映画なだけに急激な尻つぼみに残念。
[地上波(吹替)] 5点(2010-04-19 20:17:58)
6.  スパイ・ゲーム(2001) 《ネタバレ》 
こういうストーリー構成をひとひねり工夫した映画は大好きです。アクション満載のスパイ映画もいいですが『M:I』や『007』というビッグタイトルがあるので違う路線からスパイ映画を撮ってみようとする監督の挑戦を素直に評価したいです。回想中心のお話もスパイという実体のつかめない存在を元上司の回想によって実在する一人の男として組み上げていく過程を見ているようで面白かった。一歩遅く事態を把握し唖然とする局員たちを尻目に愛車のポルシェで颯爽とCIA本部を走り去るエンディングもGOOD。最初から最後までプロの仕事を見た気分で爽快でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-06 03:51:38)
7.  パーフェクト ストーム 《ネタバレ》 
うーん…嵐の表現や冒頭の出港までの見せ方はかなり引き込まれたんだけど、いかんせん後味が… 救助隊員にまで犠牲者が出てしまいそのシーンを時間を掛けて描いているのでなお更お金のために無茶をした船員達の自業自得感が増してしまってます…
[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-01 02:00:04)
8.  胡同のひまわり 《ネタバレ》 
話は父子の葛藤を中心とした家族愛を描いた映画なのだが、テーマが70年代~現在の中国となると話は凄く緊張感に包まれる。映画のスタートは文化大革命の真っ只中これより30年は中国激動の時代。政治、経済、文化と紆余曲折し、この潮流を伝えるだけでも映画の大半を費やすぐらいの重い時代である。しかし場所を北京、舞台を古き集団居住システム胡同、父親を画家とすることでこの難解な時代をコンパクトに表現することに成功していた。本当に難しい時代を巧く工夫して観客にストレス無く伝えることに成功していました。非常に良い映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-05-01 16:52:03)
9.  ゲド戦記 《ネタバレ》 
監督が伝えたかった事をなんとかアニメで表現しようともがいているのがよくわかる。しかしその重要なシーンの間を埋める繋ぎを描くことができていない。まだ描く術を知らないだけだが。観客は父殺しやアレン・テルーの心の歩み寄り、竜の登場など映画の核となるシーンをなんの伏線も無く唐突に見せられるため置いてけぼりを食らう。説明臭くしたくなかったのではあろうがこの辺りがさりげなく、そして面白おかしく助け舟を出すことのできる叩き上げアニメーターの父との明らかなスキルの差。結局吾朗監督がやりたかった部分以外は父が描いたものの焼き直しでしかない。吾朗監督に才能が無いかどうかを計るには早すぎるが、この作品に関しては明らかにアニメーターとしての引き出しの少なさが映画を単調でつまらないものにしている。ここまでは映画の内容の話であって、初監督で原作のある長編映画を世に送り出した手腕と努力は評価されるべきではある。
[DVD(邦画)] 2点(2008-01-31 17:13:48)(良:1票)
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