1. 理由(1995)
《ネタバレ》 前半は、冤罪に黒人差別問題をからめた社会派映画かと思った。だいぶ時間を残してボビー・アールが無罪放免になったから、ここからどんでん返しがあるとすればやはりボビー・アールが真犯人だった……となる可能性が高い。誰でもそう思うでしょ。実際そうだった。そうなっても、警官二人をあまりにも憎々しげに描いてるので、今さら奴らに感情移入する気がおきない。で最後は、いくらボビー・アールが悪人だからといってナイフで刺しまくるのはどうなのか。 ひどい映画でした。ショーン・コネリーの無駄遣い。 [DVD(字幕)] 4点(2011-07-31 19:33:58) |
2. ガタカ
《ネタバレ》 割と面白かったです。ただ、見る前にここの平均点を知っていたのだが、そこから期待したほどではなかった。 近未来の管理社会に対する抵抗。生まれながらの素質だけで人の運命を決めてしまう社会に対する抵抗。使い古された、陳腐なテーマではあるが、魅力的だ。その力のせいか、いつのまにか主人公に共感している。 ストーリー的には、殺人事件の操作を巡る話で最後まで行くとは思わなかった。映像的にすごい場面はないし、サスペンス要素も強くない。 ラストの少し前、検査官の先生の「告白」が良かったね。管理社会を最も象徴しているはずの検査官が、実はそれに疑念を持っていて、DNAを偽装する主人公の気持ちを理解していた。あれでグッと好感度が上がりました。 ものすごく面白いってわけじゃないが、好感のもてる作品ってとこですかね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-09 21:35:48)(良:1票) |
3. スリーピー・ホロウ
《ネタバレ》 映画の序盤は、期待させるものがあったと思う。科学的捜査を通じて真実を追究しようとする警官と、拷問まがいの尋問で容疑者に自白させることを重視する市の上層部。ホロウ村へ行けば、こんどは幽霊などの非科学的なものに犯罪の原因を求めようとする村の長老たち。 これはどうやら、「良心的で先駆的な捜査官が、事件の真相を明らかにして頑迷な爺さんたちに一泡吹かせる話かな!」と期待しますわな。 全然ちがった。オカルトだった。 首無し騎士を操ってたのは一応生身の人間だったとしても、話自体が非現実的なことに変わりはない。結局、最初から幽霊の仕業だと思ってた長老たちが正しかったわけだ。あれじゃ科学捜査の全面的敗北じゃんよ。 いや別に、オカルトやファンタジーを全面否定しているわけじゃない。今さら「ハリーポッターなんぞいないよ」つっても何の意味もない。だがファンタジーはファンタジーの中で完結してりゃいいのよ。現実的・科学的なものと対立してファンタジーが勝った、なんて要素は無い方がいいと思うね俺は。 ティム・バートンの作る画面は基本的に好き。おどろおどろしいが、どこか上品。 だがこの映画については、気持ちの悪い映像が多すぎた。そこもあまり好きじゃない点。 ジョニー・デップはどうも大根役者に見えて仕方がないなあ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-08 13:26:12) |
4. ギルバート・グレイプ
よく分からん。この映画の良さが分からん。 知的障害者を描くことに、甘えてんじゃないの? 観客としては「つまらん」と言いにくいだろう、みたいな。 いや実際その通りよ。不幸を描く映画は一般的にそうなんだが、「馬鹿馬鹿しい」とか「つまらん」という評価はしにくい。特に描く対象が障害者の場合はね。 だがこの映画のストーリー、身の毛がよだつほどつまらん。よくこんな脚本、2時間の映画にしたわ。 「いい映画」スタイルをとった駄作。 [DVD(吹替)] 2点(2009-08-04 22:38:19)(良:1票) |
5. レオン(1994)
主人公の側に共感できない、というのが決定的にまずい。 レオンというのは日頃は金のために人を殺すという極悪非道な人間のわけで、それが少女を守り、その仇を討つという大義名分ができたとたんに「正義の味方」に早変わりされては困る。 女の子を守るという一銭にもならず、かつ危険をともなう事を、レオンがあっさり引き受けるのも分からん。殺し屋ってのは感情的に最もドライな人種であるはず。どうやらマチルダ一家に恩があったわけでもなければ、事件の起こる前にマチルダと親しい友達であったわけでもなし。 レオンは殺人場面以外では極めて「良い人」のように描かれており、だからマチルダを守った、ということなんだろうが、だとするとそういうレオンがなんで殺し屋をやってるんですか、という疑問がわく。 これらの部分を説得力ある描き方をしていないから、すべての展開がご都合主義のようにしか思えない。 あと、マチルダがクソ生意気で、まだ色気がまったくないという点も僕にとっては良くない。思い入れる人物がいない。 なので、スタンフィールド一味が悪徳警官だったとしても、結局悪と悪の戦いでしかない。特殊部隊の警官もぶち殺しまくるし。彼ら個人個人には、何の罪もないわけですよ。 こういう映画、感情移入できるかどうかが全てでしょ。俺はできなかった。そんなに評価すべき映画とは思わんね。 [DVD(吹替)] 4点(2009-07-04 23:48:14) |
6. カリートの道
《ネタバレ》 デパルマっていうのはアクション・サスペンスを無難に撮る人であって、傑作を生むような演出力は無い人だと思っている。この作品も悪くない。パチーノの格好良さ、ショーン・ペン演じる弁護士の姑息さ。この二人の行く末を追うだけでも興味深い。しかしなんたる画面の古くささよ(笑)。後で1993年の作品と知って驚いた。最後に主人公を追うのが、電車内であたふたするようなショボいやくざだったのはちょっとガッカリだが、それもデパルマっぽいか。ロック・バラードの使い方の臭さ、これにも苦笑した。なんか演出が70年代で止まってるよ。 それも含めて、佳作だと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-09 02:54:04)(良:1票) |
7. ベイブ
これは笑う。動物たちのやりとりがとにかく可愛く、ほほえましい。動物の擬人化映画にしては珍しく、その姿も動きもあくまでもリアル。現実にない動きといえばせいぜい、若干の表情があることぐらいか。従って当然、豚は豚なのである。現実そのもの豚というのは、あまり可愛くない。その豚ちゃんが映画を見ていくにつれ、可愛くてしかたがなくなってくる。これがこの映画の力だ。リスや子犬など、可愛いものを可愛く見せることはアホでもできる。豚ちゃんをその姿のままで可愛く見せることは、なかなかできない。個人的には、ベイブが「ラーラーラー」とクリスマスソングを歌うところと、羊たちを強引に従わせようとして失敗し、素直に謝り和解する場面が一番好きだ。 [DVD(吹替)] 8点(2008-11-25 10:50:46)(良:2票) |