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コメント数 9
性別 男性
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1.  虎の尾を踏む男達 《ネタバレ》 
この映画は歌舞伎「勧進帳」のパロディであり、黒沢監督の最初で最後のミュージカル作品です。 この映画を面白くないと感じている方が多くいらっしゃるようですが、歌舞伎の良さがわからない方達でしょう。 黒沢監督がエノケンを抜擢し、重厚な勧進帳にコメディの要素を加え、ミュージカルに仕立てたことは素晴らしいアイディアだと思います。 撮影も義経が強力に姿を変えるところなんか実にうまく撮れています。 貧弱なセットではありますが、予算をかけなくても、アイディアさえあれば、素晴らしい映画できるという好例です。 大河内傳次郎の言うセリフが何を言っているのかよくわからないという方もいらっしゃるようですが、字幕を見ても何を言っているのかわからないと思います。言葉自体が難しいのです。 この映画の鑑賞には歌舞伎の勧進帳を楽しんで観ることができる素養が必要なのです。 退屈であっても忍耐強く繰り返しご覧なさい。そうすれば、きっと一筋の光明が見えるでしょう。
[DVD(字幕)] 9点(2010-12-06 21:44:50)
2.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
感動的な映画ですね。ストーリーはわかっていても観るたびに自然と涙が溢れてきます。しかし、冷静に考えるとポッターもみんなが言うほど悪い人間とは思えません。彼が株主総会で「我々がやっているのは慈善事業ではない。」と言ったことも株主としては当然のことです。ところが、この映画では彼は血も涙もない冷酷な人間として描かれています。それとは対照的にベイリーは良い人として描かれているのですが、温情や理想だけで貧乏な人に金を貸し、社会的弱者を助けることは美談であっても、そのために彼は危うい経営をしていたのは事実です。取り付け騒ぎが起こった時もぎりぎりのところで難を逃れましたが、もし、あの時、貸し倒れになっていたら、株主は大損、ベイリー金融から借りていた人たちも路頭に迷うことになっていたでしょう。人情や友情は尊重されるべきものですがビジネスでは通用しないことがあります。時として、ポッターのような厳しさも大事なのです。最後はハッピーエンドであっても、それは単に結果オーライのことだけではなかったのかと疑問を感じます。自由主義、競争主義のアメリカがこのような映画を作ったことも少し偽善的であると思っています。現実がそうでないから、ファンタジー的な物語を描きたかったのかもしれませんが。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-21 23:24:25)
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