1. ガキ帝国
「処女作に作家のすべてが詰まっている」と言われるように、井筒監督初の一般映画ということで期待したが、期待外れ。たしかに「岸和田少年愚連隊」や「パッチギ」「ヒーローショー」の匂いは十分するが、まどろっこしい展開、俳優陣の演技力のなさ、救いのないラストシーンなどあまりに拙い出来。これが自主制作作品としたらそれなりに楽しめたのかもしれないが、商業ベースに乗せるレベルとは思えず。一部での高評価が不思議なくらい。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-06-21 15:48:42) |
2. さらば、わが友 実録大物死刑囚たち
《ネタバレ》 冤罪が疑われていた平沢の飄々とした態度、自らの虚栄心が死刑判決を招いてしまった竹内の焦り、スマートな慶応ボーイ正田の達観、赤貧から強盗殺人を犯した黒木の憐れなど、死刑囚の知られざる実態が描かれた異色作。難を言えばオムニバスにありがちな脈絡のなさか。 [映画館(邦画)] 7点(2014-06-01 14:20:45) |
3. 駅 STATION
直子の章-円谷幸吉の遺書「父上様、母上様、三日とろろ美味しうございました。…幸吉はもうすっかり疲れきって走れません」、すず子の章-吉松五郎の辞世の句「暗闇の向こうに見える灯火を 今駅の灯と信じつつ逝く」、桐子の章-テレビから流れる紅白歌合戦の八代亜紀の「舟唄」など、それぞれの章に印象的なシーン [映画館(邦画)] 9点(2014-02-17 14:41:35) |
4. 薄化粧
泥臭いながらも格調の高さも感じられる逃亡劇。「復讐するは我にあり」「鬼畜」とともに自分勝手に『緒形拳犯罪三部作』と呼んでいる1本。竹中直人が相変わらずいい味出しているが、ミスキャストの松本伊代が目障り。 [映画館(邦画)] 7点(2008-02-16 14:30:17) |
5. ゴッドファーザー 1901-1959/特別完全版<TVM>
《ネタバレ》 何と言っても時間にして約1時間、60ものシークエンスが追加された特別完全版ということで、7時間の長さも気にならず一気に見られるはず。特に、カーマイン・コッポラの子供時代のマフィアとのエピソードシーン、シシリーでドン・チッチオの子分二人を殺すビトー、初めてゴッド・ファーザー(名付け親)となったハイマン・ロスとの出会い、ファブリツィオを爆殺してアポロニアの仇を討つマイケルなど、カットされたのが不思議なくらいの名シーンがてんこ盛り。ただ、年代順になっているため、PARTⅡの現代部分(1959年)はちょっとダルかったかな。 全編を通じて感じるのは、ビトーの勇気がソニーの短気に、ビトーの優しさがフレドの気弱に、ビトーの理性がソニーの冷たさに遺伝して、それぞれを破滅に導いたのでは。そしてPARTⅢに続くのが、気性の激しさ、弱者へのいたわり、計算高さを合わせ持つミニ・ビトーとも言うべき孫ヴィンセントというわけで、コルレオーネファミリーの一大叙事詩が完結。一時噂のあったアンディ・ガルシア、レオナルド・ディカプリオ競演によるPARTⅣもぜひとも観たいもの。 [レーザーディスク(字幕)] 9点(2008-02-11 20:56:17) |
6. 仁義なき戦い 総集編
仁義ファンにはたまらない1本だが、カットも多いため、お薦めはやはり5部作一挙上映館での鑑賞か。なお完結篇が未編集なのは、脚本が笠原和夫から高田宏治になったためと思われるが、確かに4部作で十分完結している感じで、もし完結篇もつなぐと大友勝利役(千葉真一→宍戸錠)、早川英雄役(室田日出男→織本順吉)が交代しているため違和感あるかも。 [映画館(邦画)] 7点(2008-02-03 14:58:34) |