1. シビル・ウォー アメリカ最後の日
《ネタバレ》 実弾射撃の経験あるが、実際より音大きいぐらいでないか・・・びっくりするし、耳に悪い・・・でも臨場感あった。 思えばアメリカ人同士は南北戦争でも戦っていたし、日本人も明治までは内戦状態だったし、この映画は新たな視点のようで、一方でデジャヴ感を感じる。 現在の、民主主義が後退しつつある状況への警鐘としては、気味悪いぐらいに成功している。 まさに、トマス・ホッブズがいうところの、自然状態。「万人の万人に対する戦い」が、印象深いエピソードで綴られているロード・ムービーだ。誰に撃たれているかわからない狙撃。ピンクのサングラスの男の「お前はどんなアメリカ人か」との生死を分かつ問いかけ。 弱肉強食の時代に戻ったら、こうなるよね、という、皆が目を背けがちな真実を、血しぶきとともに、ある程度のグロは勘弁とばかりに痛々しく描写する(ただし、内蔵飛び散る本当の戦場から言えば甘すぎるほど甘いが)。嘔吐シーンは、監督自身の、今の時代に対する痛罵か。 ともあれ、このタイミングでこの映画が出てきたことに、多少の偶然もあろうが、驚きもし、感心もした。 [映画館(字幕)] 7点(2024-11-14 00:49:39) |
2. ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
《ネタバレ》 独特の世界観がある。 ただし醜悪でグロいので見るものを選ぶ。 死亡時の赤裸々な描写や、大量のネズミの出現、アメリカ自体がスターフィッシュ計画に加わっていた、といった事実が、結局この世は一皮むけば醜悪なのだ、とのメッセージのように感じた。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-05-18 18:15:31) |
3. ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
《ネタバレ》 これ、続くの!? 今までで最多の登場人物と複雑な関係性を披露しちゃってくれて、次回まで待てって・・・ 最初に行ってよぉ~ [インターネット(字幕)] 0点(2024-05-06 15:03:36) |
4. ワイルド・スピード/ジェットブレイク
《ネタバレ》 バグったB級映画として楽しく見ているので想定内ではあるが、最近、原点である「車いじり」「(路上)レース」「お姉ちゃん(のおしり)」を忘れて、地球征服を企む悪との戦いに没頭しすぎてやしませんか。 ハンのように、一旦死なせた人物を生き返らせ、そしてブライアンのように、なくなってしまった俳優を生きているかの如く扱うのは、B級ならではの(よい意味での)明るさを感じる。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-05-05 22:51:03) |
5. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 続編を待つのが大変。 どうせ続編前にもう一度見直す必要あるので、パートワンとかいうのはやめてほしいのだが・・・ 昔のTVシリーズからスパイ大作戦ファンなので、みちゃうしかないんですよね。。。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-04-21 01:30:01) |
6. オッペンハイマー
《ネタバレ》 あえて事前情報を入れず、史実を学習せず鑑賞。 常識として日本に原爆が落とされたこと、オッペンハイマーという人は原爆を開発した科学者であったことぐらいは既知。 結果、正直長すぎてつまらなかった。 この映画は、ある程度勉強してから鑑賞することをおすすめしたい。 日本に原爆が落とされる前にアメリカ本土で実験が行われていたわけだから、初の原爆被害者はアメリカということ。意外と知られていないのではないか。(ビキニ諸島の実験のほうが有名)途中の科学者の嘔吐シーンもあったが、おそらく実験者も相当被爆していたのではないだろうか。 核融合、核分裂という、原子自体の構造にメスを入れ、結果として物質そのものの膨大なエネルギーを取り出し兵器に使う、というのは確かに神、あるいは悪魔の領域であろう。その意味でもE=MC2乗のアインシュタインがまあまあなキーパーソンであるのは象徴的。 そして空気中の原子含め連鎖反応が止まらずにこの世がなくなるかも、という懸念は、バック・トゥ・ザ・フューチャーで「過去の自分と会うパラドックスによって、宇宙が崩壊するか、単に失神するか」に受け継がれていく・・・ [映画館(字幕)] 3点(2024-04-21 01:22:07) |
7. ゴジラ-1.0
《ネタバレ》 かねてより映像が素晴らしいとの事前評価があり、映画館に行こうと思っていたのだが、忙しさにかまけていたら、アカデミー視覚効果賞を受賞してしまった。やっと時間ができたので行ってみたが、やはり映画館はほぼ満員。思い立ったが吉日というが、こんな失敗を私は数多く繰り返してきた。反省! やはり映像が良い。しかも、そんなに金をかけていないというから、なお良い。 浜辺美波は途中まで「誰だ?この汚い女性は」と思っていたし、かなり後半になって「あれ?ドラマで見た人かな?」と気付いた次第。昭和の雰囲気を出そうと、わざと体型も変えたのだろうか。役者はすごい。 特攻から逃げ帰った自分の「戦争」を終わらそう、と、ゴジラの口に特攻を仕掛ける、と思いきや、まさかの脱出には拍手喝采(したい気持ち)。みんな生きて帰ってきた。そして浜辺美波も生きていた!「終わっていない戦争」という、死の匂いをただよわせながら、あくまで「生きろ!」とのアンチテーゼ、魂の叫びを感じる。 首のあざがちょっと気になったが、爆風で怪我したんだよね、きっと・・・ [映画館(邦画)] 6点(2024-03-16 19:41:15) |
8. ジョン・ウィック:コンセクエンス
《ネタバレ》 いつもながらの変な世界観。でも嫌いではない。 思うに、優れた映画とは、居心地のよいテーマパークやホテルのようなもので、そこに居ること自体が楽しく、「早送り」などしたくならないものだろう。 いくらジョンが強くても、主席連合のルールそのものからは逃れることができない。 人間社会のしがらみからは、逃れられいよ、というメタファーなのだろうか。 最後に自由を勝ち取ったが、友を救い、結局自分は死へと旅立った。「生にしがみついていた」から? エンドロール後のケインと娘との再開、そして、すーっかり忘れていた復讐。 因果応報。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-02-03 17:59:19) |
9. ラーゲリより愛を込めて
《ネタバレ》 自分勝手な評価基準で恐縮だが、邦画の新作で10点をつけたのは本作が初めて。 ロシア語が多少わかることで感情移入してしまったのもあるかもしれないが、どれだけ悲惨な状況であろうとも、自己の信念をまげずに「人間らしく」あろうとする山本の強さに、ただただ感動した。仲間が分担して「遺書を届けて」くれた事も、事前情報がないこともあり意外であった。 そしてこれは実話である。(犬のクロまで本当にいたらしい。) 故郷から遠く離れ、死んでいく山本には、一見なんの希望もないように見える。しかし、最後の力を振り絞って遺書をしたためた山本の意思、そして彼の生き方は、時代を超えてこのように多くの人に希望を与える結果となっている。 ところで、極限状態におかれる映画を見ると思うのだが、勇気とは、知恵が具わってこそ本領を発揮する。 敵兵に突撃し殺される蛮勇をこらえて、生きる道を探す知恵。しかし、仲間にパンを分け与え、自身が懲罰房に入ることを厭わない勇気の行動。(その結果、命を縮めてしまったのだが)生きるとは、単純なスローガンではなく、難しい判断を行いながら中道を行く、綱渡りのようなものか。「トゥルーノース」の母親といい、人類の英雄とはこのような人を指すのだと思う。 [ビデオ(邦画)] 10点(2024-01-28 12:02:27) |
10. グランツーリスモ
《ネタバレ》 父は元サッカー選手、息子は引きこもってゲーム。 そのゲーマーが、日産の斬新な人材募集方法でプロのレーサーになる、という夢のようなストーリー。 それだけならありきたりなのだが、「実話」をもとにしている、という所がすごい。 モータースポーツも、肉体の頑強さとか、結構生まれつきの才能が必要だと思うのだが、DNAも良いものをもっていてラッキーだったか。(もし、私のような運動音痴では、いくらグランツーリスモがうまくても、横Gには耐えられないだろう) [インターネット(字幕)] 6点(2023-12-26 00:48:45) |
11. RRR
《ネタバレ》 久々の満点! 3時間が苦にならない映画は珍しい。 我々有色人種にとってこのような映画は痛快ではある(エンディングにも登場するチャンドラ・ボースは、旧日本軍にも協力した人物であったりもする)が、我々が何人であるとか、インドがどうとか英国がどうとかいう、人種・歴史・宗教・政治の目線はあえて外して見たほうが面白いと思う。 パーティでドラムを奏でた人はアフリカ系であったことが象徴しているのは、帝国主義の覇権そのもの(日本だってそうだった)に対するアンチテーゼであって、更にいえば白人=悪という単純な図式でもない(ジェニーの存在)。いわば人間に内在する弱い者いじめの魔性そのものを「これでもか」と、たたきつぶすから痛快なのだ。 その源泉は、人間本来の生命力(薬草を煎じて毒を制するような、土着の叡智)と、家族や友情、一族の連帯感である。 そして、虐げられる側の、熱い血潮が、血しぶきを伴って痛快な復讐を果たす。 多方面に忖度する近年の「お綺麗」な映画やドラマではなかなか見られない、ツッコミどころ満載の、男と男のドラマに、自分の中に眠っていた(あえて忘れていた)青臭い何かが揺り起こされ、頬を涙が伝うこと幾度・・・ これは見る人を選ぶ映画ではあるが、私にはドハマリであった。 今日から懸垂しよう! [インターネット(字幕)] 10点(2023-11-26 16:26:26) |
12. バービー(2023)
《ネタバレ》 単なるおバカ映画かと思いきや、ジェンダーの問題や、生と死の問題も絡め、なかなか深いテーマを扱っている。 戦争の愚かさをうまく風刺しており、世の中の殺し合いもこのように死なない矢で行ってくれれば、と思う次第。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-11-23 23:03:23) |
13. ザ・キラー
《ネタバレ》 仕事はキッチリ行わないと、色々面倒になるよね、という教訓。 正直、あれだけ用意周到に追い詰めたターゲットを撃ち損ない、しかも関係ないお姉さんに弾を当ててしまうなど、プロの風上にもおけない、油断もいいかげんにして欲しい。 というような映画ではないことは百も承知ですが、気になったもので。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-11-17 23:08:54) |
14. M3GAN ミーガン
《ネタバレ》 時流もあり、ストーリー自体は素晴らしいのだが、安っぽいホラーにありがちな、悪役(イタズラ坊主や、失礼な隣人、うるさい上司等)は死んでしまうという軽薄な倫理観が惜しい。ワイヤーで吊られる同僚は怪我で済むし。 この作品だけに八つ当たり知ても仕方ないのだが、人の死を使わなければホラーやサスペンスが作れないという短絡から脱却したいものだ。 子役の演技や、人形の気味悪さは非常に上手に描けているので加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-11-11 22:33:03) |
15. すずめの戸締まり
《ネタバレ》 細かいツッコミどころはさておき、前向きな人生観に感銘を受けた。 ・何と言っても、最後に、母を無くした幼少のすずめを励ますシーン。「どんなに悲しくても、ちゃんと大きくなる。未来なんて怖くない。」未来に不安を覚える多くの迷える少年少女(年齢にかかわらず)に希望を与える真っ直ぐな言葉。 ・(駐車場に現れた左大臣のせいで?)キレたおばさんの一言はひどくはあるが、それはそれで本心でもあった。自転車のシーンで、あえて否定はせず、「それだけやないとよ」(他にも沢山良いことがあったよ)、と、綺麗事にせず清濁あわせて前向きに捉えた仲直りが良かった。 全体を通し、災害をテーマにしつつ、人生なにがあるかわからないが、今日一日でも、一時間でも、生きたい、というポジティブな方向に振り切っている。細かい設定の伏線回収不足など気にならず、清々しい映画であった。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-09-24 22:44:06) |
16. 君たちはどう生きるか(2023)
《ネタバレ》 主人公・眞人は、父親が軍需工場関係者で、戦時下においては極めて裕福で恵まれた環境、おそらく甘やかされたボンボンであろう。 貴重な食事も「おいしくない」。継母の夏子にはなじめず、自傷により学校で暴力を受けたかのような偽装をするような「悪意のある」少年である。 しかし、眞人は結局、危険を犯しながら下の世界に乗り込んで、行方不明の夏子を助け出す。夏子からは(本心の叫びとも言える)あんたなんか嫌い、との罵声を浴びても、結局「夏子お母さん」と呼ぶまでに精神的成長(社会的順応?)を遂げる。 ところで「君たちはどう生きるか」という吉野源三郎の本は、作品中に書籍として登場するが、本作のストーリーとは関係ない。(「風立ちぬ」や、「君の名は」でもそうだが、勘違いを引き起こすから、題名だけの借用は、やめたほうがよいと思う) 母親に贈られたこの本を読んで涙していたことから、感銘を受け「自分はどう生きるか」を自分なりに考え、なにかを決意したことは、したのであろう。アオサギと友達になったことも一つの成長か。 ただ、単なる「眞人君の成長物語」であれば、なにも戦時中というどぎつい時代を選ばなくても良かったのではないか。 この映画が、鑑賞者の我々に「君たちはどう生きるか」と問いかけているかというと、そのようには、思えなかった。主人公のおかれた状況があまりにも我々の日常とかけ離れすぎて、むしろ「同感力」が追いつかないというのが本音だ。 むしろナウシカやもののけ姫のほうが、強いメッセージ性を持って「君たちはどう生きるか」と問いかけていた。 大叔父が石の積み木の力で支えている異世界は、都合よく、最後に滅んでしまう。バルス! 主人公家族は、焼夷弾の降る危険な東京ではなく、終戦後の東京に帰る。経済復興の予感だ。 あえて宣伝費用を削り、「予備知識無しで見るべき」と秘密のベールを醸成して私のような「ネタバレをネットで見かけるまえに早く鑑賞せねば」と焦る観客を動員した手腕は、商業的には成功している。 グッズ販売の売上に貢献しそうなキャラクターである「ワラワラ」や、キモかわいい7人の老婆のお守り等も作り出し、この作品は、私に「君たちはどう売るか」をむしろ問うている。 [映画館(邦画)] 1点(2023-07-15 17:55:11)(良:2票) |
17. さかなのこ
《ネタバレ》 普段はこういう映画はあまり見ないのだが、Dream何とかいうポッドキャストで、茂木健一郎さんがえらく褒めていたのでNETFLIXで鑑賞。 うーん・・・やっぱり私には合わないかな。 母親と同居して、途中から一人暮らしになった? なんで友人のデートに乱入した? など、よくわからないシチュエーションがいくつかあり。 最後に海に飛び込んで魚になってしまうところは、知らない人なら、「あれ、このひとって、溺死したんだっけ」って思うのでは。 [インターネット(邦画)] 2点(2023-07-11 22:49:06) |
18. リトル・マーメイド(2023)
《ネタバレ》 ハリー・ベイリーの歌声を聞くために見に行ったので、ストーリー上のツッコミ所はたくさんあれど、あまり気にならなかった。 ウィル・スミスが主人公の映画もたくさんあるのだから、ウィル・スミス似の女優が主人公の映画もあったって、いいんじゃないの、と思う。 最後に無理やり人間界と人魚界の融合についての大いなるテーマをぶちあげて終了、というのは、なんだか「リトルマーメイド2」を予感させる商業的な目論見を感じさせ・・・ないか。 [映画館(字幕)] 7点(2023-07-10 13:02:19) |
19. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
《ネタバレ》 任天堂のゲームをやり込んでいる人が喜ぶオマージュが随所に散りばめられ、往年のファンにはたまらない作りになっている。ただ、マリオが任天堂初出場したのはドンキーコングであり、その確執の歴史から言えば今回のようにマリオがコングと初対面、というのは少し違う気がした。 牢獄で光る緑のキャラ(故宮博物院の白菜?)が放つ皮肉な哲学は、薄気味悪くも、ある意味で真実を語っており秀逸。 [映画館(吹替)] 5点(2023-05-21 22:05:08) |
20. THE FIRST SLAM DUNK
《ネタバレ》 原作を全く読んでいなかったが、この機会に読破。 井上雄彦の画力はバガボンドでよく知っていたが、前作品であるスラムダンクは1巻を見れば全くといっていいほど別人のよう。しかし作品を重ねるに従い、私がよく知っているあの画風になっていく様子は、主人公の成長とも相まって非常に面白かった。 (まぁ、北斗の拳とか、こち亀とか、たいてい1巻の絵は面白いんだけど・・・) 漫画の話はさておき、この作品は映画館で見て良かった。バスケットボールの弾む音や、バッシュのゴムのきしみ、そして、長い静寂など、映画館でなければ味わいにくい迫力と臨場感がある。 井上雄彦のそもそもリアルな画で脳内に出来上がっていたものが、生命を得て動き出したかのような感銘を受けた。これぞアニメーション。 鉛筆画が動き出すオープニングは、単にかっこ良いだけでなく、セル画のアニメを経てCG等の技術の進歩を暗示しているようにも思えた。 [映画館(邦画)] 7点(2023-04-30 03:01:34) |