1. エベレスト 3D
実話が元になっているという事でリアルで非情な内容でした。映像は美しくかつ山の無常さがひしひしと感じられた。 この映画で思い出したのは2017年に起こった高校生山岳部の雪崩事故(8人が亡くなっている)その日は雪崩警報が出ていたはずなのに「通例通り」の登山講習会が行われて事故が起こってしまいました。 誰も警報を確認しなかったのか?「止めよう」とは言わなかったのか?「通例だから」と無思考で無責任の果てに生徒達が死亡する(親はたまったものじゃない) 極限の場所では一瞬の判断が生死を分ける。それを誰もが忘れていけない。 「これまで大丈夫だったから明日も大丈夫」と思ったらおしまいなんだよな~と痛感しました。 [地上波(字幕)] 6点(2022-03-05 22:01:00) |
2. 王になった男
《ネタバレ》 王と瓜ふたつの人物の入れ替わり、というありふれた題材だろうとあなどっていたので予想以上の映画でびっくり。逆によくあるテーマをしっかりとした「観せる」映画にしてくれたと思う。役者の安定感も素晴らしく、簡単に王妃を恋に落ちたりする安っぽさもなく、ちゃんと品のある王宮映画になっている。他の方のレビューでもあったが「説明しすぎない」のが良い。ここはしっかりと観客を信用しているという映画陣の度量を感じる。最近の映画は説明しすぎ・言葉にしすぎだ。素晴らしい音楽を聴いて感動するシーンにおいて「みんな感動していた」なんて説明のセリフがあっては「観客を信用していない」ので野暮なんである(役者の演技も信用していない事になる) [地上波(字幕)] 8点(2022-01-03 15:26:37)(良:1票) |
3. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 数年前に大海原に一人取り残された事がある。乗ってきたボートが私が泳いでいるのに気付かず発進したのだ。すぐ引き返してきたのでほんの1、2分だったがあの孤独と恐怖。足の下は地のない底なしの世界が広がるあれを味わった身としてはライアンに感情移入しまくり。あの恐怖の中でよくあれだけ行動できたよ。すごいよ。「いつ死ぬか分からないけど今日私は死ぬの」の感覚も分かる。内側から開けられない冷凍庫に入った事があるから。ドアが閉まっていると分かった時、「1時間後にあなたは死にます」の現実をつきつけられる恐怖。ジョジョという漫画の2部でカーズの最期を思い出しても恐怖が沸いた。早い段階でマットが退場するので、途中でライアンが死んでマット側に切り替わるのでは、と思っていたので余計に怖かった。マットがやってきた時は彼が死んだ時かもしれない。大気圏突入で「焼け死ぬか分からないが良い旅だった」というのは人生の事だと思う。宇宙で一人「死ぬのが怖い」と言っていた彼女が死の覚悟をしているのは最後まで諦めなかったからではないだろうか?ガンジーの言葉「あなたの行動で世界は変わらないかもしれないが世界にあなたが変えられない為の行動なのだ」死は変わらなくとも「諦めなかった自分」と「諦めて無気力で死んだ自分」とでは絶対に違う。最後のシーン重い重力の中で立つライアン。あれはマットとの会話「ここにいれば静かで安全だろ」を思い出す。重力とは生きていくうえでの苦しみや悲しみやしがらみの事かもしれない。娘を失った悲しみと苦しみは決して癒される事はないけれど、娘が与えてくれた幸せと喜びも決して消える事はない。だから地球に帰ってくるのだと思う。たとえ死んだとしても。 [地上波(吹替)] 9点(2021-11-13 19:34:39) |
4. アリー/スター誕生
《ネタバレ》 最初は敏腕プロデューサーが才能のある女性をスターに祭り上げて利用する話かと思ってたけどそうじゃなかった。アリーの話じゃなくてジャックの「男性版ジャニス・ジョプリン」の物語だった。ジャニスファンの私としては号泣もの。ガガは平凡なウエトレス時代からオーラ全開。「自信がない」と言ってもあのオーラではな~;純粋にキラキラ目を輝かせて力強く前を向いて歩いていく。一方ジャックは才能のあるスターなのにいつも俯いて自信なさげ。去っていかれるのが置いていかれるのが怖くてどんなファンにも要求にも頷いてみせる(プリティウーマンはひどかった;あんな下手な歌手に歌わせるなんて;あんなにラリッてもジャックの演奏は完璧でどんな時にでも「ミュージシャンとして腕は一流」である事が一発で分かる)アリーは写真を撮ろうとするファンを殴りつけてでもジャックを守ろうとする。そりゃあジャック惚れちゃうよ。結局、彼女の足を引っ張りたくなくて逝ってしまう。ジャニスの運命を知っている自分としては途中から「止めてくれ~遠くに去るだけにしてくれ~」と心の中で叫んでいたがダメだったか…チープな物語と感じる人もいるだろうがある程度大人になると分かるんだよ。「自ら命を絶つ人の多くは優しい人」なんだって事が…(T_T) [地上波(字幕)] 8点(2021-10-02 21:23:38)(良:2票) |
5. ハドソン川の奇跡
《ネタバレ》 いぶし銀映画でした。ヘタに感動させようとか、過剰な演出があるわけでないのに機長の苦悩が淡々と伝わってくる。望んでもいないのに勝手にヒーローにまつりあげて落とす世間と航空会社。時間軸が結構とぶけど混乱しないのはすごい。 現場にいる人はその時その時に最良の決断をしようと必死なんだよな~にしてもシュミレーションやった人が●●回目って…;大呆れ; (しかもこれから何が起こるか分かっている訳だし調査委員会ひどい;しかもそれがばれたら機長もちあげてごまかしかい~) 機長は最後まで「私だけでなく、みんながいたから助けられた」と決して奢らない態度が光る。 40年間つみあげてきた経験と乗客を助けたいという自分の行動が間違ってなかったと確信できて本当に良かったです。 命を預かる仕事って本当に厳しい… [地上波(吹替)] 8点(2021-08-02 17:42:09) |
6. パラサイト 半地下の家族
すごい映画を観てしまった…韓国映画を観慣れている人ならそうでもないかもしれませんが、私は衝撃的ストーリーでした。脚本、カメラワーク、俳優の演技、どれをとっても一級で賞をとったのも納得の作品です。ある程度歳をとると感情の波が分かってくる分、半地下の家族の感情が理解できる。どんなに惨めな生活でも家族で支え合い笑いとして昇華して耐えてきた家族。でも、金持ち家族に寄生して見えてくる「現実の格差」が笑いにできる限界を超えてしまう。破綻してくる展開になってから辛かったです。 今、世界中が閉じ込められている気分を味わっています。だから理解できる人も多いはず。閉じ込められていると人間病んできますよね。地下のあの人の凶行はそこから来ている。そして父親の凶行も… 基本、寄生する側って宿主のことを考えません。でも、本当に「寄生」しているのは半地下の家族でしょうか?1%の人間が世界の富の80%を所有している社会的構造をみれば「金持ち家族」が99%の「貧乏家族」の富を詐取している、とも言える訳です。だから宿主(貧乏家族)のことなど考えない。家族がある、過去がある、感情があるとも思っていない。それがあの「無防備」という形で現れているのかも。 ラストはみんな分かっているドリームです。でも、それをみせてくれたのは優しさだったと思います。それが世界にも必要なのかもしれません。 [地上波(吹替)] 8点(2021-01-09 00:42:02)(良:2票) |
7. マッドマックス 怒りのデス・ロード
マッドマックスとタイトルのついた映画は数十年前にテレビ放送を観たきりでそれ以来観ていませんでしたが好きな女優さんにつられて鑑賞。創り上げられた狂気の世界っぷりがすごい。これは他の星の神話なのだと思って鑑賞するとしっくりきました(監督もそのつもりで描いているのではないだろうか?)マックスは彷徨えるヘラクレスでありユリシーズな訳です。そう考えると最後にマックスが去っていくのは必然なのだろうな~ [地上波(吹替)] 7点(2020-09-13 13:09:41) |
8. MEG ザ・モンスター
《ネタバレ》 「B級パニックサメ映画」と一言で言ってしまえる映画でしたね~B級パニック映画は映画ではなく、アトラクションと考えて鑑賞すればまあ、そこそこ満足できる(アトラクションなのだから映画館でこそ観るべきなのかもしれない)サメ映画は名作「ジョーズ」があるから製作陣はそれを超える映画をつくるのは諦めているのかもしれません。だから娯楽アトラクションに力いれるしかないかも。それでドンドンでかくなるのかな?メガちゃんの最期ですが「弱ったところを他のサメに食い殺される」のは弱肉強食の自然界を感じさせてよかったです。でもな~でもな~思っちゃうんですよ。名作「ジョーズ」のような上質のサメ映画でないのかな~って;普通の人間が金がないからしょぼい設備で自然界のモンスターに立ち向かわなければならない絶望感と使命感と緊張感が感じられる映画が;金がありふれてますね、と言わんばかりの物量作戦じゃなくて「知恵」で立ち向かう映画がさ~もう一度観たいんだよな~; [地上波(吹替)] 5点(2020-08-09 18:36:47) |
9. 映画 聲の形
鑑賞後に違和感を覚えていましたが、何に対してなのかよく分かりませんでした。他の方のレビューでそれが「社会の問題なのに個々の問題であるかのようなすり替え」をされているような印象のせいではないか、と思いました。いつでしたが障害を持った方が「私は感動製造機ではない」と訴えていたのを思い出しました。社会の問題を「自己責任論」にすり替えて美しいオブラートに包んで誤魔化されたような違和感だったのかもしれません。 [地上波(邦画)] 4点(2020-08-01 18:43:07)(良:1票) |
10. ジュラシック・ワールド/炎の王国
《ネタバレ》 アフリカ旅行で実際に車の真後ろを象が通った時の感動「恐竜歩いてる~」と思いましたよ。作中で恐竜みて感動している人も同じなんだろうな~と思いました。あまり期待せずに恐竜鑑賞を目的とするならば、まあ、それなり…;にしてもやっぱりいかんよな~恐竜映画をB級パニックしちゃう脚本…;自然を支配できると勘違いして愚行を繰り返す人間の醜さを描きいれたいんだろうけど、他にやり方あるだろ~オークションはいらんのよ。オール島舞台で恐竜をサンクチュアリに移動するプロジェクト話でいいのよ。プロジェクトの困難を乗り越えつつ、その中で各々の野心や立場が交錯する話でいいんだよ;最終的に1頭しか移動させられなかった…人間の無力さを思い知る…みたいなのとか…(舞台を島から移すから緊張感がなくなってしまった。エイリアンも宇宙船という閉鎖空間だからいいように)次回作があるなら熟考求む! [地上波(字幕)] 5点(2020-07-25 13:19:57)(良:1票) |
11. オーシャンズ8
サンドラ・ブロックとケイトお姉様のカッコよさをひたすら楽しむ映画でした。「45ドルも持っているんだからどこでも行ける」自由を抱きしめて刑務所出て行く姿からノックアウト。ライダース姿のケイト様には思わず「踏んで下さい」と言いたくなりました。 オーシャンズと違ってこちらは全女性グループ。獲物もジュエリー、セレブのパーティー会場とゴージャスずくし。 計画は上手くいきすぎてちょっと肩すかしかもしれないけど(カルティエは女性を警護するのに女性SPをつけないとか)野暮な事は言わないで華やかさを楽しむべし。ちらりと覗く「どこかで女性を見下している風潮」への皮肉が効いてる。 ダフネに対する「胸の大きな女は頭が悪いという偏見」なんてもろじゃないでしょうか? セクハラ問題で風穴開けたハリウッドの女優達に心からエールを送ります。 [地上波(吹替)] 7点(2020-07-11 20:37:20) |
12. カメラを止めるな!
すごく話題になっていた映画ですが、元々「話題に~」の映画とは相性がよくない事が多い私はあまり期待していませんでした。ゾンビ映画、最初の30分をのりきれ、制作予算300万円、役者ギャラなし、の情報で鑑賞しました。 この映画に高評価を与える人はスクリーンに映っている映画だけでなく、制作スタッフ含めた丸ごとの「映画」を愛している人だと思う。監督や役者、脚本、美術、スタントンマンなど裏方の事を考えて観る人達(「この美術スタッフ良い仕事してるな~」なんて思っちゃう方々。映画をエンターティメントとして捉えるか、芸術作品、として捉えるか、の違いかもしれません) そりゃチープなところもありますよ。脚本の筋がしっかり通っているとは言い難い。だけど「才能もお金もなくても映画に対する愛はいっぱい」をこんな風に見せられると心が動いてしまいますよ~ これは「素晴らしい映画」というより「愛すべき映画」のような気がします。 [地上波(邦画)] 7点(2020-02-15 15:13:15)(良:1票) |
13. ジョジョ・ラビット
《ネタバレ》 久しぶりに素晴らしい映画を観賞したな~と思いました。ストーリー自体はよくあるものかもしれませんが、一人の少年の視線を通した「狂った時代」の残酷さを美しい映像と無駄のない脚本で丁寧に映像化していたと思います。「狂った時代」では命や日常がなんの理由も前触れもなく簡単に奪われていく。母親の死さえも。母親の息子に対する思いは「愛」と「恐怖」の混じった複雑なもの(愛する息子であると同時に、レジスタンである自分をいつ密告するか分からないナチなのですから)ですが、ヨハンソンは見事に演じていました。大尉の言動ですが、彼が同性愛者であった事を考えるとよく理解できると思いました。恋人はおそらく常に付き添っていた部下でしょう(羊飼いのシーンで示唆されていました)ナチス政権はユダヤ人の他に同性愛者や障害者も虐殺していました。大尉自身、自分を偽って生きる事を強要されていた一人だったのです。だから勇気をもってレジスタンス活動をしていたジョジョの母親を心の中で尊敬していたと思うのです。最後の戦いで恋人(部下)と死ぬ覚悟で挑むも、恋人だけが死んだのではないでしょうか。だから勇敢に戦って処刑された尊敬すべき女性の息子を命がけで助けたのだ、と思います。大人は子供を守るべきなのに、子供に平気で爆弾を付け、銃を渡すドイツ女性との違いを鮮明に感じました。最後にジョジョの親友が生きていて本当にほっとしました。 [映画館(字幕)] 8点(2020-02-02 11:55:23)(良:1票) |
14. キャロル(2015)
《ネタバレ》 ずっと気になっていた映画でしたが、やっと鑑賞。二人の女優の圧巻の演技力を見せつけられました。誰もが認める大女優のすごいオーラ。それに飲みこまれない若女優もすごい。激しいやりとりがある訳ではないのに「退屈」なんで感じることがまったくない。ギリギリまで削り取ったかのような脚本も、二人の女優の演技力があったればこそでしょう。いや~すごいわ… 男性で「フェロモン垂れ流した」みたいな表現をする事がありますが、キャロルはまさにそれでした。女性であんなに気品あふれる魅力フェロモンムンムンな方初めてみたわ。そりゃ若いテレーズはイチコロでしょう(あんな美しい妻は旦那も手放したくないでしょう) 途中まで「友情か愛情がわからない感じで最後までいくのかな?」と思っていましたが甘かったです。そんな中途半端な映画じゃございませんでした。美術も隙がなく久しぶりにクオリティの高い真の恋愛映画を観た気分です。 [DVD(字幕)] 9点(2019-09-07 22:04:58)(良:1票) |
15. キングダム(2019)
原作未読。原作漫画は三国志や中国の時代劇文化・芸術が大好きな自分にとって、いつか読んでみたい作品ではあります。が、発行冊数にくじけてしまうので「完結してから…」とのばしのばしになっております。そんなところに邦画映画化。世界観を知るにはいいかな~と思いつつ観賞しましたが、予想通り「及第点」可もなく不可もなく。アクション歴史ロマンストーリーのお手本のような作品。アクションは申し分ないですが、やっぱりその分物語の「深み」はでなくなってしまいます(時間的にも予算的にも難しいところでしょうが)原作はこれだけの長編で支持されているなら、人間ドラマがしっかり描かれている筈。原作者が言うには「武力による統一は否定する」らしいので、原作の最後がどうなるのか興味があります(つまり、それまでの物語を全部否定するわけですから)それら原作の深さは映画には感じとれませんでしたかね。 そうは言ってもさほどレベルは低くなく、ベタなお話を観たいなら十分お薦めできるレベルです(終盤出てきたハルクばりの敵兵はいらんかったと思う)壮大なストーリーの序盤としての役割は十分果たしており、普通に続編を望んでしてしまいます。 お話だけなら7点つけたいところですが、音楽がちょっと…でしたので残念ながらマイナス1点; 山崎賢人君目当てで行きましたが観終わってみると吉沢亮君のファンになっていました。すまん…; [映画館(邦画)] 6点(2019-05-02 17:18:24) |
16. ジュラシック・ワールド
これ、映画館に観に行ったんですよね~子供の頃から恐竜が大好きで(ジュラシックパークは本当に嬉しかった) パニック映画になる筈だから、スクリーンで恐竜の迫力を味わいたい、と思いまして;正解でした;ストーリーには期待していませんでしたのでまあ納得していました。でもね~地上波放送で再観賞して思いました「登場人物がバカじゃないパニック映画って作れないのかね~?;」と; [映画館(吹替)] 6点(2017-08-06 23:09:13) |
17. フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
《ネタバレ》 話題になっている小説、というので小説を読んでから観賞したのが良かったのか、私的には好印象。性癖の話が出てきますが、「性」に悩んだことがある人なら、結構、ぐっとくる映画なんではないでしょうか? ここまで極端でなくとも、普通の恋人同士でも「好きなんだけど性の相性が…」と悩む人もいるでしょう。「性」は「性格」と同じくらい大切だし。 「性」の不一致を普通の女の子がどう乗り越えるのか?その問題を普通に正面きって描いてみせたのは画期的だったかもしれません。 まあ、イケメン男のハーレークインっぷりは笑えましたが、内容がハードなのでソフトにする要素と考えれば許容範囲か?; 一方アナちゃんは可愛くていいですね~ちょっとあかぬけてないところが無防備っぽくていい。 処女だった彼女ですが、性に真剣に目覚めていく様は「少女→女」になっていく過程を見ているようで、応援したくなりました(契約交渉のシーンとか「フレーフレーアナちゃん」)でも、まだ「男を手玉に取る大人の女」にはほど遠い、といった感じが初々しくて良かったざんす(私しゃオヤジか;) [DVD(字幕)] 7点(2016-12-19 22:45:09)(笑:1票) |
18. オール・ユー・ニード・イズ・キル
「ギタイ」は「もののけ姫」のタタリ神からヒント得たっぽい。原作は日本のライトノベルらしいし…(日本好き?;) [地上波(吹替)] 4点(2016-09-02 23:41:44) |
19. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 話的にはよくあるSFストーリーでしたが、脚本の妙と映像と音楽の美しさは素晴らしかったです。「静」なカメラワークは個人的に好みで、最近、動きすぎな画面にうんざり気味だったので嬉しかったです。元カメラマンだったスタンリー・キューブリックを思い出させました。 もしかしたら「カメラマン」的な仕事や勉強をしたことがある人なのかも。 人類存続の他に「男女の三角関係」がからんできますが、なんで最近のSF映画は「愛」をいれないと気が済まないんでしょうか~ 万人の共感が得やすいのかもしれませんが、そこから脱出しないと「マンネリ感」からの脱出は無理な気がします。 「エイリアン」「アンドロメダ」「2001年宇宙の旅」のような容赦ないSF映画がまた観てみたいな~と思いました。 [地上波(吹替)] 7点(2016-08-27 22:34:10) |
20. リンカーン
一見、地味な映画ですが中身はすごい人間ドラマでした。「人種差別」といういまだに解決出来ていない問題を真っ向から立ち向かった人々の軌跡を描いている。この時代「差別は間違っている」と堂々と言う事にどれだけに勇気が必要だったか。ましてや国会で取り上げるなど、本当に命がけの行為です。 観賞するにあたっては、ある程度の予備知識は必要とされる大人の映画。 まず、米国で一番傷になっている戦争は第二次世界大戦ではなく南北戦争なのです。生活している場が戦場になったのですから。 どれだけ奴隷が冷遇されていたか知るには「ルーツ」というドラマがお勧めです。 大統領という巨大な権力を持ったとして元は一人の人間。リンカーンの孤独と苦悩がひしひしと伝わってくるようでした。 しかし、なんといってもトミー・リー・ジョーンズの存在感がすごい。 「私はこの修正案を通すためならどんなにののしられようと構わん」 卑怯者と言われようがいくらでも泥をかぶってやる。これが本当の信念と覚悟ってやつですね。 自らのプライドを優先する人はただの見栄っぱりのお子ちゃまです。 派手な戦闘シーンやアクションなどをウリにしたチープな映画があふれかえる昨今、こういった良質の映画がもっと作られて欲しいな~と思います。 [地上波(字幕)] 8点(2016-04-16 21:54:00) |