1. 007/ロシアより愛をこめて
前作ドクター・ノオで若きコネリーを初めて見て、ダンディな英国紳士なはずの007のその初代が意外にアクが強く(ギョロ目・口デカ・眉毛男)驚いたのだが、見慣れると案外ハマる。ホレたかも(笑)。映画はまあ古臭いんだけど、前作に比べるとぐんとスパイ映画らしくなり、ヘリコプターからの逃走劇などアクションも本格的になった感じ。金髪・マッチョ・無表情というソ連の敵キャラってこのあたりが原型なんだろうか。顔を見せずペルシャ猫を抱いた「No.1」、「No.3」の怖いおばさん、「No.5」の不気味な男と、他の敵キャラもしっかり描かれている。細工かばん等スパイ小道具も出てくるし。ただ、古いながら楽しめると言っても、最後のベニスの合成はかなりがっかり。普通にロケできるロンドンとかでいいじゃんよ。と思ってしまった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-06-20 17:06:08) |
2. 007/ドクター・ノオ
じいさんになってからのコネリーしか知らなかったので、007の記念すべき第1作ということより、若きコネリーを見たくて観た。あらら、じいさんになってからの方がかっこいいじゃん、あの眉毛も若い顔立ちの中ではやたら気になってしまい、目や口が妙に大きく、スマートな二枚目と言うにはかなりアクが強い印象だ。眉毛だけでなく胸毛も濃いなあ…。そんなながらキャラ立ちは実にしっかりしており、まさにこれが007の原型なのだなあ、と感慨深かった。例えば帽子をコートを掛けるスタンドに投げる所作、その後しっかりその側まで歩いていくので、かっこつけのためのかっこつけ以外の何物でもないんだけど、これってかなりパロられてるんじゃないだろうか。ローワン・アトキンソンのジョニー・イングリッシュにもあったし。かっこつけてなんぼの007だし、眉毛コネリー(しつこい)もやはりハマリ役なんだろう。このかっこつけも、女たらしも、それでいて非情なのもサマになってるからね。お話はまあアレだし、アクションも今の目で見ると地味だが、当時これで人気が出てシリーズ化したのは納得。このキャラはなんだかんだ言って男のロマンだもんなあ~(って私は女だが)。あと、意外にカラー画面がきれいだった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-05-18 13:51:38) |
3. サイコ(1960)
《ネタバレ》 おお、よく考えたらこのオリジナルをレビューしてなかったな。最初に観た時はまだ子供で、シャワーのシーンなんか思いっきりびびりました。でも、子供過ぎて、オチがよく解らなかったんですよね。え、だって他に誰もいないとこで、お母さんと対話してたり、死体見つけてショック受けてたりしたじゃん。とか言って、どうも「1人になっても自作自演する精神異常(多重人格)」が理解できなかったのです。かなりしつこく両親に質問してたと思います。せめてここが理解できるようになってから観るべきでした。なんで、元祖サイコ系どんでん返しは全く堪能できなかったのですが、優れた作品であることは確か。その後何度か観ましたが、実に計算された作りだし、なんといってもホプキンスのノーマン・ベイツは映画史に残るキャラクターでしょう。キンキンキンってあの効果音も抜群です。そうそう、私はあの「丸ごとコピーラジー賞受賞リメイク」に、本作に対する怒涛のような愛を感じて(笑)好感をもったものです。ここを含め各映画サイトのレビューを覗くと、本作を観ないでリメイクを観た人たちが割とリメイクを高く評価してることが判ります。本オリジナルが今の時代でも充分通用する証拠ですね。 [地上波(字幕)] 8点(2009-05-12 16:10:11) |
4. 猿の惑星
《ネタバレ》 発想(設定)の面白さと衝撃のオチ、それだけっちゃそれだけの気もするけど、やっぱ初見の時はやられた!と思った。。。小学生だったけど。。。にしても自由の女神は偉大だ。全世界共通で「地球」を象徴させれちゃうんだもん。東京タワーや通天閣や厳島神社の大鳥居だったら日本人以外には判んないもんな~。 [地上波(吹替)] 7点(2009-04-01 13:20:14) |
5. 太陽がいっぱい
キリ番の200レビュー目なので昔から好きだった映画にしておこっと。やっぱドロン。ドロン。ドロンですがな~~(すんません)。最初に観た時はまだ小学生だったと思うが、やられた。あの上目遣いに手のひらにキスするシーンなんて背筋がゾクっとした。本当の色男って言うのはこういうのを言うんだなあ。やっぱりこの時のこの人ってのは単なるハンサム君じゃないんだよね、私なんか好みでいえばスティングやサム・ニール系の顔だもん。でもやられてしまったし。これはフェロモンってやつか?ヒロインとか魅力なくって、「ドロンのプロモーション映画として撮られた」ってのにも納得してしまうのだが、実は!ちゃんと映画としてもすごく面白かったりする(ってもう名画の誉れ高いので、実は、でもなんでもないんだけど)。ああばれちゃうよう、逃げ切ってくれ!!というハラハラ感もあるし、破滅の直前で終わらせるラストなんか実にいい。原作には「リプリー」の方が近いらしいけど、これはもう別途に完成された作品。音楽も名曲、邦題も秀逸、名画にふさわしいと思う。 [地上波(吹替)] 9点(2009-03-28 11:16:30) |
6. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 初鑑賞の時はまだ子供で、「不能」がよく解らなかったこと、ラストで正に息を呑み、心臓がバクバクして眠れなかった記憶がある。さて、もう少し大きくなってから実話ものであること、そして衝撃のラストも事実に基づくこと、クライドが不能なのはフィクション(実際はバイセクシャル)とを知った。そこでまず感じたのが反感「実在の犯罪者、しかも強盗殺人という重い罪を繰り返した犯罪者をこんなにスタイリッシュに描いていいのか?!」、そして恐怖「あの蜂の巣にされるのが実話なんて・・・」。が、反感の方は大恐慌と禁酒法の暗い世相から、うっぷんを晴らすようなボニー&クライドが、凶悪犯罪者にも関わらず、義賊的に扱う支持者が多かったのもまた事実と知り、色々考えさせられてしまった。そういう事実があったなら、あの描き方でいいのかもしれないけど、やっぱり美化してるような…ここんとこの結論は出ない。なんかもやもやしたままだ。「クライドが不能」ってフィクションは中々に上手いんじゃないだろうか。犯罪そのものが2人を繋いでいたことがより強調される。それから衝撃のラスト…蜂の巣にされたってのは事実なんだから何を言っても仕方ないが、あれが今でも怖くて怖くて仕方ないのは私だけ?何が怖いって生け捕りにせず、公開処刑(見せしめ?)よろしくあれを実行したアメリカって国が怖いというのもあるが、そんな理屈を抜きにしても単に怖いのよ。銃弾飛び交うアクションなんか、腐るほど観てるのに…。万人に強い印象を残す、という意味で衝撃の実話をそのまま持ってきたのは映画としてコレクトなんだろうけど、あのラストがかっこいいように言われてるのが(そしてそれを意図して作ってるように思えるのが)、なんかどうもね。エステル・パーソンズのアカデミー賞受賞演技は流石。生存していた本人が怒ったらしいけど。私としては評価の難しい映画なのだが、点はとりあえず「印象度」で高めにしておく。 [地上波(吹替)] 7点(2009-03-06 13:09:53)(良:1票) |
7. 鳥(1963)
《ネタバレ》 動物パニックの原型となる映画のようだが、この時代にして流石の出来だ。印象に残るのはジャングルのシーン。あれは上手い。カラスが一羽舞い降り、何羽か増え、次のショットで黒だかりになる。マジで背中がぞわっとした。そして静かになった鳥の中を脱出していくあのラスト。この不気味さの演出が本当にいい。ただ、恐怖演出の1つとは思うが、個人的には「理由」が最後まで解らないのは肩透かし。まあ、「密造化学兵器のガスに影響されて・・・」なんてオチだったら極めてチープになっちゃうけどね。 [地上波(吹替)] 7点(2009-03-04 13:15:06) |
8. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 母お勧めの往年の名画の中で珍しくこれは心底面白い!と思えた作品。そういえばこれってラブコメでもあるんだなあ、私はラブコメってあまり興味ないカテゴリなんだけど、「古き良き」作品の魔力なんだろうか。あ、でも同じく古き良き時代のラブコメ、ローマの休日は私にはもう一つだったから、それだけでもないな。なんといってもジャック・レモンがかわいい!していることはしょーもないのに、「不器用人間の憎めなさ」とでも言いましょうか。度を過ぎないコミカルさもいいし。割れたコンパクトで、自分が思いを寄せていた女性が上司の相手だったと気付く・・・あそこなんか切なくっていいよな~。それにこの映画は、「不倫」「上司の不倫を出世に利用」なんて言葉にしたらかなりあれなことを描いてるはずなのに、こうも上品に粋にまとめるってすごいと思う。キスシーンさえないぞ(笑)。家庭を捨てたというのに最後に振られる上司が可哀相なんで、ヒロインの方には好感が持てない(シャーリー・マクレーンは魅力的な女優だが)が、主人公に感情移入してしまうので、素直に良かったね~と思ってしまうハッピーエンドである。最高。 [地上波(字幕)] 9点(2009-03-03 13:40:14) |
9. ロミオとジュリエット(1968)
【おばちゃん】さんのレビューにもあるが、当時としては解釈や手法が斬新過ぎるという声もあったと聞く。バルコニーを高低のあるデザインにし、動きをいれながら演技させて躍動感あるものにしたところなどがそれらしい。またそれまでは、要求される演技力の問題もあり、思春期の少年少女という配役がなかなか出来ず、ロミオもジュリエットも大人の役者がやっていたが、大胆に十代のハッセーとホワイティングを起用。これも相当話題を呼んだとか。 いや~それにしても!このハッセーのかわいさときたら!ただのかわいいではない、オーラというのか、思春期フェロモンというのか、少女から女性になる境界線の独特の魅力が爆発してますな。私の中のジュリエット像はもうがっちりこれで固定されてしまったものだ。対してロミオのホワイティングは(私的には)ただのハンサム君という感じなんだけど。とにかく私にとっての「ロミオとジュリエット」はこの作品そのもののイメージとなった。「でもこれって新解釈なんだよなあ、いつかは“正統派”のロミジュリも観たいなあ」などと思っていたが、月日は流れ、“画期的”ディカプリオ版が登場し、すっかりこの作品がロミジュリの正統派、ということになってしまった。結局、私は未だこれより以前に作られた作品は観たことがないんだけどね。とにかく名画であることは間違いなしです。 [地上波(吹替)] 8点(2009-02-12 13:35:12) |
10. 卒業(1967)
《ネタバレ》 純然たる恋愛ものはあまり観ないのだが、これは昔から大好き。いやね、この主人公が「貧乏な中奨学金を取って苦学して優秀な成績を収め、しかしながら経済的なことを理由に恋人との仲を引き裂かれてしまう」なんて設定であっては、かえってだめなんですよ。まあ、教会の花嫁奪取のあのシーンだけ先に知ってこの映画を観る人が多いので、そういうのを期待しちゃうみたいだけどね。でも、それだったら面白くないよ、きっと。金持ちのボンボンが、優秀な成績を収めたのに卒業後仕事を見つけずだらだらして、かつて淡い思いを抱いた同級生(だっけ?)のお母さんに誘惑され関係までして、そのくせ同級生を諦めずに果てはストーカー行為。で結婚式にまで乗り込む。字にするとこんなミもフタもない状況なのに、なぜか感情移入させてしまうところがすごい。イケメンとも言えないチビ(失礼)のダスティン・ホフマンの起用が良かったのか。悩める若者、っていうのはこんなもんだからかもね。思えば強引過ぎる結末なのに、それが許せちゃうのはやっぱり名画なのだと思う。音楽も最高だし。 [地上波(吹替)] 8点(2009-01-13 13:48:35) |