1. クリープショー2/怨霊
1作目を観たのでついでに鑑賞。前作に続き、怪談調のホラーでそこそこ面白かったです。それぞれの話は前作より作りこんでいる感じだし。ただ「つなぎ」のアメコミを、完全なアニメにしてストーリーテラー仕立てにしていたのは、いまひとつ。前作の方がよかった。いかだの話、やっぱりHを仕掛けるとこは突っ込みどこなのねぇ、、、この状況で、その気になるかよ~って。不死身のヒッチハイカーは、案外浮気な有閑マダムの良心が見せた幻覚かなぁ、って、この映画にそんな意図は無いか。でも1話目とかちょっと教訓的だし、サクっと観るにいい映画だけど、深読みしてみるのも一興かと。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2011-11-09 21:06:44) |
2. クリープショー
《ネタバレ》 インパクトで言えば、確かに第5話のゴキブリなのですが、大量発生モノ(これは第2話もそう)ってどちらかというと、パニック映画と一緒で、ザワザワ~っとくるものはあっても、あまりきつくない。きつかったのは残りの方。だって、残り3話のうち、1つが父殺しで2つが妻殺しですよ。まあ昔の作品だから、墓からのゾンビも、海からの幽霊も、箱から出てくるゴリラ?も絵的には全く怖くないのだけれど、精神的な負の要素を強く感じて、こちらの方がキングの真骨頂のような気がした。極めて陰湿な砂浜埋め殺しとか(これを裸の銃のレスリー・ニールセンがやってたのも印象的!)、怪物話を聞いてすぐ妻殺しを思い立ち、友人を眠らせる機転?とか、やっぱコワイ。アメコミ誌を題材にした構成は中々面白く、プロローグ・エピローグも私は結構気に入りました。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2011-10-03 21:34:01) |
3. 13日の金曜日PART2
《ネタバレ》 なんでもリメイクを観るにはPART2も抑えとかなくちゃいけないとかで、観ました。やるな、と思ったのはは1作目であれだけ頑張って生き残ったアリスを回想シーンの後に即座に消して、主役チェンジする容赦の無さですね。最近の某ホラーでもこのパターンがありましたが、これが原点なのかな? で、肝心の本編なんだけど、殺人鬼ジェイソン登場、パターンの確立といった位置づけの映画ということなんでしょう。まあ、怖くはないので、ホラーとしてどうかっていうと、面白くないです。ママのふりをするとこなんかは、ストーリー的には面白かったかな。ホッケーマスクが3からだということを知ったので、まあ3くらいまでは観ておこうかなっと。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2011-09-26 13:54:03) |
4. 13日の金曜日(1980)
子供の頃すごく話題になっていた記憶があり、確か斧のシーンは瞬間的にテレビで紹介されたような気がする。子供心に観たくてたまらなかったが、月日が流れ、TV放映などになっても機会を逸してしまい、結局最初に通してみたのはジェイソンX。まあ・・・もう定番を逆手にセルフパロディで好き放題やっているという世評は知っていたので、それなりに楽しんだが・・・。やはり「原点」はホラー好きとして、抑えておくべきだろうと、一作目から鑑賞することにした。リメイクも興味があったので、そのまえに観ておきたかったし。で、前置きが長くなったが感想。やっぱもう、現代ホラーで目が肥え過ぎて(?)おり、全然怖くない。脅かし方もスプラッタ表現も、ああこんなのが当時は話題になったのだなぁ、と。が、サスペンス仕立てのストーリーにも破綻が無いし、若きベーコン兄がヤラレ役で出てたりと、つまらなくはなかった。また、こういう「殺人鬼が若者を1人1人血祭りにあげるホラー」のパターンを確立したことに敬意を表し、おまけの+1点。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2011-09-17 15:06:53) |
5. ロッキー3
《ネタバレ》 1作目をこよなく愛する私。1・2作目はテレビで何度も鑑賞、ロッキー4は変なポリティクスが入った設定にがっかりしつつ劇場に足を運んだ。何故か本作と5を観たことがなかったが、4作目が思ったとおりのがっかりな作品だったし、どちらも評判が悪いしで観る気がしなかったが、「ファイナル」のあまりの評判の高さに、まあ未見の3・5を観てからにするか、もう4でがっかりしきっちゃってるからこれ以上がっかりもするまい、と鑑賞することにした。 まあ4よりはましだったとは思うが、突っ込みどころ満載ですな。 目がやばいんじゃなかったんかい、10連勝って…「栄光と挫折」の作りにしたかったのはわかるが、いやはや強引。ビル・コンティのスコアに乗せたトレーニングから試合、エンディングは黄金のパターンと言えるけどね(でもなあ、波打ち際で戯れる2人の筋肉男なんて見たくないぞー)。ミッキーが死ぬのも安易だし…。 ミスターTの頑張りは評価できる。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-08-05 16:53:14) |
6. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
鑑賞した当時、前作の終わりに出てきたto be continuedを信じていた。つまり、前作製作時よりすでに本作の構想が練られてたのだと思った。そう信じさせてしまうほど、よく出来ていた。つまり「単発ものだったが、1作目の評判が良かったので2作目を作った」というよくある二匹目のドジョウ狙いだったにも関わらず、そうは見えなかったのだ。タイム・パラドクスは前作より複雑になるのだが、きちんと説明されていて、前作とのつじつまがきちんとあっていて、すきがない。しかも説明の必要なSFで陥りがちの「説明くさくなってテンポが悪くなる・エンターテイメント性が薄れる」という現象まったくなしに、それが出来ているだから大したもの。面白さのレベルが全く落ちてなかった。まさかあれ(to be continued)ただの冗談だったとは…。でも、確かによくよく考えれば、もし始めから企画されてたのなら、配役に変更があるはずないもんね。前作と同じ点(9点)をつけたいところだが、個人的にこの「配役変更」の部分で-1。私は「怪優」クリスピン・グローバーをかってるので、ジョージ・マクフライは彼しかいないと。って彼が降板させられたのって、主役並みのギャラを要求したからだとか何とか^^;ということはクリスピンが悪いんだけどね。マーティンのガールフレンド役の降板はなんでだったのかな?あともう1つケチをつけると、本作の最後に今度は本当に予定されていた3作目の予告がついてたが、こういうのは嫌い。あざとさを感じてしまう。To be continued…not jokeとでもした方が良かった。 [映画館(字幕)] 8点(2009-05-20 13:06:29) |
7. プロジェクトA
私に映画館で映画を観ることの面白さを教えてくれた作品。自らの小遣いで映画館に行き始めた頃は映画鑑賞ってのは、えらい贅沢だった。1本観れば1ヵ月の小遣いの半分はなくなってしまうのだから。洋楽小僧だったので、レコードレンタル(最初の頃はCDじゃなくLPだったのよ)とかカセットテープとかFM誌(これも時代もんだな)とかに小遣いを費やしてた私には、映画は行きにくかった。でもこれを観て、映画は映画館で観てこそ!と思った。映画館に行ってこれほど満足した作品は後にも先にも無いんだけどね。最初から最後まで全く飽きさせることの無い、徹底したエンターテイメント。ジャッキー・チェンの映画ってこんなに面白いんだ!と正直びっくりした。名画と言われる作品はテーマ性の高いものが多いけど、娯楽映画だって面白さの水準がこれだけ高い映画なら名画と言えると思う。私の映画鑑賞史(うーん、オーバーな言い方だが)で非常に大きい意味を持ってる映画という個人的な理由もあるが、計算された作りでエンターテーメントという点において非の付け所がないので満点献上。 [映画館(字幕)] 10点(2009-05-13 13:50:52)(良:1票) |
8. ザ・フライ2/二世誕生
まあ、前作のストーリーから「Ⅱ世誕生」の続編が出来ることは全く自然な流れなんだけど、なんとなく作って欲しくなかったような。でも映画はまずまず面白かった。前作以上に突っ込みどころも沢山あるんだけど、見所も多いし、ラストもあんなもんでしょう。7点でもいいのだが、前作と差をつけたいので6点ということで。 [地上波(吹替)] 6点(2009-05-11 13:33:36) |
9. シャイニング(1980)
うーん、期待しすぎちゃったかなあ。大体子供の頃観れなかった話題のホラー映画ってのは、もうすんごい怖いものだという、一種の憧れがあったりするし、何しろ本作は今でも評価の高い映画だし。いや、怖いんですよ、あの血の濁流と不気味な双子の心象風景は(しかも無音でいきなり現れるってのがすごい効果)。もう背筋がぞぞぞぞっ。最初にあれが出てきたんで更に期待が高まったんだけど、あれ以上にインパクトのあるシーンはなかったんだな。幽霊だか幻視だかわかんないバーテンダーも、昔家族を殺したらしい男も、ボール・ルームのお客たちもなんか普通だし、くまの着ぐるみの男なんて不気味と言うより意味不明なだけだし、ホラーなメイクを施した風呂の女なんて、ただ時代を感じちゃうし。それに、ジャック・ニコルソンの演技は上手いとは思うんだけど、キャラが元々強過ぎっていうか、最初から危ないモードぷんぷんなんで、おかしくなって切れてもそれほど怖くないのよ。こういうのはあんまり「はまってる」ようなキャラの役者を使うより、正と狂の落差を感じさせる優男みたいな方が、かえっていいんでないかなあ。奥さん役にも同じことが言えて、元々が“おののき顔”の女優さんなんで、どうも恐怖が伝わってこない。なんで、サイコ・サスペンスな部分も今ひとつ。まあ映像は皆さん言われるように綺麗だし、「だだっ広い閉塞空間」ってのはなんか怖いなあ、あれじゃ気もおかしくなるかなあ、ってのはよく出てるんだけどね。今度原作でも読んでみるか…。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-04-22 13:13:18) |
10. 天城越え(1983)
ストーリーは清張の名作だから、悪くなりようがありません。ミステリーの形をとりながら、謎解きより緻密な人物描写に力点がおかれてるので、役者は映像化における最重要ポイントでしょう。本作と大谷直子のNHKのTVMと、ついでに田中美佐子が演じたTVドラマも観ていますが、本作の田中裕子はなんか発するオーラが違うんですよね。演技力はよく考えると皆さん(演じた当時で)それほど変わらないと思うし、大谷さんも美佐子さんもそれなりの雰囲気は出してたんですが、本作の手ぬぐいを姉さんかぶりにしてそぼ濡れた田中裕子の、背筋をなぞられるような、色気というのか気だるい魅力というのか、なんとも形容しがたい吸引力にはかないません。取調べの壮絶なシーンも印象的ですが…。少年時代の主役も思春期の少年らしく良かったですね…ってこの時22歳なんですか!いや、撮り方が上手いんだろうなあ、ううむ。トンネルや霧雨など天城峠の日本的な映像美も素晴らしい名作。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-20 13:21:40) |
11. となりのトトロ
大学生の時に初めて観たんですが、良かったですねぇ。明らかに子供向けなのに、心がコトコト揺り動かされるような感じでした。観たことのあるジブリの作品の中では一番好きです。正直、ナウシカのメッセージ性などは、なんか心に響かなかったので。この作品のメッセージは、自然に伝わる感じです。ある大阪出身の友人が鑑賞前に「めっちゃいいねん、何がいいって無いんやけど、とにかくいいねん。はっきり言って、どってこと無い話やねん、子供の空想世界みたいな、でも何がいいって解らんのやけど、とにかくめっちゃいいねん!」と言ってたのを聞いたのですが、鑑賞後、このボキャブラリーの少ない(笑)評が、なんて的確なんだろうと思ったものです。大阪弁の表現力は時々ツボをついてますね~。ちなみにあの都市伝説を聞いて少し怖くなったのですが(バカ)、製作側はその意図は全く無いと、はっきり否定してるそうです。安心。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-18 13:05:42)(良:1票) |
12. 黒い雨
原爆投下直後の広島の町の描写もかなりのリアリティで怖いが、作品は「黒い雨」を浴びたことによる二次被爆を中心に描いている。核兵器は言わずもがな大量破壊兵器であるが、それと同時に静かに体を蝕む「見えない兵器」の面もある。直接被爆はしていない、ヒロインの抜け毛という形でそれが見えるものになる、この描写には背筋がゾッとした。昨今は若者が右傾化し、核兵器を持って強い国になろう!という意見も見かけたりするが、核兵器の使用というのが何をもたらすのか解って言っているのだろうか?爆発の直接被害のみならず、人の体の奥まで入り込み、静かに人間を破壊する放射能兵器というものの恐ろしさを。核兵器に肯定的な人には是非観て欲しい映画だ。また本作では被爆者差別も描かれている。はだしのゲンでも「ピカの毒がうつる」と避けられる被爆者差別の描写があったが、「ピカの毒」の得体が知れなかった以上、避けた人の気持ちも解る気がする。所謂「無知が生む差別」に対しては正しい知識を広めることが先決だが、当時は二次被爆などの害ばかりが形になって現れ、正しい知識など得ようが無かった。ここの問題も描けていると思う。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-15 13:41:26) |
13. 悪霊島
原作、本映画化作品とも評判が芳しくないのだが、私としては、今のところこれまで観た金田一ものでは、一番好きな作品。これは当時のCMの出来が中々良く、Let it beをバックに数場面が映し出され、ピタッと音楽が止まって「悪霊島。鵺の鳴く夜は恐ろしい。」というおどろなナレーションが入る、というものだった。これは怖くて面白そう!観たい!と思ったものだ(実際に鑑賞したのはTV放映)。CMや予告編で期待させられた映画は往々にして期待を裏切られるものだが、狂言回しの古尾谷雅人が、時代背景をビートルズにかこつけて語る冒頭からよく出来ており、適度にグロくてシュールな世界観が充分楽しめた。岩下志麻、公開年から計算すると40歳か…きれいだよなあ。鹿賀丈志の金田一が良かったのも意外だった。彼はなんだかんだ言って二枚目俳優だと思うが、三枚目ぶりがちっともわざとらしくなく、意外に(失礼)演技力のある役者だと思った。ま、犯人はすぐ解ってしまうが、本作は時代の変遷による価値観の変化なんかを織り込みながら、犯人の人物像や、動機を解明していく過程や、おどろおどろした世界観を楽しませてくれる作りになっているので、犯人当ての楽しみがなくても面白い。ただ個人的に、Let it beを聴くと「人の腕をくわえて走る犬」(確か本編ではLet it beはこの場面ではかからない。CMのみ)が頭に浮かぶようになってしまったのは悲しい…。 [地上波(邦画)] 7点(2009-04-14 13:11:01) |
14. ナインハーフ
そもそもエロティック映画の意義ってなんなんでしょうね。○かせるだけならAVでいいわけだし。チャタレー夫人とか、青い体験なんかは「抑圧されて弾ける性愛」「思春期の性の目覚め」などという、性を描くにしても特化したテーマがあるわけで、それなりに理解できるんですが、本作の場合、結末まで観て、え?それで終わり?何が言いたいんだよ、と思ってしまった覚えがあります。大人の性愛そのものがテーマっちゃそれまでなんですが。映画の題名であるナイン・ハーフ、9週半が恋愛が最も恋愛らしくある期間・・・それを言うためにその期間のエロティックをじっくりみせる作品・・・う~む、主演俳優たちの当時の年齢に程近い今になっても、「だから?」とか思っちゃったり。まあ俳優の旬のセクシーさを見せるってのも目的の1つなんでしょうね。でも話題になった部分を考えると、社会現象的には前戯紹介映画だったような気がします。でもま、私にとって、この映画の最大の意義はホット・ショットという名コメディでパロられたこと。あちらで爆笑しながら、つくづく本作を観ておいて良かったと思いました。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-04-08 13:27:47) |
15. トップガン
まあ、こういう映画は旬のヤング・スターの旬のカッコよさをいかに見せるかが目的だから(アイドル映画と一緒)、あまり内容のクサさとか薄さをどうこう言っても、そんなの解り切ってやってるんだろうし、戦闘をカッコよく美化するのだって「まあ反戦野郎がうるさい位だろ」ってなノリだったんだろうな、と思う。金かけた甲斐あって興行的にも大ヒット、トムは女の子をきゃーきゃー言わせて大スターの仲間入りを果たし、戦闘機マニアも大喜び。ま…いくらアメリカでも、今だったらこうは上手くいかないんじゃないかな。当時十代の私は、と言えば音楽が良さそうなので興味もあったが、Danger zone聴くためだけに小遣いはたくのもなあ、と映画館に行くのは止めておいた。正解だった。サントラ聞いてりゃ充分。ただ私にとって、この映画の最大の功績は、ホット・ショットというパロディの傑作を生んだこと。あちらが笑える人なら、予習に観ておいて損はない。 [地上波(吹替)] 4点(2009-04-08 13:24:29) |
16. 青い珊瑚礁(1980)
話題作でしたね~。いや~きれいです、海もシールズも。甘っちょろく生活出来てることなんぞを突っ込んではいけません。南国の島の映像美と十代の美しい容貌・肢体、これを堪能出来るだけで充分なんです。アイドル映画ですもん…それに本作、アイドル映画と言ってもそんじょそこらの日本のそれとは比べ物になりません。アイドルの容姿のレベルが格段に高いことも、十代半ばのアイドルがかなりちゃんと脱いでくれることも、金かけられるところも、まったくもって羨ましい限り(ホント、惜しげなく見せてくれた15の少女にラジー賞なんて大人気ないよなあ)。それにトロピカルな映像美のみならず、赤ちゃんの水泳とか、おおっ!頑張ってる!ってシーンもありますしね~。でもストーリーもあまり手を抜きすぎちゃいけません、「島の反対側の部族」とか、引っ張り出したものを中途半端にしたのはNGですな。 [地上波(吹替)] 6点(2009-04-07 13:12:38)(良:1票) |
17. 戦場のメリークリスマス
騒がれていたのは、豪華キャスト、音楽、そしてテーマの1つに同性愛を盛込んだため?印象度は確かに高いのだが、結局何が言いたいのかよく解らなかった。反戦ものでもなさそうだし。公開の頃に大島監督のインタビューが雑誌に載ってて、何と言うか、自己解説というより自画自賛って感じだったのを思い出したが…戦争という普遍のテーマを扱いながら、わからん奴は頭が悪いと言わんばかりの小難しげな映画を作るって、何か好感が持てなかったなあ…。難解っぽい振りをして、かつ欧米から見た日本軍の印象を「利用」して、自分の好きな世界観を作っただけ、という意見を聞いたが、その辺が当たらずとも遠からずなのかも。教授も、あのメイクを含めてなんかいかにも作られたキャラになってたし、相手にもミュージシャンを配したあたり、えらく狙ってる感じだし。教授の音楽とたけしの存在感+ラストのセリフは印象的でした。 [地上波(邦画)] 4点(2009-04-03 13:07:00) |
18. 銀河鉄道の夜(1985)
宮沢賢治は児童文学の巨匠とされるが、「児童」の頃何作か読んだ印象としては、筋は追えるものの、感性的に難解でひどく置いてけぼり感をくらうイメージが強く、この映画の原作も、その例に漏れなかった。長じてからストーリーをぼんやりとしか覚えていない状態で本作を鑑賞したわけだが、意外なことになんともすんなりと世界観が入ってきたのである。またこれも意外だったのだが、この「猫」のアレンジで感情移入しやすくなってたのにも驚いた。鑑賞後、原作を読み直した。映画はなかなか忠実に、そして実に解りやすく世界観が映像化されてるのが解った。あの置いてけぼり感はもう無かった。そして何作か他の宮沢作品も読み返してみた。のめりこんだ。私は宮沢賢治の童話は「大人のための童話」なのだと思う。無論感性の強い子供が読んでも入り込めるのだろうが、大人が触れるとあの世界観がまた違った感覚で入ってくるような。この映画は原作を愛する人のイメージを損ねずかつ、作品を解りやすくするという、ある意味での「映画」としての機能を果たしている作品のように思う。宮沢賢治の世界への「導入」として打ってつけなのではないか。子供も大人も、宮沢作品をどこか敬遠している人に、かえって勧めてみたい映画。 [地上波(邦画)] 7点(2009-03-27 13:12:09) |
19. ザ・フライ
SFとして、そこらじゅうにいる雑菌のDNAは混ざらないの?!とか、突っ込みどころは数あれど、 ジェフ・ゴールドブラムの怪演光る異色ホラーの名作。化け物になっていく自分に苦悩しつつ、天井を這い回りながら「誰にだって変身願望はある」とか恋人に言って、実はちょい楽しんでたりもするシーンは笑っちゃうんだが、結構そんなもんかもと思えたり。でも結末は悲劇、そしてあのラストはやはりよく出来ている。まあ映像表現は、えぐいっちゃえぐいけど、そこが見所でもあるわけで。でも私が一番気持ち悪かったのは、「変体」の様より、あのコーヒーに砂糖をとめどなく入れるところ。あれにはまじで吐きそうになった。思えば、ああいう印象を残す表現も上手いということだ。敵役かと思ったストーカーおじさんが意外に役に立ったりで、キャラ立ちもしっかりしていた。 [地上波(吹替)] 7点(2009-03-24 13:19:20)(良:1票) |
20. 風の谷のナウシカ
《ネタバレ》 何度か観てるけど、世間の高評価とあわせ、なんともおいてけぼり感の強い作品です。一応面白いことは面白いんですが、肝心?のメッセージが今ひとつ伝わってこないというか、胸に響かないというか。しかも「メッセージ性の強い作品なんだろうな」いうことは感じるので厄介です。筋も大体は解るんですが、オババの語る伝説に合わせてナウシカが生き返る?とこが…本当に生き返ったのか、伝説をナウシカに重ねて幻想を見せてるだけなのかがよく解んなくって、ラストで感動より、思いっきり置いてけぼりでした。あと、ナウシカの幼少期のトラウマの場面もわかり難くて。初見の時すでに世評が固まってたので、期待しすぎたのもあったんでしょうが・・・。なんとなく、私にとっては、深遠なテーマを入れた感動物であるより、小国のお姫様が大国の侵略に立ち向かう活劇だけの、もっと単純な作品だった方が良かったように思えました。 [地上波(邦画)] 5点(2009-03-23 13:23:22) |