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プロフィール
コメント数 618
性別
自己紹介 【好きな映画】
★ヒューマンドラマ系
★恋愛
★コメディ
★推理・サスペンス・法廷
★アニメ
★その他、心がほっこりする・ワクワクする・揺さぶられるものなら何でも。

【苦手な映画】
×ホラー・スリラー
×暴力系・ヤクザやヤンキー系
×アクション
×アイドルが主演
×ハードボイルド
×見せ場が女優の裸だけの80年代日本映画
×映画の質よりも興行成績だけを意識したハリウッド映画

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1.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
これは笑えました! 「世間のバカ同盟」が引き起こす馬鹿馬鹿しい出来事にさすがのCIAもお手上げ、全身整形の費用を支払って面倒事を終わらせてしまうエンディングが最高でした(笑)  登場人物はみんなバカで、巻き起こす事件はくだらないのに、でもドタバタコメディーじゃないんですよねー。 劇中の人物目線だと、それぞれが必死のハードボイルドな世界、でもそれを俯瞰で見ることで笑いになる。また、コントのようなセリフや大げさな動きで笑いを誘うのではなく、普通のセリフ・動きがおもしろく見えるように演出する。こういうコメディー、とても好きです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-06-23 00:12:46)
2.  マイ・ブルーベリー・ナイツ 《ネタバレ》 
やっぱりウォン・カーウァイはいいですね! この映画も、ウォン・カーウァイ独特の映像世界に音楽がピッタリと合っていて、とてもカッコ良かったです!  ただ、見始めてしばらくは「恋する惑星」や「天使の涙」の印象が強烈に残っていたせいか、最初は映像と英語&アメリカの組み合わせに違和感を覚え、慣れるまでに少し時間がかかりました。  ストーリーだけに焦点を当てると、登場人物の掘り下げ方や展開等に物足りなさを感じるでしょうが、もともとウォン・カーウァイ作品の魅力は、映像・音楽・ストーリーのバランスの良さ。これ以上のストーリー濃度は、かえって作品の良さを損なうような気がします。  個人的には、ラスベガスへ向かう時の風景が「テルマ&ルイーズ」のような乾いた雰囲気で、とてもステキに映りました。このシーンを見せるためだけにアメリカを舞台にしたのかと思えるほど。そして、手を振りながら2台の車が別れていくシーンが、この映画の中で一番好きでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-04-17 21:01:07)
3.  ルート225 《ネタバレ》 
ラストシーンが「帰れない」ので、あれっ?と思いましたが、だとしたらいろいろな解釈ができると思います。「まぁいろいろあったけど、姉弟の絆も深まって、元の世界に戻ってめでたしめでたし・・・」では、あまりにも普通過ぎますよね。なぜ結末が、元の世界に帰れないというすっきりしない設定なのか。そして、弟の「ひとりじゃなく僕たち2人一緒にこの世界に来たのは、絶対何か理由があるはず」というセリフが、この映画を読み解く鍵なのでは?   エリ子ひとりではなく「エリ子と弟の2人」にとって、AとA´との世界の大きな違いは「両親に会えない」ということ。つまり、元の世界に帰れないのは、もしかしたら「両親が突然死んでしまって、もう会えない」という現実を、「パラレルワールドに迷い込んで両親に会えなくなった」という空想の世界に置き換えて表現しているのでは? だとしたら、「2人一緒にこの世界に来た意味」や「帰れない=もう両親に会えない」につながるなーと思いました。 この話そのものがメタファーなのかもしれませんね。  そろそろ親離れする微妙な年齢である15歳。最初は、クールでいること・カッコつけることが大人・・・という、あの年頃特有の背伸びの仕方で、弟にも途中「カッコつけてるんじゃないよ!」とキレられますが、最後の電話では両親への思いを泣きながら素直に母に伝える・・・。そして弟も、いじめられていた八百屋の息子に全力でぶつかっていく勇気・・・。 素直な心と、困難に立ち向かっていく勇気があれば、ラストの、東京駅で別れる2人のように、どんなに辛い状況でも、笑って一歩前に進んでいける・・・的なメッセージが込められていたのかもしれません。 最後の電話も、ほんとにもう帰れなかったからこそ、観終わったあと、あのシーンが一層感動的に感じられるんですよねー。  タイトルも「エリ子、15歳!」などではなく(笑)、15の二乗というのは、人間って、今の自分(15歳)に明日の新しい自分(15歳)が掛け合わさることで成長していく・・・というようなこと・・・かな?  ルート225=国道225号線、テレビのニュースの悪徳こけし業者やソーセージ=15歳の“性”長とか、隠喩的にも見えますが、自分には、あれは単なる「小ネタ」のように思えました(笑)
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-11-22 23:30:03)
4.  そして、デブノーの森へ 《ネタバレ》 
すごくいいですね! テレビの解説には「出会った女の罠にハマって、すべてを失う男の話」のようなことを書いていたし、いきなりきれいな女優さんの裸・・・という流れだったので、安っぽい映画かと思い、まったく期待していませんでしたが・・・ 実は、自殺した親友との友情を描いた骨太のヒューマンドラマでした。  途中、エヴァが主犯でミラが利用された・・・みたいな煙幕が張られるものの、どうみてもエヴァは脇役で、ミラがある目的を持ってダニエルに近づいたとしか思えない展開です。ミラは、ダニエルが、父・ポールの作品を盗作して名声を得たと思って、本の印税を脅し取り、結果的に破滅させるのですが、真実を知ったミラ、ラストシーン、そしてこのタイトルの意味がわかった時は、あまりの哀しさと美しさに声も出ないほどでした。  最初は、「鑑定士と顔のない依頼人」のような話っぽいので、どうしてもミラの正体にピントを合わせて観ちゃいますね。でも真実がわかって、ダニエルの視線でこの映画を見直すと・・・ 女好きのアホなおっさんと思っていたダニエル、実は骨のある、不器用だけど男気にあふれた、いいヤツじゃないですか!(ただ、奥さんはかわいそうでしたが・・・) 最後、すべてを知ったミラが、自殺したダニエルのことを「偉大な作家」と呼び、警察官に見せられた写真を見ながら「ポールは?」と聞かれ、「さあ・・・」と答える時のミラ、そして墓地に舞う原稿・・・最高に美しかったです!  話の根底には、ユダヤ人問題が重深く関わっています。自分にはその辺りの知識がほとんどないので、しっかり調べてもう一度見直せば、さらにこの映画の素晴らしさがわかると思います。何気なく聞き流していたダニエルの父の「火星人のジョーク」も、実は伏線というか、前フリだったんですね。 他にもいろいろとその後の展開を示唆するセリフやシーンがていねいに練り込まれた、良い映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-11-22 23:27:10)
5.  WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース
映画の命は脚本であることを再認識させられる、見事な出来栄えでした! 低予算丸出しのチープな映像でも、有名な役者がいなくても、脚本と構成、そしてセンスが一流なら、充分に楽しめる映画を作れる、映画制作を志す人にとってお手本のような良作です。  序盤、アヤしい薬を飲んで記憶を無くし、その間に何があったのかを探るという展開で、もし内田監督の作品と知らずに観たら途中でリタイヤしそうでした。でも話が動き始めたら目が離せなくなり、写真の裏の住所、大金、散らかった部屋、津田沼、牛乳、そしてサムライ等、前半に散りばめられたキーアイテムが次々と後半につながって、加速度のついた面白さで一気にラスト。山本くんの「がんばりましょうよ!」が沁みましたね。  なんてことない話を、見せ方の順番や視点を変えるだけでこんなにも面白くしてしまう、しかもこれがデビュー作という内田監督の才能に、ただただ感心するばかりです。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-11-05 00:52:51)
6.  悪いことしましョ!(2000) 《ネタバレ》 
悪魔に魂を売り渡すことで7つの願い事がかなう。世にも不思議な物語とか笑ゥせぇるすまんに出てきそうな話で、展開はだいたい想像がつきます。興味は、ラストをどのようにまとめるかだけでしたが、無難にハッピーエンドでめでたしめでたし・・・。 これといった見どころも特にありませんでしたが、面白くないこともないし、気軽に観られるので、ヒマつぶしとか重い映画を観た後の気分転換にはちょうどいい映画だと思います。  その程度の映画でしたが、観てよかったことがひとつだけ・・・。 この悪魔が相手ではどんな願い事もロクでもない結末に・・・そして願い事はあとひとつ・・・もし自分だったら何を願うか。「“世界が平和で、人々が思いやりの心を忘れませんように”かな?」 欲のかたまりのような自分が、マザーテレサのような願いを思い浮かべるとは・・・自分もまんざら捨てたもんじゃないなーと気付かせてくれました(笑) 最後の最後に何を願うか。そこで自分の本質を知ることができる(かも?)、そういう意味で一度観ることをオススメします。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-19 19:49:27)
7.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
この映画の解釈には「現実と妄想の混在」説と「別荘からはすべてサラの創作」説に分かれるようですが、自分的には後者に一票かな。どちらにしても矛盾点はあるのですが、細かいことは別にして、仮に前者だとしたら、普通過ぎてストーリーとしての面白さが無いと思ったので・・・。  いつもなら、難解な映画を観たあとは、解説サイト等を参考に「あーなるほど!」と思えるまで再鑑賞するところですが、この映画はそこまでするほどの興味が湧きませんでした。前述の通り、一応サラの創作説を採りましたが、違ってたら違ってたで、まぁどっちでもいいです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-10-18 18:15:36)
8.  告発のとき 《ネタバレ》 
とにかく、脚本・構成が素晴らしいですね。マイクの死の真相が見えてくるにつれて、この映画のメッセージも浮き彫りになってきます。すべてが明らかになったあと、気になるのはマイクから届いた荷物の中身。あまりに普通過ぎて「えっ?」と思いましたが、でもそれが「このような普通の人間の心を、めちゃめちゃに壊してしまう戦争の愚かさ」をより強調しているようでした。最後に、女性刑事が子どもにダビデの話を語るシーン、そして息子に代わってSOSの逆国旗を掲げる父親・・・映画として、見事な締めくくり方でしたね。  昔のアメリカ映画やドラマ等で、軍人だった父親のような人が“勇敢に戦った英雄”として、「正義のために戦うアメリカ」の象徴のように登場しているのをよく見かけました。でも今は、その勇気や正義が、結果としてイラクで子どもを轢き殺し、傷ついた捕虜をいたぶり、戦友を殺したり戦友に殺されたり・・・。社会全体の価値観は変わりつつあるのに、正義ヅラして戦争を繰り返すことの馬鹿馬鹿しさに気付かないアメリカへの警鐘に思えました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-13 20:35:43)
9.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 
彼を見捨てず支え続けたアリシアに感動! ナッシュがノーベル賞授賞式で感謝の気持ちを伝えるシーンでは涙がこぼれました。ビューティフル・マインド、これは彼の奥さんを表現したタイトルで、これを本当の「愛」と呼ぶんでしょうね。病に苦しみながらも、アリシアが一緒に人生を歩んでくれたこと。それが彼にとって最高の幸運であり幸福だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-02 22:50:33)
10.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 
現実だったら、家族や身内が泣き崩れたくなるほど深刻な心の病をテーマにしながらも、周りの人たちのやさしさに守られて、前半はコメディ要素も交えながら、ほのぼのとした心温まる雰囲気に仕上げています。特に、初めてビアンカを紹介した時の兄夫婦の「えっ?どうしたらいいの、これ・・・」という表情、最高でした。  ラースの心の病の原因は、出産による母の死。兄嫁の妊娠をきっかけに、心の奥に潜んでいた恐怖が心を支配しそうになったため、自己防衛本能が「人に触られると痛みを感じる」体を作り、「死への恐れを感じずに済む存在(=ビアンカ)」を求めてしまいます。  そんな彼の救いとなるマーゴ。彼女のやさしさと人間らしい魅力が、ラースの心に「ビアンカの死」という概念を芽生えさせ、「死」に対する恐怖心の克服、つまり彼の「心の修復の大きな一歩」へとつなげてくれます。  この映画の素晴らしいところは、彼の心の闇を必要以上に説明的にしなかったことで、ハートフルな雰囲気を保ち続けたこと。そして、こういう展開の映画ではお約束の、彼の心を傷つけるキャラクターを極力排除したこと。ボウリングのシーンで「コイツら、何かやらかすんじゃ・・・」という雰囲気満々で登場した彼らも、いい意味での肩すかしを食わしてくれましたね。  何気なく見始めたこの映画、思ってた以上に良質だったので、もう一度じっくりと見ようと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-07-25 11:40:05)(良:1票)
11.  リード・マイ・リップス
耳が聞こえないというハンディもあってか、いつも孤独を感じながら生きてきた女性が、刑務所帰りの男と出会ったことがきっかけでだんだんとたくましさが覚醒していく、最後は人生の次のステージに向かって一歩踏み出すことを予感させる話でした。 ムショ帰りの男との出会いや犯罪計画への加担はそのきっかけ程度にしか思えず、「恋愛映画」「サスペンス映画」として括るのではなくて、人生ちょっとこじらせ気味の女性にスポットを当てた「ヒューマンドラマ」に思えました。 ただ、たまたま鑑賞時の自分の気分と合わなかったのか、もともとフランス映画とは相性があまり良くないためか、肝心の見どころを見逃しているような、やや消化不良気味・・・。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-07-24 23:19:00)
12.  ぼくのエリ 200歳の少女 《ネタバレ》 
ラストの列車シーン、「オスカー、気持ちはわかるけど、そっちに行っちゃおしまいだよぉ・・・」とツッコミたくなりますが、でもこの結末が最高に美しいと感じました。ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが「堕ちていく美しさ」とはこういうことを指すのかなと・・・。  「彼も結局、エリのオヤジ役の男と同じ運命をたどる」的な意見もあるようで、それを否定するわけではありませんが・・・。 観終わった瞬間、これまでは生きるために、あのオヤジのようなオトコを必要としていたエリが、オスカーに出会ったことで、いつかは彼とともにこの世から去っていく・・・「心中で成就する悲恋」のような、近代日本文学などに見られる叙情的な精神性を描いた展開が思い浮かびました。 本格ホラーほどではないけど、やはりグロテスクなシーンが多い映画は苦手・・・と思いつつも、「見て良かった!」と思えたのは、このラストシーンがあったからだと思います。  普通のハッピーエンドとは違い、“やらかした”後の逃避行の末路には前途多難な将来が待ち構えていることを示唆する『卒業』と、『小さな恋のメロディ』の「このあとメチャ怒られるだろうけど、2人の気持ちがやっとひとつになって、それでいいじゃん」と思える雰囲気もあって、どんな後味になるかは見る人次第なのかもしれませんね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-22 16:56:47)
13.  once ダブリンの街角で 《ネタバレ》 
この映画は、主演の男性の歌が好きかどうかで評価は大きく変わると思います。 残念ながら自分の好みには合わなかったため、好きでもない歌手のアルバムのPVを見ているようでした。先日観た「はじまりのうた」がとても良かったので、期待が過剰になった分、落差が大きかったようです。 でも、街の雰囲気や早朝の海岸のシーンなど素敵な画も多かったし、男女の関係性の描写も上手かったですね。お互い意識し合ってるけど結ばれない、でも決して悲劇ではなく、それぞれの新しいストーリーがこれから始まるというラスト。単純なようですが、安っぽいドラマにならないところに、制作者の力量の高さが感じられます。それだけに、主演の歌に魅力を見い出せず、気持ちが入らなかったのが残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-17 17:44:33)(良:1票)
14.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!
中途半端どころか、こんな低レベルの出来に「ミュージカル」という言葉を使ってほしくないほどヒドかったですね。また、同じ人が作ったとは思えないくらい、各シーンごとのテイストがバラバラ。いろんな人のアイデアを単純につなぎ合わせただけのような印象で、ひとつのストーリーに織り上げる力の無さだけが目につきました。クレヨンしんちゃんの映画は、子どもが笑えば何でもいい・・・ではないと思うのですが・・・。 そもそもこの作品において、あの歌劇団の存在はどういう意味があるんでしょう???
[CS・衛星(邦画)] 2点(2019-04-20 20:38:55)
15.  南極料理人 《ネタバレ》 
最初は、変わり映えのしない日常を延々と見させられるのか・・・と不安になりましたが、飽きることなく最後まで楽しめました。 実際は過酷であろう南極での任務を、「家族」をコンセプトに、ほんわかとゆる~い、家族みんなで楽しめる内容に仕上げてくれました。 胃がもたれそうなから揚げを食べて、奥さんのから揚げ=家族での生活を思い出し、泣いてしまうシーン、すごく気持ちわかります! そしてラストの、てり焼きバーガーを食べて「うまっ!」、いいですね! 南極で、伊勢えびやカニやステーキなど、いろいろ美味しいものを食べてきたけど、そんなものより家族みんなで食べるジャンクなハンバーガーの方が何倍も美味しい!ということを、わかりやすく表現してくれました。  また「ペンギン、南極にはいないのに、でも千葉のレジャーランドにはおるんかいっ!」とツッコミを入れたくなるユーモア、自分の笑いのツボにハマっちゃいました! 他にも、伊勢えびのエビフライのアップ、何度観ても大爆笑で、一番好きなシーンです。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-12-30 14:17:32)
16.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 《ネタバレ》 
完成されない映画に引き込まれるという基本設定、そして場末のカスカベ座の不思議な雰囲気、西部劇の舞台、荒野・・・。全体に漂う乾いた雰囲気や世界観が、かなり気に入ってます!  向こうの世界にだんだん慣れて住人になっていく様子、実はかなり大人向けな内容なのでは? スター願望のあるみさえ、「いい子」でいることに疲れてそうな風間くん、好きなネネちゃんと暮らすマサオくん、独自の価値観で俗世間に染まらないボオちゃんなど、日常の世界で抑圧されていた憧れや願望が現実化し、閉ざされた世界でありながらも、ある意味、自分らしく生きる様子に、共感めいたものを感じた人も多いと思います。話の中では「帰りたくない!」を「それは本音じゃない」と扱われていますが、強がりではなく、心からの叫びのように思えます。(本音にしちゃうと、後半のカスカベ防衛隊の活躍につなげるのに面倒なことになるから?)  ヒーローに変身してからはいつものしんちゃん映画でしたが、もとの世界に戻ってきてからも、なぜ映画の中に入ってしまったのか、その意味は謎のまま。それは、ラストのひろしの行動にも表れていましたね。最後、みんなで帰ろうとした時、ひろしが「あっ、そういや何でこんなことに・・・?」と言いたげな表情で誰もいなくなった館内を振り返りますが、「まぁ、いいか・・・」とドアを閉めて、暗転終幕・・・。序盤の強制労働させられているシーンで、ひろしとマイクが「“映画”が、我々を呼んだのでは?」という会話があり、「でも何のために?」の答えは結局見つからず、それがラストシーンのひろしの表情につながっているのだと思います。  最後、ひろしがもう笑っていないのは「戻ってきたこの世界には、さっきよりももっとキビシイ“逃げ場のない現実”が待っている。」という大人向けのブラックなメッセージ、謎を解決しないことで「この話にはまだ続きがある」的なニュアンスを匂わせるなど、「謎も解けてスッキリ」という子供映画とは違う、大人向けの後味を残したかったのかも。(子ども向けのアニメ映画なら、しんちゃんがシロと再会して「めでたしめでたし」で終わっているんでしょう)  ただ、芸人たちが出てくるシーンは、大人の事情が見え隠れして興ざめ。エンディングのひどい歌には怒りすら覚えました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-07-11 17:09:55)
17.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 
これはいったいどのように観ればいいの? サイコ系? SF? ミステリー? デヴィッドリンチ?・・・と、なんだかよくわからないままに観ましたが、大筋のようなものがわかってくると、謎だった部分も「あっ、(たぶん)そういうことかー!」と、作り手の意図がいろいろと見えてきて面白いです!  内容を簡単に書くと、ドニーは「10月2日、この日に自分が生き延びると、10月30日に恋人のグレッチェンは車に轢き殺され、母親と妹は飛行機事故で死んでしまう」ので、彼は10月2日まで戻って愛すべき人たちのために笑顔で死を選択する、という話。そこに、物理の先生、死神オババ、精神科医などのセリフがうまく絡んで、話全体に深みを与えています。  もし10月2日にドニーが、飛行機エンジン落下事故で死んでいたらどうなるか。 次の日に転校してくるグレッチェンと出会わないため、彼女が死神オババの家に行くこともなく、従って彼女は死ぬことはなかったでしょう。また、自己啓発の人の家も放火されることなく児童ポルノもバレないので、ダンスコンテストの引率はおばちゃん先生が行き、母親も飛行機事故にも遭わず、母親がドニーを心配してコンテストが終わってすぐの深夜便に乗ることもなくきっと翌朝の便でゆっくり帰るので妹も死なない・・・。  さて、こういった「もしも」のストーリーを、どのように見せれば面白くなるのか。いろいろな演出アイディアを盛り込んだ結果、「あれれっ?ちょっと難解な感じになっちゃったかなー?」的な印象で、決して「狙った難解路線」ではないような気がします。個人的にはタイムトラベルなんか持ち込まないでほしかったですけど・・・。  最後にドニーに撃ち殺されるウサギ(フランク)以外は、おそらくドニー自身の精神状態を具現化したものでしょう。水道管を壊したり放火したりする自分の行動を正当化させたい意識の象徴だと思います。  まあ、こういう内容を説明的にわかりやすく見せたりしたら、ただの安っぽいSFヒューマンドラマになっちゃいますよね。画面に描かれたシーン、役者が語るセリフを、自分の中でどのようにつなぎ合わせるか。その組み合わせ方から、作り手の意図を感じ、理解する。そういう映画の醍醐味が味わえる作品だと思います。  「映画は映画館で観る」しか手段がなかった時代だとこういう作品は向きませんが、DVD等、自宅で簡単に鑑賞できる環境が定着化した現代、つまり「いつでも・何度でも・気になるシーンは繰り返して」観ることができるという新しい鑑賞環境が根付いたからこそ、こういう映画が生まれたのかもしれませんね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-28 14:39:23)
18.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
これはかなり面白いですね! もしあの時、こんな行動をしていたらという『if』の話、その表現手段が夢オチ・・・となると、普通はトホホな内容になってしまいますが、これはその類の映画の中でも群を抜いて面白いです!  窃盗団を裏切って仲間に殺されかけた女・ロールが、どうやら主人と子供を亡くしたらしい女性・リリーの家のベッドで目を覚まします。テレビのニュースが「夢で未来を見たら人生は変わるでしょうか」という、この映画の主題のセリフが流れ、そしてお風呂に入ると・・・。  その時の時間が3時33分。その後、結婚式が行われている教会の時計も3時33分、パパラッチが警察に捕まって取調べを受けている部屋の時計も3時33分。つまり、「これは夢の中のストーリー」であることを示唆しているのでしょう。また、窃盗団のリーダーが7年の服役を終えて出所すると、例の事件の日と同じ服で、シャツには血がついたまま・・・。これは、ロールが最後に見た彼の姿。これで明らかに「現実ではない」ことが示されています。 作り手が「これに気付く人はいるかな?さあ、これでわかったかな?」とニヤニヤしながら作っていた様子が手に取るようにわかります(笑)  ロールがリリーの自殺を止めた結果、リリーはニューヨークで新生活を送ることになり、引越しトラックの運転手にペンダントをプレゼントします。それが運命を大きく変えるラストへ。そして最後に、転んだロールをパパラッチが助けて「あれ?どこかで会ったような・・・」「夢の中でね」。映画におけるこういう遊び、大好きです!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-20 01:07:28)
19.  ゆれる 《ネタバレ》 
橋もゆれる、心もゆれる、兄弟の関係もゆれて画面までゆれる・・・。 西川監督の作品を観たのはこの作品が初めてで、その後、「ディア・ドクター」「夢売るふたり」も観ましたが、人の心理の揺れる様を描かせたら、日本で西川監督の右に出る人はいないんじゃないでしょうか? そしてこの脚本をさらに輝かせたのが役者たちの演技力。特に主役の二人は、もう「すごい!」という言葉しか出てこないほどの名演でしたね。  不自然な点は多々あります。橋の上での、智恵子の稔に対する態度。猛のことで気持ちがイライラしていたとしても、30歳前の大人があのキレ方はないですよね。また、昨夜寝た幼なじみが死んたというのに、あの猛の冷めた落ち着き、なのに間違った記憶で兄を有罪にしてしまうなど、普通のドラマだとありえないこと。でも現実の世界では、そういう不自然がいくつも重なって成り立っています。多くの人が思う「普通はこうだよね」通りの描き方は、2時間ドラマにおまかせしましょう。  ひさしぶりに観返して、この作品に対する評価はさらにアップしました。脚本は一切の無駄がなく、「これ以上はない」というくらいの見事な映像表現など、そのレベルの高さは、他の映画作品とは次元が違うように思えました。おそらく、数十年後でも、その評価は変わらないのではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-20 00:26:51)
20.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
まったく予期していなかった、突然の人生の終わり・・・。そりゃ悔いも残るだろうし、そのまま天には召せないよぉ!って抗いたくもなりますよね。この話、そういう目に遭った本人の無念さだけでなく、残された人たちの気持ちを癒してくれる映画なんだと思います。  このような題材を、「このサスペンスの真相は!?」とか「アン・ハサウェイ主演のラブロマンス!」など、興行成績を上げるための「一般ウケ」するカタチに当て嵌めてしまったために、鑑賞ポイントを間違えた人も多いようで、もったいないですね。  ラストにたどり着くまで、全体的にテンポ感やメリハリに欠けた印象で、せっかくのいいネタなのに、もっと上手い料理法で味わいたかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-08 15:09:30)
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