1. Pearl パール
《ネタバレ》 ホラーの怖さは人間の怖さを見せつけてくれる傑作。 クライマックスでパールの心の闇の告白をずっと聴き続ける義妹の心境はいかがなものであっただろうか? 「どうやってこの場を脱出するか」で頭の中は目まぐるしく回っていたと思うし、側から見ても精一杯の対応だったと思うが、逃がしてくれるはずもなかった。 オーディションに合格したことを白状させられた時は総毛立つ思いだったに違いない。合掌。 [映画館(字幕)] 9点(2023-07-07 16:40:49) |
2. 猿の惑星/キングダム
《ネタバレ》 見た素直な感想は「案外面白いじゃん」だった。 まだ続くのかこのシリーズはと言う印象だが、今度のは完全な新作で前のシリーズを全く未見でも問題ない。 今度の主役は若いノアと言うキャラクターだが、相変わらず表情も豊かで人間性?にあふれている。 自分に付きまとう謎の人間の少女メイを助けることになったが、彼女を通してプロキシマス・シーザーの言う「人間は信用ならん」と言う 言葉の意味を実感させられる事となる。 予告編は全く違いますね。あれはミスリードだ。本作は人間の恐ろしさや狡猾さが主体的に描かれている。 まだまだ猿の時代は訪れそうにない。次作も楽しみになった。 [映画館(字幕)] 8点(2024-05-14 22:11:41) |
3. TALK TO ME トーク・トゥ・ミー
《ネタバレ》 こっくりさんやウィジャボードの例を見るまでもなく降霊会なんぞやったらロクな結果にならないと言うのは常識だが、この作品もその例に漏れなかった。 だが、腕を握ると霊が現れ呪文を唱えると霊に憑依される(ただし90秒が限界)と言うのはなかなか新しいアイデアだった。 この霊に憑依される感覚がドラッグでトリップするかのように快感で、若者が熱中する。 しかし安易な気持ちでまだ幼い子供にさせたことが取り返しのつかない結果を招く。 ラストは「あー、そうなっちゃったかー」と言う重い結末。これは結構ダメージある。 結局のところ現れるのは悪霊しかいないと言う事だね。 最初の憑依で90秒を超えてた時点でミアは既に悪霊に取り憑かれていたと考えればその後の展開は全て納得できる。 それなりに見入ったので評価は高めです。 [映画館(字幕)] 8点(2023-12-23 22:35:38)(良:2票) |
4. インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
《ネタバレ》 予告編で感じた「ヌルさ」よりは面白かったです。 ハリソン・フォードももはやアクションは無理ですが、列車の屋根に乗ったり、馬に乗ったり精一杯頑張ってました。 今回は時空を超えるお話ですが、あのダイヤル自体に特殊な能力がある訳ではなく「時空の歪みの場所を教える」だけなんで盛り上がりには若干欠けるが、それでも時空を越える際に「どこへ出るんだ?」と言う緊迫感はありました。 全体的に過去作へのオマージュに満ちており、総集編的雰囲気が強いですが、特に1に回帰しようと言う明白な意思は感じられて好感は持てました。 クライマックスで「ここに留まる」とダダをこねるインディを殴って帰還するヘレナは良かったですし、ラストのあのやり取りも1へのオマージュにあふれてました。 7点にしたいところですが、ここで1点プラスします。 [映画館(字幕)] 8点(2023-06-30 21:32:01) |
5. ハロウィン THE END
《ネタバレ》 これはかなり意表を突かれましたね。 このシリーズは前2作がスプラッター&スラッシャー映画だし、本作で「ついにブギーマンとの決着だ」と言う作品を予想してたのに、蓋を開けてみるとブギーマンはほぼ出番なし、1人の善良な青年がブギーマンに堕ちるまでを描いてました。これは賛否両論だろうなぁ。でも見応えは充分あったし私は肯定したいです。 クライマックスで娘も暗黒面に堕ちるかと思ったが、結局おばあちゃんについたのはやはり彼のことを心から信じてなかったというか「こいつやっぱりヘンくね?」と言う思いがあったからであろう。最後にブギーマンときっちり決着をつけたのは素晴らしい。本当にこれで最後だろうねと言うことでおまけの8点を献上します。 ただし、また何か作ったらここに戻ってきて点数下げるよ。 [映画館(字幕)] 8点(2023-04-26 15:27:56) |
6. 呪呪呪 死者をあやつるもの
これ、韓国ドラマ「謗法(ほうぼう)」のスピンアウトドラマみたいですね。 私は全く知らず、映画が始まってすぐに「ん?何の説明もないが何かの続編か?」と思った。が、それは映画を見るにあたって特に障害にはならなかったです。 死者を操る方法があって、それによって呪いをかけられた人間が襲われる映画です。非常に単純なドラマなんで戸惑う事はない。 死者が動くんでゾンビみたいに語られているがゾンビではないです。極めて統率された行動を取る。 中盤に大挙してターゲットを襲うシーンが出色の出来です。韓国エンタメのパワーを感じた。 最初から最後まで観客を飽きさせない演出はさすがだと思う。上々の出来でした。 エンディング後のおまけ映像は次へのネタ振りですね。MCU映画みたいなもん。 一つ言えばセリフ以外にも字幕が欲しいですね。書類とか見せられても分からん。 [映画館(字幕)] 8点(2023-02-12 16:10:19) |
7. ナイブズ・アウト:グラスオニオン
《ネタバレ》 一言で言えば痛快な作品でした。正月早々面白いもん見た。 クライマックスで「モナリザ」を燃やすと言う暴挙に出たが、実際にこれをやったらもちろん私は非難するが、これは映画の中の話。 これはマイルズや彼の取り巻き達に向けた強烈なメッセージだろう。「このクソ馬鹿ども。ここまでやれば分かるか?」と言う。 マイルズに両手でFポーズをしてためらう事なく警備解除ボタンを押す彼女の勇姿。 クライマックスの爽快さで8点献上します。 [インターネット(吹替)] 8点(2023-01-11 10:50:22) |
8. ザ・メニュー
これはサスペンスであり、極上のスリラーでもある。 文句なく面白い。おすすめ。 [映画館(字幕)] 8点(2022-11-19 15:13:27) |
9. MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
《ネタバレ》 充分面白いです。社会人のタイムループと言う新しい作品を作り上げたと高く評価します。 社会人だから「やることやっとかないとループを抜けた後で大変な事になる」と仕事しつつループを抜ける為に動く。しかもみんなを納得させるにも1階層ずつ上がっていかないといきなり部長に話しても通じない、とか色々趣向が凝らしてあった。結局みんなで分かり合えるまでの物語だった。ループしつつ成長していくドラマが感動的でもある。 見終わって思い直すと腑に落ちないと言うかちょっと辻褄が合わないところもあるが、見てる間は全く気にならなかった。良作。おすすめ。 [映画館(邦画)] 8点(2022-10-28 14:38:34) |
10. ウィリーズ・ワンダーランド
《ネタバレ》 これは最高の娯楽作品ですね。ニコラス・ケイジが最高にハマってます。人を殺すイカれたテーマパークvsニコラス・ケイジだ。魔物への生贄として雇ったのに猛烈な強さでぶちのめす、ぶちのめす。しかも最初から最後まで全くの無口。プロの清掃に徹し定期的に休憩、エナジードリンク、ピンボール、掃除再開をこなすところも良い。面白かったです。 [インターネット(吹替)] 8点(2022-07-26 20:49:33) |
11. マリグナント 狂暴な悪夢
これは率直に面白かった。なかなか話の全体像がつかめない前半部は少しイライラもしたが、描写に見所も多く退屈するところはない。特に後半の展開は満点に近く、クライマックスは「ターミネーターかよ!」と言う怒涛の展開だ。最近、元気のなかったジェームズ・ワンもここへ来て全開となったようだ。 でもここまで殺したらめでたしめでたしとはいかんよなぁ…。 [映画館(字幕)] 8点(2021-11-13 22:43:19) |
12. 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。
《ネタバレ》 まず、この邦題を付けた担当者のセンスはゼロだと思う。また、この映画は法廷で悪魔の存在を証明する話でもない。実際、法廷のシーンはごく僅かだ。タイトルや宣伝には大いに異論はあるが、内容は本家死霊館の3作目として申し分ない出来であった。やはりウォーレン夫妻が主役だと話が締まる。個人的には「薬を忘れた」のオチの付け方が非常にスマートだったので、おまけの8点です。 [映画館(字幕)] 8点(2021-10-02 19:03:27)(良:1票) |
13. マッドマックス:フュリオサ
《ネタバレ》 これは評価の難しい作品だなぁ。ジョージ・ミラーの葛藤も手に取るように分かる。 世紀末を先取りしたようなこの時代にパッパラパーの勧善懲悪など撮ってられるかと言う思いと、いや映画を見ている間だけでもスカッとさせたいと言う思いが。 悩み抜いた挙句のこの作品であればその思いは受け止めざるを得ない。 かくしてフュリオサの復讐劇はなんともすっきりしない結末を迎えることとなった。 宿敵ディメンタスは母を殺したことすら全く覚えておらず、無論後悔も謝罪もない。それどころか「撃つなら後ろからがいい。いつ撃たれるか分からないドキドキ感がある」と言う始末。挙げ句の果てに「お前は俺に似ている」とまで言われればフュリオサが顔を真っ赤にして怒るのも無理はない。 成就感ゼロの復讐劇が終わって、これからフュリオサは何を心の糧に生きていくのかと言えば、捕らえられた女達を逃がそうとする訳だが、これも前作の通り結局戻ってくる事となる。 この虚無感は間違いなくマッドマックスの世界ですね。悩みましたが7点を献上します。 [映画館(字幕)] 7点(2024-06-17 08:39:19) |
14. フューチャー・ウォーズ
《ネタバレ》 おフランスの低予算SF映画。邦題はウォーズと付いているが戦争映画ではありません。 原発が爆発し破滅した未来から過去をいじくって変えようとするヒッピー軍団と、歴史の改変を許さない時空警察の争いを描く。 冒頭の原発爆発シーンからして「えっ?これひょっとしてコメディ?」と言う展開だが、ストーリーの骨格は基本シリアス。 この辺のバランスは取れてるかと言えば正直取れてないと思う。 この作品の中心にいるのはヒッピー軍団でも時空警察でもなく、原発の契約をしようとする政府系役人の父親と環境保護活動に執心する娘だ。 娘は父親に反発していると言うより構って欲しくて環境保護活動に入ったと言った方が良い。 父親をヒッピー達が殺そうとすると「パパを殺さないで。パパは変われる」と必死で守ろうとする。 この二人が離れ離れになるラストはちょっと切ないが、見応えはそれなりにあった。甘めで7点。 [映画館(字幕)] 7点(2024-05-14 08:59:37) |
15. 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
絵柄で避けていたが、この度サブスクにて鑑賞。 美少女猫娘を始め絵柄はやはり気に入らないが、ストーリーは水木しげるを良く理解したスタッフが作ったと見えて案外良く出来ていた。 エンディングの曲が昭和鬼太郎のエンディングのオーケストラ版なのが良いですね。 全般的には満足できる出来でした。劇場に行けば良かったとちょっと後悔した。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-05-08 07:52:56) |
16. オーメン:ザ・ファースト
《ネタバレ》 「最近のハリウッド映画はなんでこう昔の作品を引っ張り出してリメイク、続編、前日譚ばっかしなんだ。オリジナルを作るアイデアも尽きたのか?」とブチブチ文句垂れながら見に行ったこの映画。見たら思いの外、良く出来てました。このレベルで作ってくれるんなら文句は言わんよ。 オリジナルのオーメンの荘厳な雰囲気を(おおむね)損う事なく、ダミアンを産み出すために奔走する取り巻きたちを描いてました。 出産シーンを始めとしてグロ描写も多く、この辺は賛否分かれるところ。 また前半は「これオーメンの前日譚?全然違うじゃん」的な展開が続くんで、前半が我慢できるかが鍵でしょう。 総じて見終わったら満足感は高かったです。繰り返しますがこのレベルであれば文句は言いません。 [映画館(字幕)] 7点(2024-04-09 15:49:52) |
17. クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
《ネタバレ》 内容はいつものクローネンバーグです。非常に安定している。 彼の変態性癖は健在で、今回は手術に性的快感を感じるそうです。 ただ、見るに耐えない程のグロさはさしてなく、むしろおとなしいとさえ言えるかと。 彼もベテランの域に達したんですかね。 新しい臓器が子供に遺伝するのかの問題や、プラスチックを消化する臓器は文明社会への警告かとも取れそうだが、そこに深く踏み込む事がないのは、そもそもクローネンバーグにそう言った説教臭さを求めてないので、むしろこのくらいで良いと思った。 レア・セドゥは相変わらずと言うか変な、いや攻めた役柄が多いですね。 結構見入ったので7点はあげます。傑作かと言われると彼の変態性癖に共感してると思われそうでちょっと口ごもるが。。。 [映画館(字幕)] 7点(2023-08-18 23:00:57) |
18. ヴァチカンのエクソシスト
《ネタバレ》 普通のエクソシスト物で普通に面白かったです。 例によって悪魔は全てお見通しで、教会やヴァチカンの悪行も告発する。 そんな中で教会の権威に反発し、スクーターに乗って駆けつけてギャグを飛ばすラッセル・クロウのキャラは良かった。 欲を言えばもう一捻り欲しいところだが、B級として充分な出来じゃないでしょうか。 [映画館(字幕)] 7点(2023-07-24 16:28:01) |
19. リバー、流れないでよ
「ドロステ」の方が面白かったけど、本作は本作で味のある良作でした。 田舎ののどかな旅館で起きる2分間のタイムループですが、2分間ではほぼ何もできる訳もなくひたすら時が巻き戻る世界でのみんなの悪戦苦闘を描いてました。 と言っても苦闘と言うほど苦しんでる訳でもなく、これまでで最も平和なタイムループ物と言って良いです。 肩凝らず楽しめる作品でした。 [映画館(邦画)] 7点(2023-06-30 21:45:14) |
20. ドロステのはてで僕ら
これは努力賞ですね。 撮影は相当大変だったと思うが、良く撮り切ったと思う。 辻褄が若干合ってないかと思うところもあるが、そこを押し切るだけの力技は感じた。 新作も楽しみです。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-06-26 22:26:53) |