1. ビリー・ザ・キッド(1930)
当たり前ですが、さすがに1930年モノとなると現代との感覚の違いや細部の大雑把さの度合いが大きく、馴染めないという点で私にとって大きく影響してしまった。笑いの感覚が合わないのは痛い。ストーリー面でも、基本的にビリーが感情にまかせ突っ走り、独断で判断し、結果関係者が死ぬと怒りあるいは涙し、さらに綺麗にまとまってる風になるというのはどうなのか・・・納得できない部分があります。あと急展開も多し。対してビリーとギャレットの関係の描き方は良かった。状況は深刻なのに互いのさりげない会話が友達だなぁと思わせられてほっこりしますね。 [DVD(字幕)] 4点(2015-01-01 03:50:18) |
2. シマロン(1931)
《ネタバレ》 オクラホマの土地開放が行われた1889年に始まり、1930年までの同地域の発展を主人公ヤンシー・クラバットの伝記風に描く壮大な西部劇。 特に前半が最高。『三悪人』を思い出す土地争奪のためのグレート・ランで幕を開け、『ビッグ・トレイル』のような壮大さが溢れ出る本作。土地を得るために人が集まり、何もなかったところに新しい町ができ、みるみるうちに発展していく。できたばかりの町には有象無象が集まり、商売をするものもあればならず者もいる。知識がある人がいれば無法者もいる・・・。ああもうなんて夢とロマンと面白さに溢れた世界なんだと。一度でいいからこういう体験をしてみたい。意味合いは違うけどフロンティア・スピリットに純粋なヤンシーの気持ちがものすごくよくわかります。 ただ前情報ナシで威風堂々的な勧善懲悪!どや!的な作品かと思って見たので人種差別、身分差別、女性の社会進出など社会的テーマが盛り込まれてたのにはびっくり。金・名誉・権力が第一の人間がいたり(特に妻にはイラッとくる)、新聞屋を開業して成功したはいいが時代が進むにつれ取り残され気味になる主人公など、特に後半はリアルな描写が目立つ。30年代の、しかも前半にこれほどの作品が作られていたなんて、素直に驚きです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 03:25:09)(良:1票) |
3. アレゲニーの反乱
アメリカは独立前が舞台の本作。専ら英国視点でストーリーは進行し(当たり前?)、正義の民間人・悪徳商人・グレーな軍のそれぞれの立場と対立を描く。インディアンも登場しますが一瞬で、アクションよりストーリーそのものに力が入れられています。アクションはオマケ。特別ここが凄い!ということはないけれど、やっぱり単純明快な1vs1で劣勢を巻き返し主人公側が勝利!というシンプルストーリーより三者三様で互いが互いに牽制し合うこういう作品のほうが好みなんですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-31 00:20:21) |
4. 無法者の群
原題のとおり、ダッジ・シティが舞台の西部劇。南北戦争が終わり鉄道が敷かれ、ダッジ・シティが誕生。しかしテキサスから莫大な富が流れ込んだことにより建設当時の期待とは裏腹に町は無法地帯と化す。町はサレットの一味が牛耳り、保安官も追放され、まさにやりたい放題。そんな中、当初町の建設に携わった正義感の強いウェイドが再び町に訪れ・・・というストーリー。 荒野のシーンもごく一部ありますが、基本的にはダッジ・シティでのやりとり。かなりの人が画面に入り乱れ絶えず誰かが喋っているためドタバタな感じを受けます。主人公ウェイドは真面目で真っ直ぐ、町のボスサレットは悪党と、すごくシンプル。癖があるのはむしろヒロインのアビーの方でしょうか。全体的に可も無く不可も無く、といった印象です。 [ビデオ(字幕)] 5点(2014-05-17 03:18:47) |
5. ビッグ・トレイル(1930)
恋愛や復讐(本作ではそういう言い方をしてないけど)も入れ込まれているが、最大の見どころはやはりタイトル通りビッグ・トレイル。河越え、砂漠、吹雪、インディアンの襲撃など数々の困難を乗り越えていく開拓民の話。「開拓」と一口にいっても実際はとんでもなく厳しい道のりなんだなぁということを改めて思い知らされます。なんといっても西へ西へと進む大幌馬車隊の画は圧巻の一言で、製作費バカ高というだけあってひとつひとつのシーンのスケールが違います。幌馬車、一度で良いから乗ってみたいなあ・・・ それにしてもジョン・ウェイン若!この年代のジョン・ウェイン作品は全然見てなかったので、最初登場した時はこのイケメン誰?という感じでした。ものすごいキザな台詞吐きつつ身軽に動きまくってるし。後年のジョン・ウェインのどっしりとした風格みたいなのは当然ながらないけど、若きジョン・ウェインも魅力溢れるナイスガイでした。 [DVD(字幕)] 6点(2014-04-03 00:29:15) |
6. 牧童と貴婦人
《ネタバレ》 身分を隠したお嬢様と一般ピープルの恋愛。秘密を打ち明けるタイミングを逃しそれが元でトラブルが起こる。なんやかんやありながらも当然最後はハッピーエンド。いや~ベタ、ベタですね~。もちろんベタだから悪いなんてことは一切無く、重要なのはその見せ方。無駄に重々しく観ていて疲れるような描写は全くなく、ハイテンポでカラッとまとめ、上映時間も91分。その中でも後先考えず船にのるメアリー、「第4の手」、理解のある伯父さま、頑固だが最後に娘をとる父など、こちらもベタなんですがしっかりツボを抑えていることでいい意味で普通に良い作品となっていると思います。 それにしても普通は「秘密を打ち明けられないまま」なのは恋愛段階までのところを秘密を持ったまま何事もなかったかのようにあっさり結婚しちゃうのはスゴイ。お国柄なのか時代なのかコメディだからなのか作風なのか・・・。ストレッチの女に興味無いキャラはどこへやら、妄想劇場(しかも長い)が始まった時はどうしようかと思いましたが、船のシーンと合わせ、全体のテンポ的に良い緩急になっていたかと思います。 なお、タイトル的に西部劇だと勘違いしてレンタルしたというのはご愛嬌。 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-20 00:56:14) |
7. モホークの太鼓
《ネタバレ》 一組の夫婦が主役の映画で、ひとつひとつのシーンの良さはさすが。戦いに向かった夫を待つ妻、戦いで地獄を見て帰った男たち、いよいよ赤ん坊が生まれるぞって時の男たちのソワソワ感。表現がちょっと誇張気味な気がしますが、それでもなお良し。ただ全体で見るとちょっと物足りなかった印象。自宅を焼かれて絶望→新たな住まいを見つけた時の喜びのシーンやラストバトルが始まるシーンなど、もうちょっと抑揚があると見てる側としても入り込みやすかった気がします。 [DVD(字幕)] 6点(2014-02-06 23:03:26) |
8. 砂塵
《ネタバレ》 いや~中々に面白かったです。まさにドタバタ西部劇という感じで、それぞれのキャラや会話、思惑ありきのやりとりを楽しむ映画ですね。コメディ要素もありますが、どちらかというと警察ものの娯楽ドラマ、というのが近い気がします。劇中サルーンで何度か舞台が行われ歌が入りますが、こちらもポップ。 本作では特に主人公のキャラが良かった。保安官なのに銃を持たず丸腰。しかし超凄腕。プライドを重んじる男らしさもなくゆる~い感じのスタンス。そして法を絶対的に重んじ、従う。それ故に理不尽に牧場を奪われたおっちゃんの味方ではなく、牧場の権利書を持つイカサマ野郎の味方をする。また、巧みな話術と合理的な方法で任務をこなし核心に迫っていくのも良い。自分がこう言えば相手はこうするだろうというのを先読みし、証拠を挙げる手腕がなるほど上手いな~と思いました。あと随所に挟まれる友達の話シリーズも好きです。 まあパターンですが、こういう系の映画のキーパーソンはやはり女性ですね。女は強し。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-13 00:39:04) |
9. 平原児
《ネタバレ》 ビル・ヒコック、バッファロー・ビル、カラミティ・ジェーンのお話。主人公はビル・ヒコック。平原児という何かピンとこないタイトルとちらっと知ってたあらすじから歴史とか伝記要素の強いどっしり重々しい系の作品か?という先入観がありましたが、エンターテインメント要素が強く、テンポ良しキャラ良し色んなシーンがあって良しの普通に面白い作品でした。リンカーンやカスター将軍がご都合なタイミングで死んだのは、ん?って感じでしたがそこはまあ良し。 男女の考え方の違いの表現とかインディアンとの戦闘シーンとかは定番中の定番ですね。ただ個人的には時計のくだりはもうちょっとひっぱってほしかった。クイーンのスリーカードに対するヒコックの反応の変化の表現は上手いなーと思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2014-01-09 23:57:58) |
10. 駅馬車(1939)
恋愛・友情・キャラクター・差別と偏見・復讐・アクションなど、99分の中に様々なテーマが込められた映画。今見るともうちょっとそれぞれのテーマのクオリティを高められそうな気がしますが、この映画が製作された時代を考えると、まさに西部劇の先掛けとなるような金字塔的作品という評価に納得がいきます。(特に古い)映画を観る際には言えることですが、当時の時代背景を勉強することが非常に大事だと思わせられた映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-16 04:23:47) |