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 > 53羽の孔雀 さん
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コメント数 250
性別 男性
自己紹介  映画史や映像技術には全く詳しくないので、単純に面白いと感じた度合いで点数をつけさせていただきます。
 よろしくお願いします。

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1.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
名作ではあるんだけど、当時としては問題作でもあったんじゃなかろうか。  十字架を足蹴にし、墓から引っこ抜き、死を前提とした「お墓づくり」を楽しむ子供たち・・・子供たちに深い意図などあるはずもなくただひたすらに純粋なのだけど、それ故に怖い。すごく怖い。
[DVD(字幕)] 7点(2015-04-13 22:34:25)
2.  最後の酋長
 タイトル的にインディアンの勇士を謳う作品か、歴史を淡々と描く作品か、対立を描き結局はアメリカ万歳!となる作品かのどれかかと思いましたが、いずれもイマイチしっくりこず。むしろ単純に、人間ドラマ・人間の熱さで魅せる作品かと思います。  フロリダはセミノール族が描かれますが、本作で特徴的なのは少尉の主人公とセミノール族の族長が親友であり、両者を取り持つのがヒロインという人間関係。プラスしてお馴染みの主人公と上官との意見的対立が加わります。それぞれのキャラクターが気持ちを吐露するシーンが多く、ジョン・フォード作品のような「この人の立場ならこう考える」という描きっぷりを堪能するところに本作の面白さがあると思います。  ただ難点はストーリー展開・演出ともにシンプルすぎて、この後どうなる、というのが読みやすすぎるところ。そこに目を瞑れば、私としては割と好きな作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-08 21:50:31)
3.  征服されざる西部
主人公が全く好きになれない系西部劇。主人公にとっての敵を倒し美女とくっつくという定番の流れでこれほどまでに胸糞悪さを感じたのは初めて。  戦争に負け戦地から帰還したら町は様変わり。あれだけの思いをしたのにいざ帰ってきたら自分は置いてきぼりで居場所がないように感じる。待っていたのは借金を抱えた牧場生活。そんな生活は嫌だ!と野心に燃え家を飛び出す主人公・・・。いや気持ちはわかる、わかるんだけど、その方法論が大間違いでは意味がない。結局のところ冒頭の父親の「金で土地は肥えない。金儲けは偽りの成功だ」という台詞に集約されてますね。  作品全体として終始モヤッとした感じが拭えませんが、そこが味となっていて中々に面白い。主人公の成功と勧善懲悪を軸に据えた西部劇作品たちの中であえて負の側面に焦点を当てた作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-01 03:48:38)
4.  遠い国 《ネタバレ》 
パッケージによればジェフ(ジェームズ・スチュワート)は「人間嫌い」とされていますが、「人間不信」のほうがしっくりきます。自分以外は誰がどうなろうと知ったこっちゃない。他人を信じる必要もない。誰かを信じれば裏切られた時に余計に辛くなるから。それがジェフの発想です。正直最初はジェフのことを全く好きになれない。自分勝手で他人の言うことに耳を貸さず、いらぬ衝突を生みまくる。で、本作はそんなジェフが成長していく様を描いた映画・・・かといったらそうではないでしょう。他人を信じる心を「思い出していく」というのが正確か。ジェフが自分の殻に籠りまくったのは過去女に裏切られたからだし、何より開幕から閉幕までず~っとベンから貰った鈴をつけてますからね。殻に籠っているだけで、心の底の底から「自分が良ければ他人はどうでもいい」と思っているわけではない。そこがジェフとギャノンの違いでしょう。  また、自分一人のことを考えたらジェフの発想も完全に間違っているとは言い難いところが面白いところで、要は「自分良ければ全て良し」ならジェフの考え方になるわけですが、自分を貫き他人を蔑ろにすると結局最後は自分に返ってきて自分が悲しむ(=「自分良ければ」になってない)ことになる、という矛盾があります。本作ではベンの「友情は金では買えん」といった台詞やレネーらの無償の人助けに触れることで少しず~つ人間らしさを取り戻すジェフが描かれます。こういうの、非常に好きです。まあキャッスルの言うように何の根拠もなく人を信じることなど「バカなこと」なのかもしれませんが、だってそれはほら、人間だもの。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 07:14:20)(良:1票)
5.  西部の二国旗 《ネタバレ》 
北軍に捕虜にされた南軍兵が北軍に加わりインディアンと戦うことを条件に恩赦を受け、収容所を出、北のヘンリー少佐管轄の駐屯地に入る、という騎兵隊もの西部劇です。  主人公は南軍兵であり、駐屯地内部で北軍vs南軍のいがみ合いが起こるんだろうなぁということは容易に想像できるわけですが、その実、真の敵は北軍でも南軍でもなくインディアン(反逆者)だ!立場は違えど、我々は同じアメリカ人だ!という描かれ方がなされています。そう考えるとオイオイって感じですが、中~後半までの人間ドラマやそれぞれの登場人物の熱さは割と嫌いではない。結論がああだったのはもはや伝統芸と言うべきか。  本作を見ていてふと思ったのが、「インディアン」を「エイリアン」に置き換えるとまんま現代にも通用する映画になる気がするという点。将来エイリアンとの交流ができて「人権」ないし「生物権」だか何だかができた際には今の価値観にも物言いがつくんでしょうか。そんなことをしみじみと考えつつ、単純な初見の感想で7点を献上致します。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-21 07:12:33)
6.  遠い太鼓 《ネタバレ》 
フロリダはセミノール族について描いた作品という点では「最後の酋長」と同様。時代設定ではこちらの方が後で交渉決裂後に交戦状態に入っている1840年が舞台。が、テイストが全く違った。あちらはドラマ性重視でこちらは最初から最後までジャングル舞台のアドベンチャーの色合いが強い。特に映像そのもののインパクトが強く、砦に侵入後爆破、湿地帯を焼き払い、鰐がうようよいる川を渡り、最後は水中で一騎打ち。一応復讐の虚しさや白人とインディアンは立場を抜きにすれば歩み寄れないこともない、的な主張も入れ込まれてますが、どうしてもアドベンチャー要素に目がいかざるを得ない。どちらかといえばテーマやストーリーはおまけという印象でした。  どうでもいいけど、水中の一騎打ちで服着たままってのはものすごいハンデだと思うなぁ・・・笑
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-17 03:03:51)
7.  抜き射ち二挺拳銃
 保安官側とギャング側が対立し、最初から最後まで銃撃戦を繰り広げるという超シンプルストーリーです。保安官側とギャング側両サイドを描き、保安官側はじわりじわりと手がかりを手に入れ犯人に迫り、ギャング側はあの手この手を使って保安官側を排除しようとするという点もお馴染みで、特段の真新しさはありません。序盤から中盤にかけて数か所、お!となる点はあるにせよ、え、ほんとに!?となるまでには至らず。ベタを素で行く作品かと思います。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-28 00:16:57)
8.  平原の待伏せ 《ネタバレ》 
アラモ砦の戦いに始まり、町からの脱出、ゲリラ部隊、幌馬車隊、滝での戦いなど、見どころたっぷりで楽しめました。メキシコ人の子が良い味出してるというか、役どころが上手いですね。今現在戦っている相手がメキシコ人だからこそ子供といえど容易にはその言葉を信じられない。なるほど確かにな~と思わせられます。また、強引に恋愛描写を挟んでこないあたりも私にとっては好印象でした。
[DVD(字幕)] 7点(2014-05-17 03:14:08)
9.  騎兵隊 《ネタバレ》 
さすがはジョン・フォード、ということなのか、各登場人物の細か~い心理描写がほんと素晴らしいですね。それぞれの立場・置かれてきた環境・そして信念によってこういう発言をする、こういう行動をする、という描き方がものすごく見事だと思います。「もし自分がその立場になったらそう考えるかも」 これが面白いと思わせられた最大の理由です。大佐ジョン・ウェインの過去のエピソードしかり、理屈的に正しいかどうかは別として、各キャラそれぞれの主張が納得できるものになっている。そして保安官を盾に自分らが助かろうとした南軍の裏切り者のような「いやこれはいかんだろ」という者にはキッチリと制裁を加える。その辺の線引きは主観的なものなので難しいですが、映画的な面から見て良いスパイスになっているし、主人公側と悪党側の対比にも使えて一石二鳥になっていると思います。小さな要素を二重三重に活かすのがほんと上手いですよね。  本作は最初から最後まで完全に南北戦争が舞台ですが、部隊を率いる大佐としてどうかとか戦略的にどうかとかの外面ではなく各キャラの内面を見るべき映画という印象。それ故に、逆に、もし入り込めなかったらちょっときつかったかも、とも思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-03 04:10:07)
10.  捨身の一撃
孤独に戦い続ける保安官系の西部劇ですが、完全に孤立無援というわけではなくそれなりに味方もいるのでまだ救いがある。とはいえその味方も自分のように命を懸けた戦いをしてくれるわけではないという・・・。毎日毎日自分の命を狙う者を相手にし、常に死と隣り合わせ。それでも少しでも状況が良くなればと戦うことをやめない保安官・・・哀愁を感じますね。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-29 16:32:26)
11.  幌馬車(1950) 《ネタバレ》 
地味は地味。ですが、幌馬車隊の大移動を描いた作品の中では今のところこれが一番好きです。何といっても素晴らしいのはその構成。細かいたくさんの要素が凝縮され、相互に関連を見せ、ひとつの枠の中で見事にまとまっていると思います。例えば、「指笛を吹くと特定の馬が暴れる」という設定は冒頭でトレヴィスら二人のやんちゃぶりとウィッグスの大人っぷりを対比し互いの距離感を表すのに役立ち、物語が進み両者の距離が縮まってきたタイミングでの保安官のシーンでは隙を突いて悪者どもを倒すためではなくウィッグスを死なせないために再度指笛が吹かれる。ここらへん、すごく上手いと思うんですよね。他にも、モルモン教徒であるという設定の使い方や状況的に仕方ないムチ打ちとそのウィッグスサイド・悪党サイドでの捉え方の違いなど、ひとつの要素を様々に活かす構成っぷりが素晴らしいと思います。  こういう目的地に向っての旅系作品の中ではひとつ試練を乗り越えたらまた次の試練が襲ってきて・・・というアドベンチャーっぽいものも多いですが、私は本作のようなタイプのほうが好みでした。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-28 18:45:35)(良:1票)
12.  幌馬車隊
南北戦争の最後の年、ウィル・ジェシー・クリントの3人は北軍の捕虜収容所を脱出、南軍の部隊のもとへ行きつく。しかしこの部隊は正規軍ではなくむしろ盗賊のようなゲリラ部隊で、3人は命を保障されるかわりにサンタ・フェからセント・ルイスに運ばれる金塊の強奪の手伝いをさせられることになる、というお話。   全体を通して思ったのが、要素はあるがどれも薄味すぎるという点。深いテーマ性を持っているわけではなく、一風変わった題材というわけでもなく、特筆してすごい!というシーンがあるわけでもなく・・・脱出、アドベンチャー要素、仲間との確執、戦闘、恋愛とお馴染みの要素がありますが、どれもこれもあっさり薄味すぎます。普通~なことを普通~にやってるだけ。そんな印象のままTHE ENDまでいってしまいました。
[DVD(字幕)] 3点(2014-04-16 21:29:00)
13.  栄光の星の下に
テキサス独立戦争後、テキサスの合衆国への併合をテーマに描いた政治色の強い西部劇。他の西部劇作品でいえば「アラモ」の後の時代に当たります。  あくまでこの映画のありようですが、テキサスはメキシコから独立した後も、合衆国の一員となるか独立を貫くかで意見が真っ二つに分かれる。合衆国のお偉いさん方は「奴隷制度の色が強いテキサスは併合したくない」「いや、テキサス併合を足がかりとして大陸を東西貫くアメリカ合衆国を建設すべきだ」とマクロ視点での主張をする。一方テキサスの現場レベルでは「テキサスが併合されようものなら必ずメキシコ・英国を含む他国と戦争になる。そうなったら真っ先に死ぬのは我々だ」といった理由から併合反対派が根強い。片や「戦争になれば儲かるから他国と敵対しようとも構わない」という視点の者もいる。国の未来ないし理想のため、自身の誇りのため、金のため、自らの身分向上のため、様々な「自分にとっての利」を求める者が入り乱れ、物語は進行します。  それを前提とした上で、国としての立場を決定するのは議会と大統領。その議会と大統領に影響を与えるのは「世論」すなわち民衆の意見。民衆に逆らったことをすれば自らの身分や命すら危ういから。そして本作ではメキシコから独立する際の戦争の英雄ヒューストンとジャーナリストが民意を操縦するキーパーソンとして描かれ、この二者の影響が国の命運を大きく左右する。その描かれ方には民主主義の正しさよりも、大衆社会に対する皮肉を感じます。  モノクロ作品ですが、ぜひ、多くの方に観てもらいたい作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-16 21:26:42)
14.  カラミティ・ジェーン 《ネタバレ》 
ミュージカルはもちろんですが、その他に強く目を引くのが恋愛要素。本作では男女間の友情・女同士の友情と嫉妬・友人の想い人を好きになる・友情から恋愛へ、さらには男というものは・女というものは・・・といった恋愛テーマにありがちな細かい心理描写が盛り込まれていて、一風変わった作品となっています。  西部劇の恋愛といったら一目惚れ→男は我を通し女は尽くす→女が惚れてハッピーエンド、あるいは一目惚れ→男は男らしく女は女らしく→結ばれてハッピーエンド、というシンプル~な印象が強かっただけに、細かい心理的なやりとりは新鮮でした。あのビル・ヒコックとカラミティ・ジェーンが恋愛においては敗北するというのも面白い。最後の御者の「まったく女ってのは」という台詞はナイスですね。まるで下着姿のようなシカゴのアイドルの写真に群がる男達を見てカラミティは「まったく男ってのは」と言いたかったに違いないw  上映時間が101分でさらにミュージカル部分に時間を使わざるを得ない中、カラミティの小屋でケーティー・ビル・少尉ら3人の心理を一気に動かすシーンをもってきたのは見事だと思います。前半はミュージカル強めで後半は恋愛強め、そんな作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-12 04:31:33)(良:1票)
15.  腰抜け二挺拳銃の息子 《ネタバレ》 
まず、ストレスが溜まっていない時に頭カラッポにして観ることをお勧めします。次に、冷静につっこんだら負けです。  続編ですがやってることは前作とほぼ同じ。主人公だけが天然ボケで周りは真面目。挿入歌が多く若干のミュージカル調。ストーリーはあって無いようなもんですが全体がポップなのでそこまで退屈はしない。  あとはコメディ要素が合うか合わないかですが、如何せん今見ると演出が古い!特製ドリンクを飲んでばたんきゅーやバナナの皮踏んで転倒など、日本でいうところの「昭和の香り」というやつでしょうか。ただあれだけボケが散りばめられているとどれかはヒットするもので、私的にはドアと一緒に吹っ飛ぶ主人公と帽子に矢がささりまくってんのに平然と運転を続ける主人公の画にやられました。ちなみに基本的に物理法則を無視しまくっているので大らかな心で見ることが必要です。  あと本作の名優は明らかにトリッガー(馬)でしょう!馬にあんな動きができるのかといった軽快なステップや主人公とのコンビ芸、ベッドに横たわり自らにシーツをかけるシュールさ、そしていざ荒野を駆ければ自動車と並走するかっこ良さ!トリッガー、あんたがナンバーワンです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 15:23:54)
16.  裸の拍車 《ネタバレ》 
素晴らしい。名作と呼んで良いと思います。  難点は、撮られた年代が年代だけに仕方ないのですが、盛り上がるところとそうではないところの差が少なくやや単調に見えてしまうところくらいでしょうか。演出による迫力がやや薄いというか。しかし冒頭の落石シーンと崖登りシーン、洞窟が崩れるシーンや激流の河を渡るシーンなど単純に肉体的に「凄!」となるシーンが散りばめられており、またストーリーや各登場人物のやりとりの面白さによって全く飽きずに観られます。  まず面白いと思ったのがその設定。殺人犯ベンを追う保安官らしきジェームズ・スチュアートにジェシーが協力、途中ロイもなぜか協力。蓋を開けてみればスチュアートは保安官などではなく、ベンに懸かった懸賞金5000ドルを狙った賞金稼ぎ。バッジこそ無かったものの主人公スチュアートということで、私もすっかり騙されました。  そして賞金5000ドルと公言されたことで男達の目的が明確化。ロイは何が何でも賞金を得たい。ジェシーは不正はしないが賞金は欲しく、他方で金鉱を掘るという夢を持っている。ベンは3人の心理を利用して何が何でも逃げたい。そして一見賞金欲しさに見えるスチュアートの本当の目的は・・・?と思わせておいて最終的にはやはり賞金狙い。またも騙された。  ただこのままだと主人公ではない。ではどこが他の男達と違うのかというと、旅の途中で裏切りをせず、優しさを持っているというところ。何が何でも5000ドルを手にしようとするのは、過去に女に騙されて失った牧場経営という夢を再建するため。ここに、主人公と他の男達との線引きがされ、同時に完全無欠ではなく過去に縛られる主人公という影も描かれ、また最終的に過去と決別し新たな道を決意するという成長の描写もなされる。  画的には町すら登場しない大自然オンリーなのですが、とにかくその中身が見事でした。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-04 00:30:45)
17.  無頼の谷 《ネタバレ》 
これは面白い。  89分という短い上映時間から想像できる通り、テンポはものすごく速い。愛する人を殺された主人公ヴァーンが復讐のために町を出、最終的に目的を達するという展開は定番であり特に真新しさは感じない。しかしこの作品の面白さは構成と発想にある。  ここからネタバレになりますが、まず主人公と敵、追う者と追われる者が互いに互いを知らないという点。主人公は今にも消えそうな数少ない情報を手繰って前へ前へと進んでいく。そうして行きついた先は罪を犯した人間が集うチャカラックすなわち無頼の谷。と、ここで上手いのは無法者が集う牧場だけに主人公からしてみればだれが恋人を殺した犯人なのかがわからず、犯人からしてみれば主人公は毎度おなじみの新入りにしか見えないという点。犯人候補が大勢いる某推理漫画のような面白さが上手く入れ込まれている。  ではどうやって犯人を特定するか、というとキーポイントとなるのが「絶世の美女」ここではオルター・キーン。オルター・キーンの魅力はチャカラック到着前の犯人の手がかりを探す段階から挿入されているとおりで、チャカラックでもその魅力は健在、谷の全ての男達の行動に影響を及ぼす。また、女性であるが故にブローチを付けるのも不自然ではなく、自身の生計を立てるために身を隠す手助けの対価として稼ぎの10%を徴収する、全員が犯罪者であるが故にボスとして互いの詮索は禁止させる、といった設定も上手く活きている。  いよいよ主人公が犯人を特定するというその一方、犯人も主人公が何者かを特定。最初は「馬の乗り方で主人公のことを思い出すとかさすがに無理矢理すぎじゃね?」と思ったが、見返して確かに、序盤、犯人が主人公と唯一すれ違った場面で主人公は馬に乗っており、犯人の意識は店に向いている。この辺の細かさ含め、全体の構成、展開の上手さは充分に面白いと思わせられるところでした。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-31 00:49:21)
18.  ララミーから来た男 《ネタバレ》 
普通に面白かったです。冒頭で復讐が目的という設定がされ、最後に復讐を果たす。その道中でイザコザが起こる、という骨格はベタ中のベタですが、その中身が秀逸。連載中の週刊漫画を読んでいる時のような、ミステリー小説を読んでいる時のような、あのワクワク感があります。主要人物はロックハート、アレック、デイヴ、ヴィック、バーバラ、ケイトの6人ですがその6人がそれぞれ親子であったり恋人であったりお目付け役であったり内部vs外部であったりといった様々な矢印で繋がっており、その矢印を活かし練り込まれた展開は見事だと思います。グダグダやってるだけじゃなくラバが殺され馬車が焼かれる、手を撃たれる、デイヴが途中でドロップアウトするなど途中途中でインパクトのあるシーンが挟まっているため、飽きることなくむしろあっという間に時間が過ぎた印象です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-10 04:09:41)
19.  リオ・ブラボー 《ネタバレ》 
■エル・ドラド(1966)を鑑賞後、展開はおろかウェイン側4人のキャラから詰所のカメラ位置まで瓜二つなこちらを観たくなって2周目視聴。やはりエンタメ西部劇の傑作というのは間違いないですが、本作は他の西部劇を色々と観た後に観ることで相対的に評価が高くなる作品であると思います。その理由は①西部劇お馴染みの「パターン」を微妙に外してきているところ②59年作品なのに今見ても面白いと思えるようなツボをきっちり押さえているところ、という2点。そのため、本作は西部劇の初っ端に観るのではなく色々回った後に改めて観てほしい作品です。 ■①について、西部劇の若者といえば自分の腕に自信を持ち名ガンマンに憧れ、プライドが高く感情的、という描かれ方がパターンですが、本作のコロラドは「若者なのに」冷静で合理的、そのくせ強気な態度に見合う銃の腕を持っているという描かれ方。また、「あの」ジョン・ウェインがいつも通り堂々と登場したはいいがいきなり殴られて気を失い、また恋愛ベタという描かれ方。「お馴染み」を観た後だからこそ魅力を感じるポイントです。 ■②について、多くの西部劇は「男気」のような感情面を重視しているのに対し、本作は劇中で再三「利口(ないし似た意味の単語)」が出るように、合理的な言動が重視されています。こうこうこうだからこう、故にこうなる、という説明的台詞の多さ。「魔法」や「気」果ては「忍術」を使うにもその原理・理屈を説明する現代の価値観に合うところがあると思います。他にも、「仕事はできるが恋愛ベタな主人公(ウェイン)」「弱点があるがそれを除けば超優秀な仲間(デュード)」「普段は冴えないがキャラが良くここイチで活躍する仲間(スタンピー)」など、今の漫画等にも通じる面白さのツボがきっちり押さえられています。 ■唯一アレなのは突然のチャチな階段トラップとそれに見事にひっかかるウェイン。ピンチの描写をもってきたいからって無理矢理すぎるでしょwというか百歩譲ってひっかかるのは良しとしてもあの転び方で気を失うなよ・・・w
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-28 05:45:58)(良:1票)
20.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
■とにかく雰囲気が素晴らしい!第一にウェイドと店主代理の女性のやり取りの前後のシーン。町全体を描写せず、町の隅にひっそりとある静かなサルーン。若干影を背負った佇まい。もう何といってもBGMが最高に効いています。第二に早朝のコンテンション。人っ子一人いないその様子はゾクリとくる怖ささえ覚えます。撮り方によってこんなに違うものなのかと。 ■リメイクとの対比・・・リメイクと決定的に違うのは、ウェイドが本気で逃げようとしているところ。それ故緊張感が段違いで、一瞬も気を抜けないその状況はいつの間にか見入らされています。また、リメイクのウェイドは自分の身がどうこうよりもダンの人間性に心を動かされたという描写が強いですが、オリジナルは「本気で逃げたい、しかしダンは死んでほしくない」というジレンマ構造の描写になっています。オリジナルもリメイクもダンに協力的な言動をするという点では共通ですが、その中身が違うのが面白い。さらに、リメイクのダンは何ら誇れるものがなくどこか頼りなさげで、そんなダンが逃げ出さない理由は「誇り」のためですが、こちらのダンはウェイドよりもいかつい風貌で、家でのシーンで子どもたちからの尊敬(誇り)をあっさり獲得している。ではなぜ逃げ出さないのか、となると、ダンの台詞の通り「責任」言い換えれば「己の正義」のためなんですね。やっぱり昔の西部劇はそうでなきゃ!という感じのテーマ設定で、そこが良い。 ■・・・と、如何せんリメイクを先に観たためにどうしても比較してしまいますが、オリジナルもリメイクもそれぞれ良いところが異なる素晴らしい作品というのは間違いないと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-23 03:44:05)(良:1票)
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