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プロフィール
コメント数 116
性別 男性
自己紹介  2014年12月に投稿を始めてから9年が過ぎました。

 「映画評論家になれるのでは?!」と思える素晴らしい言葉を綴られる先輩レビュアーさん達に憧れつつも、私には、あのような文章を書けそうもありません。私の場合、少年時代に気に入り、DVDなどで観直しても好きであり続けている映画を中心に、まだピュアだった(?)少年時代の気持ちや、当時の状況を思い出しながら書きたいと思います。大人になってから観た映画も少しずつ追加しています。

 レビューの文面は長くなりがちですが…最後まで私の拙文を読んで下さる皆様に感謝申し上げます。

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1.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
 「オズの魔法使い」という物語そのものを知ったのは小学校の低学年の頃に、和製テレビシリーズを観たのが最初です。ドラマ本編の詳細はあまりよく覚えていませんが、毎回、最後にドロシー役の女優さんと子供達のコーラスで歌われた【♪虹の彼方に】はよく覚えています。因みにこの番組はウィキペディアに掲載されています。  さて、当映画版は、その後【ハリウッド映画の古典】だと知り、ずっと観たいと思っていました。最初に観たのは、大学生の頃、NHKの夕方に放送されていた吹替え版です。まず主題歌【♪虹の彼方に】には「これが本家か!」と感動しました。そして【モノクロの現実から、カラーのオズの世界へと場面転換する演出】では「まだ白黒作品が多かった公開当時のアメリカの子供たちが、鮮やかなカラーにどれほど感激したことだろう!」と、察して余りあるものを感じました。また【カカシ・ブリキの木こり・臆病ライオンの特殊メイク】は単なる被り物(マスク)と異なり、俳優さん達の表情を見事に反映する出来栄えだと感心し、さらに【三人の素顔を再認識できるエンディング】も上手い演出だと思いました。なお、ストーリーは単純で、カカシ達に出会うごとに歌われるメロディーは、いつも同じでした。しかし「この同じフレーズの繰り返しのような構成は、まさに絵本・童話・昔話と同じだ。映画のセット(背景)も、まるで絵本から飛び出したような美術だ。きっと絵本・童話・昔話と同様に“すでにわかりきったお約束”に、感情や意識を乗せながら何度も繰り返し楽しむタイプの映画なんだろうな」と思いました。しかし、当時、我が家にはビデオデッキが無く「繰り返し観られない…」と【一抹の寂しさ】が残ったのでした…。  その後、私も結婚し、我が子が通う幼稚園の学芸会で、隣のクラスで演じていたのが【オズの魔法使い】でした。これを機にDVDをレンタルし、当作品を子供と一緒に吹き替えにして観てみました。すると、子供はすっかり夢中になりました。どうやら、優しい大人達と励まし合って冒険する雰囲気と、上記に明記した【繰り返し】が気に入ったようです。おかげさまで一時期、何度もリクエストされてレンタルし、学生時代の【一抹の寂しさ】は解消しました。さらに特典映像によって、子供は【映画が公開されて80年近くが過ぎ、俳優・女優さん達は既に亡くなられているが、作品の中で生き続けていること】に対し、幼いながらも【歳月/命のつながり】のようなものを感じたようです。その意味では、私も「TVで観た吹き替え版と配役が違う」と思いつつ、既に亡くなられていた【はせさん治さん】の声をカカシ役で聞けて、感じ入るものがありました。その後、オズの魔法使いの声を担当した【滝口順平さん】もお亡くなりになっています。ドロシーにとって【虹の彼方の世界】は【心配事の無い場所】でしたが、私や子供にとっては【亡くなった人達が、永遠に生き続けてくれていて、また会うことが出来る世界】のようになり…と、非常に“深い”味わいの作品となりました。今回、当レビューの投稿にあたり再見しましたが、思いは変わりません。   さて、採点ですが…当作品を好意的に観られるかどうかは、他のレビュアーさん達もおっしゃっている通り「いつ(どの年齢)で観たか」に大きく左右され、加えて「絵本・童話・昔話のような【繰り返し】を楽しめるか」「ミュージカルが好きか」「80年以上も前にこれだけのものを!と感心して観られるか」にかかっているかな…と思われます。私の場合は、子供と一緒に観た上記の“深い”味わいを上乗せして10点を献上させていただきます。そして、いつか子供も親となり「この映画はね、私がお前ぐらいの頃に、ジイジと観たんだよ」とつながっていってくれたら…そうなるよう、世界が平穏に続くように…と願っています。
[DVD(吹替)] 10点(2017-09-29 21:06:34)(良:1票)
2.  嵐ケ丘(1939) 《ネタバレ》 
 この映画を見たのは、中学生の頃。もともと、テレビ放映されたローマの休日(1953年)に感激し、ウィリアム・ワイラー監督の名が、私の中に強く刻み付けられていました。そして、ワイラー監督が亡くなった後の追悼上映として当作品がリバイバルされ、単身、映画館へ足を運んだのでした。まだガキだった当時の私には【真に愛しているのはヒースクリフなのに、隣人の上流階級の子息・エドガーと結婚してしまうキャシーの心情】は理解し難いものでした。しかし、単なるメロドラマを越えた格調高さは、理解できました。上映が終わり、館内が明るくなったとき、若いカップルのお姉さんが大泣きして、お兄さんが優しくなだめていたのを、今でも覚えています。  大人になり、ビデオであらためて再見したときには、キャシーの心情を理解できるようになり、マール・オベロンのきめ細やかな演技と、それを引き出したワイラー監督をはじめとするスタッフの技量にあらためて感心させられました。エンディングでは、映画館でお見かけしたお姉さん同様、泣けました…。  これとは別に、原作小説を読む機会があったのですが、映画と内容が異なっているのに驚きました。私はそれまで「小説の映画化なら、如何に原作に忠実か」を価値基準にしていましたが、以後「脚色によって独立した作品として完成しているなら、この限りではない」と考えを修正するきっかけにもなった映画でもあります。今でも私にとって「嵐ケ丘」とは、アルフレッド・ニューマンの甘いBGMと共に思い出される、このワイラー版です。  さて、採点ですが…今では「この映画の撮影で渡米していたローレンス・オリビエを追って来たビビアン・リーが、風と共に去りぬ(1939年)のスカーレット・オハラ役に抜擢されることになった」というように、映画史の文脈で抜粋される程度です。しかし、私にとっては、思い出深いメロドラマの古典です。ワイラー監督への敬意を込め10点を献上します。
[映画館(字幕)] 10点(2015-08-23 21:50:25)
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