Menu
 > レビュワー
 > しってるねこのち さん
しってるねこのちさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 100
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  スケアクロウ 《ネタバレ》 
アル・パチーノが若いです。 渋くて迫力のある彼ばかり見ていた私にとっては新鮮でしたが、本作の小物っぷり満載の彼の演技もこの頃から既に特筆に値します。 周りの状況や他人を伺う様に終始泳いでいる目線などは優しさと弱さと他人への迎合を併せ持つフランシスという人物により一層の深みを与えています。 矯正局でやりたい仕事は?と聞かれ、楽な仕事も選べたのに「洗車」と即答する彼からは純粋さを感じられる優れた演出になっています。  ジーン・ハックマンの異質の演技も本作では特に際立っています。 俳優を生業としていないミュージシャンやコメディアン等が勢いに任せて規格外の演技を見せたり、存在そのものから漂う何をするか分からない様な危うさと同等なものを彼からは感じます。 ジャック・ニコルソンやロバート・デ・ニーロのように突き詰めていった演技から生まれる狂気ではなく、身体に染み付いた無骨な危うさを持っている様に思います。 そんな危うさに確かな演技力が加味されているので彼中心に描かれている本作は全編を通して矛盾している様に聞こえますが、安心感の中で程よい緊張感を持って見る事が出来ましたし、話の平坦な前半もアル・パチーノとジーン・ハックマンを追う事によって作品に集中出来ました。  また、作品のトップカットでは手前に光が当たっているのに今にも雨が落ちてきそうなバックの暗い空とのコントラストが天候の偶然により印象的になっている画だと思っていたのですが構図の確かさが起因している事にも気付かされます。 この様にセンスを感じさせるカットが何箇所か忘れた頃に出てきます。 主演の2人が労働者街を目指す途中に歩いて鉄橋を渡っているカットでは夕陽に照らされている錆色の鉄骨の間を銀色に輝くパースのついたレールが貫き、その奥に黄金色と水色と雲の灰色が混在する空が淡く光っています。 歩いて行く二人の背中に漂う哀愁を画の中の全てが補完している様な美しいカットになっています。  始めダイナーのカウンターで洗車屋の話をしていた時には絶対に失敗すると思っていました。(成功する要素が見当たりません) 物語はそこまで届かずに終わってしまいますが変化していった彼等自身や2人の関係性を見ていると回復・退院するフランシスを、店前に案山子がある小さな洗車屋で葉巻を銜えたマックスが出迎えるシーンが目に浮かびます。 かなり甘めの理想的な想像ですが妥当な流れとも思ってしまう程に彼等の絆は固いものになっていたと思います。 長距離バスのカウンターに靴をバンバン叩き付ける社会不適合行為をしているマックスの横には冗談を言って窘めてくれるフランシスは居ません。 病院で意識のないフランシスに対して「俺にはお前が必要なんだ」と叫んでいたマックスを思い返させる切な過ぎるラストシーンになっています。  抑えていますが的確な演出の地味なストーリーに文字通りジーン・ハックマンとアル・パチーノが息を吹き込んで忘れる事の出来ない印象的な作品に仕上げていたと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-20 00:53:52)
2.  犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 
佐兵衛の遺言書は作品に事件と混乱のきっかけを提供する効果的なアイテムにはなっていたと思いますが、彼が最も寵愛する珠世に有利に働くようにした為に逆に彼女自身の身の危険を招いてしまう結果になり、そしてそうなってしまう事は観ている側にも火を見るよりも明らかだったのではないかと考えると、佐兵衛が一代で財を成した優秀な大経営者という人物像の前提が崩れてしまうという制作者の都合にシフトした詰めの甘い設定になってしまっていた印象が残りました。  また、映像の後処理や編集等頑張っていた印象は有りましたがそれらに余り魅力を感じられなかった反面、カメラワークでの奥行きを強調した構図の作り方は美しく特にトップカットの外から旧家の室内を捉えたものと、それに続く長い廊下のカット等は、しっとりとじっとりの間くらいの色や明るさのトーンで絵画と見紛う程素晴らしく良い意味で少なからずゾワッとしてしまいましたし、ラストカットも奥行きを効果的に使い主人公の為人を無理なく上手にフレームの中に溶け込ませる事が出来ていましたし、他にも多数そのようなカットはあったと思います。  しかし、個人的には舞台のような大袈裟な俳優さん達の演技やメイク、演出や音楽等は見ていて少々負担になってしまいましたが、そのようなゴテゴテとそしてドロドロとした人間関係の中を石坂さん扮する金田一耕助が力まずに自然体で振る舞う事により絶妙なバランスの世界観が出来ていたと思います。 本作においての金田一は推理する事によって、石坂さんは肩肘張らない演技をする事によって犬神家の人々と私の間の橋渡し的な役割を完璧にして貰ったように感じました。  個人的な好みで言うと余り高評価は出来ませんが一本の作品として客観的に見ると映画的な手法や俳優さん達の演技もきちんとした方向性を持った質の高い作品だという印象を受けました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-07 12:54:56)
3.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
ドゴール暗殺計画という設定によりストーリーの結末は決まってしまっているので本作は雰囲気とテンポの良さで見ている者を引き込んでいきます。  一見、ジャッカルの後塵を拝しているように見えるルベル警視ですが、自分の足りない所は信頼できる部下や外国の警察への協力要請を請う事によって確実に暗殺犯の包囲網を徐々に狭めていく彼の捜査にはほぼミスは有りません。 一方のジャッカルはミスを重ね少々計画にも強引な所も有り、誰かが捕まれば即中止と言っていたにも関わらずにハンドルをフランスに切った時には恐らく彼の中で感情的な何かがそのような決断をさせたと考えるとプロとしての資質に幾分疑問を感じますが、柔らかいが自信に満ちている物腰から来る彼の持っている雰囲気の良さに魅了されていきます。  物語を展開させていく上でジャッカルの幾つかのミスや判断の甘さが引き金となるので仕方が無いのですが彼の雰囲気で相殺し、敏腕刑事とも言えるルベルをパッとしない容姿(そこが逆にかっこ良かったりもします)にする事で彼等のパワーバランスを上手く取り、最後まで2人の静かな攻防から来る緊迫感を持続させる演出による描き方は見事です。  また、画の中の被写体の行動に躊躇や淀みが殆ど有りません。 そんな内容に呼応するかのように編集でのカットのタイミングが早め早めとなっているのでテンポが良いものとなり、映像的な派手さがないにも関わらず作品に集中出来ます。  ジャッカルとルベルの登場シーンも普通ならもう少し印象的にしても良いと思いますが、何のドラマ性もなくしれっと画面に現れます。 ラストではジャッカルは射殺され埋葬されて、それを見届けたルベルが去っていきます。 それら一連のシークエンスも淡白に描かれ、フェードインからフェードアウトするような流れの中に彼等2人の存在感が逆に印象に残り、それがそのまま作品の印象強さに昇華されているように感じられる渋めの良作だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-25 13:52:21)
4.  ガントレット 《ネタバレ》 
武器使用の際は適材適所なモノを選び行いましょう、という教則DVDの悪い事例の項目を見せられているような作品でした。  ストーリーパートがかなり単純で広がりがない為に無尽蔵とも言える銃弾を使った銃撃シーンもその迫力が作品自体にまで大きな効果を与えていた印象はなく、話から乖離してしまい悪い意味でそこだけ目立ってしまったように感じました。 映像的に見ると展開は中々激しいのですが、脚本的な展開力の弱さと主役の2人を始めとする登場人物にキャラクターの魅力や深さが無い為にそれらに足を引っ張られ凡作になってしまったように思います。 パトカーをジャックされた警官に色々と喋らせたりはしていますが、やはりそれもそこ迄の効果は得られてはいないように感じてしまいます。  バスの中でのショックリーとマリーの会話と沈黙が比較的良かったようにも取れますが、厳しい事を言ってしまえば演出が透けて見えてしまっているとも言えてしまえます。  黒幕2人の処理の仕方や主役の2人が助かり去ってゆく姿などは大味の西部劇のようでそこ迄に至る経緯を考えるとそれはそれで納得できる流れなのですが、個人的にはラストにショックリーがあの場で死んでマリーが泣きながら彼に覆い被さる脇を箱から出てきた赤いバラが風で散らばっている画を俯瞰ロングで抑えて欲しかったです。 作品通りのラストならばヌルいようですがジョゼフソンの命も助かっている事を望んでしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-19 13:54:41)
5.  地獄の黙示録 《ネタバレ》 
魅力的な人が沢山出てきます。 同じくらい狂った人も沢山出てきます。 そして善い人は皆無だったと思います。 それらが不自然と感じずに観賞出来る程に戦場の狂気が自然に描かれていたと思います。  ヌン川を遡上して行くに連れ状況は混沌としていき、人の傲慢とも言える欲望の本質から人の恐怖の本質へと移行していく様は精神的な圧迫を感じさせるのと同時に物事の本質に近づいて行くような期待感を増幅させてもくれます。 また、指揮官も既に居ないような危険地帯の最前線、ド・ラン橋の塹壕の中で戦っている兵士達がほぼ黒人兵だけ等、細かい所の描写も俊逸です。  私の考え自体が浅いのかもしれませんが作品にそれ程難解さは感じられませんでした。 「王殺し」などの神話的、哲学的なサブテーマを詩的な表現で装飾しているもののカーツがカンボジアに彼の王国を創った理由や動機なども常軌を逸しているとは言え納得できるものでしたし彼の言動も難解な言い回しや極論では有りますが破綻までのレベルにはいっていないように感じます。 真の強さを理解し、その強さに従った行動により軍と決別し、ジャングルの中で完全に現世からも解脱出来ずに息子を気に掛け、欺瞞に満ちた軍の偽りに強い憤りを覚えてしまうカーツは王国の支配者というより崩壊寸前の不安定さを孕んで彷徨いながら自らの死により崩壊を免れようとするパラドックスの中で自分で決着を着ける事が出来ずに『その時』をひたすらに待つ事しか出来ない歪な思考に囚われている戦争の犠牲者ようにも見えます。 士官学校を首席で卒業したスーパーエリートでしかも人格者と言われたカーツですが軍への不満を抱えても戦争そのものへの否定までは至らずに戦争の中で答えを見出そうとしている様は生き方は全く違いますが、戦争そのものをライフワークとして楽しんでいる感があるキル・ゴアとそれ程違いがない戦争依存者という印象を覚えました。  しかし、本作の魅力はコツコツと積み上げた小難しい理屈を一瞬で吹き飛ばしてしまうような迫力ある映像と印象的な音楽に有るように思えます。 各シークエンスでまずインパクトの有る遠景のカットで見ている者の意識を釘付けにしておいてからグイグイと容赦無く抉るように寄っていくカメラワークは分かり易さと同時にこの作品が持っているスケール感の大きさと臨場感を味わう事が出来ます。 また、ワルキューレの騎行を単なるBGMとして使うのではなく実際に戦場で流しているという演出にキル・ゴアを通してのコッポラの狂気を感じます。 全体としては脚本が幾分散漫な感がありますが映像が持っている力を教えてくれる本作は映画としての魅力は十分に有ると思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-09-12 18:06:14)
6.  カプリコン・1 《ネタバレ》 
設定、音楽、車の暴走とドッグファイトが素晴らしかったのですが全体的に見ると少々雑とも言える造りになっていたと思います。 特に設定について言えばかなり面白い着目点なので見終わった時には残念な気持ちになってしまいました。 面白い設定で前半が良く後半になるにつれ話の展開に無理を感じてしまうのは、質の良くない最近の邦画を連想してしまいます。  また、音楽の良さがギャップとなって作品の稚拙さを逆に際立たせてしまっていた印象でした。 しかし、ドッグファイトやブレーキの効かない車のシーンはカメラワークで誤魔化す事なく素材の迫力に圧倒されてかなり興奮させて貰いました。 特に追跡シーンにも使われていた2台のヘリコプターはそれ自体が意思を持ったような連動した生物的な動きと操縦者の声も顔も出さない無機質な不気味さが相俟って恐怖を煽る演出として効果的だったと思います。 しかし私が見たかったのはやはり陰謀がどの様に暴かれていくかを緊張感を持って最後まで楽しみたかったので返す返す残念に感じてしまいます。  また、他の方のレビューを読むとラストも賛否両論有るようですが私的にはあと10分欲しかったので、スローになってクレジットが出てきた時には「あれれ……そーなんだ…」って感じでした。 まぁその後のお決まりの展開としては、ソ連の人達に嘲笑と罵倒されてキレたアメリカ大統領が核ミサイルの発射ボタンを押して地球が大変なことになるんだろうけど…。 続編カプリコン2(ザ・デイ・アフター)だったかな?違うかな?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-01 00:04:31)
7.  獄門島(1977) 《ネタバレ》 
音楽が軽いなあと思いましたが見ているうちに作品自体がそれ程重くない事に気付かされました。 『獄門島』というタイトルからもっと悍ましい内容や演出を想定していたのですが、そこまで怖くはなく幾分肩透かしな印象でした。 舞台を周りから隔絶された孤島にしていますが、閉塞感は感じられず逆に気候の良い瀬戸内の開放感の方が強く出ているせいだと思います。 私としては日本映画特有の怨念や祟り等を軸とした子供の頃の私が最も苦手としていたホラー系の作品を大人になってようやくそれらを見ても夜1人でトイレに行けるようになり、満を持して鑑賞したので少し残念です。  殺人の動機も怨念じみたものはなく家督相続がらみですし、殺人の被害者達も白濁したコンタクトをして目を見開いているワンパターンですし、等々力警部のようなキャラクターも出てくるので制作者側もミステリー重視の怖くない軽妙とも言える作品を目指している感じです。 そのように作品を軽めのものとして見ると個々の殺人方法も脚本も細かい事を言ってもしょうが無い気がしてきます。 軽い作品と解釈しても少し気になってしまったのが被害者の3姉妹を同じ様な白痴として描いていて手に掛けた人達も罪に対しては後悔して自殺してしまいますが彼女達に対しての呵責はそれ程描かれてはいないという所です。 細かいようですが余り良い気分では有りませんでした。  作品自体は面白いといえば面白いのですがメインの役者さん達も上手い人とそうでない人が入り乱れていたりタイトルと世界観にギャップがあったりと全体を通しては少し見づらい印象でした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-07-09 19:49:16)
8.  雲霧仁左衛門 《ネタバレ》 
活劇という見せ方をしている本作ではやはり160分という時間は長いと思います。 名古屋城への殴り込みの前で潔く終わりを迎える脚本に仕上げて貰ったほうがすっきりした作品になっていたと思いますが、兄の蔵之助が仁左衛門の身代わりになった後の話の展開も面白いので捨て難いのは理解できます。 しかし、その場合は上記したように全編ガチャガチャした活劇だと疲れてしまうので幾分トーンダウンさせて落ち着いた時代劇にして貰わないと正直見ていて辛いです。 原作の印象を思い出してもどちらにでも出来ると思いますので、私的には落ち着いたものにして欲しかったです。  役者さん達は右を見ても左を見ても濃い人ばかりで濃すぎる演技を見せてくれます。 個性派と呼ばれている川谷拓三さんや成田三樹夫さんがひとつの画面に表れるだけで得した気分になります。 また、9代目松本幸四郎さん、加藤剛さん、高松英郎さんはどの作品を見ても清廉性のある大勢側に居る気がします。  池波正太郎さんの原作という事でしたら2~3つだけでも美味しそうな料理を食べるシーンがあっても良かったかと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-27 01:31:16)
9.  待ち伏せ 《ネタバレ》 
立ち込める霧の為に鈍い黄緑色になった暗い山道を、黒く潰れたシルエットの浪人がこちらに向かって歩いてくるオープニングカットはかなり良い感じですし、タイトルが出るまでの鎬刀三郎と頭巾を被った「からす」との密談は、これから2時間余は飽きさせないであろうと予感させてくれます。  脚本も説明不足の為に見ている側が想像しなければならない箇所も有りますが総じて良く出来ています。 そして何と言っても4大スター共演というのが本作最大の売りだと思いますが、同時に最悪の結果を齎しています。 主人公の鎬は勿論ですが玄哲は鎬の好敵手?(微妙な関係です)としてそれなりに描かれているのは良いと思いますが、伊吹と弥太郎の配役に主役級の2人を当てた事で物語の余計な比重が2人にいってしまい話全体が散漫なものになってしまっています。 本来脇役であるこの2人が中途半端に目立っている為に彼等自身が活かし切れていないのは勿論、鎬の印象も薄くなってしまっています。 その好敵手である玄哲も言わずもがなです。  本来ならば鎬に軸足をどっしりと置いて話を展開させていけば、かなり面白い作品になったと思います。 その場合は本作以上に三十郎シリーズの亜流と言われる事にはなりますが…。 作中の三船さんの戦っている相手は目の前の敵ではなく、過去の三十郎での自分の演技であるように見えてしまい、決して演技の幅が広いとは言えない彼を見ていると気の毒にも映ってしまいます。  4大スター共演という要素を本作の必須条項と考えると、この話にした事でもはや成功は無かったのではないでしょうか。 また演技の面では上手いと言える役者さんは一人も居らずメインの4人のうち唯一、勝さんが存在感を出していましたが自分一人の中で完結してしまっている印象の演技でしたし、伊太八を演じた土屋さんに関しては残念の一言です。  そして冒頭の一部のシーンを除くと演出が作品全体を通して酷い事になっていたと思います。 メインの舞台をみの屋という狭い空間にして登場人物の出入りと時間軸に幅を持たせた脚本にしているのですから、話の繋ぎ方や細かい場面の見せ方等に工夫を持たせてテンポ良く見せて貰いたかったです。 殺陣のシーンでも何故此処で歌舞伎の舞台を意識した様な演出にしたのかという誇張されたものになっていますし、それとは趣きを変えたラストのからす一味との殺陣も取ってつけた様で三船敏郎特典殺陣シーンみたいになってしまっている印象です。  こういう脚本を掘り起こして中堅の役者さんを沢山使って、大胆に脚色してでも良いですから今の時代に丁寧にリメイクして欲しいと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-06-24 20:43:05)
10.  家族(1970) 《ネタバレ》 
2年後に制作される『故郷』のプロトタイプ的な作品で、『故郷』に比べるとカメラワークや編集は若干雑な印象が有ります。 ドキュメントタッチで描かれているという事もあり、内容や演出等に統一性が余り感じられず、特に前半の西日本では万博でのチンケのシーン等、作品のトーンや内容からズレている箇所があり見難くなってしまっていました。 それでも富士山を過ぎた辺りからは見せ方や内容に纏まりが出始めて見易くなります。 しかし、作品のテーマである家族とそれを構成している個々の命の在り方についての描写は余り錬られている印象はなく、早苗や源三の死は少々強引且つ安直な表現である気がしますし、仔牛の誕生や民子の妊娠も取って付けた感じがします。 家族の生死に焦点を合わせるより、家族の繋がりをもっと丁寧に描いて貰いたかったです。  そんな中でも山田監督らしい叙情的に優れたシーンも有ります。 青函連絡船の中での精一の家族に対する怒りの態度は、処理しきれない彼が抱えた苦悩の裏返しであり、一人甲板に出て泣く姿は一家の主として切なく映ります。 そして源三の死の直後、民子に「俺はアホやった」と泣きながら弱音を吐く精一には男であるが故の悲しさを感じますし、そんな精一に寄り添い慰める民子の姿は印象的です。  前述した様に演出や話の内容がテーマに対して散漫になってしまってますが、俳優陣のレベルの高い演技によって作品自体はしっかりと纏まってみえます。 特に笠智衆さんの源三は、本当は気弱であろう精一や民子の理解者となる懐の深さを感じさせる役どころを朴訥とした演技で見事に演じきっています。 ビールを飲み「うまい」と言った時の表情や、隆と遊んでいる姿やお饅頭の説教等、彼の演技というか笠智衆さん自身を見ているだけで心地良い時間を過ごせます。 倍賞千恵子さんや井川比佐志さんの演技を柳の様に受け流しながら、決して主張はしませんが独特の個性と存在感を感じさせて作品の要となっています。 また、倍賞千恵子さんの誠実で安定した演技は既に完成されています。 日本で一番華のない天才女優だと言っても過言ではないと思います。  俳優さん達の演技は特筆すべき作品ですが、内容的には何も起こらない『故郷』は胸に染み入る様なドラマを感じるのに対して、色々な事が起こる本作からはそこ迄印象に残るものは感じられませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-13 02:02:29)
11.  八つ墓村(1977) 《ネタバレ》 
村に伝わる落ち武者の祟りに見せかけた営利目的の殺人事件ですが、人間関係や過去の事件、主人公や犯人の出生等も全てその怨念によって導かれているという設定は俊逸ですし、事件と怨念のバランスの取り方が素晴らしく話自体が非常に怖くて面白かったです。 タイトルからして原作者のセンスを感じます。 舞台となっていた村や東屋、洞窟等のロケーションも素晴らしく作品自体に深みを与えるものになっていたと思います。 特筆すべきは何と言っても多治見要蔵の大量虐殺のトップカットでしょう。 ふんどし姿にガンベルトをたすき掛けにして、右手に日本刀、左手に猟銃、そして有ると無いとではインパクト的には全く違うDIYのヘッドライト。 そんな狂気の彼が青白い薄暮の桜舞い散る中を真っ直ぐこちらに走ってくるハイスピードの映像は芥川也寸志さんの迫力ある音楽と相俟って極めてかっこ良く、そして美しいものになっています。 パロディでは何度と無く見た事が有りましたが、オリジナルを初めて見て痺れました。  個人的にはオカルト的なミステリーにベクトルを向けて欲しい内容でしたので、村祭りでの落ち武者惨殺シーンの見せ方は時代を差し引いて見てもクオリティーを含めて少し残念でした。 もっと心情に訴える様なおどろおどろしい表現に欲しかったです。 恐らく監督はスプラッター気味のホラー作品にしたかったのだろうと感じましたが、その為に粗さの目立つ脚本になってしまう箇所がありました。 前述した様に話自体が面白いので、脚本の整合性や細部を詰めていっても小さく纏まることは無かったと思うので勿体無い印象が残ります。  ゲゲゲの鬼太郎がリミットだった子供の頃の私にはこの様な作品は怖くて見れませんでしたけど、今回初めて見て子供の頃の自分の判断に感謝しました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-06-08 16:36:06)
12.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 
火災現場では火よりも煙の方が怖いという事が常識となっている現代から見ればおかしな描写は有りましたが、撮られた年代と映画という事を鑑みれば煙に巻かれて倒れるよりも炎に包まれて焼け死ぬ方が映像的にも派手で良い演出だとは思います。 火災現場の陣頭指揮を取っているスティーブ・マックイーンが前線に出過ぎとか、孤立した135階には消防士が2人もいるのにポール・ニューマンが仕切っているとか、最後の貯水槽爆破の時にもまだ1人消防士がいるのにニューマン指名等は彼等が主演だから仕方が無いのでしょう。 その他にも何度も出てくるエレベーターの扉の動きが大道具然としすぎで重厚感がまるで無いのは本当に重たい物で作ってしまうと危険だからなのかとか、いちいち自分の中で自分に対してエクスキューズを入れなければいけないというのは見ていてストレスが溜まります。 また、話自体は良い設定なのですが映像が大人し過ぎる印象でした。 状況は把握しやすいのですが、それ以上のものは伝わってきませんでした。 主な原因は明るすぎる画のトーンと工夫のないカメラアングルだと思います。 カット割りや編集もメリハリがないので盛り上がりに欠けますし、パニック映画で映像に力がないのは致命的だと思います。 唯一迫力を感じたのは、消防車が夜の街中を飛ばして来て、無秩序にビルの前に停車するシークエンスでした。 しかし、ビル内のセットに戻るとまた元の木阿弥です。 大作というよりはディテールに対しての拘りと、映像に対しての迫力のない大雑把な作品に仕上がってしまい、パニック映画風のパニックテレビドラマといった印象でした。 そんな中で本来サイドストーリーであるアステアとJ・ジョーンズのシークエンスが良かったのは皮肉に感じてしまいます。 ダメなおじいちゃんに対する彼女の慈悲深い眼差しには心が和んだので、展望エレベーターから彼女が呆気無く転落した時には思わず「あっ」と、声が出てしまいましたが、この様な無慈悲な演出は嫌いでは有りません。 設定を竣工日にした事で住人やテナントの人達はほぼ居らず、落成式のパーティーを軸にスッキリとした話の展開にする事が出来ましたが、返って小さく纏まってしまい超高層ビル火災という本来スケールの大きな作品の筈なのにそれ程スケール感を感じる事が出来なかったのは、有名な作品でしたので期待を裏切られた様で残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-06-02 03:44:35)
13.  幕末 《ネタバレ》 
カチッ………カチッ…、と壊れたメトロノームの様に悪いテンポで話は進んでいきます。 「幕末」というタイトルからスケールの大きな群像劇かと思いきや「竜馬がゆく」を原作にした坂本竜馬主人公の物語でした。 それにしても作品からは混沌とした幕末という時代にあったであろう勢いやパワー、竜馬に対して抱いているイメージの人間的な魅力や不屈の行動力等は殆ど感じることはできませんでした。 イベントが掃いて捨てる程ある時代に全てを詳しく描けないのは当然ですが、竜馬を主人公にしているのでしたら勝海舟との会談で彼に傾倒する過程や、薩長同盟締結の理由と推移等はもう少し丁寧に描いて欲しかったですが、出来事の表面だけをあっさりと流した感じは残念でした。 それに加えて役者さん達の演技はかなり大袈裟で悪い意味での迫力任せに見えました。 クローズアップが少なかったのでそれ程暑苦しくはなりませんでしたけど、作品の為というより役者さんが個人プレーに走ってしまった様な印象でした。 また、カメラワークやカット割り、編集のタイミング等もマイナスの要因だったと思います。  関ヶ原の戦い以降に長宗我部に代わり山内が治めた事により他藩に比べ上士と郷士に大きな隔たりがあったというよりも、差別的とも言える対立が存在した土佐藩で、商人の饅頭屋近藤長次郎が仲間である筈の亀山社中の郷士から切腹を強要されるのは、それなりの理由があったとしても興味深い出来事でした。 かつての南アフリカでの英国白人とアフリカーナーと原住民の関係を彷彿とさせられる様な苦々しさを感じました。 差別から逃れる為に別の差別を生む構図は、四民制度の中でヒエラルキーの頂点の武士でも上士に差別されている郷士が持っているであろう人間の弱い本質を見せられている様でした。 その為、近江屋の二階で中岡慎太郎が四民の中で武士だけは特別だというのに対して、武士を含めた四民制度を壊す事を強く主張する竜馬の台詞は救いになりました。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-05-19 00:19:35)
14.  幸福の黄色いハンカチ 《ネタバレ》 
赤いファミリアで旅をする三人組の微妙な関係が非常に魅力的でした。 刑務所から出て来たばかりで色々な意味で人の温もりが一番必要なおじさんに若い男女が色恋トラブルで喚き散らしていれば健さんじゃなくてもバドミントンのラケットを持って説教したくなる気持ちは分かります。 武田さんと桃井さんの濃すぎるキャラは食傷気味な所も有りましたが、作品を引っ張って行くには十分ですし、この2人でなければ違うものになっていたと思います。  夕張の街を走り回り、大量の黄色いハンカチに気付き、その下での勇作と光枝が再開した一連のシーケンスは見せ方も素晴らしく、高揚感と感動を同時に味わうことが出来ました。 衝動的に殺人まで犯してしまった勇作を受け入れる光枝の姿は、罪を犯したどんな人間でも再起の機会はあるのではないかという監督の人間愛の様なものを感じました。  脚本や俳優さん達は非常に面白く俊逸な作品でしたが、映像等が気になってしまいました。 寅さんと違うタッチで描きたかったのかもしれませんが、粗いカメラワークやアングルは勇作と光枝が再開したシーンの2人のロングショットをアオリで撮っているカットなど良い所もあったので残念でした。 画的に動きや勢いを出したかったのだとすれば、失敗の部類に入ると思います。 必要無いカットや稚拙ともとれるカット割り等も目立ちましたし、音楽は時代を差し引いたとしても決して良くは無かったと思います。  キャラの濃い3人を乗っけて、脱輪して抜け出した次の瞬間に干し草に突っ込んだり、たこ八郎さんの頭とボンネットで勝負させられたり、最後にはラブホの代わりになっていたフロントグリルに穴の空いた赤いファミリアが愛おしくも感じてしまいましたし、名前がファミリア(家族)って何だかほのぼのしてしまいます。 邦画のロードムービーは余り見ていませんが、その中でも心に残る気持ちの良い作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-12 19:32:39)
15.  昭和残侠伝 死んで貰います 《ネタバレ》 
この手の任侠映画をちゃんと丸々一本見たのは初めてでしたが、かなり良かったです。 役者さん達の着物の着こなしや台詞の日本語が自然で美しく、見ていて気持ちが良かったです。 任侠映画の必須項目である義理や人情をこれでもかというくらいに全編を通して表現されていますが、教訓としてではないので説教臭くなること無く見ることが出来ました。 女将さんが義理の息子と知りながら接していたことや、駒井から幾太郎を守るために秀治郎が叱責し、更に秀治郎を守るために重吉が飛んで来てぶん殴るシーン等は逆にストレート過ぎて妙な安心感と同時に心に響くものがありました。 駒井が勧進帳の富樫左衛門になる訳が無いのは解っていますが最後まで本当に嫌な奴でした。 諸角さん、良い意味で最悪です。 湿っぽい浪花節の中で長門さんのコメディリリーフ的なひょっとこの松は非常に効果的でした。 12年間位の話ですが急ぐ事無く調度良いテンポで、シンプルですが一つ一つの内容を丁寧に描いていたのでとても見易かったです。 秀治郎が幾太郎に初めて出会ったのも雨、刑期を終え再開したのも雨、警察に連行され離れ離れになるラストのシーンも雨、日本人には『雨』という情景だけで伝える事が出来るものがあると思いました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-05-03 19:23:43)(良:1票)
16.  故郷(1972) 《ネタバレ》 
始まりは、NHKの瀬戸内海紹介番組かと不安になるほど淡々としています。 アクシデント的なものは健次の怪我と、魚屋さんが風邪を引いた事ぐらいです。 合理化・効率化が至上命題の高度成長期に翻弄される家族の移り変わりをゆっくりと静かに描いています。  役者さんの自然な演技は勿論ですが、山田監督の目立たないが基本的映画手法の高度な技術や、派手ではないが適切な演出や脚本が際立った作品だと思います。 必要な画を撮り、適切なカット割りを的確なタイミングの編集で繋いでいる事で、作品を通して映像的なストレスが無いので物語に集中出来ます。 ほぼ台詞を排除した石舟でのウインチを使った夫婦の作業などは、危険な重労働だという事が臨場感と共に伝わってきますが、決して一人称にはならずに作品の世界観を踏襲してあくまで情景として写している表現は俊逸です。  魚屋さんが労働者と船長は全然違うと精一に説きます。「給料が違う。船長さんはずっと安い。労働が違う。船長さんはずっと辛い。でも、船長さんは船長さんだ。」という台詞は大袈裟に解釈すれば、高度に産業化された社会の恩恵を受ける事と、人間としての尊厳を比較した時の目指したい理想的回答の様に聞こえました。 また、精一は家族の暮らしの為に島から出る決断をしますが、いざ船に乗る時に娘の千秋は島に残るおじいちゃんから離れません。 おじいちゃんのいる島に残る事を幸せと感じる幼い千秋の純粋な行動は胸を打ちますが、島を出る決断も家族の幸せの為なので大人達は子供以上に辛いと思います。  予想外の展開などが無い分返って、時代の流れに抗えない人達が気の毒にさえ映ります。 作品に対しては結局、「家族を養って生きて行く為だから、仕方が無いよね…。」という結論しか出せない自分にやるせなくなってしまいます。 刻みネギしか乗ってない名代の素うどんのような作品だと感じました。 天麩羅などは乗って無く極めてシンプルですが、味は確かです。 完食して最後の一滴まで汁も啜りましたが、そんな結論しか出せない自分には、切な過ぎて「おかわり」とは言えません。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-04-26 02:52:39)
17.  大列車強盗(1973) 《ネタバレ》 
最後のどんでん返しに、騙されたし笑ってしまいました。 それまでの緩い追跡劇や、いまいち盛り上がらなかった銃撃戦、レーンとカルフーンのちょっといい話など全てどうでも良くなってしまいました。 「賞金はいらない、俺達全員で決めたんだ。フッ…」←カッコワル~~、騙されてんのに~~、チョー大笑い~~、…みたいな。 男を上げたと思ったら、マヌケなズッコケ6人組に…。 しかし、ラストカットを最後まで見ていると、遠くの方で列車を追って行ったレーン達が列車に追い付いています。 私の脳内ではこの後、リリーと探偵と、レーン達が一悶着あった後に、リリーと探偵を含む8人で金塊を山分けするも、騙されてバツが悪そうに苦笑いしているレーン達の画が浮かびました。 結果的には、無報酬だったのに50万ドルの金塊を山分けできたのだから大団円です。(勿論、これは私の希望も含めた妄想ですが)   純粋に楽しめましたし、見終わってから何かほのぼのしてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-25 18:52:08)
18.  新幹線大爆破(1975) 《ネタバレ》 
 勢いや迫力というものを非常に感じる作品でした。役者さんが単に演じているというよりも、自分の進むべき方向を理解していて、熱く激しく演じているという印象でした。   パニック映画としては話の設定や緊迫感などは楽しめましたが、サスペンスとしては脚本が雑に感じました。  見終わった時の高揚感と同じ位に、その雑な印象が残ってしまい残念でした。   また、運転指令長の倉持が国鉄の良心の様に描かれていますが、総局長のゼロ地点停止に対する彼の異議は正しかったのでしょうか。 現場指令責任者として異議を唱えるのならば代案を提示するべきで、彼にはそれがあったのでしょうか。   あの時点で、指示通りにしない警察に対して犯人は電話をしてくる可能性は?  仮に犯人から電話があり「爆弾は1つだけだから止めても大丈夫だよ。」と言われても信用できるのか(爆弾脅迫犯が信用足りうる人物なのか)。信用しない場合は国鉄・警察側で2つ目は無いという事を停車するまでに証明出来るのだろうか?  電話が無い事を見越して、福岡到着までに自力で2つ目の爆弾を発見して解除できる見込みがあるのか?  仮に2つ目の爆弾があったとして、それを解除出来たとしても3つ目の爆弾が無いという保証があるのか?   これらを鑑みると、何処かで必ず新幹線を停止しなければならないのだから、ゼロ地点停止か、否かの決断はどちらにせよギャンブル的要素が含まれると思います。そうなると、無駄な二次災害の可能性を避け、田園地帯でのゼロ地点停止は正しかったのではないでしょうか。   倉持の考えは、単に決断の先送りのように見えてしまいます。  責任者の仕事は、状況を的確に判断し、決断を下し、その結果に責任を取る事だとしたら、彼は一つも出来ていないと思います。  司令室で指揮を執っていたにも関わらず、状況を把握できずに、決断は総局長に押し切られ、しかも彼に「私が責任を取る。」とまで言わせています。   倉持は感傷的に辞職願を申し出ていましたが、私が上司だったら更迭です。責任者の器では無いと思います。 
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-04-11 16:32:57)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS