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コメント数 123
性別 男性
自己紹介 新作をどんどん観に行く、というよりも好きな作品を何度も繰り返し観るタイプです。
よろしくお願いいたします。

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1.  パラサイト 半地下の家族
まさに歴史を変えた一作として永遠に語り継がれるだろう作品。アカデミー作品賞受賞後の日本の報道を見ていて思ったのだが、ちょっと余りにもあっさりし過ぎではないだろうか。確かに松たか子氏の日本人としてのアカデミー初歌唱も素晴らしい事だと思うが、どう考えても本作のアジア映画初作品賞受賞の方がよっぽど重大な事件だ。しかし、その事はほんのちょっとしか報道されない。もし日本映画が取ってたら絶対に今の100倍は報道されているはずである。「我が国の名誉ではないし、お隣韓国の名誉になる事柄だから、余り大々的に報道する事はやめておこう」なんて報道規制されてたりして。だとしたら相当ヤバイしダサい事である。私は常々、映画の力はその国の力、つまり映画=国力だと思っているのだが、まさに今の韓国の底力を見せつけるような面白おかしい作品。とにかくチョヨジョンの美しさだけでも見る価値がある。
[映画館(字幕)] 8点(2020-02-16 18:58:16)
2.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
面白かった。すごく極端な事を言うと、鑑賞中まるで黒澤映画を観ているようだなと思う箇所が何個かあった。構図なのか、なんなのか。もともとスターウォーズとは、黒澤明の映画に憧れたジョージルーカスが「宇宙を舞台にしたクロサワみたいなチャンバラ映画を撮りたい!」と一念発起して作り上げた作品である。その9部作の最終作品が、黒澤映画っぽさを感じさせると言うのは、JJ監督がそれを意識したのか全然してないのかは分からないが、何か原点回帰っぽくて良いのではないかと思った。やはり、活劇映画は、もっと言うとチャンバラ映画は、このくらい大げさで(映像的に)分かりやすくなくては!と、スクリーンに映されるどこをとっても現実感を排除した完璧な世界観を前に思ったのである。脱線するがこの広い世界でこんな映画を今作れるのはアメリカという国だけであり、もはやそれは悔しいとかそういう事とも離れていて只々驚愕するだけである。  ともかく、前にも書いたがここまである種カルト的な人気を持つシリーズは、例えどんな作品を作っても必ずどこかから文句は出るし、つまり全員を納得させる事は無理である。しかし個人的には、シリーズの最終作がこれで良かった!と思えただけで満足なのであった。シリーズ最後までお疲れ様でしたという思いを込めて1点加点させていただく。
[映画館(字幕)] 8点(2020-02-16 14:37:15)
3.  ドクター・スリープ 《ネタバレ》 
観終わってみたら2時間半もあった。もともと二つの物語を無理やりくっつけ合わせたようなシナリオなので、このくらいの時間はかかって当然かもしれない。二つの物語とは、前作シャイニングの流れを汲んだ部分と、新チャプターのバンパイア達との戦いの部分である。はっきり言って、本作は前作シャイニングの部分を全部取っ払ったとしても、「超能力を持つ中年男性と女の子のコンビがバンパイア達と戦う物語」として十分成立する内容である。つまりシャイニングの部分は設定上利用されているだけであり、物語の殆どは独立した、キングの純粋な新作なのである。これを盛り沢山と取るか、なんかどっちらけているなと取るか、これはもう観る方それぞれの主観によるだろう。さて、「バンパイアとの戦い」と言う新テーマにあまり惹かれなかった自分は、当然のように前作シャイニングの続編部分に引かれたわけだが(それは映画の最初と最後に集約されている)、やはりこの部分はテンションが上がった。ちゃんとオーバールックホテルは再現されているし、お馴染みの(?)幽霊さん達も全員総登場で同窓会のような気分に。でもこのドクタースリープが前作のように今後40年間ホラー映画の金字塔として人々に観続けられるかと言うと、正直それは厳しいと思う。映画が始まって割とすぐに汚物を写したり、少年を虐殺するシーンをやけにリアルに描写したり、そのような映画を人々が好んで今後数十年も観続けるとは思えないのである。
[映画館(字幕)] 6点(2019-12-07 17:24:37)
4.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
これは観方を誤ったかもしれない。何故かビートルズがない世界に迷い込んでしまったミュージシャンの彼がビートルズの楽曲の力だけで有名になっていき、最後には自身のアイデンティティなどと葛藤していくというファンタジー形式の割と深い(笑)物語だと思っていた。勿論それも間違いではないのだが、この作品の核はあくまで幼馴染である男女のラブストーリーである。そう完全にラブストーリーがメインなのである。その為時空の歪みなどの細かい伏線とそれらが全て回収されるカタルシスと・・・と思ってずっと観ていた自分はなんとなく勝手に肩透かしを食らったような気分になってしまった。例えばバックトゥザフューチャーのようなタイムパラドックスとかそういう細かいところまで色々と期待して観てしまった。しかしおそらくだが、制作側は「そこまで深く考えていない」というのが正解だろう。これはもっとライトに、不思議な世界に迷い込んだ男女のラブコメとして見るべきだ。そうすればなんの不満もなかったと思う。普段見慣れたハリウッド映画とは異なり、イギリス映画らしい細かさというか、優しさというかとにかく最初から最後まで細かいギャグのオンパレードで、(それが面白いかどうかは別として、)素直に笑わせ続けようとしている作風には好意しか抱かなかった。肝心のビートルズの存在意義に関しても、おそらくそこ迄深い意図はなく、「もし聴きたくなったら、レコードショップに行けば、我々はいつでも本物のビートルズの音楽に触れることができる。ビートルズがあった世界で、よかったよね!」というくらいのメッセージじゃないかと思う。と言うわけで、次に見る時は「少し変わった設定の軽〜いラブコメ」と意識して観たいと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2019-12-02 22:51:39)(良:1票)
5.  ジョーカー 《ネタバレ》 
面白かった!今明かされる現代人用のジョーカー誕生秘話・・そうかなるほど元々は芸人を目指すほど心の優しい青年だったのだな、そして母子家庭で育つもその母親は心を病み、継父には虐待されていた。それもヒーターに紐でくくりつけられるという酷い虐待だ。だから背中に大きな火傷の跡があるのだな・・・仕事はうまくいかず、仲間に裏切られ、憧れの芸人にも心を踏みにじられ・・・そりゃあ、こんな酷い目に会い続けたらジョーカーになってしかるべきだな・・・と、観続けるうちに途中から違和感を感じ始めた。待てよ・・・ちょっとこれは理にかないすぎではないか?筋が通り過ぎている。。何かおかしいぞ・・・?? ジョーカーって本当に理不尽で、神出鬼没、なんの犯罪歴もなく、指紋の記録もないような真に訳の分からない存在のはず。だから怖いし、人々を引き付けるのだと思っていた。しかしこの映画で描かれる内容は、ある意味あまりに合理的である。まるで、ジョーカーも元はと言えば人の子なんですよ。。と言っているようだ。そこで気づくのである。ダークナイトでは「俺のこの顔の傷、どうやって付いたか知りたいか?」と問いかけた後、いかにもな、それでいて全く異なる話をいくつもしていた。「俺がどうやってジョーカーになったか知りたいか?」そうこの映画で描かれた内容も、奴流のジョークの一つにすぎないのだと。フォアキンフェニックスは、これでオスカーを取ったとしても恐らく誰からも文句が出ないくらいの演技をしている。
[映画館(字幕)] 8点(2019-11-03 23:29:16)(良:1票)
6.  ジョン・ウィック:パラベラム 《ネタバレ》 
1作目の良さが戻ってきていて面白かった。つまりストーリーをとことん単純にしてアクションに特化する潔さである。chapter2は変に話が複雑化していてアクションに集中させないところが若干残念であったが、それもこの3作目に繋げるための産みの苦しみだったと捉えれば納得できそうだ。今回とにかく世界中の殺し屋たちがジョン(とジョンを支援する人達)を殺しにきているという事だけ理解すれば良く(笑)、アクションに没頭できるのが素晴らしい。2作目の残念点はキアヌの体型変化もあったが、2から今作にかけては大差なく、そこもまあ良かった。1作目から比べると30分程長くなっているが、とにかく独創的なアクションのオンパレードで飽きさせない。キアヌといえばバイク、バイクといえばキアヌという事で、途中のバイクチェイスシーンが個人的に特にお気に入りだ。80年代の映画みたいなとんでもジャパニーズが出ててくるところで少し萎えそうになるが、まあギリギリセーフの範囲だろう。黒スーツで何処へも行ってしまうジョンがもう完全にギャグになっているのも楽しい。どう考えても続編がありそうな終わり方だったので、次作にも期待したい。
[映画館(字幕)] 7点(2019-10-10 20:27:56)
7.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 
監督の優しさが溢れ出た新たな傑作だ。基本的な展開は「ジャンゴ」や「イングロリアスバスターズ」と同じと捉えて良いだろう。歴史の中で悲運の人生を送った方々の想いをタランティーノが遂げる作風である。ただ今作はより個人的なお話なので感情移入もしやすい分、見終わった後は本当に複雑な気分になるだろう。作品全体のリズム感は「ジャッキーブラウン」が一番近いのかもしれない。ストーリーが動き出すのは上映開始後2時間ほど経ってなので、この辺りはヘイトフル・エイトっぽい。となるほど今までの監督フィルモグラフィーの様々な要素を併せたような作品だ。本当に世界観がある映画というのは、いくら上映時間が長かろうがいつまででも観ていられるものだと思うが、本作も途中からもうストーリーなんて展開しないでいいからこの人達の生活をこのままずーっと観ていたいという気持ちになってくるのが不思議だ。それくらい1969年のハリウッドに没頭させてくれる。シャロンにもう一度命を与えたかった、普通の生活をさせてあげたかったという監督の言葉が全てだと思うが、当該監督の作品から優しさをこんなに直接受け取ることができる日が来るとは。ブランディが良く躾されていることや(ブランディは最後に大活躍)、途中途中でブラッドピット演じるクリフがとんでもない身体能力の高さを示すシーン(ベランダに登るところetc..いちいち面白い)など、クライマックスに向けての伏線もバッチリ。賛否両論分かれる作品だと思うが、今までの当該監督作品が好きな方はきっと気にいるだろう。点数は一度鑑賞時点でのものだが、もう一度観たらあと1点くらい上がりそうだ。
[映画館(字幕)] 8点(2019-09-07 10:39:53)
8.  ロケットマン
エルトンジョンの数奇な半生を描いた伝記ミュージカル。ボヘミアンラプソディがクイーンのことを知らなかった人達をも巻き込んで(一部で新たなクイーンファンを獲得しながら)どんどん波及して行ったのに対して、本作にはエルトンジョンの事を全然知らない人達をファンにして行くような力はないだろう。ただそれはこの作品が悪いということでは無くて、ボヘミアン〜と本作は当然ながら全くベクトルの異なる作品であり、恐らく制作側もボヘミアン程の波及力など狙ってもいないのだろうからこれはこれで良いと思う。何しろご本人はまだまだご健在なのだし、お涙頂戴の物語とも違う、何と言っても本作は煌びやかなミュージカルなのである。肝心の音楽シーンはどれも素晴らしく、単なる歌って踊ってにとどまらず所々にプラスアルファの独創的なアイデアが散りばめられていて素敵であった。主演の俳優の方がこれまたご本人にそっくりで驚きだ。それにしてもサーエルトンジョンも良く今まで生きていられたなというくらい強烈な人生だ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-09-03 21:16:36)(良:1票)
9.  日本で一番悪い奴ら 《ネタバレ》 
なるほど、タイトルの「日本で一番悪い奴ら」ってのは、北海道警察全体のことを言っているのか。。。
[インターネット(邦画)] 7点(2019-08-26 20:59:18)
10.  新聞記者 《ネタバレ》 
事実は小説よりも奇なり。先日、民放のとある情報番組が山本太郎(及びれいわ新選組)の特集を組もうとしたら、番組自体が突然打ち切られるという事があった。どこかからテレビ局に相当な圧力がかかったものと思われる。言論統制、情報操作、この映画で描かれている事は決して絵空事ではなく、「今」実際に起きている。「この国の民主主義は、形だけで良いんだよ。」権力側の本音が最後のこのセリフに集約されている気がした。  フィクションとして観るも、ノンフィクションとして観るも、まさに観る側の自由だと思うが、1映画としてとてもよくできていると思う。普通にサスペンスとしても面白いし、変にわざとらしい演出が出てきて冷ますこともなく、終始良い緊張感が続く。思ったよりウエッティな泣きの演出が多い気がしたが、それも家族間の絆など描く上で必要最低限な程度に留まっていたと思うし、俳優陣の演技も自然で素晴らしかった。(個人的に特に印象深かったのが主人公が働く新聞社の上司陣野役を演じた北村有起哉。)  松坂桃李は最近の仕事ぶりを見るにつけ、あえて難しいと言うかリスキーとも取れる役ばかりを演じている気がする。これは完全に意識的にやっているのだろう。俺は単なるイケメン俳優ではないぞと言う気概がその仕事から伝わってくる。  それにしてもこの作品のどの俳優の演技よりも、先日放送された首相と三○じゅん子の政見放送の方が数倍も芝居ががって見えたのはどうしたものか。まさに事実は小説よりも奇なりである。
[映画館(邦画)] 8点(2019-07-10 23:02:28)(良:2票)
11.  オーヴァーロード 《ネタバレ》 
戦争ホラーという、今までありそうで無かったタイプの作品(実際にはあったのかもしれないが、小生は見たことがなかった。)そのアイデァは面白いと思うのだが、これが見た後も印象に残るかというと、難しいだろうなという印象。制作側もはなから見た後にも余韻が残るような作品は目指していないのかもしれない。と言う事でこれは頭を空っぽにしてみるべき純粋なエンタメ作品なのだろう。そこが普通の戦争物と違うところか。現代の映画らしく、映像と特に音響は素晴らしく、重低音が効いた迫力のある音は音響マニアには楽しめるのではないか。後、個人的には知っている俳優が一人も出ていなかったので、誰が生きそうとか死にそうとか全然わからなかったのは良かった。何となく、すぐにレンタル店に並びそうな気がする。。。
[映画館(字幕)] 5点(2019-05-16 20:24:45)
12.  グリーンブック 《ネタバレ》 
面白い!作中のドクターシャーリーのキャラそのままのように小粋な作品である。考えてみると不思議な作品でもある。特に派手なアクションがあるわけでもなく、銃が頻繁に出て来て緊張を強いるわけでもない(全く出てこないわけでもないが・・・)もちろん派手なCGもない(おそらく車のシーンとかで地味に使われている程度)それなのに、全く飽きないのは何故なのだろうか。中ダレも一切なしで上映時間2時間10分があっという間であった。おそらく脚本が良いのと、監督の演出や編集がうまくてスムーズなのだろう。米国南部では差別が特に強かったということは話ではよく聞いていたが、こうして映像で観るとこれがほんの数十年前まで普通に行われていたのだということに改めて驚く。(勿論今でも完全に無くなった訳ではないだろうが・・・)それにしてもトニーリップの奥さんが本当に素敵な人で惚れ惚れしてしまう。個人的には「フィールドオブドリームス」におけるレイキンセラの奥さん、アニーと並ぶ素敵な女性像である。主人公の奥さんがカッコ良い人物の映画は名作という個人的な説がまた強まった。蛇足だが、シャーリー約のマハーシャラアリの声や風采がどことなくプリンスに似ていた。特に「トニー」と声かける際の声が。
[映画館(字幕)] 8点(2019-04-18 11:04:56)
13.  翔んで埼玉 《ネタバレ》 
この映画の感想としては絶対的に間違っているのかも知れないが、とても感動した。私も、もともとは笑える映画だろうと思っていたし、笑わせてもらうと思って劇場に行ったのだが、劇中に描かれる埼玉県民の悲喜こもごものドラマを見るにつけ、どんどんと胸が熱くなっていき、ガクトさんが、分断している埼玉県民に対して熱く演説をするシーンでは不覚にも泣きそうになってしまった。思うのだが、本作は埼玉県民以外の方のほうが笑えるのではないだろうか?私のような子供の頃から埼玉に住み続けている人間(そして一度でも他の出身の人間から「あ〜ださいたまね」とリアルに言われたことがある人間(笑))は、もはや笑いすら通り越して感動してしまうんではないだろうか。とにかく埼玉をこんなに熱く、かっこよく描いてくれた製作陣に感謝。
[映画館(邦画)] 7点(2019-04-03 12:01:40)(良:1票)
14.  新感染 ファイナル・エクスプレス 《ネタバレ》 
恥ずかしながら、韓国映画を観るのはこれが初めてかもしれない。なんとなく、韓国というと「冬のソナタ」に代表されるような恋愛物が多いのかと思っていたが、当然それだけではなく、様々なジャンルの映画があるわけで、こういった韓流なら大歓迎である(偉そうに聞こえたらすみません)。さて本作の内容としては、所謂ゾンビ物なのだが、少し自分にはシリアス過ぎる感じがした。特に最後の方は、個人的に最も苦手とする演歌的な泣きの展開だったので、少し厳しかった。コメディとまでは行かないまでも、もう少しドタバタした展開を期待してしまった。しかし 画、音響共に終始ハイクオリティな内容で、飽きさせない映画だったと思う。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2018-11-16 20:42:51)(良:1票)
15.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
いやあ、素晴らしい。映画を観てこんなに泣いたのはいつ以来だろうか?なんでこんなに泣けるかというとこれが本当の話だからだろう。細かいところまでブライアンとロジャーが監修に携わっているようなので、描かれている事の殆どが事実というかそのまんまと捉えて良いようだ。実際にその場にいた人だけが作れるリアリティというのがあって、そのリアルさはある意味オリバーストーンの「プラトーン」にも近いと思う。名曲誕生の裏話など、ファンとしては答え合わせをしているような楽しさもあり、また自身のアイデンティティとの葛藤を誰よりも持っていたフレディが、だからこそ誰よりも人に愛されることを求め、そしてそのフラストレーションを音楽にぶつける事で人々を魅了していく様がとても良く伝わってくる。音楽というのはその人そのものが出るものだと思うが、やはりフレディという人だったからこそあの名曲達が生まれたのだと改めて納得させられた。ファンには、半分に切ったような独特なマイクスタンドの誕生秘話あたりも見れて楽しい。極めつけはLIve Aidでのステージをほぼ完全に再現したクライマックスで、内情を知った上で見ると1曲ごとの重みがまた凄いし、最後のWe are the Championsでの大合唱なんて、もうどうしたって胸が熱くなる。病気を押してのステージという事では美空ひばりの不死鳥コンサートと共に永遠に歴史に刻まれる名演であろう。しかも、見ている側には決して病魔に冒されているなんてことは感じさせないパワフルなパフォーマンスである。Live Aidも、翌年の Magic tourでのウェンブリーも然り。。  早くも本年度オスカー候補の声もあるラミマレック、そしてブライアンメイ役の方も、とにかく皆本当にそっくりで「あれ?これは本人を見ているのか?」と何度も錯覚するほど。本当に本人がのり移っているかのようであった。(そっくりといえば、映画開始直後ウェンブリーのバックステージ階段で、若き日のU2と思われるメンバーとフレディがすれ違うシーンがあるのだが、その際ボノがちゃんと学ランらしき物を着ていて、そんなところの再現度の高さにびっくり。ボウイも一瞬髪型だけ登場(笑))  というわけで、Queenファンは言うに及ばず、きっとQueenの事を知らない方でも一つの音楽映画、伝記映画として十分に楽しめる作りになっていると思う。(そう信じたい。)きっとQueenのこと知らなかった方も、この映画見た後はQueenを聞きたくなるんじゃないかなあー。もう一回観に行こう。
[映画館(字幕)] 9点(2018-11-11 08:54:12)(良:4票)
16.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
この映画が描いているのは、何かを創造する事の素晴らしさであり、もっと端的に言うのなら、「働く事(≒生きる事)の素晴らしさ」であろう。それは、ほとんど誰もが共感できるテーマであり、だからこそこの映画はこんなにも多くの人に受け入れられているのだろう。形は違えど、サラリーマンであれ、専業主婦であれ、誰もが日々働いており、誰もが日々何かを創造しているのだから。(実際、小さなお子さんを育てられているお母さん達の日常は、この映画の現場のような事の連続だと思う。)物語の終盤、最早人としての好き嫌いをも超越し、それぞれが一つの目標に向かって個々の役目を全うしようと懸命になる姿は、まさに現代人としての生き方そのものを描いていたと思う。  というわけで、ソンビを通じて実は人間を描いているというのは、昔から多くのゾンビ映画がやってきた事であり、そういう意味ではこの作品も立派な「ゾンビ映画」であると言える。ただ違う点があるとすれば、今までのゾンビ映画が割と人間の愚かさや浅はかさなどを描いてきたのに対して、今作はこれ以上ないくらい爽やかな人間賛歌になっている所だろう。
[映画館(邦画)] 8点(2018-10-26 11:04:10)(良:2票)
17.  ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 《ネタバレ》 
日本の朝ドラなどで良く見るいわゆる創業者ものとは違い、美談でも無いし、爽やかなお涙頂戴ものでもなく、ビジネスの「えげつない部分」をドライに描いた作品。でもこれは事実なのだからしょうがない。観ている側とすると、やはりマクドナルド兄弟のアイデアに感銘を受け、どうにかして全国にそのレストランを広げようとレイクロックが走り回る前半がより楽しく感じられた。段々と対立していき、最後には追い出されてしまう後半は、マック兄弟が気の毒に見えて仕方なかった。何かもっと他に方法は無かったものかと、考えてしまう。マイケルキートンの演技が良かった。ローラダーンがレイクロックの最初の奥さん役で出ている。
[DVD(字幕)] 6点(2018-10-17 09:48:50)
18.  ライフ(2017) 《ネタバレ》 
面白かった。イメージよりも至極まっとうなホラー映画という印象が残った。舞台が宇宙ステーションなのでSFとつけたくなるが、どちらかと言うと,それこそセリフにも出てきた「死霊のしたたり」(Re-animator)や「死霊のはらわた」、もしくは「バタリアン」などの古き良き80年代ホラー映画が比較対象になりそうだし、それらへのリスペクトをより感じられた。極め付けは、ほとんどブラックジョークとも取れるあのエンディングで、それこそ80年代のホラー映画にはああいう笑って良いのか一瞬迷わせるような強烈なブラックジョークで締める映画が多かったものだ。話は変わるが劇中出てくる「もっとゆっくり急いで(Slow to go fast)」というセリフは、真田広之がバブル期に主演した伝説の「病院へ行こう」という作品に全く同じセリフが出てくるので、ひょっとしてこれは監督のお遊びなのか・・・と思ったがこれは考えすぎだろう。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-09-26 21:04:52)
19.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 
とてもリズム感の良い作品。使われる曲のリズムに映像や音響がシンクロしながら進んでいくのでとにかくテンポが良い。特に銃声やクラッシュ音が音楽に同化しているところなど、こういう演出は普通、少し冗談ぽくなってしまうものだが、徹底してやりきっていてあくまでスタイリッシュに魅せるのが凄い。編集は相当苦労されているのだろうと察せられる。というわけで音楽好きは気に入るはず。Queenの曲の中でも「隠れた名曲」の筆頭である(※諸説あり)Brighton Rockをクライマックスに持ってくるあたりに監督の捻くれたセンスを感じた。この監督さんの作品は初めて観たが、他の作品も観たくなった。サントラ欲しい。レッチリのフリーが強盗団の一員として出ている。 
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-09-18 10:28:59)
20.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 《ネタバレ》 
これは相当な力作だな・・と鑑賞後殆ど感心に近い感想を持った。やっぱり画面からトムクルーズの本気度が伝わってくるのが一番のポイントだろう。これを言ったらおしまいかもしれないがそれこそ80年代のジャッキーチェン映画を観ている時の興奮に近いものがあった。まさに体当たりアクションの連続で、正直トムクルーズがこんなに体を張ったアクション俳優になるなんて、トム=「カクテル」や「ハスラー2」のイメージだった自分にはとても想像できない未来であった。ストーリーの方は相変わらず自分には少し複雑すぎて分からない部分も多いのだが、自分の中の映画方程式「よく分からない≠面白くない」が今回も証明される形となった。パリの入り組んだ細道をカーチェイスし、車をスタックさせた後バイクに乗り換えるシーンでは、トムのバイクのエンジンが掛からず、その際一瞬自転車が映ったので、「ついにトムクルーズ自転車に乗るのか!?(=プロジェクトA)」と一瞬相当期待したのだが、やはりそれは無かった(残念!!)鑑賞中「どうだろう、7点かな・・・」なんて思っていたのだが最後のヘリコプターでのチェイスと山小屋でのベンジー救出、そして爆弾解体シーンの見事なモンタージュで1点追加し文句なし8点となりました。いやはや、本当に良いものを観させていただきました。
[映画館(字幕)] 8点(2018-08-17 00:09:34)
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