1. ローラーとバイオリン
ギリギリまでセリフを削った脚本と映像のセンスで引っ張っていく作品。なんとも後味の悪いラスト、芸術と労働が交わることがないという悲しさ、佳品だと思うが、後の凄すぎるタルコフスキー作品を知っているだけに、小品として見えてしまうのが残念。 [映画館(字幕)] 6点(2021-11-21 16:38:04) |
2. 007/ロシアより愛をこめて
《ネタバレ》 全体的にショボい。これで大ヒットならおいしいと思う。金貨に目が眩む敵の殺し屋は強くないし。ナンバー3との闘いは笑うところにしか見えない。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-10-17 14:29:04) |
3. 悪い奴ほどよく眠る
《ネタバレ》 バッドエンドなラストは賛否の分かれるところだろうと思う。全体が舞台劇のように進行して映画としての面白みに欠ける。まるで脚本の朗読を聞かされているような気がする。せっかく理詰めに進行させたのだから、あっと驚く大成功、圧倒的な映像で終わった方がカタルシスがあったように思う。ラストのくだりもセリフで説明されたのでは本当に舞台を見ている気になる。同じ巨大権力の勝ちというオチなら松本清張の「中央流砂」の方が凄味がある。贅沢な俳優陣がこれではもったいない。 [映画館(邦画)] 5点(2021-01-05 14:41:38) |
4. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 この映画に対して、思想性とか哲学とか人間の本質とかいったものを求めてはいけないと思いながらも、あまりの無意味さに空振り感が半端ない。エンターテインメントと割り切っても面白くないのはなぜだろう。三船が絶対活躍するというベタな設定。裏切っていたと発覚しても、切り殺さずに「時間がない、そんなのは後にしろ」って石に縛り付けるのはいかがなものか。石に縛り付ける方が、切り殺すより時間も手間もかかるのに。あまりにもご都合主義が過ぎると思う。 [映画館(邦画)] 4点(2021-01-03 19:08:09) |
5. アンドレイ・ルブリョフ
《ネタバレ》 33年ぶりに観た。鐘造りに挑戦した少年の勇気に自らを省みて再び絵筆を取るアンドレイ。アンドレイの魂の叙事詩とでもいうべきこの作品は私にとってとても大切な映画。生きる指標ともなる特別な映画。タルコフスキーの美しい白黒映像と相まって最大の評価をしたい。また、いつの日か観たいと思う。 [映画館(字幕)] 10点(2020-11-08 08:42:21) |
6. あゝひめゆりの塔
いったい何を感動すれば良いのか。意味不明な映画。ただ機銃掃射と爆撃の描写は素晴らしかった。火薬の量がバッチリきまっている。CGは実写の足下にも及ばないと良くわかる。 [インターネット(邦画)] 3点(2020-08-11 15:02:45) |
7. サイコ(1960)
前半と後半で主人公が変わってしまうのはいかがなものか。それだけに意外性はあるが、ちょっと話の座りが良くないと思う。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-14 19:58:18) |
8. 飼育(1961)
《ネタバレ》 大江健三郎の傑作を大島渚的世界に換骨奪胎した映画。原作の素晴らしさとは別な、大島渚の映画として純粋に素晴らしいと評価したい。日本人や戦争に対する反骨精神に貫かれている。黒い闇が秀逸。それにしても卑俗な田舎者を完璧に演じた三国連太郎はやはり希代の名優。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-05-14 20:12:40) |
9. 妻は告白する
《ネタバレ》 若尾文子が、小芝居尽くしの演技をしているのでびっくりした。でもそれが許されてしまうだけのキャラクターを持っているのは凄い。 しっかりとした演出で見ごたえもあるが、オチはあれでいいのか?悪女を予想していたのに見事に肩透かしでした。 [映画館(邦画)] 6点(2020-03-21 20:21:03) |