1. 八犬伝
馬琴と北斎のやり取りは、それなりに見ごたえがあった。 只、物語の再現は、戦闘シーンのみフィーチャーされて、本来の「八犬伝」の面白さが伝わらない。 まあ2時間40分の尺で、物語パートはその半分だから無理なのはわかるが。 全体的に画面が暗いのも気になる。役者の表情が良くわからない。 原作は未読だが、面白そうな題材だと思って期待した割には今一つの出来で残念だった。 [映画館(邦画)] 6点(2024-11-11 23:14:41) |
2. 侍タイムスリッパー
《ネタバレ》 まず、無名だがいい役者を使っていると思った。 主役の山口馬木也は顔つき、たたずまいが侍としか思えない程ハマっている。師匠役は剛毅で殺陣に対する情熱が魅力的で、和尚役は何とも言えない味わいやユーモアがあって癒される。 ストーリーは冒頭のタイムスリップ以外は別段驚くような展開は無く、少し退屈ともいえるが、全体を通して衰退していく時代劇に対する深い愛情は感じられる。 前半は、主人公が現代になじんでいく様子を戸惑いながらもユーモラスに描かれる。彼に関わる人たちが根掘り葉掘り詮索せず、自然なまま受け入れる姿が良い。 後半はタイムスリップした敵役を通し、武士の生きざま、時代劇に対するリスペクトが描かれる。 またこの映画ではインパクトのある音や音楽が随所に使われており、場面を盛り上げる効果を上げている。 ラストにちょっと笑えるおちがあるのも良かった。 [映画館(邦画)] 6点(2024-10-07 23:23:11)(良:1票) |
3. 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
大人向けの鬼太郎が観られるかと期待しての鑑賞。 冒頭から中盤まで「犬神家の一族」「八つ墓村」を思わせるおどろおどろしい雰囲気で非常に興味を引く。 水彩画のような作画も丁寧で美しい。 ところが後半にかけて、幽霊族やら何やらややこしい話しになっていき、激しい闘いのシーンが多くなり、正直観るのがしんどくなる。 どこまで原作に忠実なのかわからないが、もう少し分かり易く簡潔に作れなかったのかと感じた。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-05-05 12:57:16) |
4. すずめの戸締まり
新海監督の世界観が良く出ていた。 街の風景など映像が美しく、主人公のすずめが可愛かった。 後半から終盤少しダレルが、前半のロードムービーの部分は面白かった。 [地上波(邦画)] 6点(2024-04-14 15:24:40) |
5. ゴジラ-1.0
《ネタバレ》 山崎監督の脚本が良く出来ており、ちゃんと人間ドラマが描かれている。 「自分にとっての戦争はまだ終わっていない」という神木君の言葉は重い。 その上で山崎監督お得意の最新特撮技術が盛り込まれており見ごたえがある内容に仕上がっている。 終盤、クライマックスシーンでは伊福部昭の有名なテーマソングが鳴り響き、興奮せずにはいられない。 ラストの結果については、皆さま思われている○○〇の2番煎じと思えなくもないが、まぁ、面白ければいいんじゃないでしょうか? [映画館(邦画)] 7点(2023-12-02 17:32:31) |
6. 余命10年
小松菜奈の演技が気になるので鑑賞。 題材的手には難病ものなのでストーリーに新鮮味がない。 何か物足りないまま観終わった感じ。もう一工夫ほしかったかな。 リリー・フランンキーが、地味だが存在感がある役でいい味を出していた。 [地上波(邦画)] 5点(2023-11-26 10:38:44) |
7. ラストレター(2020)
岩井監督の「Love letter」の世界観が凄く好きなので今回も満足できました。 広瀬すず、森七菜というフレッシュな若手女優を使っており、あいかわらず美少女を撮るのが上手だなと感じました。 仙台の美しいロケーションも良かったです。 全編ゆっくりと過ぎていく中で心地よい時間を味わうことができました。 中山美穂、豊川悦司は友情出演程度の扱いでしたが、中山の劣化が酷くて正直出てほしくなかったかな。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-10-18 11:22:39) |
8. 峠 最後のサムライ
《ネタバレ》 昔、原作を読んだが詳細はお覚えておらず。 短時間での映画化なので、継之助の人物像をどこまで描けていたのか? 最新の洋式軍備や調練を行い来るべき時に備えていたのはわかるが、官軍との交渉があまりにもお粗末だと言わざるを得ない。 いきなり官軍の一指揮官を訪ねて嘆願書を渡す前に、もう少ししかるべき人物とのすり合わせなどできなかったのだろうか? あわよくば、独立勢力として存在感を示すという志は高いが少し短慮に思える。 役所広司は好演していたが、内容的には今一つかな・・。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-10-07 12:42:14) |
9. アキラとあきら
原作が池井戸潤だからTVドラマを観ているような内容になっているのは致し方なしか。 ドラマとしては面白く良く出来ていたと思う。 竹内涼真は正義感あふれるヒーローで持ち味を発揮、横浜流星は最近の若手男優の中では最高にカッコイイです。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-10-05 11:36:34) |
10. 前科者
《ネタバレ》 正直、全体的に重苦しく内容も面白くなかった。 有村、森田など好演しているんですが・・・。 工藤は更生に向けて順調に歩み始めていたのだが、弟との再会によって犯罪に巻き込まれてしまう。 只、弟の行動がいくら母親の不幸があったからとしても極端すぎて理解しかねる。リアリティが欠けているんですよね。 又、阿川も、少女時代のトラウマがあるとは言え、ボランティアの保護司の仕事にあそこまで肩入れし過ぎたら、人生不幸としか言いようがない。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-10-01 19:20:50) |
11. 燃えよ剣(2020)
《ネタバレ》 全然期待せずに観たらすごく良かった。原作既読なのでストーリーはほぼ頭に入っているので問題なし。 (原作未読の幕末初心者には話の展開が早すぎて難しかったかも知れない) 岡田准一がまさに適役。土方のストイックな雰囲気に加えて、殺陣の所作が大変美しい。 この映画はまず岡田君主役なしには考えられない。 次に夜の京の街の再現、ロケーションが素晴らしく、池田屋など迫真のシーンが描かれる。 岡田君以外のキャスト、鈴木亮平、山田涼介、柴咲コウなどそれぞれ持ち味を充分発揮しており良い出来だった。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-10-01 19:00:47) |
12. 老後の資金がありません!
《ネタバレ》 誰もが気になる老後の資金問題であるが、お気楽なコメディなのでリアリティに欠けています。 家を売ってシェアハウスとかあり得ない。気まずくなって出て行く時は住むところ無いよ! 只、天海祐希と草笛光子の掛け合いが面白く意外と退屈せず最後まで鑑賞しました。 「ラストダンスは私と」のデュエットシーンは良かった。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-09-21 16:32:16) |
13. PLAN 75
《ネタバレ》 まずこの様な難しいテーマを真正面から映画化した制作スタッフに敬意を表したい。 そして大御所女優の賠償千恵子さん・・自ら老いを晒して果敢に役を演じきった勇気が素晴らしい。 一番の見せ場はPLAN75のコールスタッフの若い女性と賠償の最後の会話のシーン。淡々とお礼を述べる賠償に対して情が移って言葉を詰まらせる若いスタッフ・・切なすぎて涙が溢れた。 只、少子高齢化社会に対する問題提起はしたものの、結末がスッキリせず中途半端に終わってしまったことは残念でならない。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-09-21 16:16:44) |
14. 月の満ち欠け
《ネタバレ》 コレはファンタジーですか、それともホラー映画ですか? 瑠璃の生まれ変わりは二人も現れる、恐ろしや〜。何回も生まれ変わる程たいそうなエピソードでもない様な気がするが・・。 そして正木は二人も同じ様な事故を誘発、コレはまさに死神やな。 こんなあちこち身の回りに生まれ変わりが現れたら混乱するな(笑) 正直、ネタバレした後半は退屈極まりなかった。 [インターネット(邦画)] 4点(2023-07-30 14:20:36) |
15. ベイビー・ブローカー(2022)
《ネタバレ》 全体を通して登場人物たちの心情がまるで伝わってこないのが難点。 又、以下の様な雑な設定も気になる。 殺人の詳細は解らないが、韓国では傷害致死で3年の刑期で済むのだろうか? 刑事が殺人の犯人と知りながら、人身売買の捜査を優先させる意味もわからない。 家族をテーマに数々の名作を作ってきた是枝監督にしては残念な出来である。疑似家族というテーマでは「万引き家族」の方が優れていた。 [DVD(吹替)] 4点(2023-07-23 21:02:17) |
16. 流浪の月
《ネタバレ》 更紗にとって文の存在が安住の地だったのだろう。只、世間は常識に縛られた認識しか持たず、二人を苦しめる。 広瀬すずが大人になって迫真の演技を魅せる。 映画全体的には重苦しい空気が流れるが不思議と居心地は悪くない。 とりあえず、ラストの展開・・外面的に不幸な結末ではあるが内面的には二人の絆が確認出来て救われた気がした。 [DVD(邦画)] 6点(2023-07-20 14:42:58) |
17. インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
《ネタバレ》 インディ・ジョーンズと共に青春時代を過ごしてきた私としては、この最終作をとりあえず劇場で見届ける使命を感じ今回観賞に至りました。 冒頭、若き日のインディが現れるがAIの特殊撮影で作成されたものと思われ、これが非常に違和感なく良くできている。 只、ナチスと対戦するアクションは激しいが、画面が暗く大写しが多いので分かりづらい。 時代は現代(といっても60年代後半)に移って現在のインディが現れるが、80歳にはみえない若々しさにとりあえず安心。 此処から元ナチス科学者との暗闘が始まるが、カーアクションをはじめ以前観たようなシーンが多く今一盛り上がれない。 共演の女優、少年にも、「魔宮の伝説」の二人の様な魅力が感じられず・・。 今回のテーマはアルキメデスを絡めたタイムスリップになっているが、このシリーズは不老不死の様なオカルトの方が合っていると思う。 最後にマリオンが登場するが、月日の流れが感じられ、少しジーンと来るものがあった。ここで1作目の回想シーンなど流して貰えばもっと感慨深かったのですが・・。 取り敢えず、長い年月をかけて完結させた、ルーカス、スピルバーグに感謝。 最後に、この作品も気が付けばスターウォーズ同様ディズニーになっていた。 [映画館(吹替)] 6点(2023-07-16 21:48:27)(良:1票) |
18. ザリガニの鳴くところ
《ネタバレ》 湿地に取り残された少女が、街の人々の偏見の中、一人で力強く生き抜く姿が描かれる。 美しく育った少女に魅了される男性も現れる中、恋愛の喜び、葛藤を中心に話しが進展していく。 主演女優が大変美しく魅力的で、自然のロケーションも素晴らしい。 ミステリーに恋愛要素が加わり、物語として大変面白かった。 売店の黒人夫婦や弁護士との触れ合いが温かく物語に味わいを加えている。 只、野生児として育った割には最初から小綺麗な身なりをしている不自然さは感じた。 [DVD(吹替)] 7点(2023-07-15 19:55:46) |
19. コーダ あいのうた
《ネタバレ》 主役のエミリア・ジョーンズが良かった。 家族同士でもろうあ者という特殊な環境の中、ただ1人健常者のルビー。父母から見れば娘でもわからないことが多いのは当然だ。 又、生活する上で娘を頼ってしまいがちな事もよくわかる。そんな葛藤の中、難しい心の機微をエミリアは好演していた。 コンサートのシーンで一瞬、父母兄の立場になって音が消える・・改めてリアルに感じられる演出が素晴らしい。 映画全体的には青春映画の作りで、恋愛も描かれて、ハッピーエンド。ろうあの問題点もそれ程深刻に掘り下げていない。 佳作ではあるがアカデミー作品賞とまでは?、という考え方は古いのかな。 [地上波(吹替)] 7点(2023-07-09 11:40:39) |
20. ある男
《ネタバレ》 日本アカデミー賞で8冠とかで凄く評価されていたので結構期待して鑑賞。 終始、暗く重苦しい展開。テーマがテーマなので仕方無いと思われるが、ストーリーが面白くない。 ヒューマンドラマである事はわかるが、ミステリーの謎解きの要素がもう少し欲しかった。 本物谷口のエピソードが薄すぎるのも難点かな。戸籍を交換する過程ももう少し掘り下げて欲しい。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2023-07-08 18:10:10) |