2. ゴッドファーザー
《ネタバレ》 見直すたびに新たな発見がある。自分の気づきなのだが、見直す事の楽しみになっている。マイケルが一家の家業と距離を置くカレッジボーイから、徐々に、マフィアの世界に足を踏み入れていく過程が丁寧に描かれている。無理のない、納得できるエピソードが要所要所にあるのだが、ポイントは、あの病院のシーンではないかと思えてきた。父が撃たれて入院し、見舞いに行くが仲間の見張りが誰もいない。警察に追っぱらわれたらしい。危機を察知して、とっさに父をベッドごと別室に移し、見舞いに来た男と一緒に病院の入り口に立ち、仲間の応援を待つ。緊張で震える男を鼓舞して、暗殺に来た敵をハッタリで威嚇し、危機を乗り切るマイケル。この後の、レストランでの暗殺のシーンが強烈なだけに、つい印象が薄くなってしまっていたが、この病院での振る舞いが、正に明確な分岐点であり、最後に描かれる、冷酷で情け容赦のない新しいゴッドファーザーの誕生シーンに結びついていると思えた。まあ、また見直した時に、別の事を思うかもしれないけれども、あそこから、マイケルの顔の表情が、アル・パチーノの演技なのだろうが、明らかに変わった。映画としては文句なし、傑作だ。 [インターネット(字幕)] 10点(2023-10-30 21:27:13)(良:1票) |