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プロフィール
コメント数 22
性別 男性
年齢 50歳

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1.  座頭市(1989)
(2005年 テレビ録画視聴時のレビュー)  本家・勝新座頭市のシリーズ26作目です。勝新座頭市の最後の一作。ちなみに監督も勝新。 私は本家の座頭市を観る前に北野座頭市を観てしまいました。そして今度は本家の最後の作品。何だか順序が逆ですね。  北野座頭市も北野らしいセンスで描かれていてなかなかいい、と思っていましたが、本家・勝新のスゴさを目の当たりにしてしまうと、やはりモノが違うと言わざるを得ません。  俳優・勝新を初めて観た私が勝新を語ることは恐れ多くてできませんが、とにかくその存在感と独特な個性はスゴいもんです。あれだけ自由奔放な生き方をしながらも皆から愛されていたのもわかる気がします。勝新座頭市を観ると、勝新に敬意と親近感を抱かずにはいられません。
[地上波(邦画)] 6点(2021-02-06 00:27:44)
2.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 
太平洋戦争時のジャワ島の捕虜収容所を舞台にした作品。 登場人物みな軍人・軍属でありながら、戦闘シーンはまったく無い不思議な作品です。  太平洋戦争、捕虜収容所、と来ると、反戦映画かぁと連想してしまいますが、直接的な反戦のメッセージはありません。 ただ、戦闘による殺し合いは無くとも、戦争という極限状態での人間の葛藤が何重にも描かれており、やはりこれは反戦映画なんだろうなとも思います。  ビートたけし演じるハラ軍曹は、捕虜たちを折檻する残虐な軍人である一方で、欧米の文化に憧れを持つ素朴な顔を見せたり、処分覚悟で軍規を破り捕虜を助ける心優しい面を持つ人物として描かれています。 坂本龍一演じる収容所長ヨノイ大尉は、自らを厳しく律する青年将校で、聡明で寛容な人物として描かれているのにも関わらず、終盤では捕虜たちにエキセントリックな振る舞いを見せ、抵抗を見せた捕虜長を殺害しようとします。  ハラ軍曹は、恐らく元々はシャイで心優しい人柄の人物だったのでしょうが、戦争という極限状態のなか、軍人として生き抜いていくためには粗暴な人物にならざるを得なかったのではないかと感じさせます。またヨノイ大尉は、聡明で寛容な人物であるのに、大日本帝国陸軍という異常な組織の中で、また敗色濃厚となった情勢に鑑みて、自らの知性や理性をかなぐり捨てて、残虐な収容所長にならざるを得なかったのではないかと推察されます。 戦争という極限状態のなか、本来の自分を封殺して生きざるを得なかった2人の悲しい姿が印象的でした。  大島渚という一筋縄ではいかない怪人物が作ったこの作品、決してわかりやすい作品ではないので、私の考察も間違っているのかもしれません。いや、恐らく一面的な解釈ができる作品ではなく、解釈は観客に委ねられた作品なんでしょうね。 デヴィッド・ボウイ演じる捕虜セリアズのキスシーンや、ラストのハラ軍曹の「メリークリスマス」は、いくつもの解釈が可能なシーンであり、正解は恐らく無いんだろうなとも思います。  ビートたけし、坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、内田裕也、ジョニー大倉といった、役者が本業ではなく演技上手ではない人たちがキャスティングされたことで、独特の雰囲気を持った作品でもあります。 なかでもビートたけしと坂本龍一の演技は、セオリーから言えばとてつもなく酷い演技なのだろうなぁと思いますが、ハラ軍曹やヨノイ大尉の人物像には不思議と合っていて、大島渚の天才ぶりを感じます。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-02-03 01:08:59)(良:2票)
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