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プロフィール
コメント数 14
性別 男性
自己紹介 新作やトレンドはどこ吹く風。
思いついたときに今どき見る人もいないような映画について、レビューという名の雑文を書き散らしています。
鑑賞のご参考にはなりそうもありませんが、どこかに共感するところを見つけて面白がっていただけると喜ばしく思います。

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1.  哀愁
美男美女による悲恋物語。 ルッキズム批判の現在のハリウッドでは作れない映画でしょう。 「哀愁」という日本語タイトルは、いささか微妙だと思います。 映画の前半部分は戦時の暗い世相ということはありますが希望の感じられる雰囲気で語られます。 時々コミカルな描写も挟まれるくらい。 だからこのタイトルはやや結末のネタバレという気がします。 まあこの映画が輸入された頃は 漢字2文字タイトルが流行りだったようなので、漢字熟語のリストから順番につけられていったのかも。 もしかすると他の映画が「哀愁」になってるってこともあったかもしれません。 お話は第一次世界大戦が舞台ですが、動員が格段に増えた第二次世界大戦以後同様の話が何本も作られています。 「シェルブールの雨傘」からロックオペラ「トミー」まで。 日本映画にも何度もリブートされています。 緩やかな反戦映画と言えるかもしれません。 「蛍の光」を三拍子に編曲したテーマ曲は、サウンドトラック盤が手に入らなかったため古関裕而氏が耳コピして楽譜にしたものが販売されたそうです。 今でもデパートなどの閉店時にこの「別れのワルツ」が流されるごとに小関氏側に著作権使用料が支払われているとかいないとか。 うまいことやったなあ。 そうそう通天閣で有名なビリケンさんもこの映画がもとですよ。
[DVD(吹替)] 7点(2024-02-16 01:08:24)
2.  アメリカ交響楽
原題は「ラプソディインブルー」。 ジョージ・ガーシュウィンの言わずと知れた代表曲。 大胆にジャズのイディオムを取り入れたセミクラシック楽曲で今もよく聞かれます。 「のだめカンタービレ」でもサブテーマ曲として使われていましたね。  僕が最初に聞いたバージョンは グレン・ミラーによるスイングアレンジでしたが、これもとても楽しい名曲です。 このアレンジでは原曲の冒頭大胆なクラリネットのグリッサンドがないのがやや寂しいですが。 とはいえこの原曲のオーケストラアレンジはガーシュウィン自身がしたものではないようです。 作曲は巧みでも編曲がやや苦手だったらしく彼のほとんどのオーケストラ曲はグローフェ他の人の手を借りたものだと言います。 その意味ではこの「アメリカ『交響楽』」 というタイトルはいささか的が外れていると言えるかも。 『交響曲』じゃないだけましかな。 物語中で交流があることが描かれているモーリス・ラベルは「オーケストラの魔術師」と呼ばれるほどの人だったのに、ガーシュウィンにオーケストレーションを教えてあげなかったのかな。 食えないじいさんだよね。 まあどちらも多忙な人だったということがあるのでしょう。 ガーシュウィンが亡くなって数年後に作られた映画ということで、生前に交流のあった当人が何人も出演している映像がとても貴重。 特に「スワニー」を歌ったアル・ジョルスンの映像は顔を黒塗りするという芸の性質上現在のアメリカでは事実上見ることが不可能でしょう。 日本のコンプライアンスは健全なのです。 長い指揮棒を振りまくるキングオブジャズ、ポール・ホワイトマンの映像も見られます。これはジャズとクラシックの融合が世に現れた 貴重な瞬間の再現なのです。 ショービジネスの分野から多彩な人材がクラシック音楽の変革を目指していく。 こんな時代がかつてあった。 それを教えてくれる映画です。 現在のクラシック音楽の世界というのがやや硬直し面白くないものに見えるのは何でですかね。
[DVD(字幕)] 7点(2024-02-16 00:57:49)
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